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ウルトラマン80 23話「SOS!! 宇宙アメーバの大侵略」

ファミリー劇場ウルトラマンエイティ』放映記念(10月から毎週土曜より放映!)「全話評」連動連載!)


『ウルトラマン80』全話評 〜全記事見出し一覧

第23話『SOS!! 宇宙アメーバの大侵略』

アメーバ怪獣アメーザ 宇宙アメーバ登場

(作・山浦弘靖 監督:外山徹 特撮監督・高野宏一 放映日・80年9月3日)
(視聴率:関東9.0% 中部14.5% 関西14.7%)


(文・内山和正)
(1999年執筆)


 UGMの宇宙戦艦スペースマミーは、T28星雲アメーザ星から帰還中にSOS信号を発信した地球防衛軍の宇宙探査船スペース7号の救出に宇宙へむかうが、スペース7号の内部は黄緑色をしたスライム状の宇宙アメーバに覆われており乗務員も殺されて、無人のまま地球へ降下しようとしていた。


 地球に墜落したり地球上空で撃破すると、宇宙アメーバが地上に落下して大繁殖して人類が絶滅してしまう恐れがある。
 だれかがスペース7号に直接搭乗して進路を変えねばならないが、その者はアメーバに殺されてしまう可能性が高い。


 自分がその犠牲になろうとして、


 「給料分の働きはせにゃあな」


 と云いつつ右胸のポケットから出したお守りを母に届けてくれと頼むイトウチーフ(副隊長)や、一人っ子のチーフとはちがい兄弟がたくさんいる自分がやりますと志願するハラダ隊員をミゾオチへのパンチで気絶させ、自分には哀しむ家族や身内もいないからと主人公・矢的猛(やまと・たけし)隊員は乗り込むが……


 矢的が搭乗して操縦するスペース7号。
 UGM隊員たちはスペース7号の進路を変えた矢的にむろん脱出を促(うなが)して、地上から打ち上げた撃墜用の大型ミサイル・R1(アールワン 〜『ウルトラセブン』(67年)26話「超兵器R1号」からの引用だろう)でスペース7号を撃破しようとする。


 宇宙での船外活動用のヘルメットが操縦室内に潜入していた宇宙アメーバに溶かされて小さな穴が空いて脱出不能になってしまったり、それに応じてスペース7号撃墜を中止して急迫するR1ミサイルを遠隔操作で自爆させようとUGM司令室では決定するも、宇宙空間の小隕石が外壁に衝突した影響でR1の自爆装置が故障していたり、と皮肉ではなく云うのだがドラマづくりに都合がよい意地の悪い作劇による異変が次々に相次いで、矢的を追いつめていく。


 都合がよいといっても、サスペンス描写的には盛り上がる。
 傍から見たら、もしかして異常に見えるかもしれないほどに、地上のオオヤマキャップ(隊長)は矢的救命のため力を尽くし、決してあきらめはしない。


 そんなオオヤマの姿も、地球のために死んでいくのはかまわないが、他の隊員たちのように哀しんでくれる家族がないまま、宇宙で孤独に死んでいくことに寂しさを感じる矢的の心情も胸にせまる。


 幸いにして、前方にスペース7号が着陸できるほどの巨大な球形の小惑星が通過することをUGM司令室は確認する。
 ここに強制着陸させたあとで、スペースマミーも同時に着陸して、矢的を同時に救出できると判断された。


 矢的らが安堵したのも束の間、またも危機が訪れる!
 スペース7号のエンジンルームに巣くっていた宇宙アメーバが、コクピット背後のドアにまでついに押し寄せてきて猛烈な圧力でガンガンと打ち破らんとしだしたのだ。
 矢的は座席シートでドアを押さえつけるも、微量にアメーバはドアの隙間から侵入してきてしまう。消火器状の冷却ガス(?)で滅殺するも、矢的の体力にも限界が迫る。


 通信でUGM隊員たちに別れの言葉を告げる矢的。
 それに対してオオヤマが「あきらめるな!」「自分には家族がいないと云ったそうだな。我々UGM隊員たちこそが家族じゃないか!」と熱く力説するシーンも人間ドラマとしては感動的だ。


 しかしついに、宇宙アメーバはドアを破って大侵入、退いた矢的の背中にも大量のアメーバが飛び掛ってきた!
 その体勢のときに、スペース7号は小惑星に不時着して大爆発!


