『ウルトラマン80』#6「星から来た少年」 〜オオシマ彗星の発見者・大島明男クン登場!
『ウルトラマンエース』#39「セブンの命! エースの命!」 〜新兵器シルバーシャーク!
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『ウルトラマンメビウス』評 〜全記事見出し一覧
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『ウルトラマンメビウス』16話「宇宙の剣豪」 〜宇宙剣豪ザムシャー見参! 現行TV特撮の商業規模比較
(脚本・赤星政尚 監督&特技監督 北浦嗣巳)
(『ウルトラマンメビウス』〜ウルトラマンヒカリ編・短期集中連載!)
(文・久保達也)
「め〜〜〜ん(面)!!」
剣道に興じるトリヤマ補佐官とマル補佐官秘書。ただのイヤミな仕事もできない文官・官僚なのかと思いきや、防衛組織での彼らの意外な一面を示すシーンから物語は幕を開ける。
『帰ってきたウルトラマン』(71年)第2話『タッコング大逆襲』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20230409/p1)においても、ウルトラマンと合体した主人公青年・郷秀樹(ごう・ひでき)が、そのついでにウルトラマンに変身前でも超人的な能力を身につけたことを表現するために、同作の防衛組織・MAT(マット)の道場で剣道をする場面が描かれていた。
それと同様に、訓練としての剣道を行っているトリヤマVSマルと並行して、宇宙空間での宇宙剣豪ザムシャーVSサーベル暴君マグマ星人(!)との一騎打ちも描かれる!
トレードマークの眼鏡を外し、コンタクトレンズを試すコノミ、「王手!」「マジかよ〜」と将棋に興じるジョージとリュウ、オート(バイク)雑誌を広げるマリナと、退屈で、しかし平和なひとときを過ごす作戦室のGUYSの一同。そして、テッペイとミライは、美しいライトグリーンに輝きながら宇宙を駆けるオオシマ彗星をモニターで観測していた。
「なんだなんだ、そのザマ! 本気でかかってこい!」
マルを叱り飛ばすトリヤマ。
だがそのセリフは、マグマ星人に対するザムシャーのそれでもあった!
ザムシャーとマグマ星人の死闘は、実はテッペイとミライが観測していたオオシマ彗星の上で展開されていたのである!
宙を舞ったザムシャーの剣がマグマ星人のサーベルを討つ! そして、膝蹴りを喰らわす!
青銅の鎧(よろい)をまとった騎士のようなデザインが光るザムシャーのネーミングの由来は、やはり「武者」をもじったものだろう。
これはもう、ウルトラ怪獣というより、かつて小学館の学年誌や『コロコロコミック』に連載された、内山まもる先生が往年の小学館の学年誌に連載していたウルトラシリーズの連載コミカライズ――近年、コンビニ漫画でも再刊。『帰ってきたウルトラマン完全復刻版』(04年・ISBN:4091081959)・『ウルトラマンA 完全復刻版』(04年)・『ウルトラマンタロウ 完全復刻版』(05年・ISBN:4091083757)・『ウルトラマンレオ 完全復刻版』(06年・asin:409108575X)・『ザ・ウルトラマン 死闘!ジャッカル対ウルトラ兄弟』(07年・ISBN:4091087183・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20160914/p1)――に登場しそうなキャラでもあった!
ザムシャーはマグマ星人同様に、スーツアクターの生身の口が露出していて、表情が出せる独特さもシブくてカッコいい!
突然、ザムシャーを襲うチェーン(鎖)! 左手からチェーンを発した、もうひとりのマグマ星人が現れたのだ!
(後日付記:雑誌『HYPER HOBBY(ハイパーホビー)』06年9月号(asin:B000GYI6YC)が依頼して、本作の渋谷浩康プロデューサー(円谷プロ)に命名してもらった設定によれば、『ウルトラマンレオ』(74年)登場時と同様の目が青で髪が金色の兄はBB(ブラザーブルー)、目が赤で髪が銀色の弟はBR(ブラザーレッド)だとのことだそうだ)
ザムシャー「ふたりがかりとは面白い!」
身軽に宙を回転しながらザムシャーを攻撃するふたりのマグマ星人だが、やがてひとりがザムシャーの剣にブッた斬られる! ウルトラセブンのブーメラン武器・アイスラッガーの切断音に似た音が宙をこだまする! そして大爆発!!
