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ウルトラマン80 39話「ボクは怪獣だーい」

(「ボクは怪獣だ〜い」という表記は間違い。「〜」ではなく「ー」ですよ・笑)
ファミリー劇場ウルトラマンエイティ』放映記念「全話評」連動連載!)


『ウルトラマン80』全話評 〜全記事見出し一覧

第39話『ボクは怪獣だーい』 〜1980年版カネゴンに終わらず!

怪獣少年テツオン 宇宙植物登場

(作・平野靖司 監督・湯浅憲明 特撮監督・高野宏一 放映日・81年1月7日)
(視聴率:関東9.8% 中部10.8% 関西12.0%)


(文・久保達也)
(2010年11月執筆)


 学校の勉強も少年野球のプレーもイマイチな小学生・田畑テツ男が、ある日野球の試合中に偶然ボールが当たって墜落した銀色のミニミニUFOの中から現れた、まだら模様の「UFOの卵」(正体は宇宙植物の種子)を、皆で奪い合ううちに偶然にもそれを飲みこんでしまう。


 テツ男は『ウルトラQ』(66年)第16話『カネゴンの繭』に登場したコイン怪獣カネゴンに似た形状の頭部(緑色の一対の触角は回転ギミックがある)に、『快獣ブースカ』(66年・円谷プロ 日本テレビ)の主役怪獣、もとい快獣ブースカにそっくりのふっくらとした体型
 ――全身黄色で塗装されているのもブースカを彷彿とさせる。ところどころにモールドされている穴模様や、背中のトゲ状のヒレが緑色なのは、宇宙植物の影響による産物であることの象徴か?――
 をした少年怪獣テツオンへと変貌を遂げてしまう。


 以後テツオンは野球では打てば必ずホームランなどファインプレーを連発、友人が困っていた学校の宿題を肩代わりするどころか、近所の浪人生の学習指導までも引き受ける(代償のケーキ30個はブースカのラーメン30杯に対するオマージュか?)ほどの優秀な頭脳を持ち、近所のガンコおやじの敷地に入ってしまったボールを念力で取り戻したり、テレポーテーションといった超能力をも発揮できるようになる。


 UGMに対してテツオンを元のテツ男に戻してくれるよう懇願する両親をよそに、テツ男はこのまま怪獣でいた方がいいと主張。
 矢的は優秀な怪獣として生きるか、ダメ人間に戻るか、テツ男に人生の選択を迫る……



 「これはまったくのカネゴンになっちゃいましたね(笑)。最初はそのつもりじゃなかったんですけど、できてみたら「なんだ、これカネゴンじゃん」って(笑)」


 「自分としては、カネゴンというよりも、もっと恐い怪獣にしたかったんです。突然変異の恐ろしさみたいなことですね。修正しているうちに、妙に可愛らしい怪獣になっちゃったんですね。『80』の後半は、突然の路線変更で子供向けにするというので、僕自身ちょっと萎(な)えちゃったんですよ(笑)。それもあって、後半は凄く苦労して書いたのを覚えていますね。昔の怪獣を出そうという話にも抵抗がありましたね」


 (脚本/平野靖士インタビュー・タツミムック『検証・ウルトラシリーズ 君はウルトラマン80を愛しているか』(辰巳出版 06年2月5日発行・05年12月22日実売・ISBN:4777802124))



 平野氏はそう発言しているが、『カネゴンの繭』が金に異常に執着する小学生・加根田金男がカネゴンへと変貌し、それを仲間たちがなんとかして元に戻そうとする珍騒動を描いていたのに対し、今回は逆にテツ男自身がラスト近くまで元の姿に戻りたいという願望を持たず、周囲も彼の才能・能力をありがたがるという展開であることから、まったくのリメイクには終わっていないと思える。


 金男が冒頭で描写されているように完全なガキ大将タイプであったのに対し、テツ男がまったくのダメ人間として設定されたことにより、同様の題材を扱いながらも正反対の物語を描き出すことには成功している。
 姿は怪獣であるものの、ウルトラマンと同様、子供の変身願望を満たす展開にはなっていると思うのだ。それこそ筆者みたいなダメ人間にはおおいに共感できる物語である(笑)。


 ただ、先の平野氏の発言にあったように、氏の当時の気分が作用してしまったのか、全体的には可もなく不可もなくといった印象であり、特筆すべき点があまりにも少ないのである。



