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ファミリー劇場『ウルトラマンタロウのすべて』 〜篠田三郎!

『ウルトラマンタロウ』1話「ウルトラの母は太陽のように」 ~人物像・超獣より強い大怪獣・母・入隊・ヒロイン・5兄弟の正統タロウ誕生を漏れなく描いた第1話!
『ウルトラマンエース』#20「青春の星 ふたりの星」 〜大人社会にも学生運動にも懐疑の視線を向ける青年! 篠田三郎客演!
『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟2』 〜東光太郎! 幻の流産企画!
「ウルトラマンタロウ 再評価・全話評!」 〜全記事見出し一覧
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『ウルトラマンタロウ』再評価・全話評! 連載開始!

翌週、ファミリー劇場『ウルトラ情報局』「ウルトラマンタロウ」編〜1を掲載!

(文・森川由浩)
(2007年7月執筆)


 CS衛星放送「ファミリー劇場」(361ch)にて放映されているウルトラシリーズ・『ウルトラマンA(エース)』(72・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20070429/p1)も2007年4月で終了。5月からの後番組として、『ウルトラマンタロウ』(73)が放映中である。


 この『ウルトラ情報局』(02〜放映中)も当然『タロウ』をフィーチャーした内容になり、スペシャルインタビューも『タロウ』関連の関係者が顔を揃えることになった。
 だが、前番組・後番組の関係もあり、『A』から『タロウ』へと跨(またが)って連投している関係者も多い。そのため『タロウ』のみならず、『A』の話題も時折見られる内容に仕上がっているのが特徴であった。これからも番組内で『A』ファンにも見逃せない話題が続出するのでは? と期待される。


特番『ウルトラマンタロウのすべて』

ナビゲーター 鈴木繭菓(すずき まゆか)(俳優 『ウルトラマンコスモス』森本綾乃(もりもと あやの)隊員役)
ゲスト 篠田三郎(しのだ さぶろう)(俳優 『ウルトラマンタロウ』主人公・東光太郎(ひがし こうたろう)役)

 「大映ニューフェース」として1968年に俳優デビュー。しかし、71年に大映倒産後、TBSプロデューサー・橋本洋二が手掛けた高校野球ドラマ『ガッツジュン』(71・宣弘社)の進藤役でレギュラー入り。続く、後番組『シルバー仮面』(71・宣弘社)の春日光三(かすが こうぞう)役、『熱血 猿飛佐助』(72・東映)のライバルキャラ・霧隠才蔵(きりがくれ さいぞう)役と、橋本作品に連続出演。4作目のレギュラーにして初の主演となった。


・『ウルトラマンA』に出演(第20話「青春の星 ふたりの星」)

 (https://katoku99.hatenablog.com/entry/20061008/p1


「一本だけ、篠田という自分の本名で出たんですけど。今から思いますと、ウルトラマンのプロデューサー(註:橋本洋二)だった方が、『タロウ』を篠田でやるので、少しでもウルトラのファンの方に顔を知ってもらいたいなぁという気持ちがあって、その役が付いたんだと思いますけど。沼津にあるスカンジナビア号という停まってる客船なんですけども、そこで一日中撮影していたのを覚えてますけどね」(談)


――「フローティングホテル・スカンジナビア」というのが正式名称で、当時の多くのドラマでもロケ地として使用された名所である。具体的な例としては、『キイハンター』(68〜73)や、『タロウ』の裏番組の『GO! GOスカイヤー』(73 フジテレビ、大映テレビ)等で見ることができる。なお、このスカンジナビア号はスウェーデンの企業『ペトロ・ファースト社』に売却され、改修場所の上海(シャンハイ)に向けて曳航中の本年2006年9月2日午前2時ごろ、和歌山県串本沖にて深さ72メートルの海底に沈没。海の藻屑と消え去った――


・『ウルトラマンT(タロウ)』の主人公に抜擢


「正直言って、余りウルトラマンシリーズというのは見たことなかったんですけどね。ですからウルトラマンをやれるという喜びよりも、初めてテレビで主人公やれる方の喜びが大きくて、嬉しかったなぁというのを覚えています」(談)



 光太郎が巻いている白いマフラーは?


