『ウルトラマンメビウス』評 〜全記事見出し一覧
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ウルトラマンメビウス外伝 超銀河大戦 出現!アークボガール 戦え!ウルトラ兄弟(小学館『てれびくん』2007年9月号(ASIN:B000TCTSZW)スペシャルふろく)
(文・久保達也)
バンダイから発売されている『プレイムービーシリーズ DXウルトラコクピット』(ASIN:B000KWYTTQ)専用DVDソフト『ウルトラマンメビウス外伝 超銀河大戦』(ASIN:B000SRN4Y4・ASIN:B000SRN4XK・ASIN:B000SRN4XU)に登場するオリジナル怪獣・高次元捕食王アークボガールと、ウルトラマンメビウス、ウルトラマンヒカリ、そしてウルトラセブンとの対決を描いた一大巨編!
と言いたいところだが、例によって新撮シーンはごく僅か(それでもメビウスを五十嵐隼士(いがらし・しゅんじ)、ヒカリを難波圭一(なんば・けいいち)、セブンを森次晃嗣(もりつぐ・こうじ)と、ちゃんとオリジナルキャストが声をあてている!)で、メビュームスラッシュとアイスラッガーの合体技を受け、アークボガールはアッという間に姿を消し、決着はつかないままに終わってしまう。
ただ『ウルトラマンメビウス』(06年)の名場面の他に、バンダイビジュアルから07年10月26日に発売が予定されているDVD『ウルトラマンメビウス外伝 ヒカリサーガ』(ASIN:B000SAXNVU)の一場面や、先述の『超銀河大戦』の中からサーベル暴君マグマ星人VSウルトラセブン&ウルトラマンレオの新撮シーン(!)まで含まれており、結構充実度は高い。
その『超銀河大戦』の体験版として、大半のマニアが嫌っていた防衛組織・クルーGUYS(ガイズ)のリュウ(笑)とともにウルトラホーク1号に搭乗し、宇宙怪獣エレキングの長い尾にグルグル巻きにされ、電流攻撃を受けて苦しむウルトラセブンを助け出すシチュエーションが収録されている。
『ウルトラセブン』(67年)第3話『湖のひみつ』を巧妙に編集し、ウルトラホーク1号のビーム攻撃がエレキングの角(つの)を破壊、切断ブーメラン技・アイスラッガーでエレキングを倒したセブンにコクピットを操った子供が感謝されるという仕様になっているのである。
こうした『ウルトラマンメビウス』を「観た」、だけではなく、『ウルトラマンメビウス』を「した」、という体感こそが重要なのではないかと思える。
要するに変身ベルトを腰に締め、ライダーキックを繰り出せば仮面ライダーに一応はなりきることができたのに比べ、ウルトラにはそうした感覚がやや希薄だったのである。
(関連記事:ウルトラマンメビウス総論!〜『マジンガーZ』論で「観た」ではなく「した」を主張していた脚本家・赤星政尚の実践作!・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070506/p1)
それを考えれば『DXウルトラコクピット』や、現在バンダイが展開中の『大怪獣バトル』(ASIN:B000R9SOI4)なるカードゲームは、まさにウルトラを体感するにはうってつけであり、次の新作まで子供たちの関心を持続させるには絶好である。
(関連記事:特撮意見⑤ ウルトラも敵味方でカプセル怪獣を召還、順列組合せバトルせよ!・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060412/p1)
だからなぜ今年の『ウルトラマンフェスティバル2007』がそうした体感型プレイゾーンを中心としたものではなく、『ウルトラセブン』放映40周年記念一色なのであろうか? ウルトラ警備隊の作戦室を忠実に再現したってマニアはともかく、子供らが喜ぶわけがないぞ(笑)。
幼児誌『てれびくん』で内山まもる大先生が熱筆を奮っている連載漫画『ウルトラマンメビウス外伝 超銀河大戦 戦え!ウルトラ兄弟』(08年4月に書籍化・ISBN:4091051189)のような、『メビウス』的世界観の継承こそが、ウルトラが生き残るための唯一の道なのだ!
まあそれがわかっていれば『ウルトラセブンX』(07年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080413/p1)なんて作らないとは思うけど。ハハハ、やめとけそんなもん(笑)。