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メイドインアビス・はじめてのギャル・ゲーマーズ!・異世界食堂・ナイツ&マジック・アクションヒロインチアフルーツ・天使の3P!・クリオネの灯り・ようこそ実力至上主義の教室へ・恋と嘘 ~2017年夏アニメ評!

『慎重勇者』『超人高校生』『本好きの下剋上』『のうきん』『けものみち』 ~2019秋アニメ・異世界転移モノの奇抜作が大漁!
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[アニメ] ~全記事見出し一覧


 2020年1月17日(金)からアニメ映画『劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明』が公開記念! とカコつけて…… その前日談たる深夜アニメ『メイドインアビス』(17年)評ほか、同季2017年夏アニメ全10本のレビューをアップ!


メイドインアビス』『はじめてのギャル』『ゲーマーズ!』『異世界食堂』『ナイツ&マジック』『アクションヒロイン チアフルーツ』『天使の3P!』『クリオネの灯り』『ようこそ実力至上主義の教室へ』『恋と嘘』 ~2017年夏アニメ評!

(文・T.SATO)
(2017年12月13日脱稿)

メイドインアビス


 「アビス」というから「深海」かと思いきや「地底」。
 高度な文明が崩壊してから数百~数千年後っぽい、西欧中世都市みたいな世界観。直径1キロ・深さ20キロの巨大タテ穴のフチに人々は住まい、タテ穴から古代のロスト・テクノロジーの遺物を発掘することで栄えている。
 だが、重力異常か呪いなのか、タテ穴の深層に潜りすぎると身体に不調が生じ、人外の存在に変化する可能性もあるという。


 昨今流行りのナンちゃってロー・ファンタジーではなく、本格ハイ・ファンタジーといった印象だが、キャラデザはデッサン骨格シッカリ系ではなく、5頭身かつ顔面もヨコにまるく広がり、お目々の位置も真ん中よりやや下、両眼も左右に離れており、華奢な胴体に末端肥大な手足が付いた、シンプルで幼児的な可愛らしいもの。
 おそらく万人ウケはするのだろうけど、個人的にはこーいうあまりに端正かつ「キレイ可愛い」でデオドラント(無菌)なキャラデザは、世の中の汚いモノや不条理を過剰に忌避(きひ)して見ないフリ、なかったことにするような気配を感じて、プチ抵抗を覚えないでもナイのだが――まぁ作品自体の罪ではナイです――。


 眼鏡の金髪ツインテで学者タイプの女のコ主人公と、見た目はヒトでも記憶喪失のロボット少年くんを主軸に、彼らの周囲の人々の群像劇と、アビスの何層もの階層を降って探検を繰り広げていく姿を描いていくけれど……。


 オタキング岡田斗司夫が本作をホメているのをドコかで読んだが、基本設定はともかく、先の筆者個人のバイアス(偏見)も影響してか、設定確認の段取りチックなストーリー展開に思えて、本作をスキな方々には申し訳ないけど、個人的には心を打たれないなぁ(汗)。
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はじめてのギャル


 オタの天敵である女子高生巨乳ギャルがヒロインである深夜アニメが登場。ヤンキー色漂う少年マンガ誌出自かと思いきや、オタ向けマンガ誌『少年エース』が出自だと!?


 とはいえ、彼女はルーズソックスを履いている……。今時そんな女子高生はいねーヨ!(笑) というワケで、リアルなギャルではなくマンガ的記号としてのギャルだともわかる。
 しかも#2以降、実は彼女は内心はウブだと明かされる。……コ、コレはギャップ萌え!(爆) まぁ公共心皆無の自己中(心)・私的快楽至上主義者の真性ギャルだと、視聴者も感情移入ができないからネ。順当なマンガ的アレンジではあるだろう。


 気弱だけど人並みにスケベな男子高校生主人公クンが、同級のムサい眼鏡・デブ・金髪の下層カースト仲間にそそのかされて、付き合えばヤラせてくれるかも……とのナンちゃって下心で告白したらOKで、付き合い始めたことから始まる珍騒動。
 ラブコメのお約束のご都合主義で、この冴えない男子クンに実は気があった、下級生の妹系チビロリ爆乳&ツンツンした黒髪ロング学級委員のふたりがモーションをかけてくる歌舞伎的様式美まで設けてある。
 ただし変化球も投げており、主人公男子クンにではなく、メインヒロインのギャル子ちゃんに懸想している別のギャル子ちゃんもひとり設定することで、同期夏季アニメの『恋と嘘』同様に「同性愛」も入れている。


 ロリ声の小倉唯演じるチビ爆乳は途中で染めて黒髪からピンク髪となり――今日びの高校生はブラック校則どころか、校則なんて守ってないってことだネ!(笑)――、少年に上目遣いでアピールしてくる。正直ちょっとドギマギ。
 自宅ではギャル風カツラ&トークでナマ配信するユーチューバーでもある黒髪ロングの学級委員は、大ヒット深夜アニメ『けいおん!』(09年)の追加メンバー「あずにゃんペロペロ」から幾星霜の竹達彩奈(たけだつ・あやな)嬢が好演。


 序盤のツカミはよかったと思う。傑作だ! なぞと主張する気もないけど、一応は観られる作品に仕上がっているとも思う――ヒト様に薦める気もないけれど(汗)――。


 しかし、我々オタを露骨に蔑(さげす)むギャル連中は、オタ向け作品では脇役か悪役かそもそも教室にはいないことになっていて(爆)、ギャルではなく巨乳キャラですらもがサブキャラ止まりのお色気要員でメインヒロインには昇格しなくなって久しい現在、本作が覇権を取ることなどアリエナイだろうけど、アニメ化される程度にはニッチなニーズもあるようで、日本のオタの未来も安心だ。
 いやまぁ女性の側でリードしてほしい、筆下ろししてほしいという願望の発露と取れば、日本のオタの未来がやはり不安だけど(笑)。


 女子高生が一律にミニスカ&ルーズソックスと化したのは今は昔の1993年。その10年後の2003年でも両者は健在だったのだが、00年代の終わりまでに「ミニスカは死なず、ただルーズソックスは消え去るのみ」で消滅し、ルーズソックス・ファンの筆者は残念で仕方がナイ(オイ)。
 『とある魔術の禁書目録(インデックス)』(08年)シリーズの制服女子高生ヒロイン・御坂美琴(みさか・みこと)ちゃんにだけは、コレからも末永くルーズソックスを履き続けてほしいものである(笑)。
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ゲーマーズ!


 学園一の金髪お嬢さま系ヒロインが実は重度のゲーマーで、ゲーム同好会を舞台に、クラスの隅っこで(ひとり)ボッチしているオボコいおチビ系のゲーマー少年を好きになってくれる! というラノベ原作の深夜アニメ。
 ……のハズなのだが、メインヒロインよりもサブヒロイン&サードヒロインの方が目立っている。オカシいぞ、この作品は(笑)。


 髪型&私服に無頓着で、シャイさを隠すバリアとするためかボサボサの黒髪ロングで目許を隠し、休み時間は自席で孤独にゲームに興じるサブヒロインのオタ系(ひとり)ボッチ少女。


 話しかけられると赤面・緊張しながら、


「あのあの」「ですです」「そのその」「えとえと」


と片言を反復してテンパっている姿が、筆者もとい弱者男子には、


「異性にテレてしまう自分と同じだ!」「こんなボクでも値踏みして見下してこない!」


と実に強烈な共感&安心感を与えてくれる……(オイ)。


 サードヒロインであるピンク髪のチビ少女も単なる賑やかしかと思いきや、中学時代は黒髪の地味子ちゃんで、意中のガリ勉くんが高校デビューしたのに合わせて、自分もイメチェンしたのだと途中で明かされる。
 け、健気な。ドーでもイイ記号的なキャラだなぁと思っていた筆者のお株も急上昇!(笑)


 その元ガリ勉くんで高校デビューの長身イケメン君も、ドーせ俺のルックスに惹かれたミーハーだろと内心サメてたものが、この事実を知って改めてチビ少女にドギマギ。


 ……アレ? 主人公を中心としたハーレムものじゃなかったの? と訝しみつつ……。


 まぁ野郎の高校デビューも、上背・顔面偏差値・内心のキョドりを隠せるボイスなどが揃わないと困難だけど、内向的なオタの気持ちをむかしの自分だと理解して、主人公らの恋模様を応援する長身イケメン君も実にイイ奴だ。


 もちろんラブコメである以上は、即座に彼らが結ばれるワケがない。彼らの異性への不慣れから来る誤解&不器用から、長身イケメン君がオタ系ボッチ少女の恋を応援する姿に、チビ少女は彼氏の浮気だと誤解する。


 主人公とチビ少女は意外と気が合い仲良くするけど、その姿に長身イケメン君は動揺する。


 主人公とボッチ少女は、ゲームの話題では肝胆(かんたん)相照(あいて)らす仲で、ゲームに「萌え」が必要か否かでは反目するも(笑)、そんな光景にすらお嬢さまヒロインは内心嫉妬する。


 かくて、三角関係どころか四角・五角関係に。


 なのだけど、原作ラノベの挿絵と比して単純化された絵柄が効を奏したか、イイ意味でリアリティの階梯も下がって、浮気(? ~恋人以外の異性との会話・笑)を目撃するや、キャラの色が線画を残して白くなり、砂と化して崩れ落ち、その上をお相手が踏んで歩くようなバカ演出が施されるので、あくまでも楽しいコメディ。


 自作ゲームの数々をネット上でハンドルネームで長年応援してくれた御仁の正体が主人公少年であることをボッチ少女だけが知って、今までと同様の平静な会話ができなくなる、シリーズ後半の彼女の言動にも萌え。


 終盤では、ファミレスでオナ中(同じ中学)のギャルと再会したチビ少女も、地味子の過去をチャラ男どもにバラされたあげくに、イケてないゲーム同好会所属もバカにされて、「オタサー(クル)の姫として舞い上がり、キモオタ部員どものオナペットにされてるハズ」だと罵倒されてしまう!
 けれども、そんな礼節・公共心皆無で人間に上下を露骨に付けて悦に入りチョイ悪・不良性感度を気取っている、全人類の7~8割の正体はたしかにコレだろうと個人的には思える(笑)品性下劣な輩に、彼女が屈せず同好会仲間を友に選ぶと啖呵を切るのもポイント高し。


 まぁ3次元でそこまでヤルと学校や会社で浮くし、協調性ナシだとマイナス人事評価される理不尽な倒錯がまかり通るのも現実社会の厳然たる事実なので、内心ではともかく対外的にはネコをカブってヤリ過ごす方をウス汚れた筆者個人は勧めるけど、フィクションとしてはたしかに胸がすく描写ではある。


 ガチさを求めるゲーム部には入部せず、ユルく楽しむゲーム同好会を設立するあたりも、オタの生き方のモデルのひとつとして、自戒・反省も込めるけど実に示唆的でもある。


 いかにも頼りない主人公少年は、特撮オタク的には『手裏剣戦隊ニンニンジャー』(15年)のハスキーな美少年ボイスの着ぐるみレギュラー敵幹部・九衛門や、同季に放映が開始された『ウルトラマンジード』(17年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20180213/p1)の同じく着ぐるみレギュラーの正義側キャラクター、ペガッサ星人幼年体・ペガ君も演じている潘めぐみ嬢が好演。


 よって、神(かみ)傑作にもなりうる作品のハズなのに、作者・スタッフ・視聴者の誰もが感じていることであろうし、劇中でもメタ的にセルフツッコミ・自己言及もされるけど、作劇上の配分ミスなのか、正体はポンコツの愛すべきお嬢さまヒロインの物語的比重がとても低い。そのために作品の重心が定まらず、非常に散漫な印象を与えているとも思う。
 それでもメインヒロインである金髪お嬢さま美少女のビジュアル&金元寿子(かねもと・ひさこ)嬢が演じる性格良さげ・シッカリ者っぽいハキハキボイスは華があり、登場するだけで求心力があって、かろうじて作品を空中分解から救っていると私見
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異世界食堂


 毎週土曜日にだけさまざまな異世界に接続されるという、日本の某・商店街の雑居ビルの地下1階にある洋食屋さん。そこに集ってくるいろいろな種族の異世界人たちにも、ダンディーなボイスの諏訪部順一が演じているコックのソリッドなヒゲ面の親父さんは分け隔てなくビーフシチューやメンチカツにエビフライなどの庶民的な定番ランチをふるまって、異世界人たちも舌鼓を打っている……といった深夜アニメである。
 異世界人とのコミュニケーションには、設定では魔族でも見た目は金髪ミニツインテールでメイド服姿の人間にしか見えない美少女キャラ・アレッタ嬢が、空腹の果ての無銭飲食の果てに雇われて給仕として働きだすというエピソードを序盤に配することで、作品に女っ気と華(はな)をも与えている。アレッタ嬢を演じるのはアイドル声優上坂すみれ(うえさか・すみれ)。
 そして、30分尺に前半Aパートと後半Bパートで2話を放映するというスタイル。


 私事で恐縮だが、職場の同僚の雑談などに耳をそばだてていると、ネット配信の深夜ドラマ『孤独のグルメ』(12年)や『深夜食堂』(09年)や『ワカコ酒』(15年。5分アニメ版より実写版の方が面白いと私見)にハマっているという声が聞こえてくることがある。
 筆者もザッピング視聴をしていて、それらの作品に遭遇すると、明らかに低予算でゲストの数も少なく、ロケにもほとんど外出しないのに、それでも「食」や「客」の人生に焦点を当てていって味わい深く仕上げた作風に、ついつい見入ってしまったりすることがある。


 本作も原作者のアイデアか編集者の要望かは知らねども、それらのオタク向け異世界ファンタジー版といったところだ。くれぐれも云っておくけど、先行作のマネだと罵倒したいのではナイ。先行作から着想を得たミックス・アレンジであろうとも、面白ければそれでイイし、ツマラなければそれまでのことである。


 とはいえ、悪くはないけど、本作とよく似通っている『深夜食堂』あたりに本作が圧倒的に勝っているかというと……(以下略)。
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ナイツ&マジック


 一応、異世界を舞台にした巨大ロボットアニメ。
 前世では冴えない眼鏡のプログラマーだったオタク青年が、事故で死亡して異世界に転生するや、ショタ受けしそうな銀髪セミロングでハスキーボイスの美少女っぽいローティーンの半ズボン美少年として成長し、そのオタクスキルで巨大ロボ乗りとして頭角を現していく。


 その設定だけを見れば、17年冬アニメの『幼女戦記』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190304/p1)と似ているともいえなくもない。
 しかし本作のファンの方々には申し訳ないけど、あちらが「判ってますよ、オタにとって都合のイイ世界ですよ、傍から見ればイタイですよ、ナンちゃって」感のある「高2病」的なモノだとしたら、こちらは「現実から逃避して別世界へ行きたい! 美少年に生まれ変わって自己愛を満たし、周囲からもチヤホヤされたい!」という願望に、自己懐疑もなく浸っている「真性中2病」作品といった印象だ。
 とはいえ、コレはスレたオッサンの斜(はす)に構えた印象で、本来のアニメの標的年齢層(ローティーン!? だったハズ・笑)を考えれば、コレでイイのだろう。
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『アクションヒロイン チアフルーツ


 「ローカルご当地アイドル」が地方で町興し(まちおこし)する深夜アニメというと、『サクラクエスト』(17年)や『普通の女子高生が【ろこどる】やってみた。』(14年)の2作を想起する。


 しかし、本作の「ローカルアイドル」は、いわゆる「ご当地ヒーロー」ならぬ「ご当地ヒロイン」! 全国各地で「ローカルヒロイン」が隆盛を極めているというウソっぱちの世界観で、地方の女子高生がオリジナルの「スーパー戦隊」――むろん顔出し(笑)――を結成して、悪の怪人と戦うのではなく、ヒーローショーを披露するといった内容であった(笑)。


 ホンモノの「スーパー戦隊」出身であり、『海賊戦隊ゴーカイジャー』(11年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20111107/p1)のゴーカイイエローをナマ身で演じてきたM・A・O(まお)ちゃんが、またまたあまたの2017年の深夜アニメ(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190924/p1)とも同様に主演声優を務めている!