「あれですね、『タロウ』の撮影に入る前に、『A』の撮影現場に見学に行ったんですけども、『A』の高峰圭二さん(主人公・北斗星司(ほくと せいじ))がマフラーをしてて、それが「わぁ、素敵だなぁ、カッコいいな」と思いまして。じゃ、僕も真似しようと思って、真似してるんです」(談)


 そのあと、当の高峰は「ああ、そう、やっぱり」と語ったそうである。


鈴木「『A』を受け継いでるんですかねぇ? 兄弟だから」
篠田「そうやって言えばよかったですねぇ(笑)」


「あの頃、変身も『仮面ライダー』とか、色々な変身が流行ってたんですね。あれも「好きにやっていいよ」て任されて、自分で鏡に向かって考えて、色々楽しみながら考えましたけども」(談)


・撮影の思い出


「第1話でウルトラの国へ行くんですけども、そのときに特撮の現場で撮影したんですけどね、初めて。そのときはスタッフの人、みんな手際よく、自分の仕事をやってる訳ですよね。何か、子どもが夢の国を作るように、「お伽(おとぎ)話」的な、夢のある世界で、楽しかったです」



「その後、ピアノ線で吊るされたり、怪獣の胴体にしがみついたりね。周りから扇風機でスモークですか? かけられて」(談)


 捨て身で怪獣にしがみつくシーンが多かった。


「怪獣に噛み付いたりしてましたもんね(笑)」(談)


「節分のときの番組(第44話「あっ! タロウが食べられる!」)なんか、豆の中に入れられて飲み込まれそうになって。豆の中のシーンがある訳じゃないですか。今度は狭いところに閉じ込められて、白い真綿みたいなものにくるまれて、半日くらいもがいていたりね」(談)


「よく走ってたなぁと思いますよ。濡れたり、海に飛び込んだりね」(談)


・個性的なZAT隊員


「副隊長の東野(孝彦→後に英心に改名)さんにしても、隊長の名古屋章(なごや あきら)さんにしても、(北島)隊員の津村(秀祐→後に鷹志に改名)さんにしてもね。新劇(明治時代以降の時代劇以外の近代演劇のこと)でお芝居の基礎が出来てる方たちで。あと、(南原)隊員の木村豊幸さんもね。子役から青春ものでもかなり出てましたし――『青春とはなんだ』(65・日本テレビ、東宝)。木村の役は舞台となる森山高校の生徒・久保良吉。ちなみに、父親役はZAT隊長役の名古屋章であった。かつての親子役が今度はこうしたところで再共演するのも面白いものである――。かえって、僕の方が新人ぽかったんじゃなかったと思うんですけれども」(談)


「今から思うと、主人公が周りの人にこう気を配ってね。撮影現場を盛り上げていかなくちゃいけないと思うんですけども。自分のことで精いっぱいで。東野さんとか、周りの方が盛り上げてくれたというか、助けてくれたというか」(談)


「ZAT(ザット)の隊員服なんですけども、自分じゃ出来ないんですよ。誰かにファスナーで上げてもらわないとね。そういうのやったりしながら、意外にコミュニケーションになったんじゃないかと思いますけどね」(談)


・ホームドラマの要素


 私生活のシーンも多かった。怪獣だけとの戦いだけじゃなくして、アットホームな要素もあった。


「白鳥(しらとり)家という下宿で住むわけなんですけども。そこで、健一くんとさおりさんがいて。白鳥家というのは閑静な住宅街にある白い家が、実際のロケ地で、「こんなところに住みたいなぁ」と自分でも憧れるような素敵な家だったんですよ」(談)


・白鳥健一=斉藤信也


 当時は5つの撮影現場に、父親同伴で出入り。


「お芝居はしっかりした子で、優等生で。子役の子ども達はやんちゃで、撮影現場でうるさかったりすることもあるんですけども。斉藤信也くんに関しては全くそんなことなくて。再放送のとき見返してみても、斉藤くんの方がお芝居上手いですね(笑)。お世辞じゃなくて上手いですよ」(談)


・白鳥さおり=あさかまゆみ(現・朝加真由美)


 初のTV出演作品。


「よく怒られてましたね。「演技が下手」だといって。健一くんと反対で。怒られたというか、注意されてたんですけれども。でも、しょうがないですよ。初めてだったんですから。北海道から出てきて」(談)


「でも、すごく素直な子で。決して下手だとは思わないですけど。もう十年くらい前ですか。夫婦の役でいっしょに共演したことがあるんですよ」(談)
(註:代理母出産がテーマの昼ドラマ『ダブルマザー』(95・国際放映・東海テレビ(フジテレビ系))――『ウルトラマンティガ』(96年)にてヤズミ隊員を演じたジャニーズの古屋暢一もレギュラー出演!――)



 多くの子どもたちが登場。子どもが主人公の話が多い。


「いや、子どもが主人公ですよ、『タロウ』は。黒部進さん(主人公・ハヤタ)の『ウルトラマン』(66)とか、森次晃嗣(もりつぐ こうじ)さん(主人公モロボシ・ダン)の『ウルトラセブン』(67)とかは、どちらかというと、大人の人の鑑賞に堪えるというか、大人が見てもいいドラマに出来てるんですけども。『タロウ』の場合は、ちょっと低学年向きの、社会に対する目線でも、子どもの目に立ってみたいなものがあって、そこが子どもさんたちに親しまれたんじゃないかと思って」(談)



