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(脚本&監督&特技監督・川崎郷太)
(視聴率:関東8.0% 中部3.4% 関西9.1%)
(文・T.SATO)
(97年5月5日執筆)
「『セブン』コンプレックス」は無いけど「来なかったアニメ新世紀」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19990801/p1)トラウマが強烈で(笑)、“大人の鑑賞にも耐えうる”だの“リアル”だのをあまりに純朴に使う輩に対しては、大人・一般向け志向がただのマニア向けに堕したかつてのアニメブームの愚挙を再度くりかえす可能性にあまりに無警戒だとマユにツバを付けずにいられないのが筆者らの世代(過去の自分を斬ってるんだけど・笑)。
『ウルトラセブン』(67年)の方向性も下手をすればセブン不要のドラマ構造に行き着く可能性があり、幼児も考慮に容れれば手放しで絶賛できないのだが、そんな筆者でもティガ「うたかたの…」には兜を脱いだ。
なぜ戦うのか。GUTS(ガッツ)隊員たちレナやマユミの戦い否定派にも理があり、ホリイ・ヤズミらの肯定派にも一理ある。
それに対しダイゴ=ティガは……悩みつつも仲間が好きだからという身近な感情を見出し今は戦う!
この展開はスジが通らないという批判も成立しよう。
けど、まぁ永遠の課題であり割り切れるものでなし、実際に戦う動機としてはコレしかないのではなかろうか?
無論、ダイゴの動機は人間中心主義に再度陥る可能性がある。が、葛藤をはらまない無自覚なそれとは異なるワケだ。
前者の対立も安易な決着・和解こそ付けないが(私見では真の解決はないと思う)、ラストでマユミとヤズミに手を取り合わせ接点の余地はほのめかす。
川崎カントクも多彩な解釈をさせる作劇を試みてるからこの解釈が全てとは思わんが……。
なーんてカントクの本音は(好戦的な)ヤズミの立場だったらドーしよう(絶対平和主義なマユミでも可・笑)。
実は筆者はホリイの考えに近いです。
個人では原始に帰ってもイイというヒトもいようが人類トータルではまず不可能だし、工業どころか農耕、いや火を入手した時点で生態系からハズれ真の意味で自然と共生してないし
(猛獣と共生できない以上、棲み分け的共生が現実的か?)。
人類が地球を汚してるからって粛清に加担したらオウム(真理教)的狂気だし、するとやはりダイゴの立場に行き着くしかないのでは? ……と断言し切っちゃう自信が又無い(笑)。
あと、ドンパチの過程にテーマを織り込んだのは巧妙。
セリフ劇だったら幼児は理解できないがドンパチは夢中で見るものだし、ついでに何かを感じるかもしれない。感じなくてもアキさせなければ子供番組として成功だ。映像もグッド。
もちろん毎週毎週、「何のために戦う、ティガー!」とワメいてたらバカなので(笑)、通常編やイロモノ話を否定しかねない「うたかたの…」至上主義者とは一線を画したいが、本作品を高く評価したい。
後日付記:次作『ウルトラマンダイナ』(97年)主題歌(ASIN:B00005GO7O)で、「♪ 何のために〜〜 誰のために〜〜 あ・の・チ・カ・ラ・は あるの〜〜だろう〜」と毎週毎週歌いこまれたのには、立つ瀬がなかった(笑)。
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