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ザ・ウルトラマン2話「光るペンダントの秘密」

ファミリー劇場『ザ★ウルトラマン』放映開始記念「全話評」連動連載開始!)


『ザ☆ウルトラマン』全話評 〜全記事見出し一覧

#2『光るペンダントの秘密』

竜巻き怪獣スパイラル登場

(作・吉川惣司 演出・古川順康)
(視聴率:関東14.1% 中部11.0% 関西12.6%。
 以上、ビデオリサーチ。以下、ニールセン 関東15.3%)


(文・内山和正)
(1997年執筆)


 実質的なメインライター吉川惣司氏の初登板回。
 (阿部桂一氏は第1話しか書いておられない)


 エネルギーを食いつくす謎の竜巻の調査に行ったムツミが、竜巻に呑(の)み込まれた。
 科学警備隊はムツミ救出のため、基地のエネルギーを餌(えさ)にしておびきよせる。
 マルメがムツミの誕生日プレゼントに渡したペンダントがムツミ救出に一役買う……というのがストーリー。


 誕生日を翌日に控えたムツミに日にちのかかりそうな調査を命じるアキヤマを、「きびしい」と評するヒカリの考えが特殊公務員として大人げないように思えるが、視聴者の子供たちに感情移入させる配慮と考えればヘンではないだろう。


 マルメはヒカリがムツミと二人だけで任務に行くのを知ると、ヒカリをトイレに閉じ込め急病ということにして自分が代わりに行くという非常識ぶりで、シリーズを代表する欠陥隊員ぶりを印象づける。
 誕生日プレゼント(トベに造らせたもの)を渡そうとするマルメに、「ありがとう」と云いつつも、“任務中だから”と厳然として受け取らないで公私のけじめを示す、男性に媚びてない凛としたムツミ。
 前回の「女だからって軽く見ないで」的意識は既に感じられないものの、まだ面目を保っている。
 のちには一般的な女性隊員になってしまい、視聴者には親しみやすいものの独自性が失せてしまったのは残念だ。


 怪獣をどんな形態にできるのもアニメ版の利点のひとつだというが、まだ2話なのに玩具化できないような、正体が触手の生えた心臓でしかない怪獣なのはひどいと思う。
 (そのせいか怪獣原案者の名前は記入されていない)


 それでもスパイラルは並の竜巻き怪獣ではなく、竜巻を変形させて腕状にして戦ったりして、竜巻そのものが怪獣であるかのようで(そのせいか従来の書物では本体ではなく竜巻の絵がスパイラルとして紹介されているものも少なくはなかった)、本体自体も液状化してウルトラマンを襲うなど異様な能力を見せる。
 その面白さで、竜巻き怪獣スパイラルに対する個人的感慨は、本放送のころの全面否定に近い気分ではなくなった。


 ラスト、隊員たちがムツミの誕生日を祝うなか、予想外にもアキヤマからのプレゼントが届く。
 誕生パーティーは若者たちだけにしてやり、姿は見せず一人去る……このシブさが本放送時筆者にとってのアキヤマのイメージとなった。


 なお、冒頭のスパイラルに破壊された発電所の断面が意外にリアルで長年思っていたよりも、絵的に良いところは良いのだなという感想を持った。


※:製作No.4『すばらしい誕生日』
 シナリオでは、別名はひらがなの「たつまき怪獣」名義。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊98年号』(97年12月28日発行)『ザ☆ウルトラマン』特集・合評③より分載抜粋)



編集者付記:
 CSファミリー劇場『ウルトラ情報局』09年5月号『ザ☆ウルトラマン』編の第1回スペシャルゲストは、ムツミ隊員役の島本須美(しまもと・すみ)氏が登場!
 アニメ映画『ルパン三世 カリオストロの城』(79年)ヒロイン・クラリスを皮切りに、『風の谷のナウシカ』(84年)主人公、『めぞん一刻』(86年)のヒロイン・音無響子(おとなし・きょうこ)さん役など、のちのち大家になる彼女も、『ザ☆ウル』出演当時は声優1年生。


 『ウルトラ情報局』出演にあたって、DVDを再視聴したという彼女は
 (まぁご多忙でしょうから、主な話題となった当該の#2と主役話の#24「ふたりのムツミ隊員」他数本を番組スタッフから提供されて、視聴しただけだろうとは思いますが・笑)、
 「意外と面白かった」と語り、この#2の映像が流れたあとの発言だから、主に#1〜2でのムツミの一連の描写を指してのものと思われるが、娘さんに「カッコいい」と云われたそうな。
 (男性の願望や理想像を投影したような、のちのお嬢さまや聖女のような役どころとは異なる、女性が見てもカッコいいと思われる役どころだったという意味である)


 70年代初頭のいわゆる女権拡張・ウーマンリブ運動から10年弱を経た、「仕事できるプライド系イイ女」キャラの第1号世代に属するキャラだともいえるだろう。
 徐々に発揮されるムツミの愛嬌や女性らしさの描写の付与には、異論があるかもしれないが、編集者個人としてはひとりの個人の人格の多面性、幅の広さとして充分に許容・ナットクできるものであり、特に不満はない。


[関連記事]

ザ・ウルトラマン再評価・全話評! 〜序文

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ザ・ウルトラマン#1「新しいヒーローの誕生!!」

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090505/p1

ザ・ウルトラマン総論 〜ザ☆ウルトラマンの時代・埋もれた大スケールSF名作! 第3次怪獣ブームの猛威! 70’s末の熱い夏!

 (関東・中部・関西の全話平均・クール平均視聴率も加筆!)
  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971117/p1