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ウルトラマンメビウス27話「激闘の覇者」 〜宇宙恐竜ゼットン!


ウルトラマンマックス#13「ゼットンの娘」
『ウルトラマンメビウス』評 〜全記事見出し一覧(スマホの場合、全記事・見出し一覧)


(脚本・谷崎あきら 監督&特技監督小中和哉
(文・久保達也)

ウルトラの父が来た! ウルトラの母が来た! そして、タロウがやって来た!」


 「今からちょうど40年前、地球は怪獣や侵略者の脅威にさらされていた。
 人々の笑顔がうばわれそうになったとき、はるか遠く、光の国から彼らはやってきた。
 ウルトラ兄弟と呼ばれる、頼もしいヒーローたちが!
 そして今、ウルトラの父はひとりの若き勇者を地球へと送った。その名は……」


 06年9月16日に公開された劇場作品『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070128/p1)において情感たっぷりに流れた『ウルトラマンタロウ』(73年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071202/p1)の挿入歌『ウルトラ六兄弟』のアコースティックなアレンジ曲がバックに流れ、ウルトラマンウルトラセブンウルトラマンジャックウルトラマンエースウルトラマンタロウウルトラマンレオウルトラマンエイティの勇姿を映し出しながら(感涙!)語られる上記のナレーションに続いて、
 おなじみの ♪ジャンジャジャ〜ン、ジャンジャジャ〜ンジャ〜ン、ジャンジャジャ〜ンジャ〜ンジャ〜ンジャ〜ンジャ〜ン、ジャンジャジャ〜〜ン! なるメインテーマとともに、


ウルトラマンシリーズ誕生40周年記念作品』

ウルトラマンメビウス


 という堂々たる作品タイトルがバ〜ン! と出される、リニューアルされた新オープニングは豪華絢爛である!


 欲をいうなら番組開始当初からこのオープニングでやってほしかったところだが、作品が無事3クール目に突入、先述した劇場作品のスマッシュ・ヒット(興行収入は6億円ほどらしいが、映画前作『ULTRAMAN』(04年・松竹・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060305/p1)が1億弱だったことを思えば大健闘したといえる! 静岡では10月第3週までで終わっちまったが、地方によっては11月に入っても上映しているところがあり、まだまだ伸びるぞっ!)の相乗効果でますます注目を浴び、いよいよこれからウルトラ兄弟たちのゲスト出演が本格的に始まるぞ! という時期にこのオープニングに変更した方が、タイミングとしては確かに絶妙だったのかも。


 ウルトラ兄弟の勇姿に感涙にむせぶのも束の間、黄金のさざ波のようなイメージの中で大きく翻る赤いマント!
 神秘的な女声ハミングをバックに、ウルトラの父の登場だ! そして彼に寄り添うウルトラの母


ウルトラの母「古傷が、痛むのですか?」
ウルトラの父「ああ、この3万年間、一度もなかったことだ」


 3万年前! 『タロウ』第25話『燃えろ! ウルトラ6兄弟』において、ウルトラ兄弟の長男・ゾフィーが兄弟たちに語った(実際にはナレーターの瑳川哲朗による解説)ウルトラの国の歴史によれば、平和だったウルトラの国で惑星群の中心であった太陽が大爆発を起こし、ウルトラの国全体が暗黒に閉ざされ、多くの人々が死んでしまったのが今から27万年前のことなのである。
 その後ウルトラの長老を先頭とする研究団によって人工太陽・プラズマスパーク(『タロウ』第25話では「プ『リ』ズマスパーク」と呼称)が建設され、ウルトラの国は明るい光を取り戻し、再び平和が甦ったのである。
 そして3万年前、エンペラ星人*1率いる怪獣軍団がウルトラの国を襲撃した際、ウルトラの父は大活躍したものの大きな傷を受け、ウルトラの母の看病を受けたのであった。
 かくして宇宙警備隊*2が創設され、ウルトラの父大隊長に就任、怪獣や侵略者たちの脅威から宇宙を守るため、3万年もの長い間戦いを続けてきたのである!
 『ウルトラマンA(エース)』(72年)第27話『奇跡! ウルトラの父』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061105/p1)において、ブロンズ像にされてしまったウルトラ5兄弟の危機に、地獄宇宙人ヒッポリト星人に果敢に立ち向かったウルトラの父であったが、長旅の疲れのために苦戦し、エースにエネルギーを与えるや、自らは命を落としてしまったのである*3
 そのとき以上の痛みをウルトラの父は感じると云うのである! 一体何事が起ころうとしているのであろうか?