 しかし、主人公なのにクールな性格の女子役なので、筆者には「赤」「青」「黄」などの色を苗字に持った、劇中では第1話よりも以前からヒーローショーのステージに立っていたというキャラたちの方が、アイドル性や華(はな)があって印象に残ってしまう。


 この「スーパー戦隊」でもある女のコたちの集団のなかには、「特オタ(特撮オタク)」も「鉄オタ(鉄道オタク)」も同時に並存している天文学的な確率については、そこは漫画アニメなのだからツッコミを入れるのはヤボであろう。とにかく、この作品世界においてはそうなっているということでイイのだ。


 本作の脚本は特撮・アニメ作品も幅広く手掛けている荒川稔久(あらかわ・なるひさ)。なので、特撮パロディも満載だ。同じく荒川が手掛けた特撮パロが満載のヒロイン戦隊ものラノベ原作の深夜アニメ『俺、ツインテールになります!』(14年)同様に、90歳を超えた大御所・渡辺宙明(わたなべ・ちゅうめい)センセイが別のチームの先輩「ご当地ヒロイン」のために楽曲を提供しており、そこにワザワザ1980年代風の特撮変身ヒーローもののオープニングを再現したイメージ映像などもカブせている――字幕テロップも21世紀の今日における微量にオシャレでセンスもある小さな書体とは異なり、当時の小さなTV画面ではともかく今見るとヤボなほどに巨大な書体が再現されてもいるのだ!――。


 とはいえ、そういった描写があるからといって、特オタである筆者も本作を認める! なぞといった気にはならない(笑)。


 さまざまな性格の女子高生たちが仲間を集めて、自分の得意分野でヒーローショーの興行に協力し、困難を乗り越えて勝利をつかんでいく……といった展開であったあたりで、全国各地でスクールアイドルが勃興中! という、やはりウソっぱちな世界観でも、実に楽しい物語を紡いで内容的にも人気面でも大成功していたアイドルアニメ『ラブライブ!』(13年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20150615/p1)なども想起させてはくる。
 しかし、あちらが「バカ設定」であるにもかからず「ガチ熱血」「ガチギャグ」「ガチ萌え」で取り組んでいたのに比すると、ユル~く流して作っている印象なのである。


 それ自体がまた「ねらい」なのだろうけど、個人的にはそこが物足りないのだ。


 では、ドーすればイイのだろうか?


 「日常場面」では女のコたちの「萌え」を前面に押し出す。しかし、劇中劇でもある「ヒーローアトラクショー」における「正義の戦隊ヒロインズvs悪の軍団」の方では、シナリオなりアクション演出の温度を、本編とは多少遊離してでも高めてみせたり、さらにはテーマもどきの道徳説教(笑)などを絶叫させれてみれば、もっとメリハリが付いたのではなかろうか!? などとも愚考をしてしまうのだ。


 とはいえ、「作画」も「動き」も一級レベルではない並みの予算のアニメなので、そういった増強や演出もまた高望みであったり、「付け焼き刃」で「焼け石に水」といったオチになってしまったかもしれないけど(笑)。
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『天使の3P!(スリーピース)』


 サラサラ薄茶ヘアの繊細そうな不登校の男子高校生クンが、動画配信サイトにUPしていた自作ギター楽曲への反応をキッカケに、オフでヒト様に会ってみたら、それは児童養護施設に住まう儚(はかな)げな美少女小学生3人によるロックバンドであった! というお話。


 なのだけど、そーいったお話自体は言い訳で、批判ではなく云うけれど、肉体性も感じられるナマっぽい表情豊かで気まぐれな女のコを描こうというのではさらさらなく、アンニュイ・気怠げで覇気や刺激臭は巧妙に除去した、垂れ目の無気力・脱力・従順系で、アニメ記号的なキャラ付けの「わにゃ」とか「はむ」とかを口癖とする、ロリロリしたお嘆美系5頭身美少女キャラたちをフェティッシュに愛でるアニメ作品だ。


 こーいうのは専門・適任の方に語っていただくのがベストで、門外漢が出しゃばるべきではナイのは重々承知している。
 しかし、本作を愛する方々には非常に申し訳ないけれども、同じ原作者が手掛けたラノベ原作の深夜アニメ、「小学生は最高だぜ!」(笑)をキャッチコピーに美少女小学生たちのバスケットボール部を描いた『ロウきゅーぶ!』(11年)同様、この儚げロリに特化した絵柄自体に罪はナイのだが、この絵柄にフェティッシュな視線をそそぎ、「可愛いものが判ってしまう」我々オタが、ハァハァしている特殊性癖が背後に透けて見えてしまうのか(汗)、世間一般がそれを直感的にキモく思うのも、ある程度までは仕方がナイことではあるだろう。


 いやいや、ロリじゃない、フェティッシュだけじゃない、ドラマやテーマもある! と主張する御仁もいようけど、もっとスナオになろうよ。そこにフェティッシュな感情が微塵たりともナイとは云わせない。もちろん小声で好意を表明すればイイのであって、大声で絶叫してカミングアウトすべきだとも云わないけれども(笑)。
 オール・オア・ナッシングで踏み絵を迫っているワケではなく、天下の公道でヒケらかして大手を振って歩けというのでもない、ある種の最先端(?)でありつつも、少々背徳感もあるウラ通りの日陰に繁茂する隠花植物のポジションで本作をマッピングしてみせればイイのだろう。
天使の3P! ドラマCD


クリオネの灯り


 教室で(ひとり)ボッチの意志薄弱そうな女のコ。案の定、心ないクラスメートの男女どもからイジメの標的とされて、残酷な言葉を投げかけられている。


 その光景に心を痛めながらも、腕力・胆力・人格力がナイために、教室内では彼女を助けることができない、クラスメートの心ある男のコひとり&女のコひとり。
 そんな彼らが取った行動は、クラスメートたちに見られないように、バレないように、自身たちもイジメられっ子の仲間と見なされてターゲットにされないように(汗)、校外や校舎の屋上や下駄箱のウラで彼女と付き合い、昼食や行動を共にすることであった……。
 という非常に地味な題材の1クールの10分アニメ。


 本稿執筆のためにググってみたら、10年以上前の2004年にネット上で発表、注目も集めて舞台化もされ、2010年代に至って商業書籍化もされた小説が原作なのだそうだ。筆者はその存在を全然知らなんだけど。


 明らかに低予算で、それを逆手に取ったかキャラデザも作画崩壊が目立たないようにか描線もシンプルで、女のコのキャラでもカールして何本も突き出たマツ毛表現などはなく、太めのヨコ棒一線での表現だったりもする。


 イジメ自体は解決せず、難病ものにスリ替わることで悲劇として決着するあたりはドーかとは思うものの、まぁフィクションに実効性があるイジメの解決法を期待するのもナイものねだりなのだし、万全の解決ではなくマイナス100をマイナス50にするだけでも救いはあると見るならば、コレはコレでイジメに対する現実的な処方箋という気もしてくる。


 下手ウマな味わいがある作品だが、ヒト様には勧めにくい(汗)。
ドラマCD「クリオネの灯り-男子たちの放課後-」 通常版


ようこそ実力至上主義の教室へ


 ライトノベル原作の深夜アニメで、昨今流行りのスクールカーストものである。あまたの深夜アニメの主題歌も熱唱するZAQ(ザック)が作詞・作曲した主題歌のタイトルも、そのものズバリ「カースト・ルーム」だ。


●クラスの中心人物にはなれなさそうであるカッタるげな主人公の高校生男子クン
●黒髪ロングの他人とは交わらないクールな女子高生メインヒロイン
●愛想がよくて愛くるしい女子高生サブヒロイン


 鉄板(てっぱん)のアリガチなキャラクターシフトではある。


 #1冒頭では、入学式直後の教室にてクラスの中心人物になりそうな男女たちが主導して自己紹介がはじまる。
 対外的にも恥ずかしくはないモテ趣味や得意スポーツを披歴して如才なくアピールできる者たちに、主人公男子が引け目を感じたり居心地の悪さを感じるサマは、筆者も幼少時~今に至るまで何度も経験してきた心のキズである(笑)。
 同様のスクールカーストを描いていた(ひとり)ボッチもの深夜アニメの大傑作『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(13年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20150403/p1)の序盤、クラスでカースト上位層の横暴に制止の声を上げたいけど上げられない主人公男子のシーンのことを連想した諸兄も多いだろう。


 『やはり俺の~』はそんな酷薄なカースト社会で、一応の公平や正義を求めて主人公男子クンが知恵を絞ってウラ側からカラめ手で戦っていくサマと、三角関係のラブコメ風味を味あわせてくれる作品だったので、本作もその亜流なのであろうかと思いきや……。


 近未来的なハイテク学園都市を舞台に、まずは愛くるしいサブヒロインは#3で激しい本性(?)を人気のない場所で垣間見せる。
 その姿を目撃してしまった主人公男子クンを口止めするために、自身の巨乳に制服の上から手を触らせ指紋を付けることで、キツい目付きで「バラしたらレイプされたと騒ぐ」と脅すのだ!


 物語も舞台となる学年最下位の1年D組を超えて、A~C組の面子も交えた学園バトルロイヤルの様相を呈していく。
 主軸のD組についても、メインの3人の男女キャラだけではなく、ヤンキーDQN(ドキュン)生徒の成績不良やケンカ騒動、ガチンコ対面のコミュニケーションは苦手だけどネット上では大胆にふるまえるコスプレ少女の挿話などをシリーズ前半に配置する。シリーズ後半では夏休みの臨海学校クルーズや、学級委員クン・チャラ男・ギャル子らの生態や彼らの意外な一面なども、無人島でのクラス対抗サバイバルにおける権謀術数合戦と並行して描いていく。


 スクールカースト・バトルロイヤルもの全般に云えることだけど、偽悪的にそれらを肯定して、作品自体が現代の多様な価値観の象徴だとも作り手は往々にしてウソぶいている。しかし、実際にはバトルロイヤルにエゴイスティックにガンガンと参戦する陣営には主人公を配してはいない。たいていはバトルロイヤルをなんとか止めようとする、せめてブレーキはかけようとしている良心的な連中が主人公側の陣営として設定されるのだ(笑)。
 つまり、云われているほどアナーキー(無秩序)でも斬新でもなかったりするのだけど(批判ではなく)、基本的には本作もまたそのクチではあった。


 そして、バトルロイヤルにブレーキをかけるためにも、逆説的に実力・権謀術数が必要となってしまうというジレンマを描いたあたりは、本作の独自性・アドバンテージではあるのだろう。個人的には2017年夏アニメのナンバー1である。
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(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.70(17年12月30日発行))


恋と嘘

(2017年12月26日脱稿)


 昨今流行りのスマホ漫画原作の深夜アニメ。


 冴えないオトナしげな人畜無害でヒトの良さそうな男子高校生クン。いかにも性格良さげでシットリとしつつも、適度に元気はあって華もある黒髪ショートの美少女女子高生。ちょっと張り詰めた感じでヒトを拒絶するバリアを張っている風だけど、芯は弱そうな感じのピンク髪のツインテールの美少女女子高生。主人公少年クンがこのふたりの美少女女子高生のうちのドチラを選ぶべきかで揺れるラブコメ


 コレだけならアリガチなキャラクターシフトなのだけど、本作の秀逸なところは、今をさかのぼること40年以上も前の1975(昭和50)年に16歳以上の男女に対して、統一教会教祖の霊感・直感ではなく(笑)、科学的・遺伝情報的・人間心理(相性)的に、政府(厚生労働省)が結婚相手を決定し、しかもそれがけっこうウマくいっていて、各自が幸福な家庭生活を営めてもおり、少子化対策にも成功したオルタナティブ現代日本! という舞台設定であることだ――1975年時点ではDNA審査はまだムリだったハズだけど、それはさて置こう――。
 この大設定に伴ない、計算や打算ヌキでの主人公少年クンの小学校時代からの5年越しの初恋・片思いのお相手については、黒髪ショートのコに設定。政府が強制的に決めた結婚相手については、ピンクのツインテ嬢に割り振りする。


 ここで、自由恋愛・相思相愛こそが絶対正義で、親なり政府が決めたお見合いや結婚は当人同士の自主性を無視して強制された前近代的な問答無用の巨悪である! その象徴として、ピンクのツインテ嬢には悪役もしくは損な役回りに割り振る! というような安直な善悪二元論の作品であったならば、筆者個人は本作を陳腐でステロタイプな凡作であると認定したであろう。しかし、このピンクのツインテ嬢もまた実に魅力的でイイ娘に描かれているのである。
 成績はイイけれども、幼少時から病欠がちゆえ、クラスでも(ひとり)ボッチで頑なな感じ。威圧感などカケラもないヤサ男の主人公の男子高校生クンに対してさえ、異性が苦手で結婚や恋愛などまだ考えたくもないオボコい感じのピンクのツインテ嬢はツンツンとしており、異性と同席していると会話や場を保たせられないテレ隠しゆえに彼のことを邪険にするけど、その姿はちっとも怖くない(笑)。


 もちろんドラマチックな基本設定・舞台設定だけでも即座に傑作が仕上がるワケではない。
 #1は主人公男子クンと黒髪メインヒロインとの関係描写だけに焦点をあてている。先の作品世界の政府主導の結婚政策の説明はアバンタイトルで手短に済ませて、高校でのクラスの休み時間に、