 UFOが墜落した際、少年野球チームのひとり(初期の学校編に登場したハカセ=上野博士みたいな小柄で眼鏡をかけた少年)が


 「第1種接近遭遇ですよこれは」


 と語ったのは、70年代末期に日本に海外SFブーム(第3次怪獣ブームはここから派生した流れでもある)を巻き起こしたスティーブン・スピルバーグ監督の映画『未知との遭遇』(コロムビア映画・日本公開78年2月25日)からの引用。


 テツオンを町の仮装大会に出場させたことで子供たちがもらえた賞品がビデオカメラのセットであったり――当時はまだビデオデッキすらも一般家庭にはそれほど普及していなかったことから、それこそ「高根の花」としての印象を強くさせている――、それを使ってテツオンと出来の悪いコスチュームのウルトラマンエイティを戦わせて怪獣映画を撮影する(特撮のあまりものであろうミニチュアセットが妙にリアル・笑)というのも、マニアたちによる自主映画の製作が華やかだった80年代前半のころの時代の反映にも思える。


 さらにはテツオンを見て驚いたラーメン屋の出前持ちが自転車ごとひっくり返る描写は、70年代の実写ドラマでは定番として描かれたものであり、ユルユルほのぼのとした世界観の中で次々に出てくる時代の象徴の数々は、中年男をニンマリとさせるものがある。



 だが一歩突き抜けた面白さに欠けているのである。


 それこそ石堂淑朗(いしどう・としろう)大先生の脚本回である第34話『ヘンテコリンな魚を釣ったぞ!』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101218/p1)とか、第36話『がんばれ! クワガタ越冬隊』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110101/p1)の方が、同じ子供たちがギャアギャアと騒ぎまくるような話でも、よほど笑える描写が多かったのである。
 監督は昭和の『ガメラ』シリーズ(65〜80年・大映)で有名な故・湯浅憲明であり、氏は第34話も手がけているのだが、やはりあのギャグ描写は監督の演出より、石堂大先生の手腕による部分が大きいのか?(笑)


 UGMのメンバーも通常の回以上にまじめに演じている印象があるが(そもそも作戦室でUGMに湿っぽく訴える両親の描写なんかもそうだが、『カネゴンの繭』の金男の両親みたいに、金男以上にハチャメチャな姿を描いた方がよかったんじゃないのか?)、これまた石堂大先生の脚本回である第37話『怖れていたバルタン星人の動物園作戦』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110108/p1)のように、UGM隊員の描写も含め、徹底的な抱腹絶倒のコメディ話に仕立て上げた方がよい題材ではないかと思えるのだが。
 全編ギャグ演出の話が続発した『ウルトラマンマックス』(05年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060311/p1)や『ウルトラマンメビウス』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070506/p1)を視聴したあとの現在の観点では、どうしてもそんな欲求が出てきてしまうのである。



子供たち「や〜い、おばけおばけ〜」


カネゴン「おばけなんかじゃないよ!」


 都会の雑踏で見知らぬ子供たちにはやしたてられ、ひとりたたずむカネゴンの姿が『カネゴンの繭』では印象的に描かれていたが、テツオンもその能力の高さゆえに、逆に仲間たちが次第に離れていき、カネゴン同様の孤独を味わうことになる。
 美しい夕焼けの中でひとりたたずむテツオンの描写は、それを強く印象づける名場面となっている。


 野球や勉強を努力なしでできても、それが原因で友達を失ってもいいのかと矢的に諭(さと)され、交番の前でテツオンに迷惑をかけられた人々に謝る両親の姿を見て、テツ男は遂に


 「元の姿に戻りたいよう〜!」


 と叫ぶ。


 矢的はテツ男を怪獣化させた宇宙植物を倒すため、エイティへと変身、ミクロ化してテツオンの体内へと突入する!


