假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑)

★★★特撮・アニメ・時代劇・サブカル思想をフォロー!(予定・汗)★★★ ~身辺雑記・小ネタ・ニュース速報の類いはありません

ウルトラマンエース32話「ウルトラの星に祈りをこめて」 〜宇宙から来た超獣人間コオクス! 主人公の信用失墜! 美少年子役だからこそのギャップ!

(ファミリー劇場『ウルトラマンA』放映・連動連載!)
『ウルトラマンエース』#29「ウルトラ6番目の弟」 〜ダン少年編の意外に高いドラマ性! 名脚本家・長坂秀佳登板!
『ウルトラマンエース』#30「きみにも見えるウルトラの星」 〜主役窮地の作劇の極北!
☆☆☆☆☆
#####


「ウルトラマンA 再評価・全話評!」 〜全記事見出し一覧
[ウルトラ] ~全記事見出し一覧


『ウルトラマンエース』32話「ウルトラの星に祈りをこめて」 〜宇宙から来た超獣人間コオクス! 主人公の信用失墜! 美少年子役だからこそのギャップ!

(脚本・田口成光 監督・筧正典 特殊技術・佐川和夫)
(文・久保達也)


 防衛組織・TAC(タック)の宇宙ステーション№5(ナンバー・ファイブ)を撃破した宇宙船が、地球に侵入!


 迎撃に向かったTACだが、北斗は怪音波に襲われ、戦闘機・タックアローが操縦不能になってしまう!


 宇宙船は撃破された。しかし、ダン少年が交通事故から救ったという星野アキラ少年と出会った北斗は、再び同じ怪音波に襲われる……



 超獣が宇宙船に乗ってやってくるというのも一瞬、妙に思えるだろう。しかし、第23話『逆転! ゾフィ只今参上』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20061012/p1)のラストで爆発四散した異次元人ヤプールの破片が宇宙にまで飛び散っていたことを思えば、納得ができなくもないのだ。第24話『見よ! 真夜中の大変身』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20061015/p1)のナレーションでもそう明言されていたのだから!
 

 どこかの宇宙人がヤプールの残留思念に操られていたのか? はたまた、ヤプール人そのものの残り少ない残党が、宇宙船に搭乗して出現したのか? 好意的に深読みしてみせれば「宇宙超獣」という存在には、相応のスケールが感じられるというものだ。



 宇宙船撃破のあとで、山中隊員が「勝利を祝って」とパーティーの用意をさせる。


 ふだんはおとなしい印象の吉村隊員が、第2話『大超獣を越えてゆけ!』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20060515/p1)同様に、いきなりギターを手に挿入歌『タックの歌』を歌い出す場面が微笑(ほほえ)ましい。


 この1972年当時は、『人造人間キカイダー』(72年)で毎回、主人公・ジロー青年が登場シーンでギターを弾きながら現れていた。『アイアンキング』(72年)では変身しない主人公・国家警備機構の静弦太郎(しずか・げんたろう)が毎回、ギターを弾きながら歌うシーンが用意されていた。


――静弦太郎を演じた石橋正次(いしばし・しょうじ)は、『帰ってきたウルトラマン』第16話『大怪鳥テロチルスの謎』~第17話『怪鳥テロチルス 東京大空爆』の前後編にも出演している。その後、大人気テレビドラマ『飛び出せ! 青春』(72年)のレギュラー出演や、歌手としても『夜明けの停車場』などのヒットを飛ばし、当時の若い女性に大人気であった。『アイアンキング』における彼の歌う場面は、そんな女性視聴者に対する最高のサービスカットだったのだ。ヒーロー作品の「イケメン路線」はなにも近年始まったことではないのであった!――


 学生運動の時代が終わりを遂げつつあった70年代前半当時は、若者たちの間でアコースティックギターをメインとしたフォークソングが絶大な支持を得ていたことも大きいとは思う。


 吉村隊員の演奏にのって、隊員一同が『タックの歌』を歌い出す。しかし、怪音波のことを信用されずに、山中に操縦ミスと責められた北斗だけがひとり浮かぬ顔をしていた。


 めでたい席で自分の立場ゆえに、ひとり輪に入れないときの「疎外感」といったら絶大なものであある。筆者なども何度か経験があったりする(笑)。大人になってから視聴すると、このあたりはなかなかにリアルな描写である。



