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ザ・ウルトラマン3話「草笛が夕日に流れる時…」

ファミリー劇場『ザ★ウルトラマン』放映開始記念「全話評」連動連載開始!)


ザ・ウルトラマン総論 〜総括・ザ☆ウルトラマンの時代
『ザ☆ウルトラマン』全話評 〜全記事見出し一覧

#3『草笛が夕日に流れる時…』

分裂怪獣ワニゴドン登場

(作・星山博之 演出・四辻たかお 怪獣原案・鯨井実)
(視聴率:関東16.6% 中部13.4% 関西12.0%。
 以上、ビデオリサーチ。以下、ニールセン 関東15.6%)


(文・内山和正)
(1997年執筆)


 離れたところから攻撃する自衛隊を責め、自らバズーカ砲を手に接近戦でワニゴドンを倒すマルメ隊員だったが、吹き飛んだ細胞の破片から短時間でワニゴドンが再生することが判明。
 責任を感じた彼は一人で破片を捜しに行く。破片は小生物となりタカシ少年に拾われペロと名付けられ可愛がられていた……。
(以上、ストーリー)


 1・2話に続きマルメのキャラクターを押し出したストーリーで、怪獣の死骸を調査しようとする研究者に
 「俺のしたことに文句あるのか!」
 と因縁つけたりするなど相変わらずの非常識ぶりを示しながらも、今回は良いところも含めて描いている。


 ドラマのもうひとつの要素は少年の怪獣への愛情であるが、「真実を知った少年が涙を浮かべながら怪獣の弱点を教える」という予想される定番的な展開ではなく、マルメが少年に優しさを示しながらも現実を見るよう求め責任を問う苦味(にがみ)のある結末であった。
 3話では早すぎるとは思うものの、この少年から見ればウルトラマンが悪役・非情に見えかねない複合視点の演出も良。


 その泣かせるストーリー自体には問題がないと思うものの、個人的には何かギクシャクしたものを残すのは、構成に気にかかるところがあるからだろうか?


 この手の子供番組に対して野暮(やぼ)な指摘だろうが、いくら愛に時間は関係ないといっても、わずか一昼夜(しかも一緒にいる時間は少ない)では少年とペロの間にここまでの信頼関係は育たず、少年の吹く草笛も覚えないのではないか?
 マルメが嘘をついてペロから引き離そうとしていたことを知った少年が、「お兄ちゃん、警備隊の人だったんだね」と責めるところも「最初から制服を着てるじゃないか」とちょっとあきれてしまうところもある。
 (シナリオでは私服のつもりだったのがアニメ制作段階で誤って制服になったのだろうか、科学警備隊設立から日が浅く少年が制服を知らなかったのか?)


 ワニゴドンは四つ足形態の絵と二足歩行の絵が既存の書籍では存在しているが、実物は二足歩行であった。
 また体色は緑に赤い斑点が入っているものがポピュラーであるが、実際には黒っぽい灰色で(少しは緑も混ざっているかもしれないが)なかなか渋く、UP(アップ)になると顔も怖かった。


※:製作No.5『海に流れた草笛』


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊98年号』(97年12月28日発行)『ザ☆ウルトラマン』特集・合評③より分載抜粋)



編集者付記:
 スレたマニアの方であれば、おそらくご存じの通り、草笛と少年と怪獣のモチーフは、怪獣映画の神様のイタズラか、人間の想像力のバリエーションなどしょせんはたかが知れたものなのか、実は先行のジャンル作品にも存在する。
 70年代初頭の第2次怪獣ブームの旗頭・『スペクトルマン』(71年・ピープロ・フジテレビ・ASIN:B000OPOB4CASIN:B00005Y0Y5)#40「草笛を吹く怪獣!!」・#41「ガス怪獣暁に死す!!」(ガス怪獣メタノドン・溶岩怪獣マグマザウルス登場)の前後編(脚本・伊藤恒久 監督・樋口弘美 特撮監督 矢島信男)がそれだ。
 こちらも名作。もちろん王道娯楽活劇編としての名作ではなく、泣かせる話としての名作編の意味だが。


 ちなみに本作『ザ☆ウル』#3を担当された脚本家・星山博之(ほしやま・ひろゆき)氏は、同年79年には『機動戦士ガンダム』のメインライターも務めている、漫画家・手塚治虫(てづか・おさむ)大先生のアニメ製作会社虫プロ出身の大ベテラン。
 『ムーミン』(69年)で脚本家デビューして、70〜90年代の膨大なTVアニメ(主に合体ロボットアニメや、『ゲゲゲの鬼太郎』第3シリーズ(85年)、80〜90年代の赤塚不二夫・漫画のリメイクTVアニメ)で活躍された御仁。


 家庭用ホームビデオも79年当時は普及しておらず、日本の週休2日制も未(いま)だしだった71年当時の土曜夜7時に放映されていた『スペクトルマン』の当該話数を、虫プロの「文芸担当」職でご多忙だった星山センセイが視聴していた可能性は低いと思う。
 が、仮に視聴していてそれが脳裏に残っておりインスパイアされたものとしての話作りだったとしても、また仮にアレンジが少なくても逆に洗練・純化があるならば、編集者個人はそれはそれで構わないのではないかと考える。
 そも題材自体が、脚本家ご当人のアイデアではなく、プロデューサーからの要望・注文だったらドーしよう(笑)。


 『スペクトルマン』と『ザ☆ウル』の当該エピソードについての優劣は、マニア諸氏が個人の価値観で付ければよいと思う。ちなみに編集者はどちらの作品も好きだし、要素要素の相違の分析はともかく、優劣はつけたくない。


 ……どツボにハマっている濃ゆい好事家・研究家の方々には、ぜひとも両作の比較鑑賞をおすすめしたいところ(笑)。


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