假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑)

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仮面ライダー龍騎 〜特集番外『クレヨンしんちゃん』#450「母ちゃんもヒーロー好きだゾ」


『仮面ライダー龍騎』 〜全記事見出し一覧
『仮面ライダー』シリーズ評 〜全記事見出し一覧


(監督・原恵一/脚本・荻田寛子/演出・横山広行)
(2002年9月7日放映・3本立てだが1回の放映を#1とカウントするのが通例の模様)
(文・小泉明彦)

嵐を呼ぶヘンシン!! 栄光のリュウ帝国大合戦!!


ストーリー採録 & 逐一ツッコミ感想


 この物語の主人公・野原みさえの姿に、同じ「同好の士」として熱い共感を覚えるか……。それとも、シンパシーを感じつつ思わず苦笑してしまうか……。
 それを決めるのはあなたたちだ……((C)『仮面ライダー龍騎スペシャル』冒頭での神崎士郎(笑))。


× × × ×


 野原家の静かな日曜日の朝……。ノンビリくつろいで新聞のテレビ欄を読んでいたひろしさんは、お気に入りのゴルフ番組のタイトルを発見。
ひろし「おっ、『マルちゃんのビュンビュンゴルフ教室』が始まるなー」
 マルちゃんって丸山茂樹ですか?(笑)
 早速テレビのリモコンを取ろうとするのですが……。


みさえ「ダーーメ!!」
 ……と、横から伸びたみさえさんの手がリモコンを横取り!!


 「なんでだよ〜」とゴネるひろしさんに、みさえさんは「え? (ここで「夢見る乙女の瞳」になって)『リュウ』があるから……♥」
 と、思いっきり意味シンなリアクション(懸命な皆様は既におわかりですね?(笑))。


ひろし「リュウ?」
みさえ「(さりげなく(?)平静を装って)いや……。子供たちが楽しみにしてるのよ。『スーパー・バイカリュウ』。(別室のしんのすけ&赤ん坊の妹・ひまわりに)しんちゃ〜ん、ひまちゃ〜ん、『リュウ』が始まるわよ〜」


 母の本音も知らずに(笑)「もうそんな時間かー」と、テレビの前に陣取るしんのすけ&ひまわりにしっかり外堀を固めさせ、「ホーラねー? とっても楽しみにしてるのー♪」と、何気にひろしさんにテレビ権を主張するみさえさん(う〜む、策士だ……)。


 ひろしさんは休日のお楽しみを泣く泣く諦め、大きく溜め息。
 「……しゃあない。じゃあこっちはビデオに録って見るか」
 と、『マルちゃんのビュンビュンゴルフ教室』を録画しようとするのですが……。


みさえ「ダメ!!」
 ……と、またもや横から伸びたみさえさんの手が、ひろしさんからビデオのリモコンも横取り!!(……ヒ、ヒドイ……)
 「これから録画するの♪」
 と言い出すみさえさんに、ゴルフ番組の録画権まで奪われたひろしさんは、
 「え? だけど、その……『スーパー・バイカー』ってのはこれから見るんだろ?」
 と、困惑しつつも反論。
 これには、流石(さすが)のみさえさんも
 「……そりゃあ……。そうなんだけど……」
 と、上手い言い訳ができません(お母さん大ピンチ!!)。


 ……と、そこで意外な助け船が……。
しんのすけ「(ひまわりと一緒に両親の方を向いて)あとでもう一回見るんだモン」
 しんのすけの何気ない一言で形勢が逆転したみさえさんは、ひろしさんから『リュウ』の録画権を取り戻すべく、何度も大きく頷いて
 「そうそう、そうなのよー!! 何度でも繰り返して見たいものなのよー!!」
 と、我が子をダシにして(笑)畳みかけるように主張!!