母「何かの前触れだと……?」
父「あるいはな……」


 メビウスを派遣した地球を見つめるウルトラの父と母……


 宇宙空間の歪み・ウルトラゾーンの出現、高次元補食体ボガールを滅ぼしたにもかかわらず現れた時間怪獣クロノーム、異次元超人ヤプールの復活……一連の怪事件には関連性があり、何者かの力が作用しているという見解はウルトラの父と母ばかりではなく、防衛組織GUYS(ガイズ)もまた同じであった。
 新たなマケット怪獣を選抜して戦力増強をはかる命を下されたGUYSの上官・トリヤマ補佐官は、総本部からの督促状を受け、隊員たちに報告書の手伝いをさせようとする。
 コノミやマリナにはマケット怪獣ミクラスが、ジョージやリュウにはマケット怪獣ウインダムが既にいるからと反論をくらうトリヤマだが、トリヤマが持参したアタッシュケースにギッシリと詰まったマケット怪獣のカプセルを幾つもつまみあげ、怪獣博士のテッペイは「面白そうじゃないですか!」(笑)と大乗り気! ガイズタフブックに次々とカプセルを装着し、新たなマケット怪獣の選定を始める。
 地底怪獣グドン、火山怪鳥バードン、古代怪獣ツインテール、宇宙大怪獣ベムスター……各怪獣の身長や体重、攻撃技や特殊能力など、テッペイによって語られるウルトラ怪獣大図鑑! さらにはカプセルの中にウルトラマンメビウスまでも含まれていたことから、メビュームシュート、メビュームブレードなどが炸裂するメビウス必殺技大百科へと続く!


 この一連では前半2クール分のライブフィルムをふんだんに使用しており、本編部分は一切ロケに外出もせずGUYS作戦室だけで撮影を済ませていることからも、大人の視点で見れば、本作がいかに低予算であるかを露呈しているかに映ってしまうが、小学館『てれびくん』の付録DVDや、バンダイビジュアルの『ばっちしV』を思わせる再編集ビデオ的なノリの名場面集は子供たちにはたまらないハズだ! ドラマよりもバトルを見たい子供たちにはこれで十分なのであり、いかに予算をかけて凝った演出や深刻なドラマを描こうが、これより勝るものはないのである! なによりバンダイから発売中のノートパソコン型のガイズタフブックやマケットカプセルをそのまま流用(画面で見る限り)しているのにはバンダイが大喜びだ!
 また先述の劇場版を、あくまで子供の付き添いで来ただけなのにおもわずハマっちまった親の層(某巨大掲示板を見る限りでは相当数にのぼる!)の中には映画に触発されてこれから本格的に視聴する、なんて人々も多いだろうから、そんな人々に対する総集編的な意味合いも感じさせ、実に暖かい配慮であるともいえるのではないか!


 タフブック内のシミュレーションでマケット怪獣選出のための勝ち抜き戦が行われることになり、「リアライズ」なる音声(臨場感があってよい!)とともに宇宙恐竜ゼットン対地底怪獣グドンの夢の対決が繰り広げられる! 「いけ〜、デットン*4!」と怪獣の名前を間違えて叫ぶ(笑)トリヤマに音声入力で操縦され、口からの1兆度の火の玉攻撃であっけなくグドンを葬り去るゼットン
 次の対戦のためにテッペイがリセットをかけようとするも、なぜかゼットンの姿が消えない。それどころかゼットンはシミュレーション内で火の玉攻撃で大暴れするにとどまらず、GUYSの全システムに障害を起こさせ、ネットワーク内に侵入せんとする! いくらマケット怪獣とはいえ、侵略宇宙人の残骸円盤由来の超絶科学メテオールであることに代わりはないのだ!


