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ウルトラマン80 18話「魔の怪獣島へ飛べ!!(後編)」 ~3大怪獣登場! 人間怪獣!? イトウチーフの悲恋!

(ファミリー劇場『ウルトラマンエイティ』放映記念「全話評」連動連載!)
『ウルトラマン80』#17「魔の怪獣島へ飛べ!!(前編)」 ~2大怪獣出現! ひと気のない島、怪獣の手のひらに乗るナゾの女性
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『ウルトラマン80』第18話『魔の怪獣島へ飛べ!!(後編)』 ~3大怪獣登場! 人間怪獣!? イトウチーフの悲恋!

吸血怪獣ギマイラ 人間怪獣ラブラス たこ怪獣ダロン登場

(作・阿井文瓶 監督・湯浅憲明 特撮監督・佐川和夫 放映日・80年7月30日)
(視聴率:関東9.2% 中部13.6% 関西12.3%)


(文・内山和正)
(1999年執筆)


 第17話「魔の怪獣島へ飛べ!!(前編)」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20100822/p1)のアラスジ紹介のナレーションで話ははじまる。姿を見せぬ怪獣の雄たけびに操られた怪獣ラブラスのハサミ状の左手が、怪獣ダロンに羽交い絞めにされたウルトラマン80(エイティ)の首を直撃せんとした同話のラストシーンから、話は再開する。


 怪獣ラブラスことその正体でもある防衛組織UGMのイトウチーフ(副隊長)は、その精神力でギリギリのところで敵のコントロールを脱し、その攻撃目標を変えて左手のハサミが怪獣ダロンに直撃した……


 という始まり方だが、前回の映像からすると80を直撃していたはずで、ズルい演出手法だ。


 ラブラスの一撃で傷ついたダロンの羽交い絞めから脱した80は、形勢を逆転! 新技である光の長大な槍・ウルトラレイランスを右拳の中に発生させて、投擲(とうてき)! ダロンの頭部を貫いた!


 ダロンは仰向けに後ろに倒れて、光となって消滅する。


 しかし80にも、ラブラスを元の人間・イトウチーフに戻す術(すべ)はなかった……


 80は矢的猛(やまと・たけし)隊員の姿に戻って、気を失っていたUGMのハラダ・タジマ両隊員を起こして、海岸のキャンプベースに戻る。その道程で走りながら、両隊員はなぜ矢的がラブラスの正体がイトウであると見破ったのか? と質問する。


 「矢的、おまえまるで宇宙人みたいだな。透視能力でも持っているのか?」


 「いえ、ただの直観です」


 そののちのシーンでも、人々を操る麻薬成分を持つ霧に、正体は宇宙人・ウルトラマン80である矢的だけは防毒マスクなしでも活動できるシーンを描く。


 過剰な深刻感はないが、矢的の正体をバラしてはいけないという作品自体の基本設定の中核・タブーにふれてしまうシーン。


●まるで宇宙人のような直観力・透視力・洞察力を保持すること、あるいは浮世離れした発言をすることを、オオヤマキャップに指摘される第1話「ウルトラマン先生」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20100502/p1
●受け持ちの生徒・塚本に、正体はウルトラマンだと思い込みされる2話「先生の秘密」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20100507/p1
●ゲストの日比野博士が、ラストでその正体に気付いたかもしれない8話「よみがえった伝説」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20100620/p1


 本作には、小さいけれども際どい描写が多い。


 もちろん、この種の描写を安売りして多くしてしまうと、それはそれで驚きも薄れてしまう。よって、さじ加減の難しいところなのだ。しかし、好意的に深読みするなら、矢的の正体が最終回に至っては実は隊員たちにバレていたことの伏線のひとつにもなるだろう。主人公が肝心なときには戦線にいないという状況証拠から見ても、周囲の人間たちがその正体を微塵たりとも推測しない、従来のウルトラシリーズの方が不自然であったとの見方も充分に成り立つのだし。そのへんに、前作『ザ・ウルトラマン』(79年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20100430/p1)同様、本作は踏み込んだとも解釈ができるだろう。


 スペクトル(光学調査)の分析結果から、UGM基地内でその組成を再構成してみせたナゾの麻薬成分を持つ“霧”を、逆に分解・中和する方法を調査中であることを、うまく行けばラブラスをイトウに戻せる可能性を、基地内に残っていたオオヤマキャップ(隊長)は、15話「悪魔博士の実験室」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20100808/p1)で初登場して本話の前編には登場しなかった広報班の太っちょ・セラに語ってみせる。


 このあたりは派手さはない地味なものだが、SF科学的ではある。13話「必殺! フォーメーション・ヤマト」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20100725/p1)以降に開幕したUGM編で、増員されてきたUGM側の新キャラクターたちにも登場機会を増やして、「SF性」と「UGMの群像劇」とを両立したい作劇の狙いもあるのだろう。



