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ウルトラマンメビウス・序盤10話!・総括5 〜9話「復讐の鎧」、10話「GUYSの誇り」


『ウルトラマンメビウス』評 〜全記事見出し一覧


(『ウルトラマンメビウス』序盤評・短期集中連載!)
(文・久保達也)
(総括4(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060705/p1)よりつづく)


ジョージ「最近おかしいぜ。何隠してんだ。云えよ」
リュウ「オマエらには関係ねえことだ!」
ジョージ「ざけんな! オレたちはチームだっていうのがオマエの信条だったんじゃねえのか!」
リュウ「なに? やんのか!」
ジョージ「上等だ、この野郎!」


 子供のケンカどころか完全に巻き舌でチンピラの勢いであるが(爆)、第5話とは違い、第9話『復讐の鎧(よろい)』ではセリザワに寄せる熱い想いが皮肉にも今度はリュウを孤立させることになる。


 「このままじゃ意味ねえんだよ……あの人に喜んでもらわなきゃ、GUYSにいる意味がねえんだよ!」


 このただならぬ様子に、今回ばかりはサコミズ自らが飛び出していったリュウのあとを追う。すると、リュウとセリザワが決闘を演じるかに見えた現場に遭遇し、サコミズはセリザワにこう問いかける。


 「君もその若者を傷つけることはできない。そうだろ? セリザワくん。いやツルギ……」


 リュウしか変身する現場を目撃していないにもかかわらず、なんとサコミズもセリザワの正体を見抜いていた! さすがコーヒー通だけあって「違いがわかる男」である!(爆・ふたりの会話を傍らで聞いていた?)
 だがこうなると、密かに噂される「サコミズ=ゾフィー」説も俄然真実味を帯びてくる! 思えば各隊員たちが民間人の出身であることがやたら強調されているのに対し、サコミズの過去はまったく明かされていないのである。
 ウルトラ兄弟最新の末っ子・メビウスを常にそばで見守るため、長男のゾフィーはGUYSの新隊長として人間の姿で潜りこんでいるのではなかろうか? いささか単純に過ぎるであろうか。まあ、ハズれたらおもいっきり笑ってやってくれ(笑)。
 「オレは、どうすればいいんだ……一体どうすればいいんだ!」と苦悩するリュウに、サコミズが声をかける。


 「今のGUYSは、本当に意味ないのか? まだ短くても、おまえにとって、彼らと一緒に過ごした時間は、本当に意味がないものなのか?」


 セリザワから受け継いだ「炎」のペイントが施された通信機を思わず見つめるリュウ。第2話で民間人たちとガンフェニックスに「炎」のようなマーキングをした想い出が回想される。それにかぶるミライのセリフがまた絶品!


 「あなたたちの力が必要なんです! ボクたちが描いたあの翼で、〈オレたちの翼〉で行くんです!」


 「オレたちの、翼……」


 くじけそうになったそのときに、暖かな手を差しのべてくれる誰かが必ず存在する。頻繁に隊員間の対立を描きながらも、実は人間愛に満ちあふれている防衛組織というのも『ウルトラマンA』のTAC(タック)を彷彿とさせてくれる。
 そして戦列に復帰したリュウの、ボガールに苦戦するメビウスに対する一見乱暴なセリフもまた、共闘する仲間に対する愛情からであり、リュウを暖かく迎える仲間のセリフもまた、感動を呼び起こすに絶大な効果をあげている!


リュウ「へこたれんなウルトラマン! そんなデケえ図体して、何してる! この星守るつもりなら、根性見せろ!」
マリナ「あの熱血バカ……」
ジョージ「遅いぜアミーゴ!」


 だが物語はそう簡単にハッピーエンドでは終わらない。メビウスとボガールの戦いに割り込んできたツルギが、体内に関東一円を消滅させるほどのエネルギーが充満した、ボガールに光線を浴びせようとするのである!