マグマ星人「兄者〜~! よくもあにじゃを〜~!」
宇宙人同士の激しい死闘は、オオシマ彗星の軌道をも変えてしまった!
テッペイ「このままじゃ、オオシマ彗星は地球に激突する!」
94%の確率で太平洋上に落下するとの予測をたてるテッペイ。
「なんだ、海か、よかったよかった」と安堵するトリヤマ補佐官だが、直径約7kmのオオシマ彗星が海上に落下すれば、発生するエネルギーは5千万ギガトンにも達し、日本壊滅は免れないことがわかる!
GUYSスペーシー(宇宙支部)の怪獣要撃衛星・V99(ブイ・ナインティナイン)が、攻撃兵器・シルバーシャークGで彗星の撃墜をはかる!
このシルバーシャークとは、『ウルトラマンA(エース)』(72年)第39話『セブンの命! エースの命!』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20070129/p1)に登場した兵器の名前なのだ。火炎超獣ファイヤーモンスをウルトラマンエースの力に頼らずに(!)木っ端微塵に粉砕してみせた、防衛組織TAC(タック)の砲口が2連装の秘密ビーム兵器であった! そこから拝借したネーミングではあるが、ウラ設定的にはシルバーシャークの後継発展兵器なのだろう! ちなみに、『A』第44話『節分怪談! 光る豆』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20070304/p1)には同じシリーズとおぼしきゴールデンホークという秘密兵器も登場!
グングンと地球に迫ってくるオオシマ彗星!
マグマ星人「あれは、我が同胞がかつて攻めこんだ星、地球!」
もちろん、『ウルトラマンレオ』(74年)第1~2話(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20250330/p1)などでのことである! キチンと過去のウルトラシリーズの設定を踏襲しているセリフであるところが、うれしいところだ!
ザムシャー「なに? 地球だと!」
シルバーシャークGの二条の光線がオオシマ彗星を攻撃する!
ザムシャーはすかさず光の剣を見舞って二条ともにハネ返す!
反射された光線を浴びてV99は大爆発!!
マグマ星人「隙あり〜!」
宙を猛スピードで飛行し、ザムシャーに突撃してくるマグマ星人!
ザムシャーは難なくこれを、逆袈裟斬りで左右真っ二つにブッた斬った!
宇宙を揺るがす大爆発音が轟く!!
なんとついでに、彼らが戦場としていたオオシマ彗星までもが真っ二つにブッた斬られて、崩壊し始める!!
バラバラになったオオシマ彗星の破片に乗って、まるで優雅にサーフィンを楽しむかのように地球へと向かうザムシャー!
その行く手を遮ろうと、またまた新たな挑戦者が現れた!
なんと! 『ウルトラマンタロウ』(73年)第53話(最終話)に登場した宇宙海人バルキー星人だ!
バルキー星人「待てザムシャー! 今度は俺が相手だ!」
ザムシャー「貴様も、俺を討って名をあげるつもりか? ザコを相手にしている場合ではない。俺には行くところがある!」
オオシマ彗星の破片の群れは、日本を直撃する軌道へと進路を変えた!
東京タワーはヘシ折れ、高層ビル群は崩壊し、道路を走行する車はひっくり返る!
GUYSのメンバーが想像する地獄絵図は、狙ったのか80年代の東映特撮作品の劇中で、よくデザイナー・野口竜が描いていたような異世界や大惨事のイメージ画のようなイラストで表現されていた(笑)。そこに描かれた群集の呆けた面々は、どっかで見たような顔が散見されるような……(笑)
彗星の破片をひとつ残らず破壊するために出撃しようとするリュウ隊員!
しかし、戦闘機・ガンフェニックスは前話の怪獣グロマイトの一件でオーバーホール中であった!
「ガンブースターなら飛べます!」とミライが単独で出撃する!
彗星とともに日本へと向かうふたつの影をキャッチするコノミ。ひとつはドキュメントZAT(ズィー・エー・ティー)に同種が確認されたが、もうひとつは記録がない!