 大の大人である隊員たちが「最強怪獣はオレのもんだ!」とカプセルの奪い合いを始めたり、タフブックからゼットンのカプセルを外そうとしたトリヤマとテッペイに稲妻がほと走り、体内のガイコツが映し出されるマンガチックな描写、ゼットンをシミュレーション内で倒そうと装着されたプロトマケットウルトラマンメビウスに対し、「足を狙え!」「奴の弱点は角よ!」「いいから止めろ〜!」と各自が好き勝手に命令したあげく、トリヤマが「なんとかシュートで片付けてしまえ〜!」と命令したがために、ゼットンに必殺光線メビュームシュートをはね返され、カラータイマーを破壊されてしまうくだり(ここでは『ウルトラマン』(66年)第39話(最終回)『さらばウルトラマン』における、ゼットンウルトラマンの完全再現がなされ、特にメビュームシュートをゼットンに吸収された際のプロトマケットメビウスのリアクションは芸コマ!)など、マケット怪獣のネットワーク侵入などという最大の危機感をあおりたてながらも、いつもながらのギャグ描写は忘れられておらず、絶妙なバランス感覚が光っているのだ!


 プロトマケットメビウスの危機に、ミライは作戦室を飛び出し、ウルトラマンメビウスへの変身の決意を固める。仮想空間で戦うには自分自身を数値化しなくてはならない。いわば完全なる未知の世界であるのだ!
 だが『ウルトラセブン』(67年)第31話『悪魔の住む花』において、美少女*5の体内に侵入し、彼女を吸血鬼にさせた宇宙細菌ダリーを倒すためにミクロ化したウルトラセブンのように、「よし、未知の世界に挑むぞ!」とばかりにミライはメビウスに変身! ゼットンが開けてしまったフィールドの外壁の穴からシミュレーションに突入した!
 火の玉攻撃を受け、ひざまづいたメビウスゼットンは蹴り上げ、踏みつける!


コノミ「ウルトラマン、死んじゃダメ!」
マリナ「立つのよ! 起き上がって!」
(二人のセリフはやはり『ウルトラマン』第39話で科学特捜隊のフジ・アキコ隊員が、ウルトラマンに向かって叫んだ言葉だ!)
ジョージ「がんばれよウルトラマン!」
リュウメビウス、のんびりおねんねしてんじゃねえ! ウルトラマンなら立ち上がれ!」
メビウス「聞こえる……みんなの声が……」


 仲間の声援を受け、メビウスはこぶしに力をこめて立ち上がった! たまらずひっくり返るゼットン! すかさずかかる主題歌が絶大な相乗効果をあげる!


ジョージ「それでこそオレたちのウルトラマンだ!」
メビウス「みんなの声が、僕を強くする!」
ジョージ「メビウス、いけ!」
マリナ「メビウス、負けないで!」
コノミ「がんばって、メビウス!」
テッペイ「そう、そこ、そう、そこだ!」
リュウ「よっしゃ〜っ! いけ〜! いけ〜! ぶっつぶせ〜っ!」(爆)
メビウス「みんながいるから、僕は戦える! みんながいるから、僕は負けない!」


 仮想空間におけるメビウスの戦いに熱い声援を送る隊員たちは、テレビの中で戦うメビウスを見つめる子供たちに一体感を呼び起こすことうけあいであり、全国の子供たちが隊員たちと同じようにメビウスに熱い声援を送ったことだろう! なんかそれを想像すると……(涙)ヘタな「大人の鑑賞に耐える作品」なんかよりよほど泣けるわっ!


 メビュームスラッシュを放つメビウス! ゼットンバリヤーでこれを跳ね返すゼットン! バリヤーを張る際のゼットンのポーズも『ウルトラマン』第39話に忠実だ!


ジョージ「真上にバリヤーはない! 流星キックだ!」


 流星シュートが得意だったジョージが思わず叫んだ流星キック(!・*6)を、空中高くジャンプしたメビウスゼットンの頭上から食らわした! これにかなわんと見たゼットンはテレポーテーション(瞬間移動)でメビウスを翻弄する!


マリナ「うしろよ! メビウス!」


 マリナのアドバイスを受け、メビウスゼットンの火の玉攻撃を辛くもかわした! 続けて迫る火の玉攻撃をバリヤーで防御するメビウスだが、カラータイマーが点滅を始める!
 そのとき突然ミクラスが出現! ゼットンに角攻撃をかけ、続いてウインダムがゼットンの首にチョップを食らわす! テッペイがマケットカプセルを追加したのだ!


コノミ「ミクラス、お願い!」
テッペイ「頼むぞ! ウインダム!」
メビウス「これが僕の仲間だ! 力だ!」


 ミクラスは角を向けて突進、ウインダムはジャンプして空中からゼットンに奇襲をかける!