「16歳になったので、もうすぐ政府通知が来るぞ!」


という期待と不安に胸を膨らます友人男子たちと軽口を叩きつつも気もそぞろで、自席に着席しつつもチラチラと黒髪メインヒロインの立ち居ふるまいをヨコ眼で追ってしまう主人公少年クンの姿が序盤で描かれる。
 この一連のシークエンスが非常にウマい! 高校生たちの結婚に対する期待&不安と、好ましい異性に対しては本能的に万人に起こりうる「あるある感」満載の主人公の挙動描写の並立に、まずはグッと感情移入をさせられる。


 その彼の視野に写る、友人の女子生徒たちと談笑し、笑うときには口に手をやり、時に髪をカキ上げて耳を出し、その仕草にもまたワザとらしさが感じられず、いかにも性格良さげで、こぼれ落ちんばかりの輝く笑顔を見せつける天使のような黒髪メインヒロイン!
 絵柄としては、淡泊なサッパリ風味で今風の少女マンガ的な文脈でありつつも、女子好みの痩身キャラではなく、もちろんおデブさんではないけれども、それなりの巨乳であるキャラクターデザインでもあることから、その「少女性」に微量に「母性的」な優しさ&包容力をも宿らせることができている。


 彼女にかぎらず本作のヒロインたちの大きなお目めも含めたキャラデザには、吸い込まれそうな可愛さ&抑えたイロケがあり(しかしエロではない)、とても魅力的に仕上がっているとは思うけど……。ガチなオタ向け作品における美少女キャラの萌え媚び描写とはやや文脈が異なるようには思うので、そっちの方面ではウケませんかネ?(汗)


「結婚はオトコの墓場だ! オレたちは政府通知を無視して一生、未婚でいよう!」(大意)


と男子数人が円陣を組んで、その中心に伸ばした片腕を交差させて、


「オーーッ!!!」


と勝ちどきをあげるや、作者はそこに黒髪ヒロインもナチュラルに混入させており、彼女もいっしょに、


「オーーッ!!」


と叫ばせる。


 エエ~~~ッ!? とばかりに驚愕している非モテ男子どもの反応をヨソに、余裕と可憐さを同時に兼ね備えた声質の花澤香菜(はなざわ・かな)嬢のボイスで、


「アレ、女子は混ざっちゃイケなかった?(……テヘッ)」


と笑顔でウソぶく黒髪メインヒロイン。


 劇中男子ども・視聴者・筆者も含めてみんなが悶絶!(爆) ……もちろん今後の展開へのテーマ的伏線も兼ねたキャラ付け・キャラ性表出描写でもあるけれど。


 #1のBパート~ラストでは、主人公少年がついに今世でのお別れとばかりに、夜の公園に黒髪メインヒロインを呼び出してみせる。
 待てども来ない。もう来ないのかと思いきや、黒髪メインヒロインがついにお出まし! そこで自分の長年の好意を告白する主人公少年クンに対して、黒髪メインヒロインも涙を流して「実は自分もそーだった」……とのたまう。


 ナンというオタク男子・弱者男子にとっての都合がいいファンタジー! こんな頼りなくて弱いオスに、引く手あまたで選びたい放題の優位なメスがホレるかよ!? アリエナイよ! リアルに考えたら「キモッ! ストーカー!!」と罵られて終わりだよ! ……と理性ではケナしつつも、感情面では釣られて落涙している全オレがいる(笑)。


 そのとき、主人公少年クンのスマホに彼の結婚相手が通知されてくる。そのお相手は当の黒髪メインヒロイン!
 喜びに打ち震える主人公少年クンだが、しばらくすると、その画像が崩れだし別人の名前がそこに浮かびあがる。眼の錯覚であったのかハッキングにあったのかは判然としない……。


 先に主体である主人公少年クンが、客体であるWヒロインのドチラを選ぶかで悩むかのようにも書いたけど、この作品はWヒロイン側にも主体性をカナリ持たせていて、友人となったヒロイン同士が彼への好意とはウラハラに互いに譲り合い、そのことでプチ幸福を味わうも同時に傷付いていく逆説なサマも描いていく。


 そこに主人公少年クンと終始つるんでいる美少年生徒クンも、実は主人公少年クンに対して純愛感情を抱いていたことが視聴者にだけは明かされて(同性愛!)、女性視聴者のBL(ボーイズ・ラブ)感情も満たしていく……。
 さらには万人に愛される明るい黒髪メインヒロインのことを実は過去には苦手に思っていたり、彼女の言動を媚び媚びとした演技やポーズなのでは? と疑っていたことがあったものの、彼女がガチであることを知って改心して黒髪メインヒロインの熱烈隠れ信者と化したアンニュイな銀髪ロング娘も登場させることで、百合方面の需要も喚起!?
 ゲストや第三者を介さずとも、彼ら彼女らの多角形や対角線の間の引力や斥力を描くだけで、物語も駆動されていくし、ワイドショー的な色恋への視聴者側のヤジ馬関心も惹起されていく。


 しかし、原作未完作品にアリガチな、あやふやなTVアニメ版の最終回の出来はともかく、そのラストで主人公少年クンにモノローグで結婚強制社会を「この狂った社会」と云わせたことだけは、個人的にはやや安っぽく思える。
 歴史的にも世界史的にも自由恋愛ではなく、国家といわず地域や旅商人やお節介婆ァなどが媒介して男女を結婚させていた形態の方が主流なのは学問的にも自明なのだから、全肯定はしないまでも本作の世界観を「狂った社会」と全否定的に形容するのは底が浅く思えるのだ。
 100か0かではなく、トータルでは自由恋愛や主人公少年&黒髪メインヒロインの相思相愛の方に分を認めるにしても、科学的な合理性をも兼ね備えて最大多数の最大幸福も実現してみせた結婚強制社会にも相応の理を主人公少年クン自身も認めた上での懊悩・逡巡……といった心理描写にしておかないと、せっかくの深みや多面性もウスれてしまうようには思うので。


 ……モテる男女は何度離婚しようが何度でも結婚ができ、非モテ男女は一生恋人すら作れない、この新自由主義的な社会の方が……(ルサンチマンが続くので、以下略・笑)。
Love And Lies Blu-Ray(恋と嘘 全12話)


(了)
(初出・オールジャンル同人誌『DEATH-VOLT』VOL.80(17年12月30日発行))


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2012年秋アニメ評! 『ガールズ&パンツァー』 ~爽快活劇に至るためのお膳立てとしての設定&ドラマとは!?

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2011年春アニメ評! 『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』 ~別離・喪失・齟齬・焦燥・後悔・煩悶の青春群像劇の傑作!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191103/p1

2011年冬アニメ評! 『魔法少女まどか☆マギカ』最終回「わたしの、最高の友達」 ~&『フリージング』『放浪息子』『フラクタル

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20120527/p1

2010年秋アニメ評! 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』 ~萌え対象かつオタの自画像! 二重構造化させた妹を通じたオタ社会の縮図!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20121015/p1


2008年秋アニメ評! 『鉄(くろがね)のラインバレル』 ~正義が大好きキャラ総登場ロボアニメ・最終回!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090322/p1

2008年春アニメ評! 『コードギアス 反逆のルルーシュR2』 ~総括 大英帝国占領下の日本独立!? 親米保守vs反米保守!?

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20081005/p1

2008年春アニメ評! 『マクロスF(フロンティア)』(08年)#1「クロース・エンカウンター」 ~先行放映版とも比較!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080930/p1

2008年春アニメ評! 『マクロスF(フロンティア)』最終回評! ~キワどい最終回を擁護!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20091122/p1

2008年冬アニメ評! 『墓場鬼太郎

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080615/p1


2007年秋アニメ評! 『機動戦士ガンダム00(ダブルオー)』 ~第1期・第2期・劇場版・総括!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100920/p1

2007年秋アニメ評! 『GR ジャイアントロボ』 ~現代風リメイク深夜アニメだが、オタク第1世代の東映特撮版への郷愁も喚起!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080323/p1

2007年春アニメ評! 『ゲゲゲの鬼太郎』2007年版

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070715/p1


2006年秋アニメ評! 『天保異聞 妖奇士(てんぽういぶん あやかしあやし)』 ~幕末目前の外れ者集団による妖怪退治! 頭デッカチな作りだがキライになれない…

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070317/p1

2006年夏アニメ評! 『N・H・Kにようこそ!』

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061119/p1


2005年秋アニメ評! 『BLOOD+(ブラッド・プラス)』

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20051025/p1

2005年春アニメ評! 『英国戀(こい)物語エマ』

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20051022/p1

2005年春アニメ評! 『創聖のアクエリオン』 ~序盤寸評

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20051021/p1


2004年秋アニメ評! 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY(シード・デスティニー)』 ~完結! 肯定評!!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060324/p1

2004年春アニメ評! 『鉄人28号』『花右京メイド隊』『美鳥の日々(みどりのひび)』『恋風(こいかぜ)』『天上天下

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20040407/p1

2004年冬アニメ評! 『超変身コス∞プレイヤー』『ヒットをねらえ!』『LOVE♡LOVE?』『バーンアップ・スクランブル』『超重神グラヴィオン ツヴァイ』『みさきクロニクル ~ダイバージェンス・イヴ~』『光と水のダフネ』『MEZZO~メゾ~』『マリア様がみてる』『ふたりはプリキュア

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20040406/p1


2003年秋アニメ評! 『カレイドスター 新たなる翼』 ~女児向け・美少女アニメから真のアニメ評論を遠望! 作家性か?映画か?アニメか? 絵柄・スポ根・複数監督制!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20040408/p1

2003年春アニメ評! 『妄想科学シリーズ ワンダバスタイル』『成恵(なるえ)の世界』『宇宙のステルヴィア』『ASTRO BOY 鉄腕アトム

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20040403/p1

まおゆう魔王勇者・AMNESIA・ささみさん@がんばらない ~異世界を近代化する爆乳魔王に、近代自体も相対化してほしい(笑) 2013年冬アニメ評!

『はたらく魔王さま!』『魔王学院の不適合者~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』『まおゆう魔王勇者』『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』『百錬の覇王と聖約の戦乙女(ヴァルキュリア)』 ~変化球の「魔王」が主役の作品群まで定着&多様化!
『エロマンガ先生』『妹さえいればいい。』『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』『干物妹!うまるちゃん』『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』『ささみさん@がんばらない』『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』 ~7大・妹アニメ評!
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 2020年1月10日(金)からウェブ漫画(14年)原作のアニメ映画『巨蟲列島(きょちゅうれっとう)』が公開記念! とカコつけて……。アニメ映画『巨蟲列島』の総監督にして、あまたの深夜アニメ『狼と香辛料』(08・09年)・『ヨスガノソラ』(10年)・『六花(ろっか)の勇者』(15年)などの名作を手掛けてきた高橋丈夫(たかはし・たけお)監督の代表作『まおゆう魔王勇者』(13年)評ほか、同季2013年冬アニメ全3本のレビューをアップ!――まぁ、『巨蟲列島』も作品のハク付けに「総監督」の名義だけを貸しているだけだったらアレですけど(笑)。作品自体は昆虫パニック映画として水準作だとは思います!――


まおゆう魔王勇者』『AMNESIA(アムネシア)』『ささみさん@がんばらない』 ~2013年冬アニメ評!

(文・T.SATO)
(2013年5月29日脱稿)

まおゆう魔王勇者』 ~異世界を近代化する爆乳魔王に、近代自体も相対化してほしい(笑)


 インターネット上の超巨大掲示板2ちゃんねるへの投稿小説(09年)出自作品(!)の深夜アニメ化。
 ライトノベル原作の深夜アニメ『狼と香辛料』(08・09年)のように西欧中世ファンタジー異世界を舞台に、政治&経済ネタを織り交ぜてみました。ベタな作品には飽き足らないプチ・インテリオタクのみなさん、コッチへいらっしゃい……といったアニメでもある――1/3くらいはイヤミ(笑)――。


 少年勇者が魔界の魔王を単身討たんとしたら、実は魔王はキモが座ってはいるけど、愛嬌もハニカミも残した平和主義者で紅いロングドレスに赤髪ロングで長身の爆乳美少女お姉さんであった! 少年勇者と爆乳魔王は互いに互いを所有する契約を結んで、人間と魔族との百年戦争が続く世界に、英知を尽くして平和をもたらさんとする……といった内容。


 女児向けアニメ『美少女戦士セーラームーン』(92年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20041105/p1)シリーズや『プリキュア』(04年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20040406/p1)シリーズみたく、「愛」だの「平和」だの「仲間」だのと唱えれば万事解決するという、大ウソ作品群(文句じゃないよ・笑)を頭ひとつ抜きん出た作品ではある。


●地の果ての反英アイルランドを飢饉から救ったジャガイモ
●グーテンベルグ活版印刷
●印刷版聖書の普及で教会を介さず個人が神さまを直接信仰
カトリックからプロテスタントイギリス国教会が分離独立
農奴解放
天然痘撲滅


などなど、中世~近代500年のオイしいトコ取りの反則ワザ(笑)を次々とくりだす、人間界の片田舎の農村にお忍びで学士として身をやつした爆乳魔王さま。


 中央の教会国家から南部三国を教会分裂込みで独立させ、魔族との天下三分の計にも持ち込み、通商を契機に平和共存をもたらさんとする。
 戦争を問答無用で絶対悪視するのではなく、戦争で動くカネ・ヒト・物資・援助で雇用も保証され、単純に戦争が即時解消されても経済的には大カタストロフ! といった如何ともしがたさも描いていて、よくぞココまでの世界観を……といった感もある。けれども、と同時に「よくお勉強しましたネ」的な、やや理に勝ちすぎて物語としてはうまく定着していない感も残る。
 物語前半の時点でもう、魔王の意を受けた少年勇者クンが事を万事うまく運んでいくような描写はドーなのか? 彼、愚鈍でもナイけど年齢相応の少年に見えるので、そんなにアタマが良さそうにも見えないけれども……。


 爆乳魔王さまはルックスからして魔族とはとても思えず、両ツノが生えただけの人間のお姉ちゃんにしか見えない――そのツノも飾りであったと判明する(笑)――。
 少年勇者クンのメンタルに至っては、ラブコメ深夜アニメ『中二病でも恋がしたい!』(12年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190904/p1)や同じくラブコメ深夜アニメ『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』(13年)などの、前世で勇者(笑)であった元・中2病の現代日本の少年主人公クンたちとも大差がない。
 そーいう見てくれや異性に奥手なメンタリティを保持していないと、本作が思春期オタ層にも受けるジラしたラブコメの一面を保持できないのも事実なので、ケチを付ける気はナイけれども、この世界の広大な「世界情勢」と「ラブコメ」が分裂気味には見える。