 だがこれも尺があまりにも短く、宇宙植物も画面ではディテールが判然としづらいのも難点である
 (両腕に長い触手を持つ、背中に甲羅があるゴキブリのような昆虫型の生物のようにも見える)。


 『ウルトラセブン』(67年)第31話『悪魔の住む花』で宇宙細菌ダリーに吸血鬼にされた女子大生・香織
 ――もう説明不要かと思うが、近年ではNHKの連続テレビ小説ゲゲゲの女房』(10年)に貸本屋の店主役で出演していた松坂慶子が演じた――
  の体内にウルトラセブンがミクロ化して進入して以来のことなのだから、それなみに丁寧に描いてほしかった(ダリーとのバトルも『セブン』の中では比較的長い方である)。


 テツオンの体内の美術セットの出来も『セブン』のころと比較すると進歩を遂げているような印象があるので、なおさらもったいないのであるが……
 特撮演出の方でも元に戻ったテツオの姿と、夜空に立つエイティの勇姿の合成カットが最も印象的というのもなあ。



 今回は新年(81年)一発目の放映となったのだが、


 『ウルトラマン』(66年)のそれは(67年元旦の放映!)どくろ怪獣レッドキング、彗星怪獣ドラコ、冷凍怪獣ギガスが日本アルプスで激突する(いやぁ〜ホントにめでたいめでたい!)第25話『怪彗星ツイフォン』。


 『ウルトラセブン』(67年)は現在でも根強い人気を誇る宇宙ロボットキングジョーが登場する第14話『ウルトラ警備隊西へ(前編)』。


 『ウルトラマンタロウ』(73年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071202/p1)はウルトラ6兄弟と暴君怪獣タイラントの戦いを描きつつ、「35大怪獣・宇宙人登場」(!)として、過去の格闘名場面集(昨今のような再編集ものの映像ソフトなんぞ当然存在しなかった当時、これは本当に嬉しかったものだ!)までをも折りこんだ超豪華編の第40話『ウルトラ兄弟を超えてゆけ!』。


 『ウルトラマンレオ』(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090405/p1)はウルトラ兄弟の登場と、レオ・アストラ兄弟が暗黒星人ババルウ星人と対決する第39話『レオ兄弟ウルトラ兄弟勝利の時』であったのだ!


 やはり新年1発目はそれくらいに派手なイベント編で幕を開けた方がよかったのではないか?
 『80』の場合、80年12月31日の放映は毎年大晦日に放映している『輝く日本レコード大賞』の放送で1週休みとなったため、視聴習慣のことを考えればなおさらだったのではないのか?


 この回から81年1月度の『80』は比較的ユル目の作品が連続する。
 そのことが、2月初っぱなに放映されたせっかくのイベント編である第43話『ウルトラの星から飛んできた女戦士』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110219/p1)の視聴率が、関東地区で『80』全話中ワースト2位(6.9%)を記録したことと無関係であるとは筆者にはどうしても思えないのである。
 せめて第44話『激ファイト! 80VS(たい)ウルトラセブン』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110226/p1)とか、第46話『恐れていたレッドキングの復活宣言』のような回と交互に放映していれば、そのような事態は防げたのではなかろうか?


 今回の騒動の発端となった、UFOで地球に送られた宇宙植物の種子は、『セブン』第2話『緑の恐怖』で人間を植物化させた宇宙金属・チルソナイト808(はちまるはち)のような侵略の手段ではなく、地球への友好のしるしとしての贈り物(放映日からすると「お年玉」といったところか)といった解釈が矢的とエミの会話でなされている。
 あくまで「事故」といったところだが、それに比べれば加根田金男が金に執着していなかったら、カネゴンの繭が彼を怪獣化させることもなかったとも解釈でき、そちらの方がよほど『80』的かと思えたりもするのだが
 (マイナスエネルギーで生み出された怪獣の元祖は実はカネゴンだった!?)。


 それにしても、少年野球の試合を見ながら会話する私服姿の矢的とエミ(矢的は白のTシャツに黒のジャケット・ジーンズ姿、エミは赤いツーピース姿)のツーショットはかなりの久しぶり。第43話への伏線として、こうした描写がこの時期もっとあってもよかったと思えるのだが。


 この論も普段より尺が短いので(笑)、今回の脚本を書いた平野靖士の考えるウルトラマン像を紹介して幕とさせて頂きたい。


 「ウルトラマンは普通に戦うわけじゃなくて、アクションの中にドラマがあるわけですけど、僕はヒーローが暗くなってはいけないと思うんです。ウルトラマンは、基本的には深く悩んだりしたらいけないと思う。そのためにどのように話を構築するかと言えば、いかに悪の論理をハッキリさせるかだと思うんです。ヘンに悪党に正当性があると、正義の味方が悩んじゃう。でも、わかりあえる相手じゃないんだったら、やっつけるか、よそへ行ってもらうしかないわけです。そういう善悪の割り切りがはっきりある中での痛快な戦いというのが、最もウルトラマンらしい戦いだと思いますね」
 (『君はウルトラマン80を愛しているか』)