 ……が、勢いあまってしんのすけ&ひまわりに
 「それが“ファン心理”ってものよねー♪」
 と思わず口走ってしまい、またもやボロが……(汗)。


ひろし「ハァー。(顎をしゃくりながら、訝しげな目付きでみさえさんを見つめ)やけに“ファン心理”に理解があるんだなぁ……」(←ナイスなツッコミだ、お父さん!!)
みさえ「へっ? いや……」


 みさえさん、またまたピンチか!? と思いきや、ここでタイミングよく『リュウ』オープニングBGMがスタート!!


みさえ「(顔を赤くして)あっ、ホラ始まったわよ!!」


 やれやれ……とばかりに、仕方なく番組に付き合うひろしさん。


 ここでようやく『リュウ』のオープニング映像が画面に映るのですが、これがいわゆる「劇中アニメ」の枠を遥かに越える本格ぶり!! 
 青空の広がる荒野を一台の赤いバイクが勢い良く走り抜け(バイクに乗るリュウが、さりげなく黄色いマフラーをなびかせているところが芸コマ!!)、続いてプリズム状の画面の右左をリュウの乗るバイク(龍騎のバイク・ライドシューターの流線系に、龍騎サバイブのバイク・ドラグランザーの生物感を加えたデザイン)が横切り(残像でバイクのスピード感を強調する演出が秀逸!!)、そして横からとらえた番組タイトルが画面の奥から立体的に迫ってきて、マカロニウエスタンの銃声風SEとともに


 タイトル『スーパー・バイカリュウ


 がカッコ良く登場!! BGMのタイミングに合わせてタイトルが輝く演出も絶妙で、わずか8秒の映像にライダーシリーズのエッセンスを凝縮した内容には、スタッフの並々ならぬコダワリぶりが窺えます。


 神妙に画面に見入るしんのすけ&ひまわりや、「どーでもいーや」とばかりにボケっと見ているひろしさん(笑)を差し置いて、みさえさんはテレビの正面にしっかり陣取ってワクワク状態。


 続くオープニング映像で、青空をバックに崖の上に立つリュウ(明らかに仮面ライダークウガ(00年)をイメージした赤と黒を巧みに配色したデザインや、黄色いマフラー&口のクラッシャーがなんとも秀逸ですが、頭部の黄色い飾りや青い大きな流線形の目、縁の赤い白手袋&白ブーツにはウルトラマンの影響が感じられます)がファイティング・ポーズをとってジャンプすると、バックで赤い大爆発!!
 と、戦隊シリーズへの目配せが感じられるショットでしんのすけ&ひまわりは思わず感嘆。
 そして、本郷ライダー風にコスチューム姿で素顔を見せるリュウ様の勇姿――崖の上に立つリュウの姿をヘリコプターで捉えた(?)ショットは、『宇宙刑事シャイダー』(84年)エンディングへのオマージュでしょうか?――に、みさえさんは目をキラキラ。無意識にテーマ曲をハミングしてしまいます。


みさえ「(ひろしさんにジト目で見られていることに気付き、顔を真っ赤にして)あっ、イヤだ、つい。いつも子供たちと見ていると覚えちゃうのよ」


 家族につきあわされて渋々『リュウ』を見ていたひろしさんでしたが、
 「ハァ〜ア。ったく、お子様番組に付き合うってのもしんどいよなー。あとでビデオで見るんだろ?」
 と、ジト目で思わず本音をポロリ。
 「しんのすけ、どうだ? チョコビ買ってやるからパパにゴルフ番組見せてくれないかな〜?」
 と、今度はしんのすけに取り引きを持ちかけるのですが、当然、生放送で『リュウ』を見たいみさえさんは
 「チョコビとジュースと、ひま、ビスケットもあるわよ。食べながら見ましょうね♪」
 と、先手必勝の物量作戦!!
 「おぉ〜ぅ、待遇がいいゾ」
 と大喜びするしんのすけ&ひまわりのお子様コンビ。この勝負、お父さんの完敗!!(爆笑)