 子どもは芝居の上手い下手じゃなくても、黙って台詞言ってるだけで絵になる。


「それも、やっぱりすごいですね。僕もどっちかというと子どもっぽいところありますから(笑)」(談)


「ある番組(註:『鬼平犯科帳』(89)か?)で、尾美としのりさんという俳優さんと、撮影でいっしょになったときにね。『実は、子役で『ウルトラマンタロウ』に出てたんですよ。監督に注意されてヘコんでるときにね、光太郎さんに慰めてもらったのが嬉しかったんですよ』って」(談)


「どっちかというと、僕は余り考えない方ですから、お芝居の役作りなんかは。幼児性で、子どもとも通じるものがあったんですね(笑)」(談)


・印象に残る監督


「それぞれにね、印象に残っていますよ」(談)


・筧正典(かけひ まさのり)監督


「当時、何歳くらいだったか判らないですけど、僕がやってた頃はおじいさんに見えたんですよ。東宝の映画でもずいぶん撮影していたらしくて、とにかくテストが多かった。走ってくるだけでもテスト、何回もやるんですよ。でも、本当に孫のように可愛がってもらいましたし」(談)


・山際永三(やまぎわ えいぞう)監督


「山際監督は、子役に対する演技指導が、大人と同じように粘り強く、ていねいに言い聞かせながら、やってたのを覚えてますから。本当に熱心ですから」(談)


・真船禎(まふね ただし)監督


「真船監督は、50何本やった中でも、そんなに撮ってないんですけども、特に印象に残る監督さんで。こう、俳優が何回もやってみたいなと思う監督さんでしたね。ふつうは1シーン1カットでね、細かく撮るんですけども、長廻しで、「え! これ全部やるんですか?」みたいな感じで、ビックリするように。逆に細かいところは、細かく撮るみたいで。キレがいいというか、触発された監督ですね」(談)


・ウルトラ兄弟と共演


 森次晃嗣と3年くらい前に、映画(註:『十三通目の手紙』(04・ASIN:B00092QW9C))で共演。ウルトラ以外では初共演。


「森次さんと握手するところがあったんですけども、なんかテストなのに、終わったらスタッフの方が拍手してくれて、「何で拍手するのかな? 打ち上げでもないのに」って考えてたら、「セブンとタロウが握手したのが、嬉しかった」って(笑)」(談)



 去年、一昨年と、『帰ってきたウルトラマン』(71)の団時朗(だん じろう)(主人公・郷秀樹)と舞台で共演。


「舞台の内容が喜劇だったんですよ。だから、アドリブなんかも許されてて。団さんが『篠田さん、「五分間待ってくれ」とか台詞を入れたらどうだ』なんて。どうも判ってる人は判るらしいですよね。それをアドリブで入れたりすると、判ってるお客さんは、すごい受けるんですよ(笑)。全く知らない人は『何なのかな?』って感じでね」(談)



 シリーズにさまざまなウルトラ兄弟が出てくるのが印象的。


「ある意味で、頼りない部分もあって。その頼りなさが、欠点があるということが、逆にね。面白かったなと思いますね」(談)


・子どもたちとの思い出


 どこへ行っても大人気の東光太郎。


「当時、電車で通ってたんですよ。なんかの移動のときに疲れて、寝てて。目覚ましたら、前の座席で子ども達がこうやって目を見開いてて(笑)。本当に尊敬の眼差しで見てくれて」(談)


「あるとき、ロケ行って。子ども達がゾロゾロ付いてきて。地方だったもんですから、夕方、お風呂屋さんに飛び込んで入ったんですけども。子どもたちまでいっしょに入ってきたりして(笑)」(談)


「あと、忘れられないのがね。宮崎のロケで、撮影が終わってフェリーで東京に帰るときに、製作の方の実家がありまして。日向(ひゅうが)というところに。そこで、スタッフもキャストも食事を呼ばれまして。そしたら、近所の子どもたちが集まってきて。そこに、ピアノがありまして。弾ける人が『ウルトラマンタロウ』の曲を弾いて。近所の子どもたちが歌いだして。これがまるで、ウィーン合唱団くらいじゃないけど、美しいというか、ハモってて素晴らしかったんですよ」(談)


「『ウルトラマンタロウ』の歌って、今でもいいですよねぇ。覚えやすいし」(談)