ツルギ「どけ! そいつは俺が倒す!」
メビウス「よせ! ボガールを爆発させたら、この星の多くの命が犠牲に……」
ツルギ「だから何だ! 今こいつを倒さねば、もっと多くの犠牲が出る! 数え切れない命が、食い尽くされるぞ!」


 共に腕の「ウルトラブレスレット」(!・メビウスブレスとナイトブレス)から光の剣を繰り出し、鮮やかな剣劇を演じるさまはメチャかっこいい! それにしても、ここまでツルギを復讐の鬼に仕立てあげてしまうほどの、「奇跡の星アーブ」の知性体たちの怨念をイヤというほど見せつけられると、争いを好まない「奇跡の星」なんて結局この広い宇宙のどこにも存在しなかったとなるわけで、どんな生物も多少の差はあれど、争いは好むということが如実に示されているわけだ。偽善にしか見えない「反戦」テーマの作品よりよっぽどいいや(笑)。
 第5話の孤独、第9話の怨念に復讐と、こういうテーマを任せると長谷川圭一の筆は俄然冴え渡り、やはり不可欠な存在なのであろう。いやあ、よりによってこのオレが、氏を擁護してしまうことになるとは(爆)。
 ただまあ『メビウス』の場合、そんなともすればダークな作風に陥りそうな回でさえ、それに押し潰されるどころか吹き飛ばしてしまうほど、活き活きとしたキャラや特撮の魅力にあふれていることが、その危険性を回避してくれているのである! ボガールの翼にグドンツインテールが手足をバタバタさせながら吸いこまれ、袋状に大きく膨らんだ翼がしぼむことで食われたことを描写し、「あ〜うまかった」と云うような仕草をボガールが見せるあまりの芸コマにはたまりませんぜっ!



 「云っただろ。俺はウルトラマンの心を捨てた!」


 リュウに狙撃されたことがキッカケでボガールの攻撃を受け、負傷してセリザワの姿に戻ったツルギは、第10話『GUYS(ガイズ)の誇り』に至ってもなおも復讐の心を捨てようとはしない。


 「心は簡単に捨てられない! どんなに鎧で身を包んだとしても!」


 リュウと向き合った一瞬だけ、人間としての感情を呼び覚ましたと告白し、地球の自然に感動するものの、それでも「しかし、復讐は果たす!」と宣言するツルギに対し、純朴でひたすらまっすぐなミライはこう説得する。
 一方、セリザワを「いれもの」呼ばわりしたツルギに対し、リュウは「奴はオレが倒す!」とこれまた復讐の炎を燃やす。ふたりを元に戻そうとする想いから、ボガールは自分が倒さねばならないと、ミライは決意を固める!


 「ボガール! 僕はここだ! いつでも来い!」


 ここでミライの両目にキラリと輝くウルトラの星という芸コマな描写が実に効果的! 先述の星飛雄馬の「燃える目」同様、実に的確な感情表現となっているのだ!(同時にメビウスがボガールに呼びかけるテレパシー描写でもある)


 ミサキはGUYSオーシャン主導でボガールを太平洋の無人島で磁場フィールドに閉じ込めて爆発させるという計画を発表するが、そこに必ず現れるであろうメビウスとツルギを救出する手段はないとする彼女の言葉に騒然となる一同。だがそんなときこそ、サコミズの実に落ちついた、かつ飄々としたセリフが活きる!


 「さぁ、どうしようか? 今回のGUYS(GUYSジャパン)の役目は作戦をサポートすること。希望を探すことも、サポートのひとつ、でしょ?」


 「希望……」「希望……」「希望……」と一同がつぶやくのに続き、マルにも「希望……」と云わせて「おまえはいい!」とすかさずトリヤマにつっこませるのは爆笑モノであるが、こんな緊迫する場面にもさりげなくギャグ演出を入れてしまう鮮やかさはお見事の一言に尽きるのだ。


