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ウルトラマンエース# 〜『エース』同人誌の歴史1 〜名同人誌「全員脱出!」

katoku992007-03-31



「ウルトラマンエース」総論
特撮評論同人界での第2期ウルトラ再評価の歴史概観
「ウルトラマンA 再評価・全話評!」 〜全記事見出し一覧

《ちょっと一服》『ウルトラマンA』関連アイテム3

ファミリー劇場ウルトラマンA』放映・連動連載!)
(文・久保達也)
(06年11月執筆)

『A』再評価の端緒を築いた伝説の名同人誌!

*『ウルトラマンA・全員脱出! 2−I』

(ぐるーぷSOS・86年7月某日発行)

*『ウルトラマンA・全員脱出! 2−II』

(ぐるーぷSOS・87年8月8日発行)

*『ウルトラマンA・全員脱出! 3』

(ぐるーぷSOS・89年5月吉日発行)


 「『ウルトラマンA』は昭和47年4月から48年3月にかけて放映されました。『ウルトラファイター』として当初企画されたこの作品は、それまでのいわゆる“ウルトラシリーズ”にウルトラ兄弟、男女合体変身、超獣などの新しい設定を加え、意欲作としてスタートしたにもかかわらず、他のシリーズと比較してその評価は高い方ではありません……(中略)でも私たちは、その『ウルトラマンA』が好きです」


 これは『2−I』号の編集後記に採録された『ウルトラマンA・全員脱出! 1』(84年頃に発行。残念ながら今回は現物を確認することができなかった)の冒頭挨拶文である。
 その中にある「私たち」の中心となったのは、『ウルトラマンA(エース)』(72年)をこよなく愛する多くの若い女性たちであった……


 マニア創世期の80年1月30日に創刊された『宇宙船』(朝日ソノラマ・05年に惜しまれながら? 休刊)の同人コーナーに掲載されて大きな話題となり、半ば伝説と化した感のある『全員脱出!』であるが、当時居住していた名古屋地区でちょうど『A』が再放送(〜TBS系のCBC中部日本放送で85年3月から86年7月にかけて。1年以上放映されているのは、当初毎週土曜7時放映だったのが、途中で15時に変更になったため、やたらと「お休み」が多かったのだ〜)されていたにもかかわらず、筆者が当時これらを購読することはなかったのだ。


 80年代も半ばになると、東宝特撮映画や第1期ウルトラシリーズばかりを語る同人のみではなく、戦隊シリーズや『宇宙刑事』シリーズ(82〜84年)の人気により、東映ヒーロー作品に目を向ける動きが強まってきた。それらでアクションを担当していたJAC(ジャパン・アクション・クラブ。現・JAE:ジャパンアクションエンタープライズ)に所属する男優たちに対し、当時のマニア女性たちはかなり熱をあげたものであった。
 まあ、生意気盛りだった二十歳前後の筆者は、そうしたミーハー的興味で特撮ヒーロー作品を語ることについては完全否定の立場だったから(〜これも若さってやつか(笑)。筆者に限らず大半の野郎のマニアがそうだったので、やがてマニア界も斜陽の一途をたどることになる……)、そうした女性たちが主宰する同人には大いなる偏見があったため、『全員脱出!』を手にすることもなかったのである。


 実際『2−I』の巻末にある『2−II』の予告文には


 「そーなのだ! 私のやりたかったのはヤプールでも超獣でもウルトラマンエースそのものについてでもない!! 北斗と南 そしてTACなんです!」


 なる記述がある。『全員脱出! 1』は実際そうした趣向に基づいて編集されたものであるらしい。


 しかしながら、「資料編」として企画された『2−I』『2−II』(〜当初1冊で150ページほどを予定していたのが、「やりたいことの半分もやらないうちに」予定のページを大幅に上回ることが想定されたため、前者を156ページ、後者を286ページに分冊することになったようだ〜)を今回初めて手にとり、筆者が20年ほど前に抱いていた偏見は見事に打ち砕かれたのである!


 全52話を半分づつ分けた「ストーリー紹介」、それに添えられた「感想」(主宰のMANA嬢による。彼女はタツミムック『僕らのウルトラマンA(エース) 〜検証・第2次ウルトラブーム〜』(辰巳出版・00年7月10日・asin:4886415180)において、「月に帰った私たちのかぐや姫に −女性から見た南夕子−」なるコラムを執筆している)を主軸に、当時の小学館学年誌に掲載された関連記事にコミカライズ作品、「あの人この人・人名事典」に「このやろーあのやろー超獣事典」の各キャラに関する詳細な記述、第28話『さようなら夕子よ、月の妹よ』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061111/p1)のロケ地探訪の「箱根旅日記」などが散りばめられた構成は「資料編」に恥じない充実ぶりであり、他の追従を許さないものである。商業本でここまで『A』について資料を提示している書籍を、筆者は未だ見たことがない!