メビウス「恐れるものなど、ありはしない!」


 メビウスも空中高くジャンプ! ゼットンにパンチを食らわす! ミクラスに押さえつけられたゼットンに、ウインダムが頭部からレーザー攻撃を加える! そしてメビウスの白熱した左腕から繰り出される強烈なパンチが、ゼットンにとどめを刺した!
 ミクラスとウインダムの勝利のおたけびがシミュレーションの中でこだまする!


 実に熱い戦い! 大いに盛り上がる展開! これこそが最強怪獣である宇宙恐竜ゼットンが再登場するにふさわしい作品なのだ! 『ウルトラマンマックス』(05年)第13話『ゼットンの娘』(爆)(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060315/p1)が大いに不満だった筆者の溜飲もこれで下がったというものだ! ウルトラマンカプセル怪獣の共同戦線が見られるなんて……(感涙)
 ただ「使えるマケット怪獣はミクラスとウインダムだけってことね」というオチは……それではカプセル怪獣アギラ*7の出番がねえってことかいっ!?


ミライ「僕はこの星に来てよかった。本当に来てよかったと感じています! 大隊長、いえ、ウルトラの父
 夜空に輝くウルトラの星(!)を見つめ、感慨にふけるミライ。だがそのころウルトラの星では……


父「決断のときが、近いのかもしれん」
母「では彼は……? メビウスはもう……?」


 思わず宙を見上げるウルトラの父……

2006.11.5.


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2007年号』(06年12月30日発行)『ウルトラマンメビウス』第3クール評より分載抜粋)


[関連記事] 〜宇宙恐竜ゼットン再登場編!

ウルトラマンマックス 〜中盤評 13話「ゼットンの娘」、14話「恋するキングジョー」

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060315/p1

*1:第3次怪獣ブーム期に男子小学生たちのバイブルとなった子供向け文庫サイズ百科の名著『ウルトラマン大百科』(ケイブンシャ・78年8月10日初版発行・ISBN:476691564X)にも、ゾフィーが語ったウルトラの国物語がマンガで掲載されていたが、何をトチ狂ったか、その中でエンペラ星人は『タロウ』第33話『ウルトラの国 大爆発5秒前!』、および第34話『ウルトラ6兄弟最後の日!』に登場した極悪宇宙人テンペラー星人のデザインで描かれていた(笑)。

*2:『タロウ』第25話において、この「宇宙警備隊」は誤って「ウルトラ警備隊」と説明されており、脚本を書いた田口成光が『ウルトラセブン』に登場する防衛組織と混同してしまったがために起きたケアレスミスであると、筆者は長年考えていた。
 しかしながらDVD『ウルトラマンタロウ Vol.6』(デジタルウルトラプロジェクト・05年6月24日発売・asin:B0009J8HIY)の解説書に掲載された山際永三監督所蔵の現存する第25話のシナリオを見ると、このウルトラの国物語に関する部分にはナレーションが大幅に加筆されており、さらには画面で流すためのイラストを内山まもる――当時小学館学年誌でウルトラのコミカライズ作品(近年コンビニ漫画で多数再刊。『帰ってきたウルトラマン 完全復刻版』(04年・ISBN:4091081959)・『ウルトラマンA 完全復刻版』(04年)・『ウルトラマンタロウ 完全復刻版』(05年・ISBN:4091083757)・『ウルトラマンレオ 完全復刻版』(06年・asin:409108575X)・『ザ・ウルトラマン 死闘!ジャッカル対ウルトラ兄弟』(07年・ISBN:4091087183http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20160914/p1))を多数執筆していた漫画家――に発注するためのメモが張りつけられている。
 メモは全部で9項目から成るが(実際に作品で使用されたイラストも9種類である)、その最後の項目に「ウルトラ警備隊の誕生」と記されているのである!
 山際監督によればこのメモは御自身の筆跡ではないらしく、円谷プロ側の熊谷健プロデューサーもTBS側の橋本洋二プロデューサーもこれについてはまったく記憶にないということだ。田口氏は内山氏にイラストを発注するのであれば当然小学館を介してであろうから、小学館の編集部の誰かの字ではないかと推測している。
 『タロウ』製作当初から小学館学年誌編集部が番組の製作に深く関わっていたという痕跡とも解釈できるものであることを考えれば、こうした些細なミスには寛容になった方がいいのかもしれない。

