假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑)

★★★特撮・アニメ・時代劇・サブカル思想をフォロー!(予定・汗)★★★ ~身辺雑記・小ネタ・ニュース速報の類いはありませんので、悪しからず!(笑)

ザ・ウルトラマン22話「南海の怪しい空間」

ファミリー劇場『ザ★ウルトラマン』放映「全話評」連動連載!)


『ザ☆ウルトラマン』全話評 〜全記事見出し一覧

#22『南海の怪しい空間』

異次元怪獣ザーモス登場

(作・星山博之 演出・八木岡正美 絵コンテ・八尋旭 怪獣原案・鯨井実)
(視聴率:関東10.5% 中部11.6% 関西10.3%。
 以上、ビデオリサーチ。以下、ニールセン 関東13.1%)


(文・内山和正)
(1997年執筆)


 隊員たちは九州のマルメ隊員の実家で休暇を過ごしていた。
 このころ船が消える事件が起きておりトベ隊員とマルメは野次馬根性半分でその地点に向かうが、謎の雲にモーターボートは吸い寄せられ、トベは海へ落ちるもののマルメはボートとともに雲の中に消えた。
 やがて船の墓場のような不思議な空間で目覚めたマルメは


 「帰りたいよぅー」


 という声を聴く。


 ヒカリらがマルメ調査に向かうとマルメは元気な姿で現れた。そしてアキヤマキャップ(隊長)には秘密にしてくれと頼んで密かに基地へ帰り、科学警備隊のロボット・ピグに手伝わせて次元コンパスを作ろうとする。
 マルメは雲のバリヤーの中に隠れている怪獣から事情を聞いていた。
 怪獣は異次元から落ちてしまい帰りたがっており、悪意はないのだが、外の様子を知りたくて時々バリヤーを解くと、自分の持っている磁力のために心ならずも船を引き寄せてしまうのだという。
 マルメは怪獣のことが誰にもバレないうちに自分の手で帰してやろうと考えていた。
(以上、ストーリー)


 夏休み直前の第16話「生きていた幻の鳥」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090816/p1)を皮切りに18話「謎のモンスター島(とう)」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090912/p1)、そして今回と飛び飛びに放送されてきた夏を意識した海洋シリーズの最終作。
 夏休みの放送をこれで締め括っている。激しい戦いで盛り上げた19〜21話「これがウルトラの星だ!!」三部作(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090913/p1http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090914/p1http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090920/p1)で疲れた心を爽やかにしてくれる作品ともいえる。


 怪獣のキャラクターが初代『ウルトラマン』(66年)35話「怪獣墓場」に登場した亡霊怪獣シーボーズの二番煎じだとか(でも不自然とはいえ自分が姿を現わせば攻撃されることを心得て怯えている怪獣というのは新鮮ではないか?)、どうして怪獣が人間の言葉を話すのかとか、怪獣ザーモスを批判するマジメな人も多いのだろうが、個人的にはそんなことはどうでもよく


 「帰りたいよぅ〜」「恐いよ〜」


 と甲高い声で泣く臆病なザーモスが可愛かった。今年1997年、某ガレージキットメーカーの『好きなウルトラ怪獣ベスト20』のアンケートの際、この怪獣を挙げ忘れてしまったことにあとで気づき後悔したものだった。


 いつもは迷惑人間のマルメだが、今回はザーモスのために懸命になり泣かせてくれる。
 このキャラクターの変化は別に不自然ではなく、19話「これがウルトラの星だ!! 第1部」で主人公・ヒカリ隊員が死んだときマルメが大泣きしたように単純な男の単純な優しさなのだろう。
 ちなみにこの回にはマルメの母親が登場しているがこちらは単純な善人という印象である。


 マルメはアキヤマに内緒で事件を納めようとしているが、


 「事件を起こしている以上キャップも(ザーモスを)庇(かば)いきれないだろう」


 とのセリフからすると、アキヤマに話しては不味(まず)い結果になると考えているというよりも、「アキヤマなら判ってくれるが、迷惑をかけたくないしザーモスも救いたい」と思っているらしくマルメのアキヤマへの絶対の信頼を窺わせる。


 アキヤマとピグ以外の隊員たちが一度に休暇をとるのは現実的ではないし、前回までの三部作の大事件がおこったあととは思えない隊員たちの明るさだが(脚本家が違うので無理もないが)、こじつけるならばあの事件のあとだから隊員たちの鋭気を養わさせるための温情的な措置なのかもしれない。


 ドラマ的には正体がばれたザーモスがやたら暴れまわるのが納得できないのが残念である(やけっぱちな行動なのだろうが)。


 この番組の後半は絵がひどいとの記憶があったが、この回の戦闘シーンの絵はあまりにもひどい。特にウルトラマンの顔は見るに絶えない。丁寧に時間をかけて描けば素人でももう少しはマシに描けるのではないかと思う。
 当時はアニメブームで現場はスケジュール的に一番無理があった時代だろうから仕方ないのだろうが、そのころのアニメ中でもひどいモノだったような記憶がある。この回よりさらにひどい回があったような気もするのだが?


※:製作No.23『帰りたい、帰れない(仮)』


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊98年号』(97年12月28日発行)『ザ☆ウルトラマン』特集・合評3より分載抜粋)



『ザ☆ウルトラマン』全話評 〜全記事見出し一覧