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ザ・ウルトラマン32話「宇宙からの物体X」

ファミリー劇場『ザ★ウルトラマン』放映「全話評」連動連載!)


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『ザ☆ウルトラマン』全話評 〜全記事見出し一覧

#32『宇宙からの物体X』

ロボ怪獣メガザウラ登場

(作・若槻文三 演出・八木岡正美 絵コンテ・横山裕二朗 怪獣原案・鯨井実)
(サブタイトル表記の他、暗黒星人バビラー登場)
(視聴率:関東8.9% 中部14.0% 関西11.2%)


(文・内山和正)
(1997年執筆)


 磁気嵐が原因で地球防衛軍・科学警備隊のレーダーが一時的な不能に陥った。
 その隙をついて星人バビラーはロボット怪獣メガザウラを分解して地球へ持ち込んだが、パーツの一つが紛失していた。
 それは地球防衛軍アフリカゾーンのニシキ教授の手に渡り、ロボットの一部と判断したニシキは、極東ゾーンの等身大ロボット・ピグの協力を求めて分析するため来日した。
 ゴンドウ新キャップは新入りと誤解されたのを面白がってそのままで通し、ニシキは不在のキャップの代わりに隊長をやると言い出した。
(以上、ストーリー)


 1クール(3ヶ月)に一度の割りで登場するニシキの三度目の登場。
 今回はニシキがいなくても敵を倒せただろうし、パーツをめぐって争奪戦というほどのものが起きるわけでもなく、メガザウラの強さ・魅力が示されるわけでもなく(格好良いので残念)、冒頭で感じさせるヒーローもの的攻防戦への期待は覆されるおふざけ中心の回である。


 しかし真の中心であり魅力たる要素は、ニシキとピグ(ニシキにはピッケル君と呼ばれる)の間に生じる心のつながりだ。
 ピグは自分が研究材料にされる(外装を脱ぐ)のを恥ずかしがって躊躇したために、研究前に星人にパーツを盗まれてしまったと責任を感じ、ニシキはピグの心を考えてやらなかったことを詫びるのだ。


 ニシキがピグをひとつの人格として尊重し、ロボット工場ではなくメディカルルームで養生させるまでになるラストは涙ものだ。


◎『宇宙からの物体X』のサブタイトルは、SFホラー映画の古典『遊星よりの物体X(原題・The Thing from Another World)』(51年・アメリカ)からの引用だろう。奇しくも本作放映3年後のSF洋画ブームの渦中、「より」を「から」の邦題に変えたリメイク『遊星からの物体X(原題・The Thing)』(82年)が公開されている。


※:製作No.34『宇宙からの物体X(仮)』
 シナリオでは、別名は「ロボット怪獣」名義。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊98年号』(97年12月28日発行)『ザ☆ウルトラマン』特集・合評3より分載抜粋)



編集者付記:
 DVDライナーノーツで発覚した新事実。本話の絵コンテを担当した横山裕二朗氏は、他の回でよく見かける横山裕一郎(実は本作のメインディレクター・神田武幸(かんだ・たけゆき)の名義の誤植ではなく、TV局・TBSにて主にアニメ番組を担当してきたプロデューサー・忠隅昌(ただくま・あきら)氏のペンネームであったそうな。人手不足であったのと、過去に何千とアニメの絵コンテを見てきた経験からの見よう見真似だったそうだが(謙遜でしょうか?)、特にこの回だけ素人クサい脆弱な印象を受ける、などということはまったくなかったと思うのは筆者だけか?


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