假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑)

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ザ・ウルトラマン2話「光るペンダントの秘密」 ~アニメならではの竜巻姿の怪獣!

ファミリー劇場『ザ★ウルトラマン』放映開始記念「全話評」連動連載開始!)
『ザ・ウルトラマン』総論 ~総括・ザ☆ウルトラマンの時代
『ザ☆ウルトラマン』最終回 #50「ウルトラの星へ!! 完結編 平和への勝利」 ~40年目の『ザ☆ウル』総括!
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『ザ☆ウルトラマン』全話評 ~全記事見出し一覧

ザ・ウルトラマン』再評価・全話評! ~序文

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ザ・ウルトラマン』第1話「新しいヒーローの誕生!!」 ~今観ると傑作の1話だ!? 人物・設定紹介・怪獣バトルも絶妙!

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ザ・ウルトラマン』第2話「光るペンダントの秘密」 ~アニメならではの竜巻姿の怪獣!

竜巻き怪獣スパイラル登場

(作・吉川惣司 演出・古川順康)
(視聴率:関東14.1% 中部11.0% 関西12.6%。
 以上、ビデオリサーチ。以下、ニールセン 関東15.3%)


(文・内山和正)
(1997年執筆)


 実質的なメインライター吉川惣司氏の初登板回(阿部桂一氏は第1話しか書いておられない)。


 エネルギーを食いつくす謎の竜巻の調査に行った科学警備隊の紅一点・ムツミ隊員が、竜巻に呑(の)み込まれた。科学警備隊はムツミ隊員救出のため、基地のエネルギーを餌(えさ)にしておびきよせる。マルメ隊員がムツミ隊員の誕生日プレゼントに渡したペンダントがムツミ隊員救出に一役買う……というのがストーリー。


 誕生日を翌日に控えたムツミ隊員に日数がかかりそうな調査を命じるアキヤマキャップ(隊長)を「厳しい」と評する主人公・ヒカリ隊員の考え方が、特殊公務員としては大人げないようにも思えるが、視聴者の子供たちに感情移入をさせる配慮と考えれば妥当なところだろう。


 マルメ隊員はヒカリ隊員がムツミ隊員とふたりだけで任務に行くのを知ると、ヒカリ隊員をトイレに閉じ込めて急病ということにして自分が代わりに行くという非常識ぶりで、シリーズを代表する欠陥隊員ぶりを印象づける。


 誕生日プレゼント(それも実はトベ隊員に造らせたもの!)を渡そうとするマルメ隊員に、「ありがとう」と云いつつも、「任務中だから」と厳然として受け取らないで公私のケジメを示してみせる、男性に媚びていない凛としたムツミ隊員。第1話での「女だからって軽く見ないで」といったキャラクター設定はすでにウスれているのかもしれないが、まだ面目を保っている。のちには一般的な女性隊員になってしまい、視聴者には親しみやすいものの独自性は失せてしまったかもしれない。


 人間が着込むことが前提である着ぐるみとは異なり、怪獣をどのような形態にもできることがアニメ版の利点のひとつだと企画書や新聞での番組宣伝などではうたわれていた。しかし、まだ第2話なのに玩具人形化ができないような、正体が触手の生えた心臓でしかなかった怪獣であるのはヒドい! と、当時すでにもう高校生であった筆者などはそう思った記憶がある(そのせいか、本作ではエンディング主題歌のテロップに表記される「怪獣原案者」の名前は記入されていない)。


 それでも、スパイラルは並の竜巻き怪獣ではなく、ウルトラマンの数倍の背丈の高さを誇り、竜巻を変形・分岐させて腕状にして戦ったりして、竜巻そのものが怪獣であるかのようだ(そのせいか従来の書物では本体ではなく竜巻の絵がスパイラルとして紹介されているものも少なくはなかった)。心臓本体自体も液状化してウルトラマンを襲うなど異様な超能力を見せる。その面白さで、竜巻き怪獣スパイラルに対する個人的な感慨は、本放送のころの全面否定に近い気分ではなくなった。


 ラスト、隊員たちがムツミ隊員の誕生日を祝うなか、予想外にもアキヤマキャップからのプレゼントが届く。誕生パーティーは若者たちだけにしてやり、姿は見せずにひとり去る……このシブさが本放送時の筆者にとってのアキヤマキャップのイメージとなった。


 なお、冒頭のスパイラルに破壊された発電所の断面が意外にリアルで、長年思ってきたよりも絵的に良いところは良いのだなという感想を持った。


※:製作No.4『すばらしい誕生日』
 シナリオでは、別名はひらがなの「たつまき怪獣」名義。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊98年号』(97年12月28日発行)『ザ☆ウルトラマン』特集・合評③より分載抜粋)



編集者付記:


 CSファミリー劇場『ウルトラ情報局』09年5月号『ザ☆ウルトラマン』編の第1回スペシャルゲストは、ムツミ隊員役の島本須美(しまもと・すみ)氏が登場! アニメ映画『ルパン三世 カリオストロの城』(79年)ヒロイン・クラリスを皮切りに、『風の谷のナウシカ』(84年)主人公、『めぞん一刻』(86年)のヒロイン・音無響子(おとなし・きょうこ)さん役など、のちのち大家になる彼女も、『ザ☆ウル』出演当時は声優1年生。


 『ウルトラ情報局』出演にあたって、DVDを再視聴したという彼女は(まぁご多忙でしょうから、主な話題となった当該の#2と主役話の#24「ふたりのムツミ隊員」他数本を番組スタッフから提供されて、視聴しただけだろうとは思いますけど)、「意外と面白かった」と語っている。この#2の映像が流れたあとの発言だから、主に#1〜2でのムツミの一連の描写を指してのものと思われるが、娘さんに「カッコいい」と云われたそうな。(男性の願望や理想像を投影したような、のちのお嬢さまや聖女のような役どころとは異なる、女性が見てもカッコいいと思われる役どころだったという意味であろう)


 70年代初頭のいわゆる女権拡張・ウーマンリブ運動から10年弱を経た、「仕事できるプライド系イイ女」キャラの第1号世代に属するキャラだともいえるだろう。シリーズを通じて徐々に発揮されていくムツミ隊員の女性らしさや愛敬の描写の付与には、異論があるかもしれないが、編集者個人としてはひとりの個人の人格の多面性、幅の広さとして充分に許容・ナットクできるものであって、特に不満はない。


[関連記事] ~『ザ☆ウルトラマン』(79年)再評価・全話評!(主要記事)

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