 「今までいっしょに戦ってきたメビウスを、見殺しにはできない!」


 テッペイはボガールの爆発寸前に磁場フィールドにメテオール(キャプチャーキューブ)で穴を開け、制限時間1分の間にメビウスとツルギを脱出させようとするサポート計画を発表する。たとえ短くても、共に戦ってきたメビウスばかりかツルギをも救出しようとする仲間の熱い想いは、閉ざされていたリュウの心を揺り動かした……


 「みんな、セリザワ隊長に会ったこともないのに……」
 コノミに手渡されたハンカチを取り、「泣かねえよ! 泣かねえけど……みんな、ありがとう……」と一同に感謝するリュウ。壮大な作戦計画を前に、遂にチームはひとつとなったのだ!


リュウ「作戦名は、え〜と……」
ミライ「GUYSの誇りにかけて!」
マリナ「〈プライド・オブ・ガイズ〉ね!」
サコミズ「よし、それでいこう!」
一同「プライド・オブ・ガイズ!」


 なんか最終回を見ているような気が(笑)。この固い結束を描いて感動を呼び起こすための布石として、『メビウス』ではあえてド素人の民間人集団を主役に据え、苦悩しながらも華麗に成長するさまを描くことで、「はじめは誰もヒーローじゃない!」ことを強調していたのである!


 仲間を思う気持ちはツルギにさえも伝わった。『仮面ライダー』(71年)のゲルショッカー編における本郷猛と一文字隼人のダブル変身を思わせる、メビウスとツルギのダブル変身は、画面を分割して左右に両者の変身パターンを並列させて魅せるチョ〜カッコイイ演出! 共闘で遂にボガールを倒したものの、復讐を果たすためにボガールと自爆しようとするツルギ、それを阻止しようとするメビウスが、共に爆発のタイムリミットが迫っているのに脱出しようとしないハラハラドキドキする展開! そして間一髪脱出に成功したものの、遂にその命が果てるツルギ……とこのたたみかけるようなテンポのよさにはまさに目が離せない!
 そして昇天したツルギを救うために、遂に光臨するウルトラの母! デタラメに巨大な姿だが(笑)、ウルトラの母が持つ包容力の大きさを表現するにはあれくらい巨大でもいいんだよ!


 先述したが、たった10話分でこれだけの密度の濃さを見せたウルトラは観たことがないような気がするので、本当にシリーズが終了したかのような気分である(笑)。
 ほかにも細かな点では、メビウスの声がウルトラセブンウルトラマンタロウウルトラマンレオウルトラマンエイティ同様、変身前を演じる五十嵐隼士の声を加工してつくられているものの、エコーをかけた程度でそのまんまの声であることが、かえって新ヒーローとしての若々しさが表現されていてすがすがしさを感じたり(『ウルトラマンG(グレート)』(90年)のジジくさい声が、筆者はたまらなくイヤだった・笑)、これまた『セブン』『タロウ』および『A』同様、メビウスの戦闘シーンで頻繁に主題歌が流れる演出も高揚感をあおり立てる。今風の主題歌も悪くはないが、やはり劇中で流すと違和感が生じ、使用できない歌では主題歌としての意味がないであろう。
 あとトリヤマがテッペイの知っているような過去の怪獣出現事例について全然知らなかったり、サコミズに自分の都合のいいような報告書を書かせて悦に入っていたりする描写は、現場の実態を全く知らず、部下の手柄を平気で横取りするような現実の上司を数多く見てきた筆者としては実にリアリティを感じるし(笑・それに嫌悪感を抱かせずに嘲笑すべき、同時に愛すべき存在として描いている点がウマイのだ!)、第5話でサドラに食われた女子高生ふたりが突然のサドラの出現に唖然として身動きできず、ハッと息を飲んだり、思わず生ツバをゴクンとする演技もリアリティにあふれて絶妙だったぜ!(可愛かったからもったいないが・笑)


 いやあ、本当に十年前に……(笑)

2006.6.16.


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2006年初夏号』(06年6月18日発行)『ウルトラマンメビウス』序盤10話評・合評④より分載抜粋)


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  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061203/p1