 南夕子、そして男女合体変身に想いが強いMANA嬢による各話感想を見ると、やはり夕子が姿を消した第29話『ウルトラ6番目の弟』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061120/p1)以降がものたりないとの想いが強く露呈している。しかしながら、


 「あくまでストーリーを知るための参考程度に読んで下さい。丸ごと信じちゃうと、実際のストーリーを見るときに変な偏見を持ってしまって、話の本当の面白さや、“自分の感じ方”ができなくなったら困るし。ここに書かれているのは、単なる一ファンの単なる感想なのだから」


 という「ストーリー紹介のページの読み方」にある前置きは、まさに目からウロコである!
 マニア創世期に出版された第1期至上主義者による、第2期ウルトラに対する偏見にまみれた書籍を目にすることで、“自分の感じ方”ができなくなってしまったマニア予備軍がどれだけ多くいたことか!
 それを思えばこそ、この前置きはまさに女性ならではの実にやさしい配慮であり(エース最後のメッセージ「やさしさを失わないでくれ」が甦る!)、同人に携わる全ての者が心がけるべきことではないだろうか……
 (思想用語で云うところの、「他者性」がある。つまり他人も自分自身の延長であり、自分と同じ感受性を持っているハズだ、また持たなければならないと捉えるのではなく、他人は自分とは異なる感受性を持っていて、しかもそれを異なったままで尊重しようということと同じである)


 そして、やはり同じ作品を視聴しても、性の違いによる感じ方の違いが随所に表れていることも実に興味深い。
 例えば第28話『さようなら夕子よ、月の妹よ』における、オッサン連中を中心とする温泉客の描写について。筆者は非日常を描く作品では、こうした綿密な日常描写は欠かせないとのスタンスである。
 しかしながらこの本においては、


 「ともすれば幻想化してしまいそうなストーリーの中で現実味を出そうとしたのかどうかは知らないが、はっきり言ってこの話ではやっぱり〈じゃま〉だよねーっ。ムードぶち壊しなんである。この人たちが出てくると、途端にギャグになってしまうんですもの」


 と完全に否定的なのである(そこが石堂淑朗脚本回の最大にいいところなんだけどなあ・笑)。


 他にも第34話『海の虹に超獣が踊る』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061223/p1)に登場したユウジの姉について。父を海難事故で失ったユウジに「貝殻を千枚集めたらおとうさんが帰ってくる」などと嘘をついた彼女のことを、筆者は北斗同様「そんな嘘を信じさせる方が残酷だ!」と思う。
 だがこの本では「必死で父の死を信じまいとする彼女の気持ちなんてまるっきりムシ」と、彼女に対して同情的であり、むしろ北斗の方を非難していたりするのである。
 先述の前置きも、そうした感じ方の違いをも視野に含めての配慮ではないかと考えるのである。


 その一方、第5話『大蟻超獣対ウルトラ兄弟』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060604/p1)に関する「感想」の中では、


 「再放送でこの話を見た翌日、市川(註:多分、千葉県市川市)の某ダイエーエスカレーターを下っていると、後ろで小学校5・6年生くらいの男の子二人が、「きのうのゾフィーかっこよかったなーっ」と話していたので、思わず聞き耳をたててしまった(そしたらほめるのはゾフィーばかりであった)。本放送当時、多くの子供たちが「ウルトラ兄弟」の出るのを楽しみにしていたのと、少しも感じ方は変わっていないんだなーという気がしました。いつの時代でもやっぱり同じなんでしょうね」


 なる証言が記述されている。
 私事で恐縮だが、先述の中部日本放送が81年の7月から8月にかけて、火曜から金曜の10時30分に『夏休みこども劇場』として『A』を再放送していたころ、第5話が放映された翌日に風邪のために病院に行った際、待合室で小学生の男子数人が「ゾフィーかっこよかった!」などと延々騒いでいたものだった。
 作品に対する感じ方の違いはあれど、ヒーロー共演やウルトラ兄弟の魅力だけは時代が移っても変わらないのだと、映画『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』(06年・松竹)に対する一般層の熱狂ぶりからも、あらためて実感したものである。


