假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑)

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幻星神ジャスティライザー1話「出現! 幻星獣ライゼロス」~序盤・第1クール賛否合評!

『超星神グランセイザー』最終回「復活の日」 ~中後盤評
『劇場版 超星艦隊セイザーX 戦え!星の戦士たち』
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『超星神』シリーズ評 ~全記事見出し一覧

幻星神ジャスティライザー』序盤評1

(文・T.SATO)
(2004年10月2日執筆)


 ついに放映が開始された『幻星神(げんせいしん)ジャスティライザー』(04年)!


 オープニング冒頭では、前作『超星神(ちょうせいしん)グランセイザー』のタイトルの冠(かんむり)を引き継いで、『超星神シリーズ』とのテロップも!


♪ 迫り来る悪、ズバッと~
  光のカベを、破って~
  揺るぎない勇気、持って~
  行くよ~


 ……芸もなく、オープニング主題歌の歌詞の冒頭をつい引用。作品名を連呼する、オトコのコらしい勇ましい主題歌がグッド!


 同日放映開始の『ウルトラマンネクサス』(04年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20041108/p1)とは異なり、いわゆるフツーの特撮変身ヒーロー番組。それゆえにキラクに安心して観られた。


 前作『超星神(ちょうせいしん)グランセイザー』(03年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20041104/p1)初期編とも同様に、正義側の巨大ロボや悪の巨大怪獣はもっとあとでの登場で、シリーズ序盤では人間サイズの変身ヒーローvs敵怪人との構図だろうと思っていたのだが……。


 悪の幹部怪人のみならず、宇宙から光体が墜落するや、#1から『ゴジラVS(たい)スペースゴジラ』(94年)に登場した怪獣・スペースゴジラのような両肩が突起している、悪い巨大怪獣が出現!


 地球の危機に即応して、正義側の超古代ならぬ450年前の宇宙人の遺志により、宇宙の結晶状物体に隠しておいた(目立つんじゃねーか?・笑)、やはり『ゴジラ対メカゴジラ』(74年)に登場したロボット怪獣・メカゴジラや、『ゴジラガイガン』(72年)に登場したサイボーグ怪獣ガイガンばりの、正義側のロボット怪獣も出現!


 この、鳴き声までもがメカゴジラのような正義側ロボが自律した意思で動いて、スペースゴジラもどきと特撮巨大戦をくりひろげてくれる!


 グランセイザー総勢12人ならぬ14人目の戦士(笑)のような正義側の人間サイズのヒーローことジャスティライザーも登場! 正義側の意思に選ばれた主人公はコレまた高校生男子クン! いわゆる繊細そうな美少年ではないところが、イケメン特撮の文脈からはビミョーだけど、コレはコレで正統派ヒーローものの文脈からは良しだろう!


 精悍な面構えの主人公クンだが、声は甘くて少年ぽくて、子供ウケ的にも女性ウケ的にも一安心! これで声まで野太かったら、80年代・大映テレビプロ製作のTVドラマ群で活躍してきた名俳優・松村雄基(まつむら・ゆうき)のようになってしまう(笑)。


 本作は、とにかく手堅く、フツーに仕上げていってくれるだろうと見た!?


(※:グランセイザー13人目の戦士とは、『グランセイザー』終盤に登場した敵・ボスキートのことを指しています・汗)



 後日付記。特撮マニアであれば、だれもが思うことやもしれないが、現行TV特撮の平成『ライダー』・『スーパー戦隊』・『ウルトラマンネクサス』・『超星神』シリーズの中では、最も後発である『超星神』シリーズこと前作『超星神グランセイザー』や本作『幻星神ジャスティライザー』(04年)こそが、王道・正統派のヒーローものに私的には思える。


 『スーパー戦隊』シリーズは、『秘密戦隊ゴレンジャー』(75年)の放映2年目のむかしから、ヒーローや怪人がかなりオチャラケてフザけるようになっていたワケで、それが「個性」ともなったし、今となってはそれこそが「王道」なのだ! とも云ってイイけど、でもそれはまた、古典的なキマジメ誠実ストイックなヒーローとしての王道ではないからだ(笑)。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2005年準備号2』(04年10月3日発行)~『仮面特攻隊2005年号』(04年12月30日発行)所収『幻星神ジャスティライザー』合評1より抜粋)


幻星神ジャスティライザー』序盤評2

(文・sugi)


・同じ高校のヒロイン・真田ユカにろくすっぽ声もかけられず、「いきなり地球を守れといったって……」とかブツクサ言いながら、次週からしっかりトレーニングを開始! とやる気マンマン。しかも、仲間についた瞬間からやけに馴れ馴れしい態度な伊達翔太(=赤い主人公ヒーロー・ライザーグレンに変身)。


・「あたしは、普通の17歳の女の子でいたいの!」とかなんとか言いつつ、翔太の方からは大した説得ナシの状態で、友人が怪人に襲われたから即参戦を決定するユカ(水色のヒロイン・ライザーカゲリに変身)。


・自分の方からは正体を明かさないそぶりで接していたのに、正体が割れても、しっかりそれが当たり前みたいな接し方に変えている大学生・平賀真也(黒いヒーロー・ライザーガントに変身)……


 こいつら割り切りがメチャ早(はや)っ!(笑) ただ単に連中に決断力がありすぎなのか? 脚本の手抜きと言われることを全く恐れていなさそうな文芸陣の気質が表れているせいなのか?


