假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑)

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ヤッターマン'77 &'08

[アニメ] 〜全記事見出し一覧

ヤッターマン '77

(文・Y.AZUMA)


キッズステーション 08年1〜3月 月〜金 21時他 2本立て)
キッズステーション 08年6月4日(水)〜 月〜金 6時30分・16時30分)


 旧作には西暦下二桁をつけねばならなくなったか。


 さて、私事で恐縮だが、妻が面白いことを云っていた。


 「ひょっとして、ドロンジョさまの存在ってそれ以降の女性の生き方に多大な影響を与えたのではないか」


 要約すると、このアニメが作られる以前には、「女性上司」という存在は社会の中にはほとんど存在していなかった。
 しかし、ドロンボウ一味の皆さんが


 「女性が上司になる場合、どのように生きるべきか(また、どうやってはいけないか)」


 「女性を上司にした場合、部下となった男性たちにはどんなことが重要になるか(かつ、何をやってはいけないか)」


 という重要かつ難解かつ繊細な課題を、結果的に面白おかしく分かりやすく提示してくれたのではないだろうか。


 声優・小原乃梨子さんは「ブリジット・バルドーのような可愛らしい女性」をイメージしてこのキャラクターを造型したそうだ。
 昭和九年生まれのフランス女優・BBさんのキャラクターは、残念ながらその子ども世代の我々には一般的ではない。しかし、BBをモデルとした「ドロンジョさま」は、私たちに「可愛らしく有能なビジネスパーソン」のアーキタイプを具体的に提示してくれたのだ。


 具体的かつ分かりやすい見本は、人生において大変有益である。
 日本のロボット産業が世界で最も優秀であるのも、『鉄腕アトム』(63)『ジャイアントロボ』(67)『機動戦士ガンダム』(79)といった分かりやすい見本があるからだ。
 「どれだけアトムに近づいたか」
 「何でガンダムのように動かないのだ」
 という卑近かつ具体的な課題を解決することで、より良いものが創造できたのだ。


 企業社会でも同様。
 「女性の社会進出」
 「男女雇用機会均等法セクシャルハラスメント
 「企業内での女性の役割と活用」
 「男性社会での女性上司のあり方」
 などという高尚・高級・高邁な課題は、「ドロンジョさま」と言う「中間管理職」と「トンズラー・ボヤッキー」と言う「部下」と「ドクロベエさま」と言う「上級管理職」による毎週のドタバタ騒ぎの中で、一般的で大衆的でわかりやすいハウツーとノウハウになっていったのである。


 神様は本当によくしたものである。
 七十年代初めに『ウルトラマンA(エース)』(72)で聡明なキャリアウーマンのプロトタイプになるはずだった南夕子隊員を月に召し上げても、有能な女性上司のプロトタイプであるドロンジョさまを地上に遣わしてくれたのである
 (その結果、地上にあまた存在することとなったボヤッキーとトンズラーたちにとってみれば身の不運を嘆くしかないが。ま、私も含めて)。


 仕方がない。それが嫌ならドクロベエ様のように
 「お仕置きだべえー」
 と言える立場になるように日夜努力するより仕方がないようである。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2008年春号』(08年4月20日発行)『近作評EXTRA』より抜粋)

ヤッターマン '2008

(文・T.SATO)
 リメイク版に言及しないのも詐欺っぽい気がするので(汗)、カルく……。


 前世紀最後の年・西暦2000年に突発的にテレビ東京にて復活したシリーズ第8弾『タイムボカン2000 怪盗きらめきマン』からも早くも8年!


 来年2009年の三池崇史(みいけ・たかし)カントクの実写映画版に連動して、メディアミックスの一貫として、往年の大人気作品「タイムボカン」(75年)シリーズ第2弾、シリーズ最高のヒット作品『ヤッターマン』(77年)が21世紀に復活!


 (個人的なシリーズ最高傑作は、子供番組卒業期だったのでリアルタイム視聴はしてなかったけど、数年後の平日夕方再放送で観たシリーズ第5弾『ヤットデタマン』(81年)だけど。ヒーローロボ・大巨神の「罪を憎んで人を憎まず!」〜三悪トリオの「人間やめます」反省〜「人間やめて何になる?」のバカらしさ〜三悪トリオの偽りの反省が不用意な発言でバレる〜大巨神「大激怒〜〜!!」の毎回のお約束反復ギャグが最高!・笑)


 #1〜3と、ゴールデンウィークの1時間スペシャルしか視聴していないのだけれど……。 
 声優が70代に達してしまった3悪トリオと敵幹部ドクロベエ
 誰でも100人が100人云うと思うが、声優交代しなかったのがすばらしすぎる。衰えは微々たるもので、70代だとはとても思えない。やはりプロです。
 考えたくないけど、3人+1人が勢ぞろいするのは、コレが最後かな? ぜいたくは云えないのですけれど(汗)。


 往年のウルサいマニア方から、主題歌のアレンジはじめブーイングが殺到しているのは承知しているし、私事で恐縮だが20年弱前に『ヤッターマン』の大冊全話ガイド同人誌を製作した畏友などは「ヒドい」「サムい」とのたまっている。
 が、そこまで濃くはないフツーの世代人である筆者にとっては、子供に付き添って観ている父母世代にとっても、記憶の中の『ヤッターマン』らしさを充分に醸していて、かつテンポや作画に現代的アレンジも適度に施されていて、ゴールデンタイムに観るにふさわしい大らかさやメジャー感も一応醸しているリメイク作品に仕上がっていると思う。


 とにかく、そんな細かい違いにこだわってダメ出しするのは熱狂的なマニアだけですよ(笑)。
 ゴールデンウィークの特番『今夜限りのドロンボーVSみのもんた! アナタも一緒に脳力対決!! ガッチャマンやマッハ号も登場スペシャルだコロン!』なども、作りとしては古典的なギャグアニメの作りに留まらず、ゴールデンタイムの民放バラエティ番組のノウハウも込められていて、いかにザッピング視聴でチャンネルを廻されないようにするか、いかにCM後もザッピングから戻ってきてもらい関心を継続させるか、放映ワクのラストのギリギリまでネタをつづけて、少しでも番組平均視聴率をあげるか! というところに腐心していて、こーいう手法がキライな潔癖症なヒトもマニアには多いのだろうが、ウス汚れてしまった筆者なぞはこの手法に大賛成!(笑) 


 天下のみのもんたがメインゲストとして登場しようが、往年のタツノコプロキャラがチョイ役で勢ぞろいしようが、ドラマにまったく絡んでなくても『マッハGoGoGo』(67年)のレーシングカー・マッハ号が登場しようが、『科学忍者隊ガッチャマン』(72年)のG−1号・大鷲の健(おおわしのけん)が登場しようが別にイイんでないの?
 正座して観るような番組でなし、個人的にはゲラゲラもといクスクス笑いながら観てたけど。


 というワケで、筆者はリメイク版『ヤッターマン』の肯定派。
 と云いつつ、夜7時という時間ワクは残業リーマン的には絶対に観られない時刻だし、毎週録画してまで観る気はないけども(笑)。
 いや、もうそんなにたくさんジャンル作品の視聴はできないって(汗)。


(了)
(08年6月22日(日)書き下ろし)


ヤッターマン 1 [DVD]

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