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ザ・ウルトラマン13話「よみがえった湖の悲しい伝説」

ファミリー劇場『ザ★ウルトラマン』放映「全話評」連動連載!)


『ザ☆ウルトラマン』全話評 〜全記事見出し一覧

#13『よみがえった湖の悲しい伝説』

音波怪獣ガラドラス登場

(作・星山博之 演出・古川順康 絵コンテ・八尋旭 怪獣原案・鯨井実)
(視聴率:関東13.8% 中部13.1% 関西11.1%。
 以上、ビデオリサーチ。以下、ニールセン 関東16.1%)


(文・内山和正)
(1997年執筆)


 怪獣(調査・発見)ブームにわく竜神湖で石化した魚が発見される。この湖には人を石に変える竜神の伝説があった。
 竜神を鎮(しず)める竜神祭の祭司の家に生まれた、地球防衛軍・極東ゾーン所員でマルメ隊員の友人である木下は、マルメとヒカリ隊員に同行を頼み故郷へ戻る。
 その直後、今度は人が石になる事件が起こり、ヒカリは湖を去っていく生き物の影を見る。ヒカリの報を受け隊員たちが調査に駆けつけるがマルメは……
(以上、ストーリー)


 本編中での怪獣ブームというのは、劇中内の現実存在である怪獣ではなく、ネッシーやクッシー・イッシーなどのいるかいないか判らない「幻の生物」を捜す探検団(や個人)とそれを煽り立てるマスコミの大騒ぎのことなのだろう。
 最近は鎮静しているようだが何年かに一度はブームが起きてきたし、この作品の翌年の『ウルトラマン80(エイティ)』(80年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971121/p1)29話『怪獣帝王の怒り』(脚本・若槻文三)には渓谷怪獣キャッシーというそのものズバリの名を持つ怪獣が登場しているからこの時期、何度目かのブームの渦中にあったのではないかと推察する。
 悪徳興行師が山奥へ怪獣を探索に行く『ウルトラマンタロウ』(73年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071202/p1)49話『歌え! 怪獣ビッグマッチ』(脚本・石堂淑朗)などはUFOや四次元やオカルトなどと連動してネッシーなどが大ブームだったころであり、当時の某政治家・石原慎太郎の探検旅行を風刺した内容であった。


 このような騒ぎは、現実に怪獣が出現していないから熱中できるのであって、怪獣が街や村を破壊しまくっている状態では怖くて怪獣探索どころではないだろう。
 そんな現実感無視も、『ウルトラマンタロウ』や『80』後期のノリなら許されるだろうが、『ザ・ウルトラマン』の作風には似つかわしくないように思われる。


 次に作中の「伝説」であるが戦国時代、敵同士の立場にあったために恋はかなわず男は戦死、女は湖で入水自殺したふたりに同情した竜神が、無理解な大人に怒り、通りかかった人間を石に変えたというもので、確かに恋人たちは可愛そうであろうが、竜神の同情は個人的には無茶苦茶に感じられ「悲しい伝説」という気にはなれなかった。


 何か不平ばかり言っているようだが、実のところ結構楽しく観た。
 現実的な思考を持たず、祭りをすれば騒ぎが納まると信じ込み、他の考えを受け付けず、太鼓を打ち鳴らす(騒音嫌いの怪獣なのでそれが逆効果とは知らずに)マルメの馬鹿馬鹿しさには笑える笑える……。


 「たまにはいいこと言うな」とトベ隊員に頭を撫でられ喜ぶ科学警備隊のマスコットロボット・ピグの幸せそうな顔がミョーに可愛い。


 湖自体が反響体になっているために、小さな音でも湖内にはとてつもない音になって聞こえるとの説明や、ヒカリがカプセルに入って湖底へ潜るのは現実的にはどうか判らないが、科学的な知識がまるでない筆者にはほどほどの科学風肉付けに感じられた。


 怪獣ガラドラスの絵がかなりいいかげんなのが気になりはするものの、彼とウルトラマンの戦いはダイナミックに演出されている。
 「怪獣が死なないと石にされた人間が元に戻らないんじゃないかな」というピグの言葉があり、ヒーローものに顕著な怪獣さえ倒せば元に戻る安易な展開になるのかと危惧したが、元に戻りはしたもののウルトラマンのウルトラメディカルパワー(光線)によるものなので一応安易さは避けられた。
 しかもウルトラマンが体力を消耗し、フラつきながら何度かに分けて照射するかたちになっているのが、よけいに安直さを回避して一応のリアルさを感じさせてくれている。


※:製作No.13『甦える伝説』


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊98年号』(97年12月28日発行)『ザ☆ウルトラマン』特集・合評3より分載抜粋)



編集者付記:
 人間を石化してしまう怪獣といえば、『ウルトラマンティガ』(96年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961201/p1)#2「石の神話」に登場する岩石怪獣ガクマがいる
 (もちろんこれらの元ネタは、すべて古代ギリシャ神話の魔女メドゥーサだが)。
 戦国時代の悲恋は、怨霊鬼・戀鬼(れんき)が登場する『ウルトラマンコスモス』(01年)#18「二人山伝説(にびとやま でんせつ)」。
 田舎の村落に伝わる龍伝説が題材となって、伝説怪龍ナツノメリュウが登場する『ウルトラマンマックス』(05年)#9「龍の恋人」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060315/p1)……
 などなど同趣向のエピソードは、後年のウルトラシリーズでも散見することができる。


 また、ネット上のサイト「WEBアニメスタイル」中にて、ベテランアニメライター・小黒祐一郎氏が、自身の連載コラム「アニメ様の七転八倒」第99回(2008.07.23分・http://style.fm/as/05_column/animesama99.shtml)にて、「凝りに凝った岩石崩し」の1カットを、スタッフ表記にも見えるタツノコプロのベテランアニメーター・なかむらたかし氏の原画であると推測しておられる。
 なかむらたかし氏はロートル・マニアならばご存じ、ロボアニメ『黄金戦士ゴールドライタン』(81年)、アニメ映画『幻魔大戦』(83年)、『未来警察ウラシマン』(83年)などで、当時の最先端のカリスマ漫画家・大友克洋系の人物画に、革新的なアクション演出作画や、膨大な破片までをもひとつひとつ動かす今で云うエフェクトアニメで、マニアの注目を集めた御仁。



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