 「あの人この人・人名事典」、そして「このやろーあのやろー超獣事典」も女性ならではの細やかさが最大に威力を発揮している。


 前者は各話に登場するゲストキャラを愛のあるツッコミと、画面撮り写真やイラスト入りで紹介しているが、そもそも商業本で『A』のゲストキャラについて、こうした試みをしているのを未だに見たことがないため、実に新鮮な気持ちで拝見させてもらったものである。


 もちろん演じた役者もクレジットされているが、第2話『大超獣を越えてゆけ!』において、工事現場で同僚が銀の卵に飲み込まれるのを目撃する作業員を演じた田中力が、第26話『全滅! ウルトラ5兄弟』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061030/p1)では地獄宇宙人ヒッポリト星人に殺害されるタクシーの運転手を演じていたとか、第29話『ウルトラ6番目の弟』からレギュラーの梅津香代子を演じた宮野リエが、第12話『サボテン地獄の赤い花』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060801/p1)でサボテンに食われるカップルの女を演じていたという事実は、筆者は今回の再見においても全く気づかず(汗)、この本で初めて知ったのである。


 そして、これまた女性特有の視点。第4話『3億年超獣出現!』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060528/p1)に登場し、美川隊員を監禁した漫画家の久里虫太郎(くり・むしたろう)は「AB型」ではないかとの指摘。劇中の描写と「僕は執念深い性格なんだ」とのセリフからの推測であるが、これは当たっていると思う。AB型の筆者が云うんだから間違いない(爆・云っておくが女性を監禁する趣味はないぞ〜っ! まあ若いころには一人の女性をしつこく何年も追い回したけど……)
 (編:余談だが、大昔はともかく近年における血液型性格分類の流行は、編集者の記憶では84年にはじまったものである。といってももう20年以上が過ぎてるが・汗)


 あと女性は結構ハッキリものを云う。第25話『ピラミッドは超獣の巣だ!』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061021/p1)に登場したオリオン星人・ミチルについて、


 「こー言っちゃーなんだが、なまいきだし、かわい気がまったくないぞー。おかげで北斗を助けたせいで死んでもちっとも同情する気がおきんではないかっ」
 「北斗は一体、この子のどこが気に入ってかばう気になったんだろう? 男心はわからん」
 「北斗を呼び捨てにしたーっ! 言葉づかいも悪い」


 などと、もう散々である(笑)。確かにその通りなのであるが(爆)、添えられたイラストには「女優はブ○」(筆者が修正・笑)とまでコメントされている。少々やり過ぎの感はあるが、これくらいの起爆力を持った、歯に衣着せぬもの云いも、同人活性化のためには少しは必要なのではないかとも思えるのだ。


 「このやろーあのやろー超獣事典」も既存の書籍に頼ることなく、登場から最期に至るまでを、劇中の描写を丁寧にこと細かく書き出している点が好感が持てる(ミサイル超獣ベロクロンが「象みたいな声で鳴く」、怪魚超獣ガランが「カエルをひきのばしたみたいな声で鳴く」など、実に的確な表現だ!)。おそらく女性の興味としては「対象外」であるに違いない超獣たちについて、ここまで詳細に紹介していることについては敬服せずにはいられない。
 超獣たちは実に可愛らしくディフォルメされたイラストで表現されているが、『ウルトラマンキッズ』や『ウルトラマン倶楽部』など、ファンシー商品向け展開の中でも超獣たちはほとんど活躍の機会を与えられてこなかったが、こうして見ると評判の悪い後期登場の超獣たちも、結構絵になる奴が多かったりすることに気づかされるのだ。
 そしてイラストには身体各所の色指定までもが記されており、初心者や女性読者にも配慮が行き届いている!