 まあ、ちょっと前までが「僕はなぜここにいるんだろう」的なヒーローが多すぎたわけだから、その反動でできた2000年代型スタイルの取り込み、ってやつなんですかね。


 でも、戦隊シリーズみたいに時間とともに形態を変化してきたシリーズならいざ知らず、まだ2年目、それもどちらかというとストロングスタイル路線の復権を目指している感じを受ける「超星神シリーズ」だと、妙に軽すぎて滑ってしまっている印象の方が先行してしまっているような気が……。あまり文芸性が重視されない番組だから、これでいいとは思うが…… 不安だなあ(汗)。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2005年号』(04年12月30日発行)『幻星神ジャスティライザー』合評2より抜粋)


幻星神ジャスティライザー』序盤評3 ~戦いと青春の悩みと…

(文・内山和正)


 前作『超星神グランセイザー』(2003)のことは一旦頭からしめだして見るべき作品であるのかもしれない。


 『超星神シリーズ』と銘打たれてはいるものの、


・独創性の薄い「装着!」(変身)、「ダイブイン!」(巨大ロボ搭乗)などの掛け声の踏襲
・デザインイメージ
・遠い過去に存在した敵の再来に対して、味方側の残した戦力を受け継いで戦う選ばれた戦士たち
・宇宙から飛来する主人公側のロボットやマシーン


 という程度しか共通性をもたず、異なるイメージの方こそ強いからだ。


 真の姿が明らかではない首領のもと、幹部の指揮により、次々とくりだされる怪人・怪獣・戦闘員とヒーローの戦い…… というオーソドックスながら、前作や現行の競合作にはなかった王道パターンを採用。前作の怪獣型巨大ロボット・ダイセイザーとも類似しているゆえ、前作の真打ちの巨大ロボのようにも見えるメカゴジラ風の怪獣型巨大ロボ・幻星獣ライゼロスが巨大怪獣と激闘するところから、ヒーローものとしての部分がはじまるという趣向が意表をつく。


 これらから子供にもわかりやすい正統派ヒーロー活劇を展開させるのでは? と思わせたものの、実際には選ばれた若者たちの悩み・とまどいを淡々と描いていく。
 それが活劇としては盛り上がれぬ気分にさせて、私事で恐縮だが時間帯的に朝食を取りながらのふまじめな状態での視聴だったりしたせいもあり、放送当初は本作の良い部分を見逃していた。あやまちに気づいて1話「出現! 幻星獣ライゼロス」から見直して本稿を書いているが、楽しめるかどうかはかなり個人差のある作品ではないだろうか?


 主人公ヒーローは高校生。


・剣道の試合で優勝経験もあり、けっこう人気もある伊達翔太
・みんなのあこがれの存在らしいのに、本人はそのことに気づいていないラクロス部キャプテンの真田ユカ


 お互い人気者どうしの2人が意識しはじめ、直接的な交流のなかった彼らが戦士に選ばれたことで関わりを深めていく。


 ユカが翔太を意識しはじめるのが、捨てられた空き缶をひろってゴミ箱に捨てる彼を見たせいであることも含めて、あまりにも古くさい青春ドラマだが、こんな描写がそっと書き込まれているのもなにか良い。


 ユカの友人によると70パーセントの男子が彼女にあこがれているという。そのことを真に受けると、前作『グランセイザー』の女性戦士数人分の美しさかカリスマ性を持っていなければいけないのだが、失礼ながらそれほどではない。その友人たちが彼女に比べて著しく見劣りしているわけでもない。このあたりの説得力のなさが少々気になるが、友人のおだて言葉にすぎないと考えるべきか?