 しかし、潮風島の岬の先で、霧を発する洞窟から伸びてくる触手が、催眠状態で集まってきた人々の首から生き血を吸うワンシーンを挟んで、UGM本部司令室に映像が戻るや、やってきた城野エミ(じょうの・えみ)隊員は「霧が宇宙のカオスであり、薬品分解などはとてもできない」という絶望的な調査結果を語る。落胆するオオヤマとセラ。


 潮風島(しおかぜじま)でUGM隊員たちの行動を妨害し、ついにはキャンプから爆薬を盗んだナゾの女性を追い詰めた矢的との会話で、彼女はイトウの婚約者の星沢子(ほし・さわこ)だとわかる。霧の中でも大丈夫な理由は、彼女が20年前に宇宙を航行中に宇宙怪獣ギマイラによって宇宙船を破壊されて、地球に漂着して潮風島の人々に育てられた宇宙人だからだという。怪獣ギマイラも漂着し、潮風島の岬の突端に棲み付いていたのだという。


 さらに、イトウが怪獣化したのは霧と同時に怪獣の怪光線を浴びたからであり、イトウは死ななければ人間には戻れない、沢子を育ててくれた義父もそうであったから……といった衝撃の事実が明かされる。


 沢子はイトウと父の仇である怪獣に対して、潮風島の人々に報いるためにも、爆薬を持って洞窟に特攻する。


 大爆発で岬が崩落する!


 それと当時に、怪獣ギマイラがその姿をついに見せる!


 その映像を見て、オオヤマキャップもひさしぶりに基地での後方司令を離れ、現場への出撃を決意する。


 隊員たちの職務に対する必死な姿に心を打たれて、同席取材をすることを志願するセラ。それを認めるオオヤマ。



 ウルトラマン80対ギマイラの死闘。


 80に加勢するためラブラスも参戦する!


 しかし、激闘の末にギマイラのツノがラブラスを貫く!


 怒りにかられた80が、高空から必殺キックをギマイラに見舞った!!


 ギマイラは大爆発を遂げた!



 人間を怪獣に変える能力を持った、宇宙から来た怪獣ギマイラの脅威。ギマイラに殺されて人間に戻ったイトウ。自分の命を与えることで蘇らせる沢子の愛。なにか民話を思わせるような話だ。命の譲渡は不自然に思えて、抵抗を感じたりもするのだが。考えてみればウルトラマン一族自体が命をあげたりもらったりできる種族だったから、同じシリーズの一環として考えれば不自然さはウスまるはずだ。


 イトウもその正体は宇宙人だと知りつつ彼女と結婚しようとしていたなど、フランス在住中にも沢子と文通していたという肉付けで、第14話「テレポーテーション! パリから来た男」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20100801/p1)にてUGM・ヨーロッパエリアから赴任してきた男であるという設定の延長で裏打ちをしつつも、人物像の幅広いキャラクターとすることができていた。


 ラストシーンなどの下手をすると白々しくなりかねない非現実的でファンタジックな悲劇シチュエーションの説得力は、凛としつつも清涼感のある星沢子を演じた竹井みどりの演技力のたまものだろう。竹井みどりは、東映の巨大ロボット特撮『大鉄人17(ワンセブン)』(77年)のヒロインであり、同作の防衛組織・レッドマフラー隊の佐原千恵役でジャンルファンにはあまりにも有名である。


 ふたりのラブロマンスが印象的な一編に仕上がった。


 イトウの傷心を知りつつ、UGM本部で待機する城野エミ隊員にはその実態は通達せずに、イトウにはあと5日間の休暇を与えることにしたと発言するオオヤマキャップの気遣い。この不幸かつ美しい愛の話は記事にはしない、と涙を浮かべながら語るUGM広報班のセラの言動など、ヒューマンなシメとなる。



 話としては良い話ではある。しかし、前後編であり複数怪獣も登場するイベント編でありながらも、スカッとした爽快な娯楽編・攻防バトル編とはなっていない。湿っぽい人間ドラマも入れてしまうところは製作者の良心でもあり、第2〜3期ウルトラシリーズの良いところでもある。けれども同時に、人間ドラマ性は低くても娯楽活劇性には勝(まさ)っていた『仮面ライダー』(71年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20140407/p1)シリーズや『マジンガーZ』(72年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200119/p1)シリーズなどと比較すれば、それこそがウルトラシリーズがこれらの作品の後塵を拝してしまった原因であり弱点でもあったわけだ。このあたりがウルトラシリーズの評価が多面的で是々非々的な語り口にならざるをえない、難しいところでもあるだろう。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2000年号』(99年12月26日発行)『ウルトラマン80』大特集・合評8「ウルトラマン80全話評」より分載抜粋)


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