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ウルトラマンメビウス45話「デスレムのたくらみ」 〜帰マン!


ウルトラマンエース#10「決戦! エース対郷秀樹」 〜ウルトラ5つの誓い!
『ウルトラマンメビウス』評 〜全記事見出し一覧


(脚本・太田愛 監督&特技監督・村石宏實)
(文・久保達也)
 『帰ってきたウルトラマン』(71年)の主人公・郷秀樹がジープに乗って帰ってきた!


 彼がかつて所属していたMAT(マット)チームはかなり地に足のついたリアル寄りの埃っぽい防衛組織・軍事組織として描かれており、その象徴として、アカ抜けた近未来的な『ウルトラマン』(66年)の科学特捜隊や『ウルトラセブン』(67年)のウルトラ警備隊では使用されることがあり得なかった、ジープが劇中で頻繁に登場したことが挙げられる。
 第6話『決戦! 怪獣対マット』において、岸田長官に「今度敗れたらMATは解散だぞ!」と脅され(笑)、古代怪獣ツインテールに対して決死の戦いを挑んだ際に使用されていたのが個人的には最も印象深い。今回郷がジープに搭乗していたのはそのイメージが強いことが大きいのではなかろうか。


 だが……それ以外には『帰ってきたウルトラマン』に対するこだわりというのがほとんど垣間見えることはない。いや、それどころか、ウルトラマンジャック(=帰ってきたウルトラマン。別名:新ウルトラマンや新マン)の描写の数々が、あまりにも「横着」すぎるのである!


 第34話『故郷(ふるさと)のない男』(脚本・赤星政尚 監督・小原直樹 特技監督・菊池雄一)(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061224/p1)でウルトラマンレオの、第44話『エースの願い』(脚本・長谷川圭一 監督・小原直樹 特技監督・菊池雄一)(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070408/p1)でウルトラマンエースの変身巨大化パターンを、それぞれ『ウルトラマンレオ』(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090405/p1)、『ウルトラマンA(エース)』(72年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070430/p1)で毎回使用されていたバンクフィルムを流用してくれていたのに、今回に関してはそれがなかった!


 筆者的にはこれだけでも致命的な悪印象であったが、さらに悪いことに、新ウルトラマンの声を素直に「シュワッ!」を使えばよいものを、わざわざ郷秀樹を演じる団時朗(だん・じろう)の声を加工して、掛け声を新録しちまったことである!


 新ウルトラマンが空中を超スピードで舞い、「人質」となった防衛隊基地にして空中母艦でもあるフェニックスネストを暗黒四天王のひとりデスレムの火球攻撃から守る場面は、CG嫌いな人々には評判悪いようだが、個人的には結構かっこよく見えた。
 だがその際に発する声が「シュワッ!」じゃないものだから、やはり違和感はどうしてもつきまとい、せっかくのかっこいい描写も効果が半減したように思える。


 あとやはりウルトラブレスレットをまったく使用しなかったのはどういうわけか!? スペシウム光線初代ウルトラマンとかぶっている技であり、ウルトラブレスレットこそが新マンが新マンである所以(ゆえん)であり、最大のアイデンティティではないのか!
 ウルトラVバリヤーで攻撃を防御するのもいいが、どうせならブレスレットを盾(たて)に変形させてウルトラディフェンダー(『帰ってきた』第40話『まぼろしの雪女』において、雪女怪獣スノーゴンの冷凍ガスを反射して凍結させた)にして念動力で飛ばし、二方向からの同時攻撃をディフェンダーとVバリヤーで同時に防ぐくらいのサプライズあるかっこよい特撮演出・アクション演出を見せてほしかった。


 もちろんデスレムのとどめを刺すのにウルトラクロス(『帰ってきた』第36話『夜を蹴ちらせ』で吸血怪獣ドラキュラス、第51話『ウルトラ5つの誓い』で触角宇宙人バット星人のとどめを刺した、ウルトラブレスレットを変形させた鋭い十字架型の槍(やり))も使ってほしかったところだが、それどころか今回の新マン、デスレムと全然格闘してねえじゃん! 最後にようやくスペシウム光線出して終わりかよ!


 デスレムは3万年前の「ウルトラ大戦争」において、暗黒宇宙大皇帝(!)エンペラ星人配下で従軍した古強者(番組公式ホームページの怪獣図鑑より)だったのだから、同じく新マンがゲスト出演した『ウルトラマンレオ』第34話『ウルトラ兄弟永遠の誓い』(なんちゅう泣かせるタイトル!)みたく、


 「デスレムは、私も生れる以前の3万年前のウルトラ大戦争でも猛威をふるったという暗黒四天王のひとりだ!」
 「デスレムは二面凶悪怪獣アシュランのごとく、ひとりのウルトラマンでは倒せない。ふたりで協力してかろうじて倒すことができるかもしれない。だから俺はおまえに加勢するのだ!」
 (デスレムも「フン、ウルトラの父の教え子の小童(こわっぱ)どもが!」と返す・笑)


 なんてお約束のセリフを多少説明調でも新マンに吐かせてメビウスと共闘させたなら、デスレムの「暗黒四天王」としての強大さも増し、随分とスケール感を増すことができたはずなのだ!(セリフひとつなら予算もタダで済むぞ・笑)
 もっと云うなら用心棒怪獣ブラックキング(『帰ってきた』第37話『ウルトラマン夕陽に死す』、第38話『ウルトラの星光る時』に登場)を連れてきていたなら、最強のタッグマッチ戦になったはずなのに!(これは予算面のことは置いといて・笑)