 翌朝、北斗は飛行訓練を受けることを自ら志願していたのだが、夜中にアキラ少年が発した怪音波に襲われたために体調を崩して寝坊してしまった。


 通信機からの山中の怒鳴り声に起こされた北斗は、真相を確かめようとアキラが寝ているダン少年の部屋を探ろうとする。しかし、


「オ〜~イ! もう、いい加減にしろ! オラ〜〜ッ!!」(爆)


 という山中の通信が入ってしまった(笑)。


 本部へと急がねばならなくなったために、やむなくダン少年に手紙を書いてTAC本部へと向かった。


 その手紙は、アキラのことを監視し、怪しい点があったらTACに知らせろという内容であった。


 その末尾は「ウルトラ6番目の弟へ」で締められている。そして、ウルトラマンエースのウルトラサインまで添えられていたのだ。エース直筆の手紙だと思ったダンは、すっかり有頂天になる(笑)。巨人であるウルトラマンが人間用に手紙を書くことなどはないだろうし、賛否はあるだろうが、ちょっと夢のある描写ではある。


 私事で恐縮だが、1980年代の10代であったむかしに、筆者は『A』ファンの年下の女性に書いた手紙を「ウルトラの妹へ」で締めて、おおいに喜ばれたものであった(もう二児の母ですが……)。そういう素朴なコミュニケーションがキモがられずに男女のマニア間で許されたのは、今から思えば牧歌的な時代なのであった。もちろん、今の時代にはマネをしないように、各位は注意をしてください(笑)。


 本話が放映されたもう少し先のころ、講談社から発売された『テレビマガジン』73年1月号(72年12月1日発売)では、「『仮面ライダー』声の年賀状!」なる読者サービス企画が用意されていた。これは本誌に添付された「応募券」と代金分の「切手」を編集部に送付すると、73年元旦に主役・本郷猛役の藤岡弘の肉声を収録したフォノシート(レコード)が添付された年賀状が読者のもとに届くというものであった。


 あこがれのヒーローから自分のもとにメッセージが送られる。誰もが夢見るであろうが、近年のリアル志向の特撮作品ではこんな描写があるはずもない(笑)。だからこそ、我々のようなマニア予備軍であったマセガキはともかくとしても、子供たち一般の盛り上がりには欠けるのだ、といい加減に気付いてもらいたいものなのだが……



 北斗の飛行訓練をマンションの屋上から見ていたダンは、思わず「ヘタクソな操縦だなぁ」と漏らす。このときは北斗はまだコオクスの怪音波に襲われてはいない段階でなのだ。ダンにまでヘタクソ呼ばわりされてしまう北斗の操縦技術っていったい…… でも、第1話では北斗の操縦技術を、山中が「北斗新隊員もなかなかやるじゃないですか。見てください、あれを」とホメてたんだけどなぁ。退化しちゃったのか?(笑)



 アキラが飛行訓練中の北斗を苦しめる!


 星野アキラ少年を演じたのは、子役の高橋仁であった。第3話『燃えろ! 超獣地獄』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20060521/p1)においても、一角超獣バキシムが変身した少年を演じていた。当時の変身ヒーロー作品にゲストで出演していた子役俳優の中では、最も可愛らしい顔をしており、役柄とのギャップがたまらなく良い。もっとも、この直後に出演した『仮面ライダー』(71年)第88話『怪奇 血を呼ぶ黒猫の絵!』においては、夜中に起きて黒猫の絵ばかりを描いている兄を案ずる弟という、ふつうの少年の役柄も演じていた。


 しかし、前作『帰ってきたウルトラマン』(71年)第31話『悪魔と天使の間に……』(脚本・市川森一)でも、宇宙怪人ゼラン星人が言葉の不自由な少年に化けていたものだ。大人の目を欺くには最も効果的な侵略の手段ではあり、「まさかこの子が……」というギャップが良いのである。筆者が『ウルトラセブン』(67年)の中では最も好きな部類に属する第9話『アンドロイド0(ゼロ)指令』(脚本・上原正三)もまた、頭脳星人チブル星人がオモチャに偽装した本物の兵器で大人たちを攻撃しようとする話であった。いやぁ、そのころの上原正三先生は良かったなぁ……(笑)。



 しかし、アキラ少年のことを告げたダンの通報は、TACには信用されなかった。なので、ダンは「ウルトラの星」に祈りを捧げた。


「どうか、超獣人間の弱点をエースに教えてください」


 そして、なんとダンの祈りは通じた! アキラが変身した超獣人間コオクスに苦戦したエースは、「ウルトラの星」からコオクスの弱点がミサイルを発射する指先であることを告げられるのだ!