 などと云ったそばから、我ながら矛盾したことに、ミーハーな次元で云うならば、こんなに頭がイイのにそれを鼻にかけずに天然気味で、少々モーションをかけてきて、少年勇者クンの顔をのぞきこむように、


「こんにちはったら、こんにちは」


とか、二の腕がプニプニつまめるのを気にしているのは、


「ソコだけ西欧中世ではなく、90年代以降の日本で女性誌が煽って定着させたメンタルだろう!」


とツッコミしつつも、その袖や下着からハミ出た、つまめるお肉がイイんじゃねェか! 辛抱たまらん! 最強のヒロインだゼ!! と大いに力説……(以下、自粛)。


 凡百の作品ならば、商売人はカネに汚い悪人と描写されるところを、「利を極めるゆえに利だけでは捉えられないモノに早く気付ける可能性がある逆説」――ま、商人全員が常にそれに到達できているとはとても思えないけれども――、早くも遅くもなく適度なスピード&分量でモノ・カネが動きつづけることの大切さの主張などなど、真理へと到達する際の物事の逆説や経済のことをよく判っているナ……とは思う。
 本作終盤での二大通貨制による変動為替レートの導入は、筆者も結局バカなので正否の判断が付かなかったけれども(笑)。


 西欧中世風都市での街中での異端審問で、メイドのお姉ちゃんが「ムラ世間的な同調圧力・空気に屈した妥協」ではなく「近代的な主体的個人として判断」することの尊さ(大意)について人々に演説を一席ぶつのはたしかに感動的ではあった――爆乳魔王さまのお弟子さんになって薫陶を受けてきたからとはいえ、元々は農奴上がりのお姉ちゃんが大衆の面前で臆せずによくぞココまで……とも思うけど(笑)――。


 しかし現代社会を生きる筆者個人は、「近代」や「自由」をそこまで称揚する気にはなれない。「抑圧」よりも「自由」の方がマシに決まってはいるけれども、ヒトはそもそも持て余すほどに過剰な「自由」や膨大な「選択肢」、高度に細分化して専門的な知識も要するようになった「自己選択」や「自己責任」にも耐えることができるのか? 身分制度がなくなってもなお残る、「社会」や「制度」のせいにはもうできない個人の性格・腕力・運動神経・ルックスの格差! そこから来るスクールカースト
 マジメにコツコツ農作業(第1次産業)や工場労働(第2次産業)さえできれば報われた時代も遠くに去って、チャラ男的な調子のよさも含めて対人折衝・コミュニケーション能力が過剰に求められるようになってしまった第3次産業が中心のこのポストモダン(後期近代)社会。
 ココからアブれたのが筆者も含むオタクというコミュニケーション弱者の人種であって、その慰撫としてオタ趣味ジャンルを勃興させているのは否めない。


 「職業選択」「異性交際の自由」。「前近代」にはなかった残酷なイス取りゲームの「自由」で、新たな苦悩にまみれている現代社会を見るにつけ、過剰な「自由」は廃して部分的には「前近代」に戻した方がイイんじゃないかとさえ思う。
 しかし、そんな規制ができる古典的な警察国家にも通ずるような国家権力なんぞは、国内の労働者は解雇しやすくしろ! 国境を越えて工場を展開させろ! 関税撤廃! 自由貿易! 国家による規制を極力緩和しろ! 「小さな政府」こそが正義だ! と主張するグローバルな「新自由主義経済」にここ20年ほど大負けして久しい。
 この状況を緩和させるためには「毒には毒を」で、「新自由主義者」や税金を払わないグローバルな大企業に拮抗させるために、「大きな政府」を便宜的に復活させてコレをグローバル企業にブツけて、関税や法人税をむしりとり、富の再分配にまわすことだとも思う。


 しかし、「大きな政府」や「国家」の必要悪としての復権による再分配が必要だ! などと唱えると、物事を三元論や四分法などでは考えられない安直二元論な単細胞の旧態依然なバカ左翼たちが、右翼だ! ファシストだ! 排外主義者だ! とレッテリングを貼ってくる――そもそも「大きな政府」とは抑圧的な警察国家ではなく、相応の税金を徴収して富の再分配を旨とする福祉国家を意味する一般用語だというところから説明をしないとイケナイ(笑)――。
 仮に近代国民国家を廃絶できたとしても、その後に生じた貧富の格差を、国家ヌキで商売人や大企業が自主的に再分配することはありうるのであろうか? 宗教団体には寄付~再分配の機能がありそうだけれども、仮に再分配してくれるとしても、それで庶民が一介の私企業にすぎない大企業なり、教会・宗教団体なりの云いなりにされてもヤバいであろう。
 であれば、「神聖なる共同体との一体化」(笑)という意味ではなく、プラクティカル・実用主義的な「互助組織」「保険組合」としてのニュートラルな「近代国民国家」は残しておき、それをワンクッションの仲介にしてから富を再分配した方がイイのではなかろうか?
――究極的には国家や国境を解体・廃絶さえすれば万事がOKで庶民は自由で平和になれると浅知恵で考えているとおぼしき旧態左翼ではなく、そのあたりの必要悪である分配主体としての国家の必要性にも目配せしているオルタナ左翼の将来における勃興にも期待をしたいところだ――


 現今の惨状に対する妙策も思いつかないけど、次代の物語のテーマのホットな鉱脈はココらにあるとも思うのだ。
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『AMNESIA(アムネシア)』


 同じく女の子のオタク向け作品でも、前年2012年に放映された『黄昏乙女×アムネジア』の改題PART2ではない。その類似名の作品同様、まちがって(?)全話を観てしまう(汗)。


 今時、一般女性はもちろん、オタ女子間でさえ、か弱い女の子キャラは流行らないのかと私見していたけれども……。あにはからんや、おとなしげで控えめで受動的、伏し目がちな女のコが主人公。下向いて「の」の字を書いているよーな(……そんなシーンはありません)。
 こーいう自尊感情も低そうで異性に対する要求水準も低そうな女のコならば、露骨に男を値踏みしてこず、ダメな自分でも受け入れてくれるんじゃね? ウラを返せば弱いオタク男子でも、この娘ならば自分でも優位に立てそうだと、身勝手にも庇護欲と萌え感情を喚起してくれそうな女のコ。そのスジの界隈の人間をブヒブヒさせてくれる新たな鉱脈を発見か!?(笑)


 そして、今や「R・D・G」=「絶滅寸前種族」のウブな女の子が観そうな(?)アニメはどんな内容か!? と淡い期待をいだいてイザ鑑賞してみれば……。


 ホストみたいなイケメン男子たちが大集合! ブ男はいません。カメラ小僧の狂気のストーカー悪役ですらもが美男。……結局テメェらの願望もソレかい!?(笑)


 エンディング歌曲も、よりどりみどりの高身長イケメンどもに迫られているような、背中から覆いかぶさるように軽く抱きつかれて、戸惑いつつも身を任せているような止め絵の連続。コレは頼りない男とオズオズ付き合うより、イイ男にぐいぐいとリードしてもらいたい願望の発露か? だとしたら、オタク男子には脈はない(汗)。


 もちろん、イケてる女子向けのマンガ『NANA(ナナ)』(00年・05年に実写映画化・06年に深夜アニメ化)みたいな作品ではナイので、ストリートでナンパされ……といった作品なワケがなく、男女を問わずオタにとっては縁遠くヘイト(憎悪)すら抱かせる「出逢い」描写が省ける、はじめから全員が同じバイト先のメンバーだという設定――「共通のお仕事」という下駄を履かせることで、劇中男女間にも物語の開始以前からの接点を持たせている――。
 しかも、彼女彼らのバイト先はメイド喫茶、兼・執事喫茶!(笑) その店舗のレンガ貼りの階段は……同人誌即売会も開催されている池袋サンシャインの斜め向かいにある女性向け某・同人ショップの外観をドー見ても模しているような――近年、いわゆる「乙女ロード」と化した一角――。


 つまりは、舞台は埼玉県の首都・池袋!(オイ) 彼らが通う大学のモデルは、往年の『ウルトラマンガイア』(98年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19981206/p1)こと主人公・高山我夢(たかやま・ガム)青年も通っていた城南大学のロケ地にもなり、筆者もはるけき昔に合格した――母校じゃないけれど(汗)――、駅西口から徒歩10分のシックな校舎の立教大学


 作品内容もオタ臭が全開! やっぱり本作の視聴者も「日常」よりも「非日常」がスキなところはオタの鏡だネ。多少ネタバレしても、本作の興趣は他にも色々とあるから支障はナイと思うので明かすけれども、現代風(?)に云うならばオタク女性向け版の『エンドレスエイト』!(深夜アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』第2期(09年))
 1970年前後生まれのいわゆるオタク第2世代の評論家・東浩紀(あずま・ひろき)センセの『ゲーム的リアリズムの誕生 ~動物化するポストモダン2』(07年・講談社現代新書ISBN:4061498835)に対する反論とおぼしき、筆者も私淑する1960年前後生まれのいわゆるオタク第1世代の評論家・浅羽通明(あさば・みちあき)センセの『時間ループ物語論』(12年・洋泉社ISBN:4800300185)で、コレはぜひともネタにしてほしかったところが、間に合わなかったか?(笑)


 物語の骨子はアムネシア(記憶喪失)、つまり8月1日以前の記憶を失ってしまった主人公少女が、ある日を境にまた8月1日に戻ってしまうというもの。だけなら今では陳腐・凡庸だけれども、その都度、彼氏とおぼしき人物も変わっていくとゆー! イカれてます。そんなウブな顔してキョドっているのに、すでに彼氏持ちのビッチかよ!? ……ってソコじゃなく。
 しかも、各ルートの結末が回を重ねるごとにヒドくなる。ハッキリとは描かれないけど、ケガをしただろう、溺れただろう、突き落とされただろう、殺されてなくネ? といったオチ。


 とはいえ、もっと現実的・日常的なイミで怖いのは、ドコの世界に行ってもいる某イケメン男性キャラの親衛隊で、顔や表情を隠されて演出される女子数名。
 迷惑メールやら主人公少女が住まう下宿のポストへのゴミ投函やら上層階から植木鉢を投下させるやら、面と向かって糾弾やら後ろから忍んできてハサミで後ろ髪を切っちゃうとか……。女子のイジメ、怖すぎるよ~(汗)。


 男性陣のビジュアル系バンドみたいな私服が毎日同じあたり、むしろ女性層からツッコミが入りそうだけど、ダサいオッサンの筆者にはソコを責める資格はない(笑)。


 てなワケで、内容面でもキャラ消費面でもお勧めしたくなるのですけど、今時の若いオタク男子の萌えツボ、ドコがOKでドコがNGなのかがよく判らないよ~。アッ、彼氏持ちのビッチという時点でダメですか?


 そもそもが、メインターゲットのオタク女子からも、


「キモいから、ケガれるから、頼むから、私たちの神聖なテリトリーに勝手に入ってこないで!」


という頑強な抵抗を受けちゃうんだろうけれども。ドーも土足で踏み込んできて、好き勝手に云ってスイマセン(汗)。


ささみさん@がんばらない


 ドコかで視聴を打ち切ろうかと思いつつも、間違って全話を観てしまった深夜の美少女アニメ


 自宅に引きこもって、ネット・通販・ゲーム三昧。自室の棚には合体巨大ロボットのフィギュアが立ち並ぶ、「俺の妹がオタク系」の廃人美少女。彼女は生活力もゼロであり、炊事・洗濯・喰う・メシ・風呂・寝る、すべてを「妹ラブ」で画面に顔を見せずに戯画的に描かれる変態アニキが面倒を見る毎日。
 そんな彼女がじょじょに人間としてリハビリして、外の世界にも関わって、お友だちを作っていく……ような展開だったらイイのにな(笑)。


 野郎キャラだとその「苦悩」や「不器用さ」が生々しくなってしまったり、たとえ無意識でも「男なのに情けない」といった感慨が微量にでも脳裏に発生してしまうことで、シャレとして流しにくくなってしまって、やや深刻で重ためにもなってしまうところを、甘ったるい美化をも含んだかわいい女性キャラに「煩悶」を肩代わりさせることでオブラートに包んで、安心して野郎オタの視聴者にもその「孤独」や「苦悩」に対して、ソフトな共感や憐憫(れんびん)――実は自己憐憫(笑)――を喚起してみせる。


 ここ10年ほどで意図的にか無意識にか自然発生的に発達してきたジャンル作品における手法ではある。近年では「野郎の性的欲情」さえをも女性キャラに肩代わりさせてハァハァさせて、自身(野郎)の醜い「似姿」に直面化させないように用意周到に進化(笑)してきて、オタク視聴者の代わりに女性キャラが別の女性キャラに迫ってくる百合的な構図までもが出現。女性オタクによる「BL(ボーイズ・ラブ)消費」(=旧「やおい消費」)の性別逆転版のような現象まで生じてきている。


 状況ウォッチャーとしてはネタの宝庫なのだが、冷静に考えると袋小路な奇形的進化である可能性もあって、世も末なのかもしれない(笑)。


 などと上から目線で見下しつつも、カミさん子供も養わずにオタクライフを満喫し、こんなウォッチをして悦に入っている筆者こそが、徳義面でもダメじゃん! といった自己懐疑に答えを見出せないまま齢を重ねて、つい逆汚染で萌えの感性が訓練・開拓されてミイラ盗りがミイラになって、筆者もジャンルといっしょに共倒れで心中してしまいそうだけれども……。
 いや、心中以前に筆者自身が元から趣味活動を優先して生活が破綻している廃人だったよナ(汗)。


 そんな不全感に満ち満ちたヒッキー(引きこもり)な主人公を配置することで、オタク視聴者の親近感・感情移入を惹起する。
 それと同時に、矛盾したことではあるけど、実はそんな彼女こそが日本神道最高神こと女神でもある天照大神アマテラスオオミカミ)の力 = 世界秩序の維持 = 世界改変の力 = 目的願望達成能力(笑) といった全能感に満ち満ちた超能力を、代々引き継いでいる神社の家系の娘でもあったのだ!