ひろし「(眉をピクピクさせながら、みさえさんの横顔を見つめ)……なっ、なんでだよ〜」


 そして、その夜……。


 「ファ〜ア、そろそろ寝るかー」
 と寝室へ向かうひろしさん(グリーンのパジャマ姿がラブリー♪)に、
 「ハ〜イ、おやすみなさーい」
 と居間から声をかけるみさえさん。


ひろし「なんだー? みさえはまだ寝ないのか?」
みさえ「う……うん、(家計簿やノートをトントンと整理しながら)片付けものしてから寝るから……」
ひろし「フ〜ン。じゃ、お先」
みさえ「おやすみなさーい」


 ……こうして、家の中で起きているのはみさえさん1人っきり。ひろしさんが寝室へ行ったことを確認したみさえさんは密かにニンマリ。


 「リュウちゃ〜ん、これから2人っきりの時間よ〜♥」
 と、ウキウキモードのみさえさんは抜き足差し足でテレビのある居間へ戻ると、テレビの台から今朝の『スーパー・バイカリュウ』録画テープを取り出し、
 「(顔を赤くして)アッハ〜ン♥ 真夜中にこっそり2人っきりで会うなんて、イ・ケ・ナ・イ・ワ・タ・シ♥」
 と、テープに頬をスリスリ。
みさえ「けど、こうでもしなきゃ(しんのすけ&ひろしさんの寝ている部屋の方をキッと向いて)アイツらが……」


 ここでみさえさんのイメージ映像がインサート。
 赤いオドロなバックに、某『男塾』の江田島平八大豪院邪鬼ばりに巨大化したひろしさん&しんのすけ(カゲつき)が威圧的に登場し……(ゴゴゴゴゴ……)。
ひろし「(鬼の首を取ったようにニヤニヤして)ア〜ン? いい年してリュウのファン? あ〜に考えてんだか」
しんのすけ「(これまた鬼の首を取ったように勝ち誇って)オバさんの冷やし中華だゾ♪」
みさえ「それを言うなら冷や水ッ!!」(←2人に負けじと、自分もどアップで反論するみさえさんには大爆笑!!)


みさえ「……てなことを言われるに決まってるもんね……」
 みさえさんは、再び「夢見る乙女の瞳」で録画テープをウットリみつめ、
 「だから……。2人のコトはヒ・ミ・ツ♥」
 と、TV時代劇『必殺仕事人Ⅴ(ファイブ)』(85年)第1話ラストの中村主水(なかむら・もんど)さんばりにテープにチュッ♥


 さあ、待ちに待った鑑賞タイム!! みさえさんは、早速『リュウ』のテープをデッキに入れると、リモコンの再生スイッチをオン。
 勇壮なテーマ曲に乗って前述したオープニングが始まり、
 「キャ〜、リュウちゃんカッコイ〜!!」
 と、頬に両手をあてて叫ぶみさえさん。
 青空をバックに崖の上でファイティング・ポーズをとるリュウの全身が一気にロングで引く渋すぎるカットに合わせて曲調が変わると、
 「チャチャチャチャ〜ン、チャチャチャチャチャチャチャチャ〜♪」
 と口ずさみながら、ブレイクダンス風に踊り出すノリノリぶりです(丁度、ここでパジャマ姿のしんのすけがトイレに起きて、みさえさんが踊りまくる(笑)居間の前を寝惚け眼で通りすぎるのですが、お互い相手のことに全く気付きません)。


 『リュウ』の本編が始まり、崖に立つ2人のバイカー(デザインはリュウと同タイプですが、黄色い目・白マフラー・青い胸当て&頭部の飾りの黒バイカーと、赤い目・緑のマフラー&頭部の飾り・黄色い胸当ての黒バイカーという色違いバージョンです)を、素顔のリュウ
 「バイカー同士、闘うのは止めろ!!」
 と熱く説得(!!)する横顔カットに、みさえさんは目をウルウルさせて
 「横顔がステキ〜♥」
 と思わずウットリ。