いつも瓢々とした、今は剣道着姿のままで竹刀(しない)を持って作戦室に駆けつけたトリヤマが、「君は宇宙人を追ってくれ!」とミライ隊員に頼もしく命令を下す!
彗星はどうする? との隊員たちの問い掛けに、サコミズ隊長によってGUYS基地・フェニックスネストにも「シルバーシャークG」が配備されていることが語られる!
マル補佐官秘書がテキパキとコンソールを操り準備を敢行する! あのトリヤマとマルもやるときはやるのか!? それはそれで嬉しいぞ!
シルバーシャークG2基が、基地直近の地下より浮上!!
そのとき、フェニックスネストに大きな衝撃音が響き渡って、停電状態になる!
ザムシャーとバルキー星人がすぐ近くに降り立ったのだ!
バルキー星人「この俺を怒らせるなぁ〜! 果たし合いだぁ〜! かかってこいっ!」
第2期ウルトラに登場した「星人」たちを象徴するかのように(笑)、大声でわめき散らし、右手の剣を振り回して徴発するバルキー星人!
だが、彼なんぞ全く眼中にないかのように、余裕の構えを見せるザムシャー。
激しい剣劇が繰り広げられる!
バルキー星人は身軽にジャンプや側転で攻撃をかわす!
その際、シルバーシャークGの一基がザムシャーの剣に切り裂かれてしまった!
そしてその剣はバルキー星人をも……
「無念!」(爆発四散!)
基地上空に舞い戻ったガンブースターを駆るミライは、ザムシャーと対峙する。
ミライ「なんてスゴい腕だ! 君は何者だ!?」
ザムシャー「我れは、ザムシャー」
ミライ「ザムシャー、なんのために地球へ?」
ザムシャー「ハンターナイトツルギを斬る!」
サコミズ「我々は、一刻も早くシルバーシャークGを起動し、彗星の破片を破壊する!」
一同「GIG!」
テッペイ「成層圏突入まで、あと32分!」
薄暗い作戦室に大きなワイヤーケーブルの束が持ちこまれ、トリヤマ補佐官も含めて復旧作業に右往左往するGUYSメンバー!
予備電源で復旧しないのかって? それはややトーシロ的な物の見方だろう。点滅する緊急灯、冷房も切れたか、汗だく姿の隊員たちの奮闘を描いてみせた方が、物語的にも演出的にも緊迫感が出てきて盛り上がるのだから!(笑)
総監代行のミサキ女史でさえも、いつもの半笑い(笑)が消えて、「私たちの云うとおりにつないで!」と熱くゲキを飛ばす!
ミライ「なぜ君は、ツルギとの果たし合いなんかに挑むんだ!?」
ザムシャー「宇宙一の我が強さ、証明せんがため!」
ミライ「待ってくれ、ザムシャー! 地球は今、大きな事態に直面している! 果たし合いどころじゃないんだ!」
ザムシャー「それがどうした!? この星がどうなろうが、俺には関係ない!」
ミライ「そんな…… 地球にはツルギなんて宇宙人はいない!」
ザムシャー「そんなはずはない。ツルギをこの地で見た者がおる!」
ミライ「誰に聞いたんだ!?」
ザムシャー「ファントン星人」
友好的であったあの第7話『ファントンの落し物』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20060705/p1)に登場したゲスト宇宙人こと健啖(けんたん)宇宙人ファントン星人が、ついポロッとしゃべってしまったのか!? やはり大量の食料と引換に……(笑)
しかし、ハンターナイトツルギ(現在のウルトラマンヒカリ)の事情を、ファントン星人がGUYS隊員たちにお節介にも親切に教えてくれた第7話の設定を逆用してくれているのは、子供にもわかって面白がれる程度の良い意味でのマニアックさであって、こういう程度のマニアックさは実によいのだ!
ザムシャー「この星が危ないと云ったな」
ザムシャーが、シルバーシャークGに向けて剣をチラつかせた!
ミライ「ザムシャー、何をする気だ!?」
ザムシャー「ツルギを出せ! さもなくば……」
ミライはウルトラマンメビウスに変身し、シルバーシャークGを守る!