<こだわりコーナー>


「『80』の後半は、突然の路線変更で子供向けにするというので、僕自身ちょっと萎えちゃったんですよ(笑)。」
 (平野靖士インタビュー・『君はウルトラマン80を愛しているか』)


 円谷プロの満田かずほプロデューサーは、「『80』では路線変更したつもりはない(大意)」と各誌で発言しているが、どう見ても路線変更はしてるだろう(笑)。平野の発言はそれを傍証するものでもある。


ブースカに酷似した体型のテツオンとテツ男の声を兼任したのは『快獣ブースカ』でブースカの声を演じた声優の高橋和枝――1929(昭和4年).3.20−99.3.23. 余談だが、彼女の亡くなった99年は『ブースカ』のリメイク『ブースカ! ブースカ!!』(円谷プロ テレビ東京)が放映された年でもある――である。


 49年にNHK東京放送劇団養成所の第3期生――同期には『ウルトラマンタロウ』でZAT(ザット・『タロウ』で活躍した防衛組織)の朝日奈勇太郎隊長を演じた故・名古屋章(なごや・あきら)や、声優の勝田久らがいる――となり、NHKラジオドラマ『都会の幸福』(49年)でデビュー。
 52年に退団後はラジオ東京(現・TBS)の所属となり、56年には一旦フリーとなるが、その後は河の会、テアトル・エコーにも在籍している。


 円谷作品とは非常に縁の深い声優であり、『快獣ブースカ』以外にも『チビラくん』(70年・日本テレビ)のガキンコ(2代目。初代の声を演じたのは現在でも活動するマルチタレントの水森亜土)、『恐竜探検隊ボーンフリー』(76年・NET→現テレビ朝日)の正木博士の孫・正男、『スターウルフ』(77年・日本テレビ)のコンピューターロボットRM8号、『恐竜大戦争アイゼンボーグ』(77年・東京12チャンネル→現テレビ東京)の魔女ゾビーナなどのレギュラーのほか、『ウルトラマンレオ』第23話『ベッドから落ちたいたずら星人』で快人コロ星人の声を演じている。


 また映画『ウルトラマン物語−ストーリー−』(84年・松竹)の併映作品だった円谷プロ製作の実写映画『アニメちゃん』(脚本は本話の平野靖司で、改名後の平野靖士名義。ビデオソフトの時代も含め、現在に至るまで一切映像ソフト化されていない「幻の作品」である)にカネゴンや友好珍獣ピグモンとともに登場したブースカの声も担当したほか、東映不思議コメディシリーズ『有言実行三姉妹(シスターズ)シュシュトリアン』(93年・東映 フジテレビ)第40話『ウルトラマンに逢いたい』
 ――名場面再編集&オリジナルビデオ作品『ウルトラマンVS仮面ライダー』(93年・バンダイビジュアル)の打ち上げの席で、当時の円谷一夫営業部長が東映の日笠淳プロデューサーに提案して実現した奇跡のコラボレーションである! 円谷プロの旧社屋をロケ地に、宇宙忍者バルタン星人、隕石怪獣ガラモン、宇宙怪獣エレキング、三面怪人ダダ、古代怪獣ゴモラなどが登場したほか、『ウルトラマン』で主人公のハヤタ隊員を演じた黒部進が怪獣の着ぐるみのメンテナンス係役で出演し、ウルトラマンへの変身まで披露した!――
 に登場したブースカの声もちゃんと演じていた。
 ほかにも『超力(ちょうりき)戦隊オーレンジャー』(95年・東映 テレビ朝日)ではマシン獣バラグースカの声を演じていたようであるが、やはり名前がブースカと似ていたからであろうか?