 続いて、敵に(?)
 「お前たちは地球から去れ!!」
 と痛快なタンカを放つリュウの正面カットに、みさえさんは
 「正面から見てもステキ〜♥」
 と目をウルウルさせてこれまたウットリ。感極まってテレビの前に座り込んでしまいます(ここで、トイレを済ませたしんのすけの流す水の音が廊下の奥から聞こえてくる演出が実に芸コマ)。


 遂には、ヒロインへの(?)リュウの頼もしい台詞
 「大丈夫。僕はいつも君の味方だ」を
 「ヤ〜ン♥ もっと言って〜♥」
 と早速リモコンで巻き戻し、再び流れるリュウ様の甘い台詞に
 「アハ〜ン、可愛ぃ〜♥ トロケるぅ〜♥」
 と煩悩炸裂状態。このシーンの壊れまくったみさえさんの超どアップはマジで「凄すぎる」の一言です……(汗)。


 きちんとトイレを済ませ、寝室へ戻ろうとするしんのすけ。すると、居間の方から
 「リュウちゃん、ステキぃ〜♥」
 というあられもない矯声(笑)が……。ふと居間に目をやるしんのすけ。……なんと、そこには『リュウ』の映ったテレビの前に座り込んで、
 「なんでこんなに母性本能くすぐるのかしら〜♥ くすぐったぁ〜い♥」
 と、ノリノリ状態でハジけまくるみさえさんの姿が……(爆!!)。
 あまりの衝撃に声もかけられず、ただただお母さんを茫然と見つめるしんのすけでありました……(汗)。



 次の朝。しんのすけ&ひまわりはすでにテーブルに着き、みさえさんが朝食のお皿を置きながら
 「あなた〜、遅れるわよ〜。あ〜な〜た!!」
 と叫ぶと、
 「ファ〜ア、ったく、朝からよく通る声だな」
 とワイシャツ姿のひろしさんが欠伸をしながらやって来る、いつもと変わらぬ朝の風景……の筈なのですが、何故かしんのすけは元気のない様子。


みさえ「しんちゃんも早くご飯食べてね」
しんのすけ「(疲れた表情で)……オラ、いらない……」
みさえ  「(困惑して)フン?」
ひろし  「んア、どした?」
しんのすけ「悪い夢見ちゃって……」
ひろし  「悪い夢?」
しんのすけ「(片方の眉をピクピクさせて)……母ちゃんが『スーパー・バイカー』のビデオ見ている夢で……」
みさえ  「(ギクッ!!)」


 しんのすけ、テレビの前に駆け寄ると、お約束のおげれつパフォーマンスをハイテンションで披露!! おちょぼなキス口で腰をクネクネ&お尻をフリフリさせながら、
 「リュウってステキぃ〜!! 母性本能くすぐりくすぐり、くすぐったァ〜い!! リュウ〜!!」
 と絶叫!! 果ては
 「スリスリ〜、スリスリ〜」
 とテレビのブラウン管に顔をスリスリさせる始末(←オイオイ、みさえさんはそこまでやってないゾ)。これには、みさえさんも顔を真っ赤にして大激怒!!

 
みさえ「(壊れまくった怒り顔で)あのねー!! そこまでやってないって!!」(←あっ…)
ひろし「(何も気付かず、お茶碗と箸を手にしながら)夢の話なんだし、ムキにならなくっても」
 (ひろしさんの背後で「「サイコ〜♥ リュウリュウ〜♥ リュウちゃんサイコ〜♥」と、おげれつパフォーマンスを更に延々と続けるしんのすけの姿はシュールの一言……)
みさえ「(ハッと我に返って)あ……。そっか、夢か……。それって夢だもんね……。アハハハハハ……」