そのころ、一同の努力でシルバーシャークGは起動を完了した!
リュウ「ここから先はオレたちの出番だな」
ジョージ「ああ」
サコミズ「シルバーシャークG、ファイヤー!!」
リュウ「行くぞ〜っ!」
ジョージ「よっしゃぁ〜!」
いつも瓢々としたサコミズまでもが「攻撃開始!」の合図を熱く叫ぶ!
そしてシルバーシャークGはボタンをポンと押して発射されるのではない。なんとリュウとジョージが銃を手に、モニターに映る彗星の破片目がけて射撃していくのである! まさにシューティングゲームのこの感覚こそ、現代の子供たちにも印象的であろうし、おそらく科学的にも相応に合理的なのではなかろうか!?(よく知らないけど・笑)
破片が次々に撃墜されて、赤く染まっていく夜空を見上げるウルトラマンメビウスとザムシャー。
一閃! ザムシャーの剣に叩き折られたメビウスの光の剣・メビュームブレードの破片は、光の粒子となって消えていった……
ザムシャー「ツルギは青き体のはず。貴様はツルギではないな! ツルギが貴様のように弱いはずはない!」
なんと失礼な物言いだ(笑)。いや、そのとおりなのだ(汗)。
そして、そこに夜の闇の中から静かに歩み寄り登場してきた青き巨人! ハンターナイトツルギあらためのウルトラマンヒカリだ!
ザムシャー「青き体! ツルギだな!?」
ヒカリ「おまえの挑戦、受けてやろう!」
メビウス「やめてくれ!」
ザムシャー「だまれ!」
メビウス「君たちには戦う理由はない!」
ザムシャー「我が強さ、宇宙一と証明して見せる!」
メビウス「どちらかが死ぬんだ!」
ザムシャー「それがどうした!?」
ヒカリ「黙って見てろ!」
最後に残った全長約1kmの巨大な破片も迫りくる!
テッペイ「ジョージさんが狙ってください。一撃で粉砕しないと破片を増やすだけです」
リュウ「日本の運命は、この肩にかかっているというわけか」
ジョージ「……最高のプレッシャーの中でこそ、最高のシュートを決められるってもんだ!」
スタジアムの歓声が響き渡る演出のなか、元サッカー選手のジョージが最高のシュートを決めた!
最後の破片は真っ赤な火の玉となって宙で燃え上った!
そして、その真下でザムシャーとウルトラマンヒカリが決着をつけた!
ザムシャーの剣が折れる!
……「地球人側の彗星破片撃破」と「宇宙人側の決闘の決着」が同時につくのはオカシいって? それはそのとおりなのだ(笑)。しかし、タイムラグさえあればリアルである! といったものではないのだ。それはそれで、物語・フィクション作品としては、絶対に散漫な構成になってしまうぞ(笑)。
ザムシャー「バカな!? 星斬丸(ほしきりまる。ザムシャーの日本刀の名前)が!?」
ヒカリ「おまえに勝ったのは、俺ではない。おまえの刀は、俺と戦う前、すでに折れていた!」
ザムシャー「すでに? 俺はなぜ負けたのだ!」
ヒカリ「こいつ(=ウルトラマンメビウス)は常に、何かを守るために戦っている。だから強い!」
ザムシャー「何かを、守るために……?」
ヒカリ「ザムシャー、おまえにわかるか? 大切なもの、愛するもの……」
テッペイの両親との1枚。
マリナとカドクラ監督とのツーショット。
コノミが勤務した保育園の園児たちが描いた絵画。
GUYSのメンバーの大切なもの、愛するものを象徴するスナップが連続で挿入される演出が、ベタでも実に効果的で感動的だ。
意外にも若くてベッピンな妻とデレデレするマル。
幼い孫とおどけて見せるトリヤマの姿も……
(なぜかお孫さんは前々番組『ウルトラマンネクサス』の指人形をはめている。『ネクサス』は『メビウス』世界ではテレビ番組だったのだろうか?・笑)
ザムシャー「何かを守る…… 貴様、名は!」
メビウス「ウルトラマン、メビウス!」
ザムシャー「俺には守るものなど何もない。俺は俺の力で宇宙一の力を得る! そして再びこの星に来る! メビウス! ツルギ! 貴様たちを倒すためにな!」
相手を滅ぼすような決着は付かずに終わった。しかし、勝負はウルトラマンヒカリの……いや、ウルトラマンメビウスの勝利であったようだ。
朝焼けを背に力強く宣言するザムシャー……
疲れきった一同に、モーニングコーヒーを配って回るサコミズ隊長。
「あっ、宇宙人は!?」と目覚めたリュウに、「ミライがなんとかしてくれたよ」と語るサコミズ。なんで、ミライが? って、ミライの正体を知っているってことは、本作の公式ホームページなどでは「ゾフィーの正体が明らかになる!」とうたっていることから、やっぱり彼の正体はウルトラ兄弟の長男・ゾフィーなのか?(笑)