・東光太郎と篠田三郎


「特別、こういう人物を作ろうか、というのはあんまりなかったですね。『自分が東光太郎だ』みたく、若いときには思い上がりとかそういうのじゃなくて、自信もありますから。自分がタロウだった、みたいに思ってますからね。それが良かったんじゃないかと思いますけど。見返してみても、嬉しそうにやってますよ、僕も。お芝居が楽しいというか、テレビ出ることが楽しくて仕方ないというか、『何でこんなに嬉しいの?』と思うくらいにね、明るいというかね」(談)


・最後のメッセージ


「ええ、皆さん。東光太郎の応援よろしくお願いいたします。そして、ご家族で『タロウ』を楽しんでください」(談)


(解説)


 定番となったオープニング特番『ウルトラ○○のすべて』も、前回の『ウルトラマンA』同様、主演俳優の出演による特番が放映されて、ファンを大いに喜ばせた。


 先日まで放映されていたウルトラシリーズ最新作『ウルトラマンメビウス』(06・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20070506/p1)には、歴代の昭和ウルトラヒーローとその主人公を演じた俳優がゲスト出演。ファンを狂喜させたが、唯一、ウルトラマンタロウ・東光太郎を演じた篠田三郎の出演がなく、着ぐるみによるウルトラマンタロウと声優・石丸博也の吹き替えによる登場となっていた。歴代主演俳優を交えての再登場にはならなかったために、一部では「篠田は最近ではウルトラマン関連の仕事を断っている」「篠田は『タロウ』を黒歴史(くろれきし)にしている」といった憶測が高まり、遂には「ファミ劇の『ウルトラ情報局』にも出ないだろう」といった、一方的な悪評が立てられるような域にまで達していた。


 そんななか、ファミ劇『ウルトラマンタロウ』開始特番に篠田が出演。当時の思い出話を語ってくれたことは、そうした悪評を吹き飛ばしてくれて、多くのファンの思いにも応えてくれたのであった。これは率直に感謝したい。


 司会者・鈴木繭菓による、「『ウルトラマンタロウ』といえば、この方以外にはありません!」の紹介が、ここ1年間の『ウルトラマンメビウス』の展開時に、篠田が出演やコメントをしなかったことへの無念さを拭い払ってくれていた。そのMCを受けての「皆さん、『ウルトラマンタロウのすべて』へようこそ」の挨拶(あいさつ)で、BGM(劇中で変身アイテム・ウルトラバッジが光って、変身ポーズをとる直前のシーンで定番として使われたあの曲)とともに、篠田三郎が登場するときの興奮・感動・カタルシスは筆舌に尽くしがたいほどのものであった。
 この演出を考えた、「構成・演出」を担当している特撮ライター・秋廣泰生(あきひろ やすお)には、“2ちゃんねる用語”でいうところの「GJ!(グッジョブ!)」「神!」の賛辞を贈りたいくらいであった。


 また、冒頭での作品内容のナビゲート・ナレーション(真地勇志(まち ゆうじ。『ウルトラマンティガ』(96・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20080913/p1)でのティガの声や、『ウルトラマンダイナ』(97・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20080920/p1)のナレーションなども担当)も、『タロウ』の作品世界を熟知した者の構成(台本)ということもあって、元・円谷プロプロデューサー・熊谷健(くまがい けん)の得意としていた「民話的な世界観」からのイントロダクションで見るものを引き込んで、そこで『タロウ』という作品内にて描かれてきた「人間と怪獣との共存」、そして「やむをえない場合における対立」の要素をも交えて紹介するものになっていたのだ。これまでの「古きマニア向け書籍」の偏見に汚染されてきたウルトラシリーズのマニアたちも、それらを少しでも取っ払うようなかたちでの啓蒙(けいもう)を行ないつつ、この特番と『タロウ』といった作品内に入り込ませようとしていたあたりも好印象であった。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2008年号』(07年12月29日発行)『ウルトラマンタロウ』再評価・全話評大特集より抜粋)


編集者付記:


 テレビ東京系で毎週土曜日午後7:00〜8:54に放映されている旅番組『土曜スペシャル』の2009年7月11日(土)放映分の「爽快! 夏の北海道 ローカル列車でめぐる旅」の回での「道東エリア:根室本線の旅(帯広〜根室)」パートにて、我らが篠田三郎と我らがZATの西田隊員こと三ツ木清隆が36年ぶりの夢の共演!


「おひさしぶりです! 東隊員!」
「ひししぶりだな! 西田!」


 世代人のディレクターの演出であろうが、やってくれました!(笑)


  http://www.tv-tokyo.co.jp/sat/backnumber/090711.html



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