 冷汗をたらしながら、思いっきりひきつった作り笑いでごまかすみさえさんでしたが、しんのすけはテレビの前で困惑状態。


しんのすけ「でも……。夢のようなホントのような……」
ひろし  「(しんのすけに)夢に決まってるだろ。(シビアな目付き&口調で)ホントだったら怖すぎるって」


 ここで、みさえさんの後頭部を大きな冷汗がタラ〜リ。


しんのすけ「ソーだね」
 「アハハハハハハ」「ハハハハハハハ」「アハハハハハハ」「ハハハハハハハ」……
 と、超〜シニカルに「夢」を笑い飛ばすしんのすけ&ひろしさんを前に、隠れファンの立場上、ここはグッと怒りをこらえるしかないみさえさんでありました……(涙)。



 ひまわりを背負って買い物に出たみさえさんは、トボトボ歩きながら疲れた表情で
 「ハァ〜ッ。隠れファンは辛いわ〜」
 と溜め息。でもすぐに立ち直り、
 「けど、隠しているからこそ燃えるってこともあるのよねー」
 と、闘志に溢れた表情&力強い握り拳で決意を新たにするところは、正にヒーロー・ファンの鑑です(この熱いシーンには、全国の隠れヒーロー・ファンへのスタッフのエールが窺えます?)。



 場面は変わってアクションデパート。
 エスカレーターでおもちゃ売場のある5階へ来たみさえさんは、なんと
 「『スーパー・バイカリュウ』握手会リュウのグッズを買って握手をしよう!」
 「5Fおもちゃ売場特設会場にて」
 と書かれた特大POPが吊られているのを見て驚愕!! 


みさえ「え!? リュウと握手会? ということは……今日、彼がここに来るってこと!?」


 慌てて化粧室で髪を直しながら、
 「知らなかったー、偶然だわ。アタシたちってやっぱ赤い糸で結ばれてるのかもー♥」
 と、みさえさんのウキウキモードは早くも全開!! 鏡に写った自分の姿を見たみさえさんが
 「ア〜ン、オシャレしてくれば良かったー!!」
 と困り果てるくだりは、女性ファンの微妙な乙女心が窺える名場面です。



 ひまわりをデパートの乳母車に乗せ、そしらぬ顔で握手会の特設会場へと向かう(笑)みさえさん。
 ちなみに、みさえさんが通り過ぎるテーブルには、シンバルを叩くおサルさんや「タイコのクマくん」のオモチャ(テーブルの下には「ケータイしようっと!」なる、のちの『仮面ライダー555ファイズ)』(03年)を予感させるオモチャの箱が……)に混じって、トラ縞のドラえもんモドキのオモチャが置かれているので藤子ファンは要チェックです(笑)。


 キャラクター・フィギュア(←リュウの他にも「女ライダー」「カエル」と書かれたフィギュアの箱があります。やはり、仮面ライダーファムと仮面ライダーベルデのパロディでしょうか?(笑))、デフォルメぬいぐるみ、Tシャツ、絵本、写真集と、様々な『リュウ』グッズ(『龍騎』カレンダーよろしく、写真集はヒーローと俳優さんの2種類に分かれているところが芸が細かい…)が置かれた販売コーナーの棚をカメラが移動する視点ショットにかぶさるみさえさんの声。


みさえ「グッズ何がいいかしら……。サインしてほしいしー、やっぱり写真集が」


 リュウ役の俳優さんの写真集(←オダギリジョーさんのあられもない姿(笑)が『仮面ライダークウガ』ファンの間で話題(…)を呼んだ、『ヒーロービジョン』第1号(朝日ソノラマ・00年12月・ISBN:4257130318)と表紙のデザインが酷似。
 ちなみに、表紙には「ファン待望の写真集」「水着ショット満載」とあります……)を取ろうと伸びるみさえさんの手。
 ……と、横からも同じ写真集を取ろうとする女性の手が……。