 ……といった、「オレもいつの日かホンキ出せばこんなモンじゃねー!」的な思春期の中2病的な全能感をも刺激してみせるのだ――とはいえ、「世界改変」とはいっても、街がチョコレート化したり(!)、主人公少女の胸からもう1本の腕が生えてくる程度のモノだけど(汗)――。


 でも、そんな万能感ネタも、批評オタク的な読者や視聴者からツッコミされる前に、「わかってますョ!」「あえてやってます!」「すべてシャレです!」「ノリつつ、シラケてます!」みたいな多弁症的な「云いワケ」感があるのだ。


 少しでも「真っ当」で「道徳的」で「感動的」、しかして、いわゆる「ベタな展開」(汗)になりそうになってくると、「テレ隠しのナンちゃって楽屋オチ感」にも満ち満ちたストーリー展開へと変転していくのであった(笑)。


 シリーズ中盤における母子葛藤の一連や、シリーズ終盤における「九尾の狐」のライバル美少女との対立などもその典型。エグい悪辣な対立展開を先にやっておいてからであれば、安心して(?)そのキャラクターのヒューマンなドラマや人間的にイイ面、おふさげシーンも描けます! みたいな。


 「お外恐怖症」で自宅から一歩でも外出するとプレッシャーで押しつぶされそうになっていたシリーズ序盤から、じょじょに登校して、学友たちと旅行にも出掛けられるようになるシリーズ構成も、結局それ自体は本作のサブテーマとして昇華しているワケでもない。


 別に本作の作風が特別にシニカル(冷笑的)だというワケでもないのだけれども、「キバって何かを実行したからといって、常にウマくいくワケでもないのだから、マイペースでグダグダとやっていきますよ~」といったテーマとして決着させて、そこでテーマ的な首尾一貫性を出せたワケでもなく、ひたすらに何事も散文的な点描で終わってしまっているような……(笑)。


 美少女ハーレムアニメの常道にも則(のっと)って、


●チビチビの姉御ハダ女教師
●無口黒髪おかっぱ美少女
●天真爛漫ハクチ美少女


なども取りそろえて、彼女らのひとりには昨今流行りのプチ百合描写でハァハァ悶えさせもする。


 美少女ハーレムな彼女たちの正体も日本神話の神々だった! というワリには、古式ゆかしい神々には似つかわしくなく、腕が近代的な大型銃器に変型したり、空を飛んで高速バトルをしたりする!(笑)


 コレまた、ヤンキー漫画的な恫喝・威嚇がムキ出しのガチンコな殴り合いは痛そうだから苦手だったりするけれども、腕が武器や銃器に変型したり、巨大ロボに搭乗して戦うような、フィクション成分が高いバトルだと、生々しさがウスれて安心して疑似的に「暴力衝動」を発散することができるという、我々オタの心性にも即してはいるのだ。


 そんなワケで、筆者個人の趣味には合ってはいない……ハズだと思う。合っていないとイイな(笑)。


 でも、自分が10代前中盤のときに本作を鑑賞したならば、ベタな美少女アニメへのアンチとして、このテのやや頭デッカチかつ適度にクダけてもいる作品を持ち上げかねないとも思うのだ。
 身の程知らずな仮定だけれども、間違って筆者が作家にでもなっていた日には、こんな頭デッカチな作品を書いていそうな気もしてゾッとする(汗)。……などという物言いは、本作とそのファンに対してあまりにも失礼なのでアレですけど。


 でもまぁ、作品自体はトータルでなぜだかそれらしくまとまってはおり、最終回でも南洋の孤島での大バトル・大攻防劇で、30分の尺に収まるのかと思いきや見事に収まっていて、大声ではケナしにくい出来にも仕上がっていたのであった(笑)。

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(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.57(13年6月24日発行))


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六花の勇者』 ~2015年夏アニメ中間評! 『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』『おくさまが生徒会長!』『干物妹!うまるちゃん』『実は私は』『下ネタという概念が存在しない退屈な世界

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超変身コス∞プレイヤー』『ヒットをねらえ!』『LOVE♡LOVE?』 ~2004年冬アニメ評! 『バーンアップ・スクランブル』『超重神グラヴィオン ツヴァイ』『みさきクロニクル ~ダイバージェンス・イヴ~』『光と水のダフネ』『MEZZO~メゾ~』『マリア様がみてる』『ふたりはプリキュア

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20040406/p1


[関連記事] ~TVアニメ評!

2021~19年アニメ評! 『古見さんは、コミュ症です。』『川柳少女』『ひとりぼっちの○○生活』 ~コミュ力弱者の女子を描いた3作の成否(笑)を問い詰める!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220717/p1

2021~19年アニメ評! 『五等分の花嫁』(1&2期) ~ベタでも高みに到達。告白された男子側でなく女子側の恋情で胸キュンさせる

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220329/p1

2021~18年アニメ評! 『からかい上手の高木さん』『上野さんは不器用』『宇崎ちゃんは遊びたい!』『イジらないで、長瀞さん』 ~女子の方からカマってくれる、高木さん系アニメ4本評!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210516/p1


2021年秋アニメ評! 『境界戦機』『メガトン級ムサシ』『マブラヴ オルタネイティヴ』『サクガン』『逆転世界ノ電池少女』『闘神機ジーズフレーム』『蒼穹のファフナー THE BEYOND』『EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』 ~2021年秋8大ロボットアニメ評!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20221030/P1


2020~21年5大アイドルアニメ評! 『IDOLY PRIDE(アイドリープライド)』『ゲキドル』・『22/7』『推しが武道館いってくれたら死ぬ』・『おちこぼれフルーツタルト』

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220410/p1

2020~15年アニメ評! 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』『ようこそ実力至上主義の教室へ』『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』『月がきれい』『俺を好きなのはお前だけかよ』『弱キャラ友崎くん』 ~コミュ力弱者の男子を禁欲・老獪なヒーローとして美化した6作!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220724/p1


2020年秋アニメ評! 『ひぐらしのなく頃に 業』『無能なナナ』『憂国のモリアーティ』『禍つヴァールハイト -ZUERST-』『池袋ウェストゲートパーク』『NOBLESSE -ノブレス-』『アクダマドライブ』『100万の命の上に俺は立っている』『魔女の旅々』 ~シブめの良作が豊作の2020年秋アニメ9本評!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220910/p1

2020年秋アニメ評! 『ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN』『戦翼のシグルドリーヴァ』 ~同工異曲のメカ×美少女モノでも、活劇的爽快感の有無や相違はドコに起因するのか!?

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220821/p1

2020年秋アニメ評! 『ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』(1期) ~チームでなく個人。百合性など先行作との差別化にも成功!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220403/p1

2020年夏アニメ評! 『宇崎ちゃんは遊びたい!』 ~オタクvsフェミニズム論争史を炎上作品のアニメ化から俯瞰する!?

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200802/p1

2020年春アニメ評! 『文豪とアルケミスト ~審判ノ歯車~』『啄木鳥探偵處』『文豪ストレイドッグス』 ~文豪イケメン化作品でも侮れない3大文豪アニメ評!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220213/p1

2020年冬アニメ評! 『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』 ~『まどマギ』が「特撮」から受けた影響&与えた影響!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200329/p1

2020年冬アニメ評! 『異種族レビュアーズ』 ~異世界性風俗を描いたアニメで、性風俗の是非を考える!?

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200327/p1

2020年冬アニメ評! 『映像研には手を出すな!』 ~イマイチ! 生産型オタサークルを描くも不発に思える私的理由

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200325/p1

2020年冬アニメ評! 『ヒーリングっど♥プリキュア』終盤評 ~美少年敵幹部の命乞いを拒絶した主人公をドー見る! 賞揚しつつも唯一絶対の解とはしない!?

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220928/p1


2020~19年アニメ評! 『ダンベル何キロ持てる?』『推しが武道館いってくれたら死ぬ』 ~ファイルーズあい主演のアニメ2本評!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210418/p1

2020~19年アニメ評! 『私に天使が舞い降りた!』『うちのメイドがウザすぎる!』『となりの吸血鬼さん』 ~幼女萌えを百合だと云い募って偽装(笑)する3大美少女アニメ評!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220710/p1

2020~18年アニメ評! 『22/7』『推しが武道館いってくれたら死ぬ』『音楽少女』『Re:ステージ! ドリームデイズ♪』 ~アイドルアニメの変化球・テーマ的多様化!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200621/p1

2020~13年アニメ評! 『はたらく魔王さま!』『魔王学院の不適合者~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』『まおゆう魔王勇者』『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』『百錬の覇王と聖約の戦乙女(ヴァルキュリア)』 ~変化球の「魔王」が主役の作品群まで定着&多様化!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20201206/p1


2019年秋アニメ評! 『アズールレーン』 ~中国版『艦これ』を楽しむ日本人オタクに一喜一憂!?(はしないけど序盤は良作だと思う・笑)

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191027/p1

2019年秋アニメ評! 『慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~』『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!』『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』『私、能力は平均値でって言ったよね!』『旗揚!けものみち』 ~2019秋アニメ・異世界転移モノの奇抜作が大漁!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191030/p1

2019年夏アニメ評! 『Dr.STONE』『手品先輩』『彼方のアストラ』『かつて神だった獣たちへ』『炎炎ノ消防隊』『荒ぶる季節の乙女どもよ。』 ~2019年夏の漫画原作アニメ6本から世相を透かし見る!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210411/p1

2019年春夏アニメ評! 『ノブナガ先生の幼な妻』『胡蝶綺 ~若き信長~』『織田シナモン信長』 ~信長の正妻・濃姫が登場するアニメ2本他! 『超可動ガール1/6』『女子かう生』

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210404/p1

2019年冬アニメ評! 『五等分の花嫁』『ドメスティックな彼女』 ~陰陽対極の恋愛劇! 少年マガジン連載漫画の同季アニメ化!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20201018/p1

2019年冬アニメ評! 『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』 ~往時は人間味に欠ける脇役だった学級委員や優等生キャラの地位向上!?

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190912/p1

2019年冬アニメ評! 『スター☆トゥインクルプリキュア』 ~日本人・ハーフ・宇宙人の混成プリキュアvs妖怪型異星人軍団! 敵も味方も亡国遺民の相互理解のカギは宇宙編ではなく日常編!?

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191107/p1


2019~17年アニメ評! 『異世界かるてっと』 ~インター・ユニバースの原典『幼女戦記』『映画 この素晴らしい世界に祝福を!-紅伝説-』『Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆』『盾の勇者の成り上がり』『劇場版 幼女戦記』評 ~グローバリズムよりもインターナショナリズムであるべきだ!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210912/p1

2019~16年アニメ評! 『ブレイブウィッチーズ』『ガーリー・エアフォース』『荒野のコトブキ飛行隊』『終末のイゼッタ』 ~美少女×戦闘機×銃器のアニメ四者四様!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20201101/p1

2019~15年アニメ評! 『純潔のマリア』『リヴィジョンズ』『ID-O』『コードギアス 復活のルルーシュ』 ~谷口悟朗監督作品アニメ4本評!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210502/p1

2019~13年アニメ評! 『せいぜいがんばれ! 魔法少女くるみ』『魔法少女 俺』『魔法少女特殊戦あすか』『魔法少女サイト』『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』……『まちカドまぞく』 ~爛熟・多様化・変化球、看板だけ「魔法少女」でも良作の数々!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20201122/p1


2018~19年アニメ評! 『女子高生の無駄づかい』『ちおちゃんの通学路』 ~カースト「中の下」の非・美少女が主役となれる時代!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200301/p1

2018~19年アニメ評! 『7SEEDS』『A.I.C.O. Incarnation』 ~NETFLIXお下がりアニメ2本評!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210509/p1

2018年3大百合アニメ評! 『あさがおと加瀬さん。』『やがて君になる』『citrus(シトラス)』 ~細分化する百合とは何ぞや!?

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191208/p1

2018年秋アニメ評! 『SSSS.GRIDMAN』前半評 ~リアルというよりナチュラル! 脚本より演出主導の作品!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20181125/p1

2018年秋アニメ評! 『SSSS.GRIDMAN』総括 ~稚気ある玩具販促番組的なシリーズ構成! 高次な青春群像・ぼっちアニメでもある大傑作!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190529/p1

2018年秋アニメ評! 『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』#1~10(第一章~第三章) ~戦争モノの本質とは!? 愛をも相対視する40年後のリメイク!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20181208/p1

2018年秋アニメ評! 『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』 ~ぼっちラブコメだけど、テレ隠しに乾いたSFテイストをブレンド

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190706/p1

2018年秋アニメ評! 『ゴブリンスレイヤー』 ~レイプに売春まで!? 周縁のまつろわぬ民は常に憐れで正義なのか!?

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200209/p1

2018年夏アニメ評! 『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』 ~声優がミュージカルも熱演するけど傑作か!? 賛否合評!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190728/p1

2018年春アニメ評! 『ヲタクに恋は難しい』 ~こんなのオタじゃない!? リア充オタの出現。オタの変質と解体(笑)

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200216/p1

2017~18年アニメ評! 『魔法使いの嫁』『色づく世界の明日から』 ~魔法使い少女にコミュ力弱者のボッチ風味を加味した良作!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20201129/p1

2017~18年アニメ評! 『異世界食堂』『異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~』『かくりよの宿飯』 ~西欧風異世界×現代日本の食 その接合は成功しているか!?

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20211205/p1


2017年秋アニメ評! 『結城友奈は勇者である-鷲尾須美の章-』 ~世評はともかく、コレ見よがしの段取りチックな鬱展開だと私見(汗)

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190926/p1

2017年夏秋アニメ評! 『はじめてのギャル』『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』 ~オタの敵・ギャルやビッチのオタ向け作品での料理方法!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20201220/p1

2017年夏アニメ評! 『ようこそ実力至上主義の教室へ』1期・総括 ~コミュ力弱者がサバイブするための必要悪としての権謀術数とは!?

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220925/p1

2017年夏アニメ評! 『地獄少女 宵伽(よいのとぎ)』 ~SNSイジメの#1から、イジメ問題の理知的解決策を参照する

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191201/p1

2017年春アニメ評! 『冴えない彼女の育てかた♭(フラット)』 ~低劣な萌えアニメに見えて、オタの創作欲求の業を美少女たちに代入した生産型オタサークルを描く大傑作!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191117/p1

2017年春アニメ評! 『正解するカド KADO: The Right Answer』 ~40次元の超知性体が3次元に干渉する本格SFアニメ。高次元を材としたアニメが本作前後に4作も!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190929/p1

2017年春アニメ評! 『ID-0(アイ・ディー・ゼロ)』 ~谷口悟朗×黒田洋介×サンジゲン! 円盤売上爆死でも、宇宙SF・巨大ロボットアニメの良作だと私見

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190924/p1

2017年春アニメ評! 『ゼロから始める魔法の書』 ~ロリ娘・白虎獣人・黒幕悪役が、人間×魔女×獣人の三つ巴の異世界抗争を高踏禅問答で解決する傑作!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191128/p1

2017年冬アニメ評! 『幼女戦記』 ~異世界近代での旧独vs連合国! 新自由主義者魔法少女vs信仰を強制する造物主!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190304/p1

2017年冬アニメ評! 『BanG Dream!バンドリ!)』 ~「こんなのロックじゃない!」から30数年。和製「可愛いロック」の勝利!(笑)

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190915/p1

2016~18年アニメ評! 『怪獣娘ウルトラ怪獣擬人化計画~』1期&2期、映画『怪獣娘(黒)~ウルトラ怪獣擬人化計画~』評!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210919/p1

2016~18年アニメ評! 『チア男子!!』『アニマエール』『風が強く吹いている』 ~チア男女やマラソン部を描いたアニメの相似と相違!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190603/p1

2016~17年アニメ評! 『くまみこ』『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』『ネト充のススメ』 ~コミュ症女子を描いた3作品の成否は!?