 やりたかったことではない超獣に関してさえも、ここまで完璧なものを仕上げているのだから、「本当にやりたかった」北斗と南、そしてTACに関しては各キャラを象徴するセリフや描写を大量に抜き出し、各人ごとにコーナーを設けている。
 「THE BEST COUPLE 北斗と南」「北斗の信じて下さい! 特集!!」(爆)などが代表的な例であるが、各キャラばかりではなく、「セリフからTACのお仕事の謎を追え!」「ヤプールに関する証言」「超獣とは何か?」について、劇中のセリフを元に考察するコーナーまでもが設けられているのも見逃せない。
 その真骨頂となるのが「なぜか今 梶さん全セリフ集」であり、


 「目立つ服を着ているのになぜか目立たない梶さん、失敗作ばかり作る(ということもないんだけど)梶さん、31話(引用者註:『セブンからエースの手に』・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061204/p1)以降いつのまにか姿を消し、忘れられた存在になってしまった梶さん。そんないつも日の当たらない位置にいる梶洋一さんにスポットライトをあててみました」


 という、深い思いやり(?)から生まれた企画である。
 もっともその直前にある「ひんしゅくまんが 梶隊員の逆襲」の内容が、財政が危機に瀕したTACが、役に立たない兵器ばかり作って予算を使ってしまう兵器開発班が諸悪の根源であると考え、リストラされてニューヨーク支部に左遷されたのが梶が姿を消した理由であるというものであり(素晴らしい発想!)、マイナーキャラに対する愛というより多少のおちょくりも入っているのだろうけど。
 ちなみにその「ひんしゅくまんが」の中で、梶は自分ばかりに財政危機の責任を負わすなと、TACのメカが隊員たちのためにどれだけ破壊や故障を繰り返し、予算を大量に使っているかのデータを隊員たちに示すが、その表の中にはタックアロー・スペース・ファルコン・パンサーが各話においてどれだけ損傷しているか、搭乗していたのが誰であったのかが、こと細かく記されているのだ!
 こうしたパロディのマンガの中でさえも、実作品に忠実なデータを持ち出すあたり、決して『A』ファンの女性たちが、北斗や南ばかりを見ていたわけではないということがうかがえるというものだ。それはあくまでひとつのキッカケに過ぎなかったのだ。やはり彼女たちは、本当に『A』のことが大好きだったのである!


 『全員脱出! 3』は再び、彼女たちが最大に関心を寄せる北斗と南を題材にしたオリジナルマンガや小説を中心にした構成となっている(それでも当時発売されたソフビ人形やかるた、菓子類のパッケージ紹介や、学年誌記事も随所に散りばめられている)。


 「ともかく私って100%“女”なんですよー。ストーリーとか超獣がどーの、エースがどーの、特撮技術がどーのなんてのより、お気に入りの“北斗と南”さえよけりゃーよかったワケです。ハイ」


 当時『A』を視聴していた女子児童の多くは確かにそうだったのであろう。だが今日的観点で考えれば、少子化時代において、女子児童にも特撮ヒーロー作品を視聴してもらおうとする努力は当時以上に必要なのではなかろうか。
 怪獣ソフビや防衛組織の合金メカを買ってもらうのは無理であろうが、それこそエースリングのようなアクセサリー型の変身アイテムや、『帰ってきたウルトラマン』(71年)当時に発売された、防衛組織MAT(マット)の丘隊員をモデルにしたと思われる、少女隊員のイラスト入りの上履き袋(同級生の女子が持っていた!)といった商品であれば、女子児童にも手にとってもらえるのである。


 「そうね、言葉を変えれば28話の後遺症のようなもの(中略)……それはね、今現在私たちにこんな原稿を書かせている原動力なのです!(中略)
 女の子たちは皆、やはり興味津津で観ていたと思うんです。それを意識するしないにかかわらず。……星司さんとのカラミを。それがあったからこそ、あの怪獣モノを毎回楽しみにしていたと思うのね。女の子ってどんなに小さくても「女」だから。
 あのふたり、どうなるのかなあ? って。
 それなのに、あの28話よ、あの……!
 私たちのヒロインを返せって感じよね?
 ……で、私たちはどうしたか。
 そう。彼女は決して去ったわけではない事に気付いた。番組から姿は消えこそすれ、私たちから彼女を奪うことは誰にもできなかったのです。(中略)
 あのあとどうなっちゃうんだろう? という素朴な探求心が、あの二人に永遠の生命を与えたのだと思うのです。(中略)あのままじゃ、二人があんまりかわいそう! って想いが、17年もの歳月を経た今でも私を支えて『A』の世界を求め続けさせているのだから……(中略)
 皮肉なことですが、もし仮に最終回まで夕子がいたとしたら、今と同じようにこうして原稿用紙に向かっていたかどうか……。哀しいけれど、それは疑問です」