 刹那、同じ体勢のままで背中に緑色の巨大怪獣アメーザにのしかかられたウルトラマン80が姿を現した!


 このへんは展開が飛躍しているともいえるだろうし、子供向け特撮ヒーロー怪獣ものとしてはつながりがよいともいえるだろう。


 それまで人間ドラマ主導であったためか、怪獣バトルの尺はいつもより短いのだが、山や谷などの起伏が激しい小惑星の暗い大地で緑色の照明を時に当てつつ、ウルトラマン80はアメーザと迫力あるバトルを披露。これをついに倒した。


 無事に地球に戻って、UGM司令室での矢的・イトウ・ハラダの昼飯を貸しにした・覚えていないとの明るく俗っぽいやりとりで、本話は締めとなる。



 本話は人間描写や人間ドラマ的には優れている。
 しかし、ギミック的にはいくつか欠点もある。


 スペース7号を地球近辺で撃破できない理由は合理的なのだが、汚染されたスペース7号にあえて搭乗せずともロープや錨(いかり)などの装備で、スペースマミーがスペース7号を牽引(けんいん)して遠方に曳航(えいこう)できないものなのか? との疑問も、幼児はともかく小学校中高学年以上の年長視聴者であれば浮かんでしまうだろう。
 曳航できないならば、牽引装備がたまたま整備中で保持していなかったなどの言い訳などもしてほしかった(あっても尺数の都合でカットか?)。


 また、矢的はウルトラマン80に変身してしまえば死なずに何とかなるはずで、あるいは人間ならば死んでしまう状況に陥(おちい)っても死ぬことはなさそうにも思えるし、そのワリには自身の生死に悩んだり、そのあたりの欠陥が気になる。
 この真空である宇宙空間の危機的状況で生き残ってしまっては、不審がられて正体がバレてしまい地球にいることができなくなる、地球人としての矢的は死んでしまうことになり、皆と別れなければならなくなる……というような種類の苦悩であった方がよかったのではあるまいか?
 (ちょっと煩雑になるし、切迫感にも欠けるかな?)


 実際にも本話のラストでは、おそらく真空と思われる小惑星上で、ヘルメットがない状態の宇宙服姿の矢的を、スペースマミーで駆けつけたイトウとハラダが救出するという微妙なオチとなる。
 応急処置のテープを貼ったヘルメットをしているなどの、それはそれでご都合主義ではあるものの逃げがほしかったところだが。


 当時の特撮ものではアリガチだったとはいえ、アニメでは最低限のSF科学性をようやく達成しえていた時代に、宇宙空間を舞台にした話であるにも関わらず小学生の科学の知識レベルでも賛否を呼びそうな描写ではある。


 『ウルトラマン80(エイティ)』(80年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971121/p1)の脚本と同時に並行して、テレビアニメ『銀河鉄道999(スリーナイン)』(78年)や、『機動戦士ガンダム』(79年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19990801/p1)の富野喜幸(とみの・よしゆき)監督によるリアルロボットアニメ第2弾『伝説巨神(でんせつきょじん)イデオン』(80年)の脚本も手懸けていた山浦弘靖氏にしてこうである。


 テレビドラマや映画などは集団作業であるゆえ、脚本家個人の責任とは云いがたいし、その脚本にOKを出したプロデューサーや、脚本にあったかもしれないイメージを映像化できなかった撮影現場など、原因にはいろいろな要素が考えられるのだが……



 それ以外の要素は、傑作といってよいと思う。



◎宇宙アメーバは、70年代に児童間で大ヒットしたスライムという玩具を大量に使用したものだろう。


◎それほど気になるものでもないとは思うが、19話「はぐれ星爆破命令」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100905/p1)でも、スペースマミーの搭乗員に選ばれなかった矢的が、出発直前に陰からハラダ隊員に当て身を喰らわし気絶させ、代わりに搭乗するシーンがあり、本話での同様シーンとネタかかぶってしまっており、ついついそれも連想してしまうのはマニアの性(さが)か?


◎スペース7号は、円谷プロ製作の宇宙ものテレビ特撮『スターウルフ』(78年)の主役メカ・バッカスⅢ世号の改造だそうだ。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2000年号』(99年12月26日発行)『ウルトラマン80』大特集・合評8「ウルトラマン80全話評」より分載抜粋)



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