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20201213/p1


2016年夏アニメ評! 『ラブライブ!サンシャイン!!』 & 後日談映画『ラブライブ!サンシャイン!! Over the Rainbow』(19年) ~沼津活況報告 & 元祖に負けじの良作と私見

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200628/p1

2016年夏アニメ中間評! 『ももくり』『この美術部には問題がある!』『チア男子!!』『初恋モンスター』『Rewrite』『ReLIFE』『orange』

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20160903/p1

2016年春アニメ評! 『迷家マヨイガ-』 ~現実世界からの脱走兵30人! 水島努×岡田麿里が組んでも不人気に終わった同作を絶賛擁護する!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190630/p1

2016年春アニメ評! 『マクロスΔ(デルタ)』&『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』(18年) ~昨今のアイドルアニメを真正面から内破すべきだった!?

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190504/p1


2015~16年アニメ評! 『それが声優!』『ガーリッシュ ナンバー』 ~新人女性声優たちを描くも、地味女子・ワガママ女子を主役に据えた2大美少女アニメ評!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220703/p1

2015~16年アニメ評! 『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』1期&2期  ~ネトウヨ作品か!? 左右双方に喧嘩か!? 異世界・異文化との外交・民政!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20211010/p1


2015年秋アニメ評! 『ワンパンマン』 ~ヒーロー大集合世界における最強ヒーローの倦怠・無欲・メタ正義・人格力!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20190303/p1

2015年秋アニメ評! 『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』 往年の国産ヒーローのアレンジ存在たちが番組を越境して共闘するメタ・ヒーロー作品だけれども…

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20190302/p1

2015年秋アニメ評! 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』 ~長井龍雪岡田麿里でも「あの花」「ここさけ」とは似ても似つかぬ少年ギャング集団の成り上がり作品!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191105/p1

2015年夏アニメ中間評! 『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』『六花の勇者』『おくさまが生徒会長!』『干物妹!うまるちゃん』『実は私は』『下ネタという概念が存在しない退屈な世界

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20150901/p1

2015年春アニメ評! 『響け!ユーフォニアム』 ~良作だけれど手放しの傑作だとも云えない!?

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20160504/p1

2015年冬アニメ評! 『SHIROBAKO』(後半第2クール) ~アニメ制作をめぐる大群像劇が感涙の着地!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20160103/p1


2014年秋アニメ評! 『SHIROBAKO』(前半第1クール) ~アニメ制作の舞台裏を描く大傑作爆誕

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20151202/p1

2014年秋アニメ評! 『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞(ロンド)』 ~ガンダムSEEDの福田監督が放つ逆「アナ雪」! 女囚部隊に没落した元・王女が主役のロボットアニメの悪趣味快作!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191222/p1

2014年秋アニメ評! 『ガンダム Gのレコンギスタ』 ~富野監督降臨。持続可能な中世的停滞を選択した遠未来。しかしその作劇的な出来栄えは?(富野信者は目を覚ませ・汗)

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191215/p1

2014年秋アニメ評! 『失われた未来を求めて』『天体(そら)のメソッド』 ~絶滅寸前! 最後の「泣きゲー」テイストの2大深夜アニメ! 良作なのに不人気(涙)

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220918/p1

2014年春アニメ評! 『ラブライブ!』(第2期)

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20160401/p1


2013~14年3大アイドルアニメ評! 『ラブライブ!』『Wake Up,Girls!』『アイドルマスター

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20150615/p1

2013年秋アニメ評! 『WHITE ALBUM 2』 ~「冴えカノ」原作者が自ら手懸けた悲恋物語の埋もれた大傑作!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191115/p1

2013年秋アニメ評! 『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』 ~低劣な軍艦擬人化アニメに見えて、テーマ&萌えも両立した爽快活劇の傑作!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190922/p1

2013年秋アニメ評! 『サムライフラメンコ』 ~ご町内⇒単身⇒戦隊⇒新旧ヒーロー大集合へとインフレ! ヒーロー&正義とは何か? を問うメタ・ヒーロー作品!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20190301/p1

2013年夏アニメ評! 『げんしけん二代目』 ~非モテの虚構への耽溺! 非コミュのオタはいかに生くべきか!?

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20160623/p1

2013年春アニメ評! 『這いよれ!ニャル子さんW(ダブル)』

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20150601/p1

2013年春アニメ評! 『惡の華』前日談「惡の蕾」ドラマCD ~深夜アニメ版の声優が演じるも、原作者が手掛けた前日談の逸品!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191006/p1

2013年冬アニメ評! 『まおゆう魔王勇者』『AMNESIA(アムネシア)』『ささみさん@がんばらない』 ~異世界を近代化する爆乳魔王に、近代自体も相対化してほしい(笑)

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200123/p1(当該記事)

2013年冬アニメ評! 『ラブライブ!』(第1期)

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20160330/p1


2012年秋アニメ評! 『ガールズ&パンツァー』 ~爽快活劇に至るためのお膳立てとしての設定&ドラマとは!?

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190622/p1

2011年春アニメ評! 『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』 ~別離・喪失・齟齬・焦燥・後悔・煩悶の青春群像劇の傑作!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191103/p1

2011年冬アニメ評! 『魔法少女まどか☆マギカ』最終回「わたしの、最高の友達」 ~&『フリージング』『放浪息子』『フラクタル

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20120527/p1

2010年秋アニメ評! 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』 ~萌え対象かつオタの自画像! 二重構造化させた妹を通じたオタ社会の縮図!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20121015/p1


2008年秋アニメ評! 『鉄(くろがね)のラインバレル』 ~正義が大好きキャラ総登場ロボアニメ・最終回!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090322/p1

2008年春アニメ評! 『コードギアス 反逆のルルーシュR2』 ~総括 大英帝国占領下の日本独立!? 親米保守vs反米保守!?

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20081005/p1

2008年春アニメ評! 『マクロスF(フロンティア)』(08年)#1「クロース・エンカウンター」 ~先行放映版とも比較!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080930/p1

2008年春アニメ評! 『マクロスF(フロンティア)』最終回評! ~キワどい最終回を擁護!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20091122/p1

2008年冬アニメ評! 『墓場鬼太郎

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080615/p1


2007年秋アニメ評! 『機動戦士ガンダム00(ダブルオー)』 ~第1期・第2期・劇場版・総括!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100920/p1

2007年秋アニメ評! 『GR ジャイアントロボ』 ~現代風リメイク深夜アニメだが、オタク第1世代の東映特撮版への郷愁も喚起!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080323/p1

2007年春アニメ評! 『ゲゲゲの鬼太郎』2007年版

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070715/p1


2006年秋アニメ評! 『天保異聞 妖奇士(てんぽういぶん あやかしあやし)』 ~幕末目前の外れ者集団による妖怪退治! 頭デッカチな作りだがキライになれない…

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070317/p1

2006年夏アニメ評! 『N・H・Kにようこそ!』

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061119/p1


2005年秋アニメ評! 『BLOOD+(ブラッド・プラス)』

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2005年春アニメ評! 『英国戀(こい)物語エマ』

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20051022/p1

2005年春アニメ評! 『創聖のアクエリオン』 ~序盤寸評

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20051021/p1


2004年秋アニメ評! 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY(シード・デスティニー)』 ~完結! 肯定評!!

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2004年春アニメ評! 『鉄人28号』『花右京メイド隊』『美鳥の日々(みどりのひび)』『恋風(こいかぜ)』『天上天下

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20040407/p1

2004年冬アニメ評! 『超変身コス∞プレイヤー』『ヒットをねらえ!』『LOVE♡LOVE?』『バーンアップ・スクランブル』『超重神グラヴィオン ツヴァイ』『みさきクロニクル ~ダイバージェンス・イヴ~』『光と水のダフネ』『MEZZO~メゾ~』『マリア様がみてる』『ふたりはプリキュア

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20040406/p1


2003年秋アニメ評! 『カレイドスター 新たなる翼』 ~女児向け・美少女アニメから真のアニメ評論を遠望! 作家性か?映画か?アニメか? 絵柄・スポ根・複数監督制!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20040408/p1

2003年春アニメ評! 『妄想科学シリーズ ワンダバスタイル』『成恵(なるえ)の世界』『宇宙のステルヴィア』『ASTRO BOY 鉄腕アトム

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2003年冬アニメ評! 『ストラトス・フォー』『ガンパレード・マーチ ~新たなる行軍歌~』『MOUSE[マウス]』『ぱにょぱにょ デ・ジ・キャラット』『陸上防衛隊まおちゃん』『朝霧の巫女』『らいむいろ戦奇譚

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#巨蟲列島 #まおゆう #魔王勇者 #ささみさん #2013冬アニメ #2013年冬アニメ
『魔王勇者』『AMNESIA』『ささみさん』評! 2013年冬アニメ10周年記念!
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クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 ~ガンダムSEEDの福田監督が放つ逆「アナ雪」! 女囚部隊に没落した元・王女が主役のロボットアニメの悪趣味快作!

『ガンダム Gのレコンギスタ』 ~富野監督降臨。持続可能な中世的停滞を選択した遠未来。しかしその作劇的な出来栄えは?(富野信者は目を覚ませ・汗)
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』 ~完結! 肯定評!!
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『機動戦士ガンダム』シリーズ評 ~全記事見出し一覧
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 2019年11月22日(金)からアニメ洋画『アナと雪の女王2』が公開記念! とカコつけて……。元祖『アナと雪の女王』(13年・日本公開14年)の逆パターンをねらったとおぼしき異世界を舞台としたロボットアニメ『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞(ロンド)』(14年)評をアップ!


クロスアンジュ 天使と竜の輪舞(ロンド)』 ~ガンダムSEEDの福田監督が放つ逆「アナ雪」! 女囚部隊に没落した元・王女が主役のロボットアニメの悪趣味快作!

(文・T.SATO)
(2015年4月27日脱稿)


 水樹奈々堀江由衣田村ゆかり喜多村英梨上坂すみれ小倉唯石原夏織林原めぐみ
 最初からオーディションをする気がなかったのか(?)、キングレコード系の若手のみならずアラサー・アラフォーのアイドル声優(笑)たちだけが大挙集結!――オッサンの筆者にはルックス含めてまだまだ若くてウェルカムだけど、高校生くらいのオタが見たならば一部はオバサンですかネ?(汗)――


 国民たちも注目する、文武両道の気高き美人王女さまがのぞむハレの場の戴冠式
 そこで予想だにしないことに、お姫さまが「異能」(?)の持ち主であることが発覚して大騒ぎ! ……って昨2014年に大ヒットしたディズニーのCGアニメ映画『アナと雪の女王』と同じやないけー!


 「異能」というのがこの作品世界においては、国民必須の能力である「超能力」を「保持していない」ことであったり、王女さまが外ヅラは良くって態度もフェアでも、プライベートや本心では勝ち気だったり、王家を追放された先が「泣く子も黙る監獄島」だったりと、アレンジはイチイチが逆だけど。


 #1のアバンタイトルは、バイクみたいな飛行メカにまたがった半ケツの姉ちゃんだらけの女囚部隊が命令一下、一糸乱れぬ編隊飛行で、西欧中世ファンタジー風の空飛ぶ大小の翼竜ドラゴン軍団と、明るい洋上にて血しぶき空中戦!
 しかし、命令を無視したお姉ちゃん(元・王女さま)が子守歌(?)を歌いつつ独断専行! 戦友たちのブーイングも無視してバイクを中型ロボットに変形させて、圧倒的な強さで大活躍も果たして、ついには巨大ドラゴンにトドメを刺す!


 ツカミは上々! 主役はこのお姉ちゃんで、本作は巨大ロボットものですよ! と判らせる秀逸な導入部でもある。


 続けて何かの間違いで(笑)、去年の大晦日の『NHK紅白歌合戦』でも披露された、主演声優・水樹奈々が歌うノリノリの本作オープニング主題歌が流される。


 気立てのいいウブな少女性や萌え媚び・癒しの精神性よりも、凛々しさ・ハツラツさやセクシーな肉体性を前面に押し出していた、1970~90年代アニメのビキニアーマーや半裸の「戦闘美少女」たち。「学園異能」や「日常系」アニメに押しやられて、かつては輝きを放った「戦闘美少女」たちも今や傍流。
 よって、大きなニーズがあったとも思えないのに、そんな「戦闘美少女」が2010年代の御代に復活! ……いや、「戦闘悪女」・「戦闘猛女」・「戦闘毒婦」というべきか?(汗)


 育ちの悪いヤツらばかりの女囚間では、意地の張り合いやらイジメが横行! 服を切り裂き画鋲を仕込み、時に互いに身体を慰め合う!


 とはいえ、高貴の生まれの元・王女さまは悲劇の主人公にはならない。彼女個人の人間関係面での相手の気持ちを推測することができない空気の読めなさ、生来からの身分差別意識がまたヒドいものなのだ(爆)。


 筆者個人は本作の確信犯で下世話な作りが非常に気に入ったけど、少々ヘビーな展開があると「鬱アニメだ、鬱アニメだ」と小ウルサい、心優しい今のオタ間では覇権を取ることはナイだろうと、作品への質的評価とはまた別に、素人マーケティングをしていたところだ。


 実際、若いアニオタたちの批評系ブログを眺めても、今どきの洗練された美少女アニメばかりが語られる。
 下品な作りで何よりも作画が悪い本作は(汗)、語られること自体が極少で――「萌え」要素に乏しくて女性ファンが多めのオタク版『池袋ウエストゲートパーク』(98年・00年にTVドラマ化)ことラノベ原作の深夜アニメ『デュラララ!!』(10年)なども同様だったけど――、筆者の私見をこのアニメ感想クラスタの現実がウラ付けしているとも見てきた。


 ところがフタを開けたら、円盤第1巻の売上が同じく同季の2クールアニメ『ガンダム Gのレコンギスタ』(14年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191215/p1)を上回るスマッシュヒット!


 愉快ツーカイ(コラ)。
 しかしナニゆえにこうなる? 本作の円盤を購入した君たちは今までいったいドコに隠れていたのか?(笑) イチイチ「鬱アニメ」だとクレームを付けている層は現今の主流派じゃなかったの?