 まあ新マンにスポットが当たり過ぎてGUYSが目立たなくなるとか、やっぱりドラマを描きたいということなのか、それに理解を示して先述した数々の不満を百歩譲って(いや、絶対に譲りたくはないが・笑)目をつむるとしても、第1話『運命の出逢い』(脚本・赤星政尚 監督・佐野智樹 特技監督原口智生)(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060625/p1)でいきなりリュウが空に向かって叫んでいたのをはじめ、シリーズ前半で再三登場した「ウルトラ5つの誓い」に関してひとこともない、っちゅーのはシリーズ構成をも「無視」しているわけであり、致命的な欠陥ではないのか?
 人質になっているリュウに郷がテレパシーで呼びかけ、「ウルトラ5つの誓い」を叫ばせて勇気づける、なんて展開もアリだっただろうに。


 あと第27話『激闘の覇者』(脚本・谷崎あきら 監督&特技監督小中和哉)(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061126/p1)において、宇宙恐竜ゼットンと戦うメビウスに対し、「真上にバリヤーはない! 流星キックだ!」と叫んでいたことから、ジョージがかつて憧れていたウルトラマンは、流星キックという技(『帰ってきた』第4話『必殺! 流星キック』において、古代怪獣キングザウルス三世の角をヘシ折った技)を持った新マンではないかとも想定できるわけであり、だったら郷をミライよりもむしろジョージと絡ませ、それこそ流星キックを伝授させ、等身大になったデスレムをジョージが倒す!(もちろんそのあとデスレムが巨大化し、メビウス&新マンと激突!) なんて展開にした方がGUYS側の人間ドラマも両立できるし、よほど盛り上がったのではないのか!?
 それも無理ならせめて郷をきくち英一(『帰ってきた』で新マンのスーツアクターを担当!)演じる「きくち電器商会」の社長と絡ませろよ!(笑)


 新マンのイメージ云々どころか『メビウス』でこれまで描かれた設定もまったく踏まえておらず(それを思えば「僕は他人のシナリオは読まない」と語りながらも、実際には自身の作品に他の脚本家が描いた数々のディティールを、『A』や『ウルトラマンタロウ』(73年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071202/p1)において巧みに折り込んでいた脚本家の石堂淑朗先生は偉大だった!*1)、直前の第44話『エースの願い』とネタがかぶっているような、大衆によるヒーロー批判ネタ(〜まあ確かに『A』第27話『奇跡! ウルトラの父』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061105/p1)において、「なぜ(地獄星人ヒッポリト星人に)降伏しないんだ!」とTAC(タック)に迫る群集や、第43話『冬の怪奇シリーズ 怪談 雪男の叫び!』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070224/p1)において、「おまえたちは我々を守るのが任務だろ! なぜ逃げてきたんだ!」とTACを責めたスキー客、『ウルトラマンタロウ』第52話『ウルトラの命を盗め!』(ちなみにこの回も新マンゲスト編)において、ZAT(ザット)の二谷副隊長を人質にして暴れ回る泥棒怪獣ドロボンを見上げ、「気の毒だが副隊長には犠牲になってもらうしかない!」と叫んで逃げる作業員などを彷彿とさせたが〜)、仲間との絆の強さを改めて試すようなネタを、なぜ歴代ウルトラマン登場編、暗黒四天王登場の最終局面において、ウルトラ兄弟の共闘や四天王の強大さといった、戦闘色やスケール感よりも優先してやらねばならないのであろうか!? ホントにテンション下がりまくりだぞ〜っ!


 まあ監督はかつて『超星神(ちょうせいしん)グランセイザー』(03年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20041104/p1)監督時に、『ハイパーホビー』(徳間書店)のインタビューにおいて、「中高生にも観てほしい」(爆)なんて迷言を吐いていた村石サンだからねえ。
 第2期ウルトラに対してほとんど想い入れがないことを露呈させちゃったねえ。平成ウルトラ三部作(96〜98年)の立役者でもあった氏は、おそらくは当時の平成ウルトラ三部作擁護のマニア評論の影響によって、ウルトラ兄弟の設定自体を快く思っていないのであろうから(?)、今回の演出はそれに対する反発というか、ほとんど嫌がらせに近いわな(笑)。
 そして脚本を書いたのが、これまた平成ウルトラの立役者であり(しかし王道娯楽活劇編ではなく異色作専門の)、『メビウス』においても第23話『時の海鳴り』(監督&特技監督・アベユーイチ)なんて異色作(筆者に云わせれば迷作……)を編み出してしまった太田愛サンだから、こうなってしまうのも必然でしょうな。
 マニアの評判はやたら高いけど、愛サン、貴女(あなた)やっぱり「怪獣番組」には向いていないと思うよアタシは……


 ただ『帰ってきた』には全然想い入れがないと思われる村石サンと太田サンの作品だからこそ、今回新マンに対して正式に劇中ですんなり「ジャック」と呼びかけることができたのではないかとも思うけど。いいんだか悪いんだか……


(了)


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  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060709/p1



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(#45〜47)



『ウルトラマンメビウス』評 〜全記事見出し一覧


*1:ウルトラマンA』第33話『あの気球船を撃て!』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061218/p1)、第38話『復活! ウルトラの父』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070121/p1)、第45話『大ピンチ! エースを救え!』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070310/p1)、第47話『山椒魚の呪い!』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070324/p1