 傑出した校内アイドルより「あの子、いいな」とちょこっと思われているくらいの少女である方が微笑ましくて、本作の世界観には合っている気がする。事実、そのあとの展開から受けるキャラクターイメージはそうだ。


 戦いにまきこまれて、命の危機に直面した際、赤い光を体に受けて、自ら意識せずに変身して初戦を終え、戦うワケを聞かされた翔太は思う。


 「俺ひとりでどうしろっていうんだよ」


 選ばれても、戦いをためらう戦士はこれまでの長い歴史を有する日本の特撮ジャンル作品にもいろいろといた。


 しかし、戦いそのものをキラうわけではなく、戦う能力に欠けているわけでもなく(事実、このあとの2度目の戦いではひとりで勝利をおさめている)、ひとりで戦わねばならぬことの孤独・とまどい・心細さをあらわし、結果的にはグループヒーローであることの必要性を視聴者にキチンと感じとらせる趣向の作品に昇華できることは意外と珍しいことではないか?


 自分がジャスティライザーであるらしいことに悩み、一度は翔太を助けるために変身するも、目前に控えていたラクロスの試合のことを考えて普通の少女でありたいと思うユカ。戦士であることを受け入れたあとは、自分がラクロスをつづけていてはマズいのではないか? と思いつめる。


 3人目の戦士・平賀真也のみは大学生で頭脳派。時々見せる「はにかみ」に無器用なところを覗かせる無愛想な彼の真意が、「理由を知らされぬまま、戦う道具にされるのはイヤ」であることがわかるのは、8話「出撃! 幻星神ジュウライザー」であった。


 ユカのラクロスの試合が行なわれるのが7話「危機! ハデス復活計画」であることと併せて(試合のシーン自体はなかったが)、彼らヒーローに変身する主要人物たちの心の問題が意外とていねいに回数を重ねていく。


 そのていねいさがうれしいと思う半面、ストーリー展開が遅くて鈍重であるともいえるし、そのようなストーリー展開にノレるかどうかが鍵となる。ラフな作りの前作に比べて生真面目さは評価できるが、変身ヒーローものにふさわしい勧善懲悪の娯楽アクションとしての荒々しいパワーには欠けている。


 もちろん、ヒーローものとしての趣向が忘れられたわけではない。


 負傷したサイバーナイト(怪人)が強化されたり、敵幹部のドクター・ゾラが自ら出陣してデータを集めて強力なサイバーナイトを作り出したりする趣向もあった。8話において平賀たちが湖に来ると突然、水上スキーに乗ったサイバーナイト・アーマーガンナーが撃ち込んでくるところは、実戦らしい「いきなり感」が魅力的だった。


 ヒーロー側もお約束で強化されていくのだが、巨大ロボットの合体は今時の作品では当たり前のこととはいえ、主役メカ・ライゼロスが鳥型のメカ・エンオウと合体して人間型ロボのケンライザーになったり、亀型のメカ・コウキと合体してジュウライザーになる際には、ライゼロスが天地逆さまになって合体したりするあたりが、ライゼロスのイメージとのギャップもあって楽しい。
 ヒーローたちの装着(変身)シーンは、変身アイテム・インローダーを胸におさめるアクションが魅力的だ。ヒーローのコスチュームもはじめて雑誌で見たときは取り立てて惹かれるものはなかったのだが、細部を見るとけっこう良くて独自性もあり評価を改めた。


 これまでのところ、敵の強化に対して、ヒーローが増えたり新しい装備が出たりで勝利をおさめて、敵を驚かせるというパターンがつづいている。毎回おなじみの必殺技で敵を倒していくというかたちではないのだ。ある意味ではこの作り方は正しい。
 しかし、装備がオモチャ発売のためにあることを思えば、いつまでも特定の必殺技はなしというかたちでの続行はありえないだろう。おなじみの必殺技で……という方向に流れていくのだろうが、ドラマ的な不自然さを解消するためには敵の弱点を見つけた上でそこに必殺技を放つなどの工夫が必要だろう。果たしてそのような工夫をなしていくのか、惰性的なルーティンの戦いとなっていくのかは注目ではある。


 そして、9話「オリオン座の秘密」。ゲストを迎えたことで、正義側の戦士たちの個人的な悩みの話から離れた。考え方の違いというかたちで、個性を活かしながらも軽妙さを与えて、事件とゲストへの対処という形式のストーリーになっていた。


 7話からはじまった、敵首領・カイザーハデスを封印していて、それによって完全復活がさまたげられているプレート群をめぐってのアイテム争奪(破壊)的な攻防が当分つづくと思われる。ワガママだが、個人的には当初は弱点に思えた、主人公たちの繊細な心理描写がなくなったのは個人的には残念。しかし、この方向性の方が好きという人も多いだろう。けれど、それでヒーロー性が格段に増したという感じでもないし……


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2005年号』(04年12月30日発行)『幻星神ジャスティライザー』合評3より抜粋)


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幻星神ジャスティライザー』最終回「明日に架ける夢」 ~中後盤評

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ウルトラマンネクサス』(04年)#1「Episode.01夜襲 -ナイトレイド-」 ~ハイソな作りだが、幼児にはドーなのか!?

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20041108/p1



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