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ウルトラマンネオス2話「謎のダークマター」

(東京MXテレビ・毎週日曜18:30の円谷劇場にて『ウルトラマンネオス』放映「全話評」連動連載!)
『ウルトラマンネオス』#1「ネオス誕生」
『ウルトラマンネオス』1995年版 〜Wヒーローならテーマへの多角的アプローチが可! 防衛隊も巨大ロボを持て!
『ウルトラマンネオス』全話評 〜全記事見出し一覧

#2「謎のダークマター

(脳魂宇宙人)ザム星人登場

(脚本:武上純希 監督&特撮監督:神澤信一)
(視聴率:関東4.4% 中部5.2% 関西6.9%)


(文・内山和正)
(02年7月執筆・11月改稿)
 予告で興味をひかせる


・カグラ隊員がウルトラマンネオスへの変身能力を持った(一体化した)経緯
・謎の少女……


 など盛り上げるはずの要素は実に多いのだが、個人的にはどれもこれも描き込み不足で軽い印象が残る。


 1話「ネオス誕生」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20120226/p2)で語らず2話に持ち越したわりには、カグラがネオスを宿す人間に選ばれた理由が明確ではない。
 そのきっかけとなった宇宙での事故が、オープニング主題歌のシーンの映像として流れているだけなので(つまりセリフがないため)、宇宙ステーションやスペースシャトルに隕石群がぶつかり、宇宙空間で作業中の人を救うために飛び出していったカグラが宇宙空間に投げ出され……


 という、おそらく『ネオス』の作り手たちは残念ながら観ていないであろうテレビアニメ作品『ザ・ウルトラマン』(1979・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100430/p1)15話「君がウルトラマンだ」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090808/p1)におけるヒカリ隊員がウルトラマンに選ばれた理由が判明する話にそっくりな状況はなんとなくわかる。


 しかしこの2話では、ウルトラマンネオスが言うように本当にカグラに心の底からの勇気や思いやりがあっての行動であったのか、単に職務でやって殉職者になっ(てしまうはずだっ)ただけなのかがよくわからない
 (歴代ウルトラ戦士たちに選ばれた先人たちの「勇気ある行動」の内容・描写が明確だっただけに)。


 カグラが優等生的なキャラクターでは決してないことを思えば、そして長身だが小顔で童顔の印象もあることを思えば、たまたまネオスが乗り移って地球へ行くための人間の身体が必要で、都合よく遭難者に遭遇して、未熟ではあるが悪い人間でもないから利用しようとし、カグラの方は自分がウルトラマンと一体化したことによって様々な体験をし、ウルトラマンと合体したことにふさわしい男に成長していく……
 といった物語でもよかったのではないか(全12話程度の短期シリーズでは描くのが大変か?)。


 このカグラ、一応熱血バカという設定ではあるが、それが十分確立されていないことが、彼が主人公であるだけに作品の弱さになってしまっている。


 なおウルトラマンネオスにカグラとの一体化を迫るシーンにウルトラセブン21(ツーワン)とともに登場する本作におけるウルトラ兄弟の長男・ゾフィーはリーダーというより声が「あんちゃん」というイメージで威厳に欠けるように思う
 (本作でのゾフィーの声を演じたのは、『ウルトラマンティガ』(1996・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961201/p1)の防衛組織・GUTS(ガッツ)の副隊長ムナカタを演じ、ビデオ作品である平成『ウルトラセブン』シリーズ(1994〜2002)や本作『ウルトラマンネオス』の殺陣師(たてし=いわゆる擬闘やアクション監督)も務めている大滝明利氏)。


 1995年につくられた『ウルトラマンネオスパイロットフィルム版(ビデオ撮影作品・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971115/p1)では怪獣をあやつる侵略者であったザム星人。


 だが、本作では


 「暗黒物質ダークマターの影響で誕生した怪獣たちにより母星に住めなくなって日本の郊外の団地群の中に高層タワーを造って一時避難。タワーの中で移住先の星を見つけるべく、その環境に耐えられる身体に進化しようとダークマターの力を逆用して実験を試みる悲運の宇宙人」


 に変更されている。


 母星に住めなくなったというところだけは、初代『ウルトラマン』(1966)2話「侵略者を撃て」に登場したウルトラシリーズの超人気宇宙人、発狂した科学者の核実験で母星を失った宇宙忍者バルタン星人の初登場時の設定へのオマージュで、その設定に対して現代的なあってしかるべきプラスアルファを付け加えたといったところか。


