(ファミリー劇場『ザ★ウルトラマン』放映「全話評」連動連載!)
『ザ・ウルトラマン』#26「地球最大の危機!!」 ~アキヤマ前キャップ退任!
『ザ・ウルトラマン』#27「怪獣島浮上!!」 〜キャップ不在で隊員たちだけで奮戦!
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『ザ・ウルトラマン』第28話「新キャップが来た!!」 〜キャップ不在期間を経て、剛腕のゴンドウ新キャップがついに着任!
合体怪獣ダバラン登場
(作・吉川惣司 演出・八木岡正美 絵コンテ・蛭田充 怪獣原案・山口修)
(サブタイトル表記の他、象怪獣・翼竜怪獣登場)
(視聴率:関東9.7% 中部11.7% 関西8.8%)
(文・内山和正)
(1997年執筆)
科学警備隊は「象怪獣」を冷凍して倒したので、基地へ運び込もうとした。しかし、豪腕な科学警備隊の新キャップ(隊長)のゴンドウ大助は、それを軽率な態度と非難し近くの山へ運ばせる。
さらに、帰還した隊員たちに徹夜で体力づくりのトレーニングとレポート執筆をさせる。新キャップに恥ずかしくないようにと頑張ってきたみんなの気持ちを判ってくれと訴えるヒカリ隊員の言葉を「女子学生のようだ」と評す。
隊員たちは新キャップに反感を持って、キャップなどはいらないと長官に直訴する。そんなとき、ゴンドウの危惧どおりに「象怪獣」が動きだした。
(以上、ストーリー)
26話「地球最大の危機!!」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20091025/p1)のラストシーンで、地球防衛軍・極東ゾーンの我らが科学警備隊のアキヤマキャップ(隊長)は、地球防衛軍の「怪獣作戦担当」として、世界規模で怪獣と戦うプロジェクトを指揮するために、アメリカゾーンへと栄転していった。
そんななかで、続く27話「怪獣島浮上!!」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20091102/p1)では、すぐに新キャップが登場することなく、隊員たちだけで事態を解決するというパターン破りも見せてきた。
そして、そんなワンクッションを置いて、ついに新キャップが着任することになったのだ。
ゴンドウの初登場シーンは「謎の男」として、ジョギングトレーニング中のヒカリ隊員が出会うといったかたちであった。
「ウルトラマンとの合体者にに選ばれてからでも、トレーニングを欠かさない……」といった、15話「君がウルトラマンだ」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20090808/p1)で明かされた設定を踏襲しているのが嬉しい。あのエピソードではやや唐突にも思えた設定に、命が吹き込まれたともいえるだろう。
子供の視聴者ではあっても、この「謎の男」こそが新キャップだとわかるとは思われる。しかし、隠しておきたかったのであろう。オープニング主題歌の映像では、まだアキヤマ前キャップのバージョンであった。(次回から変更)
新キャラクター登場回だけに、対比としての各キャラクターの行動が派手である。隊員たちの「隊長無用」発言はリアルに考えれば軍人らしからぬし、ゴンドウものちに比べると有能ぶりを見せている。しかし、視聴者へのインパクトを強くするためであろう、そのスパルタぶりは、隊員たちを強化するよりも疲れさせて、いざというときに働けなくしてしまうのではないか? とも感じさせてしまう作劇的な隙はあった。
ヒカリ隊員(の絵)がいつもよりもキツく描かれており、ゴンドウへの反発を表わすのに適している面もある。しかし、おそらく意図してのことではなく、製作現場の乱れからだろうと察せられるだけに、不自然な凶悪さを持った絵柄になっている。
また、ゴンドウ新キャップを隊員たちが心から認めて必要とする結末は、ストーリー展開からいって個人的にはややムリがあるようにも思える。本話ではゴンドウのことを少しだけ認めて、そのあとの回でじょじょに信頼を深めていくという展開にした方が良かったのではなかろうか?(それは、当時の子供番組の作り方の常道や、作り手たちの価値観としては許されにくい展開か?)
今回のメインゲストの怪獣ダバランは、合体怪獣という設定だ。宇宙という未知の場所から来た怪獣であることと適合しており、「専門の研究者にとっても死んだように見えながらも、まだ生きていた……」といった「異様な能力」とともに、これまでの敵とはまた違う「強敵」であるとのイメージを持たせている。
しかし、その姿かたちは「象怪獣」と「翼竜怪獣」といった、既成の地球の生物を想起させてしまう怪獣たちの合体であるあたりで、「未知なる宇宙怪獣」といったイメージには合ってはいないようにも思える。
余談だが、「象怪獣」の方は、往年の巨大ロボットアニメ『勇者ライディーン』(75年)某話に登場した敵の巨大怪獣をも思わせる(記憶違いであったのであれば、申し訳ないが……)
怪獣原案(デザイン)の方は、本作の主役ウルトラマン・ジョーニアスのデザインや、次作『ウルトラマン80(エイティ)』(80年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971121/p1)のウルトラマンエイティ自身のデザインに、『80』の登場怪獣たちのデザインも担当してきた特撮デザイナー・山口修が、初期編以来ひさしぶりに担当。
太陽を背にしたウルトラマンが逆光で黒くなる演出は、この番組としては新鮮で魅力的だった。
ゴンドウ新キャップを演じるのは、名声優の柴田秀勝(しばた・ひでかつ)。野太くてシブい低音ボイスが実にハマってもいた。
◎本話の絵コンテを担当した蛭田充(ひるた・みつる)氏は、漫画家・永井豪のダイナミックプロに参加して、一時はアニメーターに転進したともいわれていた、あの漫画家の蛭田充とも同一人物なのであろうか? 蛭田充は1970年代前半の第2期ウルトラシリーズの時代に、月刊「別冊少年サンデー」に『ウルトラマンA(エース』(72年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20070430/p1)のコミカライズを担当している。同作は1970年代後半の第3期ウルトラブームの時代以降、氏の『A』の漫画が度々復刻(ASIN:B000J8LKSE・ASIN:B000J8LKS4・ASIN:B00007CFND)されたことでも知られており、『ウルトラ』にも縁がある御仁なのだ。
◎「象怪獣」を冷凍化して倒すというシチュエーションに、ウルトラシリーズのマニアであれば、次作『ウルトラマン80(エイティ)』最終回(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210315/p1)を思い起こしてしまったことだろう。
※:製作No.28『新キャップ・ゴンドウ(仮)』
シナリオでは、「合体怪獣アイバラン」名義。
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