(ファミリー劇場『ザ★ウルトラマン』放映「全話評」連動連載!)
#30『動きだした巨大化石』
骨怪獣スケルドン登場
(作・星山博之 演出・八木岡正美 絵コンテ・山口務 怪獣原案・円谷良夫)
(視聴率:関東8.8% 中部12.5% 関西13.4%)
(文・内山和正)
(1997年執筆)
土砂崩れにより化石が現れた。恐竜にそっくりであったが、恐竜誕生以前の年代のものだった。
古代博物館で復元作業が行なわれるが、夜間で中断しているうちにソレは自力で復元をすませ、毒ガスを吐きながら街で暴れ出した。
(以上、ストーリー)
本放送当時は骨でしかない怪獣にガッカリしたものだが、今観るとビル街に巨大な恐竜の骨が現れて暴れ回るのはシンプル・イズ・ベストという印象を与える。
この骨が毒ガスを吐くは、肋骨をブーメランにして飛ばすは、とあくまで迷惑ものの災厄(さいやく)の存在でしかなく、壊されてもすぐにくっついてしまいとにかく強い……と徹底している。
ビル街の戦いが意外に珍しいこともあって新鮮でもあり(というかビル街が出てきても記憶に残るほどの戦いが少なかったのではないか)、導入部を除けば科学警備隊がこれにどう挑むかに焦点をあてた大スペクタクルとなっているのでまとまりも良い。
またムツミ隊員の親しい博物館館長を登場させたことも、キャラクタードラマ的側面の弱いゴンドウ新キャップ編としては、さほど館長の人物像が描かれているわけではなくとも、ムツミの交際範囲を窺わせて多少の厚みを付与している。
◎怪獣原案の円谷良夫氏は、円谷一族の誰かか? 当時の親族の少年か? 後年の社長・円谷一夫氏のペンネームなり本名か?
※:製作No.29『恐怖! 古代の置きみやげ(仮)』