 こーいう現実に直面すると作品の外側のこと、ひとかたまりのマスに見えがちなアニオタも決して一枚岩ではなく、内実は「水平方向」に四分五裂しており、批評ブログ・まとめサイトも時にファンの最大公約数ではなく、ノイジーマイノリティとサイレントマジョリティの両者があることによる「垂直方向」でのバラつき偏差にも気付かされてしまう。


 ていねいな描線&輪郭が標準となった2010年代のアニメにはとても見えない、#1はまだしもオープニング主題歌のビジュアルが象徴する(汗)、画力に乏しくてもササッと描けそうな(?)少々粗いキャラデザ&作画。コレは2014年前半の『バディ・コンプレックス』&『キャプテン・アース』が売上的には爆死したから、「ロボットアニメはやはり売れないかも?」的に予算を削られてしまったせいですかネ?――本作後半・第2クール前半の作画に至っては崩壊で、そのへんの各回の出来もグダグダでしたけど(笑)――


 このテの作品での常套の「超展開」で、シリーズ後半では「もうひとつの地球」(並行世界)が登場! 終盤では持ち直して、ラスボス&劇中世界に迫る大破局のスケールも超特大にしてみせて、作劇的にも盛り上げる!


 「もうひとつの地球」に新たな居を定めて、荒廃した元の世界は放置して残存者の「自助努力」に任せる(!)本作の最終回は、たしかに「自助努力」自体が「人間の基本」かもしれないので小気味がイイ気もする。
 と同時に、コレは昨今の新自由主義経済の極端化だともいえて――元の世界では生存のために発砲して、盗っ人を殺害している図までもが!――、筆者みたいな弱者は真っ先に死ぬであろうし、近代的な市民社会(笑)とは程遠いよナと思ったりもする。……などとマジレスして論考するような作品でもナイけれど(汗)。


 「指をさして半分は笑いながら観てください!」という方向性をねらったネタ作品でもあるけれど、


・タフなリア充(リアル充実)
・キマジメな学級委員タイプ
・損をして恨みを募らせる弱者
・集団内での生存戦略で仲間のフリ


 などの多数の女性キャラの描き分け、力学&因縁決着を、過不足なくまとめあげていたことは指摘しておきたい。


(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.64(15年5月2日発行))


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ガンダム Gのレコンギスタ』 ~富野監督降臨。持続可能な中世的停滞を選択した遠未来。しかしその作劇的な出来栄えは?(富野信者は目を覚ませ・汗)

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『GR ジャイアントロボ』 ~2007年秋アニメ評!

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創聖のアクエリオン』序盤寸評 ~2005年春アニメ評!

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鉄人28号』 ~2004年春アニメ評! 『花右京メイド隊』『美鳥の日々(みどりのひび)』『恋風(こいかぜ)』『天上天下

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超重神グラヴィオン ツヴァイ』 ~2004年冬アニメ評! 『超変身コス∞プレイヤー』『ヒットをねらえ!』『LOVE♡LOVE?』『バーンアップ・スクランブル』『みさきクロニクル~ダイバージェンス・イヴ~』『光と水のダフネ』『MEZZO~メゾ~』『マリア様がみてる』『ふたりはプリキュア

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宇宙のステルヴィア』『ASTRO BOY 鉄腕アトム』 ~2003年春アニメ評! 『妄想科学シリーズ ワンダバスタイル』『成恵(なるえ)の世界』

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20040403/p1

あさがおと加瀬さん。・やがて君になる・citrus ~2018年3大百合アニメ評・細分化する百合とは何ぞや!?

『BanG Dream!(バンドリ!)』 ~「こんなのロックじゃない!」から30数年。和製「可愛いロック」の勝利!(笑)
『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』 ~声優がミュージカルも熱演するけど傑作か!? 賛否合評!
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 2019年11月22日(金)から百合(ゆり)アニメのOVA『フラグタイム』が劇場先行公開記念! とカコつけて……。『フラグタイム』のスタッフが先に手懸けた劇場先行公開の百合OVA『あさがおと加瀬(かせ)さん。』(18年)。加えて、2018年に放映された百合アニメ『やがて君になる』と『citrusシトラス)』評をアップ!


あさがおと加瀬さん。』『やがて君になる』『citrus』 ~2018年3大百合アニメ評・細分化する百合とは何ぞや!?

(文・T.SATO)

あさがおと加瀬さん。

(2018年8月1日脱稿)


 2018年6月9日(土)先行公開の百合OVA。


 ハスキーな低音ボイスの黒髪ショートで長身スレンダーな陸上女子のハツラツとした加瀬さん。
 校庭の中庭で大きな麦ワラ帽子をかぶって花壇をいじっている金髪ショートでチビチビの全身オトメで女のコといった感じの山田さん。
 対極的ともいえるふたりの女子高生の百合関係を延々と描いていく作品である。


 37年前の「アニメ新世紀宣言」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19990801/p1)が夢見たアニメの未来は、人類の革新! 種としての進化! 無限チカラに試される人類の行く末! みたいな、ドコに出しても恥ずかしくない(?)マクロな議題に挑戦するハズのものだったと思う(笑)。
 それが今や、こんなにも小市民的でミクロな懊悩にすぎる、観てるとヨソさまに後ろ指を指されそうな「百合(ゆり)」だの「BL(ボーイズ・ラブ)」だのに拘泥するだなんて、初志を忘れた堕落の極みだ! 北朝鮮やシリア問題の方を気にしろよ!(ウソです)


 いやまぁ「百合」だの「BL」だのは、個人の隠れた読書体験で終わるモノだったハズで、シネコン内でも一番小さなハコとはいえ、同好の士といっしょに「百合」アニメなんぞを観るような日が来ようとは……。


 一昨年2016年は女性オタ向けのアンニュイな「BL」を題材にした『同級生』というアニメ映画も公開されてたほどで――いやまぁお耽美な世界を観に来た女性ばかりの観客の中に、ルックス的にも醜い筆者みたいな男性キモオタが視界に入ったら、さぞや気分を害するだろうと思って、鑑賞は自粛しましたが(笑)――。


 とはいえ「百合」も細分化。


 深夜アニメ『響け! ユーフォニアム』(15年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20160504/p1)の脇役たちを主役に据えた番外編映画『リズと青い鳥』(18年)は、絵的にも劇中人物のメンタル的にも「真性女子」であって、控えめな女のコの快活な女のコに対する恋情や依存心も混じったかのような片思いの秘めたる百合感情。
 対するに本作は、絵的には野郎向けの美少女アニメの文法寄りで、陸上女子のオトメ女子に対する恋情は、「野郎」の女子に対する恋情や欲情のオルタナ(代替物)だとも云えなくもない。


 陸上女子がオトメ女子のお部屋に招かれて、オトメ女子のいない間にベッドに潜って匂いをかいだり、成り行き&偶然でついつい陸上女子がオトメ女子を押し倒すような格好にもなってしまい……(黄色い声!)。


 筆者にも羞恥心があるので、スクリーンを見つめながら終始ニヤニヤしてました……、みたいな感想を述べることは、「べ、別にアンタのことなんて○○じゃないんだからネ!」ばりに性格的にもムリなので(笑)、ハスに構えさせてもらおう。


 やっぱ、「百合」だろうが「BL」だろうが、美男美女じゃなきゃ相思相愛は成立しないよネ!(爆)


 なので、彼ら彼女らがルックスには恵まれていなかったならば、はたして両者間に相思相愛の「百合」「BL」関係は成立したのであろうか? とついつ勘ぐってもしまうのだ。


 それに「百合」「BL」とはいっても、既存の男女関係や男尊女卑とも無関係ではなく、やはりその中でも擬似的男役・擬似的女役がいるじゃん。快活で颯爽としていて能動的なのが前者で、総受け的なのが後者であって……。
 「可憐で守ってあげたいと思う情動」&「颯爽として頼もしいと思う情動」の非対称な組合せにこそセクシュアリティーが宿るなら……。


 陸上女子を演じるのは「あやねる」こと佐倉綾音。筆者にとっては人気美少女アニメご注文はうさぎですか?』(14年)の主人公ではなく、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』(15年)のアザト可愛いサードヒロイン「いろはす」こと一色いろは
 ロボットアニメ『アクエリオンロゴス』(15年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20151006/p1)での銀髪ショートのメインヒロイン役で、低音ハスキーかつ絶叫も通るボイスも聞き知ってはいたけれど、宝塚の男役をイイ意味で頼りなくて情けなくもしたようなボイスを見事披露!――いや、地声に近いのか?(汗)――
あさがおと加瀬さん。

「あさがおと加瀬さん。」Blu-ray Flower Edition(初回限定生産)
(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.72(18年8月11日発行))


やがて君になる

(2018年12月26日脱稿)


 一見は妹系である女子はピンク髪のショートヘアの女子高生で新入生。
 一見はお姉さん系である黒髪ロング女子も女子高生だけど2年生。
 このふたりの百合関係を描くマンガ原作アニメである。


 百合の概念もインフレしすぎで輪郭がボヤけすぎだろ!? と常々思っているけれども、コレは真性の百合でありかつ、ふたりの関係性さえ良ければ他はドーなっても構わない、世界が滅びようとも構わない、この世の醜いモノは眼に入れたくない……といった、排他的で公共心のプチ欠如や度量の狭さがドコかで匂っているかのような凡百の百合作品とは異なり、そこまでには行かないであろう節度や常識や抑制があって、なおかつヒネりもある作品になっている。


 トンネルを抜けると……ならぬ、校舎のウラの樹林を歩いて抜けていった先には、古びたオシャレな木造棟があり、そこはハイソな面子が集う生徒会の根城であって……。といったワンクッションを置くことで、日常・俗事から少し離れた少々セイントな感じを醸す舞台を構築することにも成功している。
 なぞと書いていくと、ロートル的には往年の名作百合アニメ『マリア様がみてる』(03年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20040406/p1)における生徒会棟との類似も想起するけれど。


 妹系女子はフィクションでは恋愛物語にトキメく感性もあるのに、3次元では異性やその告白にトキメいたことがナイことにプチ苦悩する少女。
 今では中堅の声優・寿美菜子(ことぶき・みなこ)が颯爽としたお姉さんボイスで演じる姉系黒髪ロング女子が、男子生徒に告白されるも丁重に断っている姿を偶然見かけてしまった妹系女子は、生徒会活動を手伝うようになるうちに、少々親しくなった黒髪ロング女子に先の悩みを打ち明ける。


 そうしたら、黒髪ロング女子が頬を紅潮させ瞳をキラキラと潤ませて、


「自分もそうだ。(だから)アナタのことが好きになりそうだ」


と接近してくるのだ!


 似た者同士、いや通じるモノがある者同士、同じ悩みがある同士で、シニカルに見れば心理学的には「共依存」だともいえる百合関係のはじまりか!? と思いきや……。


 ひとりでドキドキと盛り上がって妹系女子に無防備にも隙を見せまくっているのは、普段は完璧超人かつ人間的にも余裕があるように見えて、小首を傾げてプチ・コケティッシュに試してくるような黒髪ロング女子ひとりだけなのだ!
 反対に妹系女子は姉系女子のそんな姿に、たった今しがた「彼女がトキメいたこと」で彼岸へと去っていき、「自分とは異なる存在」になったと感じて瞬時に冷めていき、しかもそんな冷めていく妹系女子のメンタルに姉系女子が気付いていないディスコミュニケーションを描いていくイジワルさ!


 さらに、妹系女子と姉系女子が密かにイチャイチャしているところを目撃してしまった、生徒会を手伝う美少女みたいな中性的な小柄の新入生美少年クンも、妹系女子に「このことを口外しない」と応じつつも、「自身も実は姉ふたりと妹に囲まれて育ったせいで、女性に警戒されないせいか女生徒たちにも常に囲まれていて、異性に対してトキメキを抱かない」のだと独白する。
 しかして彼が妹系女子とまったくな同じワケがなく、似て同なるところと似て非なるところも同時に描いていく。


 さらにそこに、生徒会長に当選した姉系女子の女房役を任じてきた、声優・茅野愛衣(かやの・あい)演じる明るい茶髪の副会長キャラが、姉系女子&妹系女子の急接近に気付いてプチ嫉妬もして、妹系女子に牽制をかけてくる!
 そんな彼女は中学生時代の同性愛体験で失恋してしまった経験があり、姉系女子を助けているようでも彼女に実は依存しているようなプチ病んでいる描写で深みも出していく。


 茶髪女副会長 → 姉系黒髪ロング女子 → 妹系ピンク髪女子 の一方通行な片思い!