みさえ 「あら、桜田さん!?」
ネネママ「あら、野原さん!?」


 ……なんと、ネネちゃんのママまでが『リュウ』の隠れファンだったのでした(う〜む、まるで『モルグ街の殺人事件』(1841年・ISBN:4102028021)のオーギュスト・デュパン初登場シーンみたい(笑))。
 内心焦りつつも「あら〜」「オホホホホ」と、なんとかその場をとりつくろった(?)2人はとりあえず状況説明。


ネネママ「(顔を赤くしながら頬に片手をあてて)いえね……。実は、ネネちゃんに頼まれちゃって……」(←本当ですか?)
みさえ 「(これまた顔を真っ赤にして)あ、うちもしんのすけに。アハハ……ハ……」
ネネママ「(『リュウ』グッズの棚を見て)子供って、どうしてこうゆうのが好きなのかしらね」
みさえ 「(自分も『リュウ』グッズの棚を見て)ホントにー。もう、夢中なんですよ。(ネネちゃんのママの方を向いて)確かに、いろんなキャラクター出てきて楽しそうなんですけどね」
ネネママ「うちの子は、バイカーエイトとかバイカーナインが好きなんですよ」(←ここでインサートされるカットは、天井から吊された3体のリュウ・フィギュアの間から2人の会話姿をとらえる『必殺』シリーズ風のカットで、かなり凝った構図です)。


みさえ 「最近、アイラとかガイガも登場してるしー、アイラの一途な感じも素敵ー♪」
ネネママ「ガイガのワルっぽいところもカワイイし♪」
みさえ 「けど、やっぱリュウがーー」
みさえ&ネネママ「(声を揃えて)カッコいい〜♥」
みさえ&ネネママ「(ハッと我に返って)エ!?」


 思わずパッと下を向いて、
 「……って、子供が……」
 「……言ってますの……」
 「ウフフフフ」
 「オホホホホ」
 と、苦しい言い訳をするみさえさん&ネネちゃんのママですが、既にお互いバレバレという気が……(アイラとガイガは蓮と浅倉がモデルだと思われますが、バイカーエイトとバイカーナインは北岡弁護士と吾郎ちゃんのことでしょうか?)。


 丁度、ここで握手会の時間になり、会場に『リュウ』BGMが流れ、メガホンを手にしたスタッフが
 「握手会に参加の皆さんはこちらにお並び下さーーい」
 とアナウンスすると、みさえさん&ネネちゃんのママは即座に写真集を手にとり、レジへ直行!! 


みさえ 「(後ろに立ったネネちゃんのママに気付き、冷汗&顔を赤くして)あら、奥様も?」
ネネママ「(同様に、冷汗&顔を赤くして)ええ、子供のかわりに握手を」
みさえ 「そうそう、帰ってから握手してあげれば――」
ネネママ「(照れ隠しに写真集を口許にやって)『間接握手』ってことになりますし」
みさえ 「ウフフフフ」
ネネママ「オホホホホ」(←お2人ともなんと強引な……(汗))


 会場は親子連れや女性の方など、大勢の『リュウ』ファンで大盛況。
 リュウ役の俳優さんが笑顔で登場(いかにもスポーツマンらしい浅黒い肌に、黒いTシャツ&ジーンズ姿がなんとも爽やか)すると、ファンは大歓声でヒーローを出迎え、一斉に取材陣のフラッシュが焚かれます。
 当然の如く、「夢見る乙女の瞳」バージョンのネネちゃんのママ&みさえさんは
 「リュウ様……♥」
 「リュウちゃん……♥」
 と目をウルウル。