*3:『A』第27話で一度死んだウルトラの父は、光の国の科学者たちによって作られた人工カラータイマーを移植されて生きかえったのであると、放映当時の小学館学年誌で説明されている。
 デジタルウルトラプロジェクト発売のDVD『ウルトラマンA』Vol.4・5・6(04年8月23日発売・asin:B00024JJH4asin:B00024JJHEasin:B00024JJHO)を3巻同時購入するともらえた、学年誌の記事を復刻した小冊子に掲載されていたのだが、出典が一切記されておらず、『小学○年生』の何月号からなのかが定かではない。ご了承願いたい。

*4:帰ってきたウルトラマン』(71年)第3話『恐怖の怪獣魔境』に登場した地底怪獣。着ぐるみは元々『ウルトラマン』第22話『地上破壊工作』に登場した地底怪獣テレスドンが、『ウルトラファイト』(70年)で酷使されてボロボロになったものを流用していることから、学年誌怪獣図鑑などではテレスドンの弟であると解説されていて、第2・3期ウルトラ世代の子供たちは皆これを信じていた(笑)。こういう自由奔放な発想こそ今の『てれびくん』にも欲しいねえ……

*5:現在でも活躍中の松坂慶子が演じていたことから、80年代後半に起きたレトロブームの渦中に各民放で放送された、懐かしのテレビ番組の特集で頻繁にとりあげられた。当時のその手の番組は純粋に古い作品を懐かしむという趣向ではなく、第一線で活躍中の俳優が下積み時代に演じた役柄のなさけなさや、変身ヒーロー番組や学園青春ドラマなどのちょっとした矛盾点を笑いの種にすることに主眼を置いた、いかにも80年代的な軽薄短小の産物だった。
 某巨大掲示板の特撮スレ「登場することで作品をつまらなくしたキャラ」なんてのを見ると、リュウをはじめ、「GUYSの隊員全部」などという意見が散見されるが、結局のところ、特撮マニアは「熱血」を好まず、GUYSの青春群像を描くような路線をつまらないと思っている者が結構多いのだと解釈せざるを得ない。
 しかしながら、そうした者たちによる『メビウス』批判を見ると、先述した「軽薄短小」番組でやっていた、特撮ヒーロー作品や学園青春ドラマに対する、まるで愛情の感じられない、重箱のスミつつきとなんら変わりのない印象しか感じられない。彼らが好むようなリアル&ハード路線の90年代後半以降の特撮ヒーロー作品が、「一般層の笑いの種にならないものを」とのスローガンで製作されたのかどうか知らないが、そんなものに対しては一般層は何の関心も寄せず、「笑いの種」にすらならなかったのだ。
 『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』が『ULTRAMAN』の6倍以上の興業収入を得ることができたのはナゼか、『ウルトラマンネクサス』(04年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060308/p1)が3クールで放映打ち切りになったのはナゼか、そんなもんいちいち考えるまでもないだろう。

*6:帰ってきたウルトラマン』第4話『必殺! 流星キック』において、古代怪獣キングザウルスIII世のバリヤーを破るため、郷秀樹が恩師・坂田健の協力を得て自らを鍛え直し、苦労の末に編み出した技である。空中高くジャンプしてキングザウルスIII世の頭上を高く跳び越え、バリヤーの張られていない真上から角を折ることに成功した!

*7:ウルトラセブン』第32話『散歩する惑星』、第46話『ダン対セブンの決闘』に登場。ミクラスやウインダムに比べ、初登場が遅い時期だったことから、『セブン』放映当時も雑誌メディアの露出が少なく(第1次怪獣ブーム終盤のころであった)、『ウルトラセブン1999最終章』(99年・バップ発売のオリジナルビデオ作品6部作)にミクラスやウインダムは再登場してもアギラは登場しないなど、トリケラトプスのような容貌の恐竜型怪獣であるにもかかわらず、今ひとつ不遇な扱いをされている。
 しかしながら『ウルトラファイト』にセブンの子分として唯一登場したカプセル怪獣はアギラであり、『チビラくん』(70年・円谷プロ日本テレビ製作の帯番組)へのゲスト出演など、世代的には最も印象深いカプセル怪獣である。一生のお願いだから『メビウス』に出して!