 しかし、欲を云えば、「ウルトラの星」から届いた声の主は、ウルトラ兄弟のうちの誰であったのか? ゾフィーなのか? 初代ウルトラマンなのか? ウルトラセブンなのか? 帰ってきたウルトラマンだったのか? そういったことを視聴者の子供たちは知りたかったハズである。ウルトラ兄弟のうちの誰かの映像が、ウルトラの星に半透明のイメージ映像としてオーバーラップさせるようなサービス精神が、このダン少年編の各話にあれば、悪名高いダン少年編のイメージもだいぶ向上していたのではなかろうか!?



 ウルトラ怪獣の中でも独創的なデザインの超獣人間コオクス。当時の怪獣・怪人にしては珍しく、第29話に登場した地底超獣ギタギタンガに続いて、両肩が上方に突起している。体表は溶岩が急速に冷えた際に空気が抜け出たような、気泡の小さい穴だらけの褐色の岩石のようでもある。上半身はボリュームがありながらも、対照的に赤いシャープな突起や牙を持った顔と人間型の体型で実にカッコいい! もっと評価されてしかるべきウルトラ怪獣なのだ。



 エースはフラッシュハンドで、超獣人間コオクスの腕を切断!


 メタリウム光線でトドメを刺した!


 本話も、第3話『燃えろ! 超獣地獄』同様に、TAC基地を舞台に、ボリュームいっぱい長尺のヒーロー対怪獣バトルを展開している。さすがに富士山のホリゾント背景までは予算的にも時間的にも描かれてはいなかったものの、TACの超近代的な施設群やパラボラアンテナ型のレーダーのミニチュアが目白押しだ!


 特撮同人誌『夢倶楽部VOL.8 輝け!ウルトラマンエース』(94年12月25日発行)によれば、第11話『超獣は10人の女?』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20060731/p1)にも出てきた、東宝ゴジラ映画『怪獣総進撃』(68年)の月基地や、『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』(67年)にも登場した観測カプセルが、TAC基地のミニチュア群に混じっているのだとのことだ。



 第29話『ウルトラ6番目の弟』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20061120/p1)に続いて、今回もダン少年によって危機を救われたエース。第2期ウルトラ作品は「ドラマ」と「特撮」が乖離しているどころか、むしろアザトいまでに融合している作品が実は多いのであった(笑)。もう一度、皆さんご自身の目で判断してもらいたい。



<こだわりコーナー>


*内山まもるが小学館の『小学二年生』で描いた今回のコミカライズ作品(72年12月号掲載)では、なんと冒頭で宇宙船に破壊された宇宙ステーションに勤務していた両親の遺児として、香代子とダンが初登場するのだ。しかも、親を思い出して泣いていたダンに対して、北斗がいきなり自分がエースであることを打ち明ける! これらが実作品との大きな違いであるが、もうひとつ、香代子がかわいすぎる!(爆)


*視聴率22.8%


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2007年号』(06年12月30日発行)『ウルトラマンA』再評価・全話評大特集より抜粋)


[関連記事] 〜ウルトラの星! ウルトラの星が見える! ウルトラの星に祈りを込めて!

『ウルトラマンエース』#29「ウルトラ6番目の弟」 〜ダン少年編の意外に高いドラマ性! 名脚本家・長坂秀佳登板!

katoku99.hatenablog.com

『ウルトラマンエース』#30「きみにも見えるウルトラの星」 〜主役窮地の作劇の極北!

katoku99.hatenablog.com

『ウルトラマンタロウ』#3「ウルトラの母はいつまでも」 ~母登場・2大怪獣・ZATも怪獣を撃破!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20071216/p1



[関連記事] 〜30数年後にウルトラの星が見えたもうひとりの男!

『ウルトラマンメビウス』#29「別れの日」~#30「約束の炎」 〜タロウ客演前後編!

katoku99.hatenablog.com



ウルトラマンエース32話「ウルトラの星に祈りをこめて」
『A』32話「ウルトラの星に祈りをこめて」放映53周年評〜宇宙から来た超獣人間! 主人公の信用失墜! 美少年子役だからこそのギャップ!
#ウルトラマンA #ウルトラマンA53周年 #ウルトラマンエース #ウルトラマンエース53周年 #コオクス #超獣人間コオクス #ウルトラの星



「ウルトラマンA 再評価・全話評!」 〜全記事見出し一覧
[ウルトラ] ~全記事見出し一覧
☆☆☆☆☆
#####