 「早すぎたヒロイン・南夕子 〜彼女が我々にもたらしたもの〜」と題したエッセイの抜粋であるが、特撮ヒーロー作品を一過性の興味に終わらせず、持続させるためのひとつの術(すべ)が、ここに表れているかと思うのだ。
 そして結果論ではあるものの、夕子が月へと帰ってしまったことについては、多くの女性たちにより印象を強く残したという意味においては正解だったと思えるし、北斗と南がともに7月7日生まれであるという当初の設定は、七夕(たなばた)伝説とやはり符合し、別離を暗示していたのである。
 「A版漢和辞書」というコーナーにおいて、北斗星司と南夕子の各漢字について、その由来から意味を解いているのだが、「北」は「人が背中を向けあっている」、夕子の企画段階の名前・七子の「七」は「一つのものをまん中から断ち切る」であり、奇遇にも、ここでも二人の数奇なる運命が象徴されているのだから……


 各冊共通して、読者の投稿やアンケートが誌面の充実に貢献しているが(図版の大半も彼らからの提供である)、その中になんと若き日の特撮同人ライター・黒鮫建武隊氏(編:商業媒体で執筆時は黒武建雄や山田歩の名義)が本名で記載しているものも見受けられる。『2−Ⅱ』の「執筆者紹介」において、氏は将来について、『ウルトラマン80(エイティ)』(80年)みたいになりたいと語っているが、氏はその夢を見事に実現させている(バラしていいのかな……?)。


 その『80』が放映されていたころの81年3月14日付の新聞(出典不明)に掲載された〈視聴率ベスト20〉(81年3月2日〜8日)によれば、当時フジテレビ系の関西テレビで再放送されていた『A』が26.1%という驚異的な高視聴率をあげていたことも紹介されている! これって本放送以上の数字ではないか! 誠に恐るべしである! これじゃあ『80』も立場なかったわな……


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2007年号』(06年12月30日発行)『ウルトラマンA』再評価・全話評大特集より抜粋)



(編:誌名は表紙では、「!」マーク2文字分の『〜全員脱出!!』、奥付では「!」マーク1文字分の『〜全員脱出!』。この紹介文においては、後者に統一いたしました)
(編:84年に日本テレビで平日夕方6時に放映された『エース』の視聴率も、当時の6時半台で放映されていた日テレのニュース内の1コーナーにて、同局の番組の視聴率がTV番組表形式でチラッと公表された際、18%台を記録していて、編集者は驚愕した記憶がある。
 ちなみに、『ウルトラマン80』の関東・中部・関西の全話平均・各クール平均視聴率は以下に掲載。
 「『ウルトラマン80』総論 〜あのころ特撮評論は思春期(中二病・笑)だった!」・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971121/p1


「関連記事]

特撮評論同人界での第2期ウルトラ再評価の歴史概観

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20031217/p1


[関連記事] 〜エース全話評・主要記事!

ウルトラマンA 再評価・全話評!」 〜序文

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ウルトラマンエース#13「死刑! ウルトラ5兄弟」

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060803/p1

ウルトラマンエース#14「銀河に散った5つの星」

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060805/p1

ウルトラマンエース#17「怪談 ほたるケ原の鬼女」 〜真船演出! #23のプロト!

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ウルトラマンエース#18「鳩を返せ!」 〜名作傑作!

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ウルトラマンエース#19「河童屋敷の謎」 〜夕子活躍!

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ウルトラマンエース#23「逆転! ゾフィ只今参上」 〜メビウスの名の由来はA#23にあり!?

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ウルトラマンエース#24「見よ! 真夜中の大変身」 〜赤い雨! ヤプール壊滅二部作後編!

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ウルトラマンエース#28「さようなら夕子よ、月の妹よ」 〜南夕子降板の真相異論!

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ウルトラマンエース#30「きみにも見えるウルトラの星」 〜主役窮地の作劇極北!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061125/p1

ウルトラマンエース#33「あの気球船を撃て!」 〜最終回の着想はここに!?

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ウルトラマンエース#34「海の虹に超獣が踊る」 〜長坂秀佳脚本第2弾!

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ウルトラマンエース#35「ゾフィからの贈りもの」 〜子供に過ちを犯す主役!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061231/p1

ウルトラマンエース#43「怪談 雪男の叫び!」 〜身勝手な大衆に批判の視点!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070224/p1

〈DVD付きフォトブック〉「ウルトラマンA 1972」レビュー

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070210/p1

『エース』同人誌の歴史1 〜『A』再評価の端緒を築いた伝説の名同人誌『全員脱出!』

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070331/p1

ウルトラマンエース最終回「明日のエースは君だ!」

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070429/p1