 通常、実写作品とは異なり、漫画やアニメは「キャラデザ」や「髪の毛の色」自体がイコール「性格」も表わす記号的なモノだけど――それが悪いというのではなく――、ここでは見た目は甘ったるそうに見える妹系女子が内面においてはシニカルで、見た目はクールな姉系女子にチョロい一面も持たせることで、単なる記号キャラには陥らないナマっぽい多面性も出せている。
――もちろん多面性があるから即優れているワケではない。カルト人気を放つ新房昭之が総監督を務めた昨2017夏のアニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』などは、清楚さの記号である黒髪ロングのメインヒロインにコケティッシュなキャラ性も付与して、その一点では多面的な描写に成功しているけど、作品全体としては優れていないと私見――。


 予算も潤沢なのであろう。作画や背景美術も美麗であり、それが本作にリリカルさ(抒情性)も生んでいる。


 他方でコレは異性にお相手として見てもらえる人種の特権であって、誰にも依存せずに孤独に堪えるダンディズムみたいな作品も出てきてくれよ! みたいな相反する気持ちがヘソ曲がりな筆者にはあるけれど、それはそれとして一時的には耽美の世界に神経の一部を麻痺させて酔うのも悪くはないと思う。

やがて君になる (1) [ イベントチケット優先販売申込券 ] [Blu-ray]
(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.73(18年12月29日発行))


『citrus(シトラス)』

(2018年4月27日脱稿)


 たいていの美少女アニメでは悪者として登場するか存在しないことにされている(笑)金茶髪なギャル娘と、学園の御曹司でもある黒髪ロングの清楚な生徒会長。この水と油のようなふたりの女子高生の百合関係を描く作品である。


 弱者男子にとっての都合がイイ、可愛さや健気さに特化した性格や、頭身も低くて描線も少なく丸っこい記号的な萌えキャラではなく、デッサン骨格しっかり系の繊細ナイーブな描線による8頭身で、ナマっぽい複雑な内面や人格も感じさせる造形のキャラデザにもなっている。
――アニメでも実写でも、物語である以上は、すべての人物には記号的な簡素化・性格の単純化が施されてるというツッコミはさて置き、ココでは程度問題として捉えてください――


 近年の単なる女性同士の友情すら「百合」と呼称してしまう風潮には個人的には疑問をいだく。それらが百合なら、ありとあらゆる美少女アニメはすべて百合だろう。百合ってゆーのは、マンガ原作の深夜アニメ『青い花』(09年)みたいなガチで嘆美で繊細でデリケートで、時には女性同士の性愛も伴なう作品のことを云うのであって(以下略)。


 そこの『桜Trick』(14年)! すぐにキスするな! そこまでに至る押したり引いたり、付かず離れずな中間過程や揺れる心情を経ないと、キスの場面が盛り上がらん!(笑)
 3期も作られた美少女アニメゆるゆり』(11年)に至っては、どのへんが百合なのかが筆者にはサッパリわからない……。エッ、「ユルい百合」を省略したメインタイトルで全力でエクスキューズしている作品に、そのツッコミはナンセンス? コリャまた失礼いたしました。
 まぁ確信犯的に範囲をズラしたり拡張したり、聞くところによると今では「百合」と呼称した方が売れるから(笑)という商業的理由から来る「総称」にツッコミを入れるのもヤボですナ(汗)。


 一応ギャル娘が主役だけど、そこは野郎向けの商品としてもよくできていて、彼女は真性ギャルではない。いやファッション&スイーツな輩ではあるし、ファミレスでは妄想彼氏とのHをギャル友たちにミエっ張りにも罪悪感なくスラスラと自慢するけど、少女漫画『オオカミ少女と黒王子』(11年・14年に深夜アニメ化)冒頭の主人公女子高生の同じミエっぱりとも同様、その実態は非常にウブだともゆーあたりで、我々非モテのオタク男子もホッとする。


 ここで「ウブなギャル」という語句に、昨2017年夏の深夜アニメ『はじめてのギャル』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20201220/p1)を連想した御仁は間違っている!
 いや、正しいのかもしれないが(汗)、繊細な描線の本作と豪胆な描線の『はじギャル』を同一視するのは、本作に対する冒涜である(爆)。本作でギャル娘を演じる竹達彩奈(たけたつ・あやな)嬢は、『はじギャル』では清楚な黒髪ロングなのに自室ではギャル姿の隠れユーチューバーであったが(笑)。


 で、気合いを入れて化粧をして制服も適度に着崩して、転入先の高校に乗り込んだギャル娘は、校門の前で黒髪生徒会長に拒絶され……。
 トコロがドッコイ、この堅物そうな黒髪生徒会長が校舎ウラで若手男性教師とキスをしているのを目撃したことから(!)、ギャル娘は黒髪生徒会長をその件で脅そうとするも、逆にその唇を奪われて……。


 果てはギャル娘の奔放な母の再婚により、その黒髪生徒会長と義理の姉妹として同居することになり! ……といった往年の少女漫画『イタズラなKiss』(90年・96年にTVドラマ・08年に深夜アニメ化)パターンにもなったりして、なかなかといわずともまぁまぁの序盤ではある。
 しかし、その後の展開は、キョーレツなヒキなり背徳感(汗)には少々欠ける淡泊なモノにも個人的には思えて……。


 とはいえ、アイドル声優竹達彩奈の少々小生意気でも放埒(ほうらつ)の域には行かずに節度も感じられるボイス演技は、本作のギャル娘役にはピッタリには思う。「あずにゃんペロペロ」の『けいおん!』(09年)からでもまる10年。この業界では中堅の域に達したにも関わらず、18年冬季は本作の他に『ラーメン大好き小泉さん』『だがしかし2』と3作ものメインヒロインをゲット!
 昨2017年の缶コーヒー・ダイドーブレンドCMではヒーロー課で黒い強化スーツをまとって顔出し出演を果たし――今やってるCMでは同じくアイドル声優内田真礼(うちだ・まあや)に交代だけど――、今年2018年の『快盗戦隊ルパンレンジャーVS(ブイエス)警察戦隊パトレンジャー』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190526/p1)の女敵幹部役の妖艶な声も見事だし、まだまだ延命できそうだ。

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(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.71(18年5月4日発行))


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2018年冬アニメ評! 『メルヘン・メドヘン』『刀使ノ巫女(とじのみこ)』『ゆるキャン△

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190908/p1

2017年秋アニメ評! 『結城友奈は勇者である-鷲尾須美の章-』 ~世評はともかく、コレ見よがしの段取りチックな鬱展開だと私見(汗)

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190926/p1

2017年冬アニメ評! 『BanG Dream!バンドリ!)』 ~「こんなのロックじゃない!」から30数年。和製「可愛いロック」の勝利!(笑)

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190915/p1

2014年春アニメ評! 『ラブライブ!』(第2期)

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20160401/p1

2013年秋アニメ評! 『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』 ~低劣な軍艦擬人化アニメに見えて、テーマ&萌えも両立した爽快活劇の傑作!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190922/p1

2013年冬アニメ評! 『ラブライブ!』(第1期)

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20160330/p1

2013~14年3大アイドルアニメ評! 『ラブライブ!』『Wake Up,Girls!』『アイドルマスター

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20150615/p1

2012年秋アニメ評! 『ガールズ&パンツァー』 ~爽快活劇に至るためのお膳立てとしての設定&ドラマとは!?

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190622/p1

2011年冬アニメ評! 『魔法少女まどか☆マギカ』最終回「わたしの、最高の友達」 ~&2011年冬季アニメ『IS』『フリージング』『放浪息子』『フラクタル

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20120527/p1

2004年冬アニメ評! 『超変身コス∞プレイヤー』『ヒットをねらえ!』『LOVE♡LOVE?』『バーンアップ・スクランブル』『みさきクロニクル ~ダイバージェンス・イヴ~』『光と水のダフネ』『MEZZO~メゾ~』『マリア様がみてる』『ふたりはプリキュア

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20040406/p1

2003年春アニメ評! 『妄想科学シリーズ ワンダバスタイル』『成恵(なるえ)の世界』『宇宙のステルヴィア

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20040403/p1

地獄少女 宵伽 ~SNSイジメの#1から、イジメ問題の理知的解決策を参照する

『ゼロから始める魔法の書』 ~ロリ娘・白虎獣人・黒幕悪役が、人間×魔女×獣人の三つ巴の異世界抗争を高踏禅問答で解決する傑作!
『幼女戦記』 ~異世界近代での旧独vs連合国! 新自由主義者の魔法少女vs信仰を強制する造物主!
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 2019年11月15日(金)から実写映画版『地獄少女』が公開記念! とカコつけて……。
 深夜アニメ『地獄少女』(05年)の最新第4シリーズ、『地獄少女 宵伽(よいのとぎ)』(17年)評をアップ!


地獄少女 宵伽』 ~SNSイジメの#1から、イジメ問題の理知的解決策を参照する


(文・T.SATO)
(2017年12月13日脱稿)


 古めかしいセーラー服や和服に身をつつんだ儚げな黒髪オカッパ美少女とその仲間のオジサン・オバサンたちが、許せぬ悪を文字通り死後の世界の地獄に突き落とす『地獄少女』(05年)が、パチンコマネーか第4期として新作&過去作の傑作選(汗)で中途半端に復活。


 往年のTV時代劇『必殺』シリーズ(https://katoku99.hatenablog.com/entry/19960321/p1)まるパクりの、照明で陰影を濃くした顔UPのモノクロ画像&浮世絵調の地獄絵図のオープニング映像やナレーションは好評のようだが、『必殺』シリーズマニアでもあったオッサンオタの筆者としては、ココまで忠実に再現されると逆に気恥ずかしくなる(私見です・汗)。
 まぁそれはスレたマニアの主観にすぎないけど、筆者の本シリーズに対する評価は「悪くはナイけど絶賛するほどでもナイ」というもの――後期『必殺』シリーズと比すればはるかに面白いけれども(爆)――。


 #1の題材はSNSイジメ。
 ウワァ~。地元や会社とは隔絶した趣味的共同体ではなく、学級の延長としての電脳空間では、腕力や声のデカさやルックスにファッションや他人に対してキツく出れる嗜虐的な人間が優位、気弱で控えめで反論や反撃できない人間が劣位のままで持ち越され、それらが言語化・可視化・アーカイブ化されてブースト・増幅もされていく世界でもあるから、腕力も胆力もなく常にクラスの隅っこでショボ~ンとしていて


「あんな奴いたっけ?」


と後ろ指をさされて、地縁・血縁・学校・会社に帰属意識が持てずに落下した先がコミケだった筆者としては(爆)、自分が今の時代の中高生だったら、今回のゲスト女子高生みたくさらにコジらせて、あるいは最初から学級のSNS共同体になぞ所属しないよナと暗澹たる気持ちになる。


 イジメ問題にはイジメっ子側のケアも必要との意見には一理あるけど、尾木ママはじめイジメっ子と化した原因を社会や親からの虐待・愛情不足に求める意見には笑止千万。
 犬猫を飼っていてもつくづく思うが、後天的な環境や親の教育によらず、人間も個体ごとに先天的な気質・体質・品性の相違がある。他人に対して優しく共感的な子もいれば、加虐的で共感性に乏しく、長じて部下や生徒を大声で罵倒して悦に入ると容易に推測できる子もいる。
 ヒーローショーのジャンケン大会でも平気で後出しジャンケンで勝ち進み、そのことに痛痒も感じていない様子のガキも散見する。


 この現実の上に立つべきで、根源の蛇口を締めることも肝要だけど、釈尊の毒矢の例え同様、毒矢がどこから飛来して誰が射て何の毒が塗ってあったかを議論している間に被害者やイジメられっ子が死んでしまっては元も子もなく、まずは応急処置・緊急避難も必要だ。


 であれば、イジメっ子とイジメられっ子に握手させ仲直りさせる両成敗の偽善ではなく、加害者を退学・転校・隔離して被害者を救うことこそフェアであり、その隠喩としてイジメっ子にこの世からご退去願うオチと見た(ウソです・汗)。


(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.70(17年12月30日発行))



 ……とコジつけて、手前ミソで恐縮ですけど、10数年前に「はてなブックマーク」を付けた「イジメ」問題の理知的解決策の数々に再リンク!


[関連記事] ~イジメ問題!

はてな見せブックマーク ~オタク・イジメ・非モテ中心

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20070125/p1

拙ブログ「katoku99のブックマーク」

(10年以上前の2007年ごろにイジメ問題を中心に「ブクマ」しようとしたものの、継続できなかったモノなのですけど、おかげさまで今でも「『ブクマ』自体への『ブクマ』」や「はてなスター」が付き続けているようです・汗)

  https://b.hatena.ne.jp/katoku99/?mode=detail


拙ブログ「katoku99のブックマーク」の「イジメ」関連ブクマを、以下にピックアップ!

1.「いじめ問題」を解決させたければ、学校の「調整能力」と生徒の「自治能力」を評価に組み込むしかない。 - 想像力はベッドルームと路上から

  https://inumash.hatenadiary.org/entry/20061030/p1
 (イジメ自殺ブクマ1。悪者視されがちな教師・学校の評価制度。コレはそれを逆転。イジメが発覚した時点で評価が下がる現行尺度を廃し、イジメを発見&解決したことに評点を与えよと説く! システム改善による善導!)


2.いじめる側のメリットが大きくコストが少ない限り、いじめ発生は不可避だろう - シロクマの屑籠

  https://p-shirokuma.hatenadiary.com/entry/20061113/p1
 (イジメ自殺ブクマ2。議論の前段として、子供たちの集団生活での適応・ポジショニング、特にイジメる側のメリットを分析し、対するデメリットを増すことでイジメを減少しようという、これまた理知的な理論の提案!!)


3.喪男道 優秀なイジメ考察

  http://shrak.blog17.fc2.com/blog-entry-331.html
 (イジメ自殺ブクマ3。文末尾に注目。アメリカでは70年代に学級崩壊に直面。90年代以降、ゼロトレランス(不寛容方式)が導入され、加害者側を厳罰、あるいは隔離し、学校秩序回復に一定の効果があった旨が語られる!)


4.原宿新聞 - 原宿エリアの最新ニュース - 「いじめ学」内藤朝雄氏に聞く、問題の深層と対策(1)

  http://www.harajukushinbun.jp/headline/406/index.html
 (イジメ自殺ブクマ4。現実政治に対する発言には「?」だが、イジメ問題では学会で斯界最高の分析力を有すると尊敬する内藤朝雄助教授。イジメを2種に分類し、各々に解決策を提示。メジャーな場で活躍してほしい方!!)


5.マル激トーク・オン・ディマンド いじめを無くすためにまず私たちがすべきこと 内藤朝雄氏(社会学者・明治大学助教授) - Munchener Brucke

  https://kechack.hatenadiary.org/entry/20061119/p1
 (イジメ自殺ブクマ5。イジメ問題では学会で斯界最高の分析力を有す内藤朝雄と、90年代に援交・ブルセラを分析する学者として名を売った社会学者・宮台真司のネット配信番組での縦横無尽、多角的な対談の要約! 注目!)


6.内藤朝雄 on 「いじめ」 - Living, Loving, Thinking, Again

  https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20061128/1164677475
 (イジメ自殺ブクマ6。ブクマ4でもふれた、イジメ問題では学会で良質な論考を行う内藤朝雄インタビューを紹介。大枠で賛同しつつも細部で異論やそれに対するクレバーな代案や補論を提示。論考を深めたい方にお勧め!)


7.いじめに関する議論 - 我が九条

  https://wallerstein.hatenadiary.org/entry/20061213/1165998133
 (イジメ自殺ブクマ7。ブクマ4でふれたイジメ問題では学会で良質な論考を行う内藤朝雄の言説を引きつつ、学校解体に現実性がない今、学校がすべき、それが不可なら被害者の法的対抗、学校からの離脱を段階的に提示!!)


8.いじめ論 I~II - ラブラブドキュンパックリコ

  https://web.archive.org/web/20070118092251/http://d.hatena.ne.jp/Maybe-na/searchdiary?word=%2a%5b%a4%a4%a4%b8%a4%e1%5d
  https://web.archive.org/web/20070220152500/http://d.hatena.ne.jp/Maybe-na/archive?word=%2a%5b%a4%a4%a4%b8%a4%e1%5d
 (イジメ自殺ブクマ8。1~8まで素人の義憤の感情論ではなく道徳論でもなく理性的な処方箋を挙げたが、こちらもここ20年のイジメ論の変遷と進歩をイジメ論書籍・記事・事例を多数ひきつつ多角的に展開! 全6章お勧め!)
 (先の往時の有名サイト自体は2007年に閉鎖。2006/11/4と11/19の記事に該当しますが残念、11/4の「いじめ論 I」の方は、かのインターネット・アーカイブ上にも保管ができていなかった模様で・汗)



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