ミライ「ガンブースター、ミライ、帰還します!」
メガネっ娘(こ)のコノミが眼鏡を外してコンタクトレンズにして素顔を披露したことがあまり活きていない欠点や、意地悪に観ればトリヤマ補佐官とマル補佐官秘書の意外な出来者ぶりが多少唐突だったかな? とか(もちろん許容範囲ではあるのだし、むしろ嬉しかったけど)、日本壊滅のイメージ画が半分ギャグっぽかったり(笑)、そのギャグが絶妙なのかスベっているのかがビミョーなところもあった。
しかし、ワールドカップならぬスペースカップとでも呼ぶべき、マグマ星人VSザムシャー! バルキー星人VSザムシャー! ウルトラマンメビウスVSザムシャー! ウルトラマンヒカリVSザムシャー! といった、宇宙一の強さを競う頂上決戦! 正直こういった少年漫画的なバトルを映像作品としての『ウルトラ』で観ることができるとは思わなかった!
同じく、宇宙人の武道家・宇宙格闘士グレゴール人が攻めてくる『ウルトラマンダイナ』(97年)第31話『死闘! ダイナVSダイナ』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971208/p1)の煮え切らない出来とは大違いであった! あちらのグレゴール人には良いところがなく、完全否定されるためだけの存在であったが、ザムシャーには「対立」と「和解」と今後の「共闘」の可能性! といった、アリがちでもオイシいドラマが今後は予想されるからなのだ!
それらを、彗星の地球衝突の危機! その危機を回避しようと奮闘する人類と並行して描くという、まさに王道の中の王道路線でもあった!
ある意味では、初代『ウルトラマン』第25話『怪彗星ツイフォン』や、妖星ゴラスが地球に激突しそうになるパニックを描いてみせた『ウルトラマンA』第7話『怪獣対超獣対宇宙人』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20060618/p1)~第8話『太陽の命 エースの命』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20060624/p1)の前後編に、『ザ★ウルトラマン』(79年)第14話『悪魔の星が来た!!』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20090803/p1)なども、シチュエーション的には彷彿(ほうふつ)とさせるのであった。
シニカル(冷笑的)に観てしまえば、「守るべきもの」があればホントウに強くなれるのか!? むしろ、「攻撃こそ、最大の防御」で、「守りの姿勢」に入ってしまうと、勢いも衰えてしまって弱くなることもあるのではないのか!? 守るものがあれば、敵の刀さえも折れるのか!?(笑) といったリアリズムの観点からの難癖もつけようと思えば、つけられるのだ。お祈りをささげれば、神風が吹く! といった旧・日本軍的な悪しき精神主義だ! といった批判もできなくはないのだ。
しかし、この手の番組でうたわれているのは、そういった軍事的・計量的な強さの重要性ではないのだ。単に物理的に強いものが勝ってしまうだけの世界であっても、殺伐としてしまう以上は、道徳的にも正しく優しい者の方が勝ってほしい! といった「願い」の意味での「寓話」なのだ。
ついでに云ってしまうと、政治的な権力でもある「政権」「政治」などの正統性も、こういった道徳的なものを完全には無視はできない。物理的な軍事力・警察力だけでも、庶民・大衆を長期にわたっては押さえつけることはできない。そこで、後出しジャンケンではあっても、道徳的にも正しいことをしようとしたり、道徳的にも合致していることにしようと自己の権力を正当化していく。あるいは、そういったことに合わせていかざるをえなくなる是正力もはたらいてくるのだ。民衆から最低限の「支持」を受けることもまた必要ではある以上は、「悪」や「強権」の徹底もできなくなってくるものなのだ。
ただまぁ、そういった小ムズカしい話はともかくとしても、子供番組・ジュブナイル・娯楽活劇作品なのだから、善意こそが勝利するといった展開でいいんだよ!(笑)
現行TV特撮の商業規模比較!