 アニメでは『鉄人28号』(63〜67年・エイケン フジテレビ)の主人公・金田正太郎、『おそ松くん』(66年・スタジオゼロ 毎日放送)のライバル・チビ太、合体ロボアニメ『鋼鉄ジーグ』(75年・東映動画→現東映アニメーション NET)の敵首領・女王ヒミカ、『ドラえもん』(79年〜・シンエイ動画 テレビ朝日)の黄色いドラえもん(初代)が代表的なところ。


 だが、なんといっても最も有名なのは、『サザエさん』(69年〜・エイケン フジテレビ)で1クールで降板した大山のぶ代(おおやま・のぶよ。79年版のドラえもんの声で有名)に代わり、98年に倒れるまでの29年間も務め続けた磯野カツオの声を演じたことであろう。
 彼女が降板した当時に伊佐坂うきえ役だった冨永みーなが代役としてカツオを演じることとなったが、2010年で早くも12年となり、3代目カツオの声もすっかりお茶の間に定着していることから、若い世代では高橋が演じた2代目カツオの声が記憶にない人も多いのではなかろうか?
 なお現在ではよく知られていることではあるが、冨永は子役時代に冨永美子(とみなが・よしこ)の芸名で『ウルトラマンレオ』に梅田カオル役でレギュラー出演しており、第23話ですでに高橋と共演している。
 その高橋の代表作であるカツオ役を冨永が引き継ぐとは、なんとも不思議な因縁を感じてならないものがある。


 ちなみに1950年代にニッポン放送で制作されたラジオドラマの『サザエさん』でも高橋はカツオを演じていたが、80年代にも文化放送制作、アニメ同様東芝の提供で『サザエさん』のラジオドラマが放送されており、登場人物は全てアニメと同じ声優が担当していたらしい。


 そして『サザエさん』の挿入歌『カツオくん〜星を見上げて』、『快獣ブースカ』の主題歌『快獣ブースカ』に挿入歌『陽気なブースカ』『ブースカソング』『ブースカ音頭』、『チビラくん』の挿入歌『ガキンコガキ大将』なども自ら歌唱していた。
 現在でこそ声優がイメージソングを歌唱することは当然のことになっているが、当時はここまで歌っていた声優は珍しく、ある意味アイドル声優の元祖といっても過言ではなかろう。


 また刑事ドラマ『太陽にほえろ!』(72〜86年・東宝 日本テレビ)第369話『その一言』にキオスクの店員役、第424話『拳銃を追え!』に容疑者の母親役で出演するなどもしていた。


 他界して11年を経た本年2010年、第4回声優アワード特別功労賞を受賞。彼女が残した功績はあまりにも大きい。


*テツオンを演じた山村哲夫は『快獣ブースカ』でブースカの弟怪獣・チャメゴンを演じたほか、『ファイヤーマン』(73年・円谷プロ 日本テレビ)の登場怪獣、円谷プロ創立10周年記念映画『怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス』(72年・東宝)の怪獣ダイゴロウなどでスーツアクターを務めている。
 『ウルトラQ』第10話『地底超特急西へ』――前半のコメディタッチが一転してスリリングな展開となるのがたまらない、個人的には『Q』の最高傑作!――で靴磨きの少年・イタチ、『ウルトラマン』第9話『電光石火作戦』でボーイスカウト・敏男を演じた、子役出身のスーツアクターという変わり種である。
 『80』の当時は着ぐるみの仕事はかなり久しぶりだったと思われるが、やはり同様の路線のチャメゴンやダイゴロウを演じた経験から抜擢されたのであろうか。


*予告編では本編未使用の場面が使われる場合が少なくないが、今回テツオンはどうやら八百屋(やおや)でも騒ぎを起こしていたようである(シナリオには八百屋の役名と俳優名が表記されている)。


*テツオンが子供のひとりが持っていた江崎グリコの『ポッキー』を取り上げて食べてしまう場面があるが、これはスポンサーに関連会社のグリコ協同乳業があったためのタイアップであるだろう。
 だがラストでエミが少年野球の試合を見ながら食べているのは、メーカーも商品名も特定できない袋入りのせんべいのような菓子だったりするのである。
 これはラストのナレーションで「テレビを観ているキミも、変なものを口に入れると怪獣になっちゃうかもしれないぞ」と語られるため、ここでスポンサーの商品を使用して「変なもの」に見えてはマズいという配慮からかと考えるのであるが。
 それを考えるとこのラストシーンだけは実にセンスがいいなあ、と思ったりする(笑)。


(了)
(初出・『仮面特攻隊2011年号』(2010年12月30日発行)所収『ウルトラマン80』後半再評価・各話評より分載抜粋)



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