 どうやら親子揃っての『リュウ』ファンらしいお母さんに
 「どうもありがとう」
 と爽やかに握手し、幼い娘さんにも
 「ありがとうね。よく来てくれました。ありがとう」
 とニコニコしながら手をヒラヒラさせるなど、素顔のリュウもなかなかのナイスガイ。
 ズラリと並んだファンの列(主婦・OL・女子高生と、いずれも女性ばかりというのが……。みんなリュウ様を前に顔を赤くしていますし……(笑…))の最後についたみさえさんの心臓は早くもドキドキ状態です。


 ようやくみさえさんの前に並んでいた『リュウ』ファンの母娘の番になり、リュウは「どうもありがとう」とこれまた爽やかにお母さんと握手。お母さん、顔が真っ赤です(笑)。
 ファンを大切にするリュウは幼い子供たちにも丁寧にコミュニケーションする、正に「ヒーローの鑑」。決して手を抜きません。


リュウ「(少女の頭をなでながら、かがんで目線を合わせて)お嬢ちゃん、『スーパー・バイカー』見てくれてる?」
少女 「(笑顔で大きく頷いて)ウン♥ ウン♥」


 嬉しそうに微笑んで、笑顔で去る親子を優しく見送るリュウ
 さりげない描写ですが、このヒーローと少女の微笑ましいやりとり(傍らで2人のやりとりを見守るお母さんの姿がほのぼのしていてグッド!!)は、様々なヒーロー番組へのオマージュにあふれた本エピソードでも最高の名場面でしょう。


 遂にみさえさんの番になりました。
みさえ「(どアップにかぶさる心の声)リュウ〜♥」


 憧れのヒーローを前にしたみさえさんの心臓は更にドキドキ。カメラも高鳴る心臓の音に合わせて、目をウルウル&顔を真っ赤にしたみさえさんのどアップを更にズームアップ!! カメラは再びみさえさんの視点になり、笑顔で右手を差し出すリュウのカットに。さあ、感動の対面シーン!!

 
 ……が、アレ?


リュウ「どうも。ありがとうござ……(差し出した右手をみさえさんにガシッと両手でつかまれ(←ここで流しっぱなしの『リュウ』BGMがストップする、『必殺』ばりの演出も本当に芸が細かい……))うっ、んっ?」


みさえ「リュウ〜♥」


 ……なんと、ラブラブモードが全開しまくったみさえさんは、我を忘れて握ったリュウの手を離そうとしません。
 冷汗&硬直状態で引きまくる我らがリュウ!!(涙)
 そして、みさえさんの暴走ぶりに引きまくるネネちゃんのママ(大爆笑!!)。そんな「人気ヒーロー俳優と女性ファンの微笑ましい(?)交流の図」にフラッシュが一斉に焚かれ……。



 ……なんと、握手会の取材に来たカメラマンにフォーカス(?)された、リュウと握手するみさえさんの姿は新聞の芸能欄にトップで掲載されてしまったのです……(汗)。
 ちなみに、記事の内容は以下の通り。

スーパー・バイカリュウ
                        
   主婦層に異常人気!!   
                        
 今、子供達に大人気のアクション・ヒーローが、子供達のお母さんにもヒーローとして、人気が出てきている。
 事実、○月○日に埼玉のアクションデパートで行われた、ステージ・ショーの後のサイン会や、握手会は、子供に交じって、お母さんも列を作っていた。


 ……こうして、隠れヒーロー・ファンぶりが「全国バレ」(爆!!)したみさえさんとネネちゃんのママは、晴れて家族公認の身(…)となれたのでありました……? めでたしめでたし……?


× × × ×


 もう1人のファン・マニア・オタク人種の物語、『映画クレヨンしんちゃんアクション仮面VSハイグレ魔王』(93年・ASIN:B00006K0UL)、『映画クレヨンしんちゃん/嵐を呼ぶジャングル』(00年・ASIN:B00008NWZD)もファン・マニア・オタク人種のみなさんにはお薦めです!


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2004年号』(03年12月29日発行)『仮面ライダー龍騎』終了合評⑥より抜粋)
(同巻数のDVDも存在する模様)


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