個人的には絶好調の仕上がりになっていると思える本作『ウルトラマンメビウス』。せっかく良質の作品を送り出しても、視聴層が限定されてしまうような土曜夕方17時30分の時間帯では……と嘆きたくもなっている。
玩具会社・バンダイのホームページにUPされているトイホビー事業の2005年の実績を見ると、「スーパー戦隊」の108億円、「仮面ライダー」の65億円に比べて、「ウルトラマン」はわずか39億円である。たしかに前作『ウルトラマンマックス』(05年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20060311/p1)の関連玩具は、放映終了後もかなり売れ残っていた……。
これは女児向けアニメ『ふたりはプリキュア」の123億円(! 『戦隊』よりも上なのだ!)、「アンパンマン」の81億円(これまた『平成ライダー』よりも上だ!)、『ドラゴンボール』の60億円をもはるかに下回る数字なのである。マーチャンダイジングの概念をいくら否定しようが、現実には子供番組の評価は「オモチャ売ってなんぼ」で決まってしまうのである!
(玩具会社以外にメインスポンサーになってもらえばいいという意見も昔から散見されるが、世間知らずにも程がある。あなたが経営者だったならば、費用対効果の出ない視聴者層のテレビ番組に出資をするだろうか?・汗)
しかも、『メビウス』はバンダイただ1社のみの提供なのである(バンプレストもバンダイの子会社だ)。文具・アパレル・菓子メーカーといった業界が名を連ねていないことからも、「ウルトラマン」の商業的価値が絶望的に低下していることがうかがえるわけなのだ。ただ1社のみの提供では予算調達はそうとう厳しく、『メビウス』が商業的に失敗すれば、『ウルトラマンネクサス』(04年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20041108/p1)から3作続いたシリーズもいったんは打ち切りとなることが充分に予想されるのである。
ただまぁ、一時はテレビ朝日のお荷物とされ、毎週土曜18時から金曜17時30分に、さらに日曜の7時30分へと2度の時間帯変更の憂き目にあった東映のスーパー戦隊シリーズも、06年の『轟轟戦隊ボウケンジャー』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20070108/p1)で記念すべき30作品目を達成したのだ。視聴率の低迷でテレ朝は打ち切りたかっただろうに、「オモチャは売れるから」とバンダイは決して手放さなかったのである。
今後のウルトラが目指す道はただひとつ、子供がオモチャを買いたくなる路線しかないように筆者には思われる。前話である第15話『不死鳥の砦(とりで)』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20060924/p1)や本話である第16話『宇宙の剣豪』を観るかぎりでは、少し希望が開けてきたような感がある。出来うるかぎりヒーローや怪獣などのキャラクターをいっぱい登場させて、ストーリーの多少の矛盾は度外視して、派手なアクション描写に徹し、それでも視聴後に「命の尊さ」とか「大事な人を想う気持ち」などが少しでも子供に伝わるような……
あとは、みんなで「ウルトラマン」を存続させるために、バンダイのオモチャを買いましょう!(笑)
(編)後日付記:『メビウス』番組公式ホームページが本年2006年10月第2週から掲載を開始した「WEB(ウェブ)メビナビ」によれば、本話のオオシマ彗星の発見者は『ウルトラマン80(エイティ)』(80年)第6話『星から来た少年』(脚本・広瀬襄 監督・湯浅憲明 特撮監督・高野宏一)に登場した、ウルトラマンエイティこと中学教師・矢的猛(やまと・たけし)の教え子で天文少年だった大島明雄くんだそうな!(大きくなって天文学者になったとか) マジかよ! うれしすぎるゾ!(涙)
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