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劇場版“文学少女”


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 CS・KIDS STATION(キッズステーション)にて、2011年7月度に放映記念!
 ……とカコつけて、アニメ映画『劇場版“文学少女”』評をUP!

劇場版“文学少女”

(文・T.SATO)
(昨2010年8月執筆)
 校庭の木蓮の木の下で読書する少女。
 彼女が本のページを食しているというヒミツを目撃し、なぜか彼女に強引に文芸部に入部させられてしまった少年がたどる物語。


 原作未読どころか原作の存在自体を知らなかったが……(そもそもオッサンオタだからライトノベルを読む習慣自体がないけれど・笑)。


 シネコンがある地元の駅前デパート。
 その大通りに面したショーケース内ポスター群に、本作のヒロインである文学少女をフィーチャーしたそれを偶然発見。


 汗クサさの欠片もない繊細ナイーブ上品キレイな絵柄。
 細身で色白、控えめ伏し目がちで、お肉や脂肪がなく皮膚の皮もウスそうな黒髪オカッパ貧乳(失礼)の女のコ。


 そーいうタイプの胸板ウスい女のコにも、セクシーダイナマ系とは別のそこはかとない惹きこまれそうな色気はたしかにあるワケだ(単に筆者が多情多恨なだけか?・汗)。


 イイ歳こいて、そのイロケにやられて……。
 もとい、弱いオタ男子にとっての都合のイイ弱い女の子ネタで、若いオタ男子を小バカにする底意地悪い長文を一度は書きたいと常々思っていて、そのサカナにしてやろうと……。
 ……我ながらドッチなんだヨ! という分裂症の気分で急にモーレツに観たくなり、オタ友だちを誘ってゴールデンウィークの都心の劇場にて鑑賞する(劇場では我々が最高齢の観客だったようだが、今日日それは珍しいことではない・涙)。


 深夜アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』(06年)でも観たような、文芸部の部室の窓際で、か弱い少女が読書をしている図。
 それは、「こんな私でも……」的な、元々自尊感情が低くて異性への要求水準も低そうな70年代オトメチック漫画みたいな娘ならば、現代の平均的女子からは相手にされない弱いオタ男子でも、受容される可能性があるやもしれないと思わせてくれるのに充分(笑)。


 (実際にはそのテの女のコもさらに2種に分化して、話しかければオズオズとでも愛想よく多少は雑談してくれるコと、それすらもできない気弱なコがいて、かわいそうだけど後者は会話がもたなくて退屈だったりもするのだが……。
 後者はオマエがキモオタだから、相手にしてくれないんだヨ! というツッコミは……、認めてもイイ・笑)


 他にも、男のコの方が何のモーションもかけてないのに、3人もの娘が彼に好意を持ってくれるという、そこに至るまでの面倒な前段を描かないジャンル作品の毎度のご都合主義の極致。
 当方が想定する典型的なダメ展開がなされていて、最初は筆者もシメシメ……、と悪意で思う(オイ)。


 ところがギッチョン、お話とキャラクター像は、筆者個人のもくろみとは予想外の方向へと進んでいく。


 まず本作のヒロインである文学少女は、ベタなか弱い文化系女子ヒロインではなかった! 意外と快活で物怖じもしない。どころか老賢者みたいな狂言廻しとなっていく。
 少し裏切られた気分だ……って、それじゃあ若いオタ男子とオッサンオタの筆者との距離が縮んでしまうけど。


 話の中心は、途中から別に登場した「病んデレ」ヒロインへとシフトする。そして彼女と主人公少年との呪われし過去のナゾ解きへ。


 個人的には当初のアテが外れた感もあるが、コレはコレで面白いと思う。
 いやむしろ意外性があって積極的に面白い!


 激情・パッション、癇癪持ちでヒステリックな入院中の病弱(?)ウソつき美少女!


 現実に近くにいたら厄介な存在だろうが、自分よりも弱くて制御可能なコならば、それも魅力的だよナ……とも思えるし(って、ますます若年のオタ男子と同じだヨ・汗)


 ごくごく個人的には、イカレてても情熱的な「ヤンデレ」と火遊びしてみたいと思わないでもない。
 が、会社でも辞めて終始つきっきりで介護できるような身分ならばともかく、情緒不安定の果てにアテツケで自殺とかされたらアウトではある。現実では君子危うきに近寄らず!(笑)


 その意味で本作前半は多少タルいところもあったのだが、後半はスゴくよかったと思う。
 ごくごく個人的には、ヤンデレの苦悩の一因、才能欠如・劣等感は、身に覚えがありすぎる。ヤラれてしまった(涙)。


 主観的な感想はさておき、引いてジャンル史的に見るならば、往年の『マクロスプラス』(94年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19990904/p1)の歌姫をやめてプロデューサーに転じたヒロインの苦悩にも通じるか?(それも非常に主観的な見解ですかネ?)



 冒頭の本のページを食する描写は、マンガ・アニメ的なキャラ立ての意味しかない。
 あるいは原作ラノベでは、超常的な能力が登場する世界観なのやもしれないけれど。
 でも映像化作品が、原作に100%準じる必要もないとは思う。


 あの映画の世界での登場人物たちの一応の現実的な苦悩に、超能力は似合わない。
 作り手が意図的にオミット、あるいは一瞬のイメージ映像に留めたのなら、むしろ尺数の中でのバランス、作劇的結構として正解かと考える。


 (原作を読まずに語るな? 読まないより事後でも読んだ方がより精度の高い論になるのは当然だが、それ以外の論や感想がまったくの無意味であるワケもない。知ってる程度に応じた断言〜推量のグラデーションで語ればよし)


 (後日付記:偽悪的に書いてますが、厳密には執筆前に一応、Wiki(笑)とかで調査はしています・汗)


 心優しいオタのキライな平成ライダー井上敏樹作品や、ガンダムの富野カントクも一時絶賛した小説家・桐野夏生(きりの・なつお)作品での女性の暗部にも通じる、クライマックス直前での女性同士の掴み合いもサイコウだ!


 一応のハッピーエンドを迎えつつ、一夫多妻制でないかぎりは、あぶれてしまう(失恋してしまう)娘もいるワケで、そのニガい切なさを逃げずに描写したのもよし。


(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.51(10年8月13日発行))



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