 とはいえ、そのバルタン星人も映像本編で悲劇性が前面に出されていたわけでは決してなく、忍者屋敷的な映像の楽しさが中心の娯楽作であったことを忘れてはいけないが。
 本作でも一見、扉や出入り口がないタワーに潜入し、緑色にライティングされた機械室・ボイラー室のような不気味な場所で、奇怪な音声を発するザム星人数体と遭遇しその怪光線を浴びて防衛組織・HEART(ハート)隊員たちが金縛りにあってしまうなど、怪獣怪人ものとしての娯楽サスペンスは忘れておらず、そのへんの要素は楽しく見られる


 セブン21がザム星人の実験に理解を示し、カグラに対して彼らを擁護するのが斬新であった。


 しかしそのあたりや、カグラ隊員とザム星人指導者とのやりとりなど、あまりにも両者ともに善人で博愛的で大局を達観していて物分かりがいい奴らだなという感じを与えただけで、あまり説得力がない。


 カグラが


 「そのままの姿で地球に暮らせばいい」


 と理想的なことを言うのは、地球全人類の現実的な総意や合意というより彼個人の意見だから、それはそれでいいだろう。
 が、彼の正体がネオスであることに指導者が気づいているとはいえ、たった二人だけの討論で水が流れるようにスイスイと事態が進んでいくのは、重いはずの問題なのに重さがなくなってしまう。


 そのあと実験の失敗で、ザム星人の指導者は暴れるだけの巨大な怪物と化してしまう。


 このあとの展開も、


 「進化に失敗して地球人に迷惑かけてしまうようならば倒してくれ」


 とザム星人に頼まれていたとはいえ、何とか助けられないか努力をしてみようとしないでウルトラマンネオスとザム星人の戦いになってしまうため、カグラが悲しんでも説得力が持てない。


 「ザム星人! 君が命を賭けて君の文明を守ろうとしたように、俺も! この星と仲間を守らなければならないんだ!!」


 という戦いの決意表明があるのはよいのだが。


 大人たちは目の前の風景が昨日と同じかどうか日常の小さな変化などに気づかずに暮らしているとか、子供のころは毎日が刺激的だったという隊員たちの会話で語られるテーマ。
 それ自体は悪くもないし、ある種のノスタルジー(郷愁)を感じさせ味もある。
 だが、昨夜突然出現したザム星人の高層タワーがいつ建ったのかすらわからず、関心もまるきりない大人たちという描写は無理がありすぎる。
 大人たちをあまりにも馬鹿にしすぎ。


 (編:あの場にいたゲストの子供3人は、ザムタワー出現時の何らかの催眠光線を浴びていなかったという解釈も可能であるがどうであろう? でも催眠光線みたいな描写もなかったか?・笑)。


 このテーマが今回の話になければならない必然性はないし、このテーマをいかして別のいい話をつくれるはず。
 まさか、これで子供たちのご機嫌取りをして子供向けだと言っているのでは?
 まあ現代っ子たちの背伸びした言葉に劇中でもHEART隊員たちが「子供がなにマセたことを言っているんだ」という表情で苦笑していて相対視はされているし、どちらかというと大人に向けての子供時代へのノスタルジーに訴える手法だが。


 とにかく色々な要素をつめこみ過ぎ。もう少し数を減らして描きこめば良作になっただろうと思う。


 戦闘機を単独操縦するアユミ隊員が、もう1機を操縦するミナト隊長から「アユミ隊員、(ネオスの)援護射撃だ! 大丈夫か!?」と命令された際に、


 「軽い軽い! ゲームとおんなじ! ……いや了解!」


 とタメ口をきくセリフ。
 ムリヤリ言わせているという感じでセリフになっていないと思う。


 1995年版のパイロットフィルムでは、特撮場面の空をリアルな青空ではなく、ピンクや青緑色に照らして幻想的に演出していたが、本話でもそれに準じたか青緑色にして演出している。
 ネオスは今回、ジャンプして空中から必殺技ネオマグニウム光線を発射して、凶暴化したザム星人を倒した。


 残る円盤をHEARTの戦闘機が撃墜しようと追跡するも、あとを追ったネオスはこれを止めさせようとし、ミナト隊長もそれを了解する。
 悲運の宇宙人を全滅させるわけにはいかないし、これはバクテリア・サイズにミクロ化して円盤の中で眠る20億3000万人のバルタン星人を虐殺してしまった初代『ウルトラマン』2話ラストへの現代的な返歌でもあるのだろう。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2003年準備号』(02年8月11日発行)〜『仮面特攻隊2003年号』(02年12月29日発行)所収『ウルトラマンネオス』前半合評2より抜粋)


ウルトラマンネオス初期編感想

(文・久保達也)
(02年7月執筆)
 主演の杉浦太陽(すぎうら・たかやす。現すぎうら・たいよう)逮捕騒動に伴う『ウルトラマンコスモス』(01年)打ち切りの影響で、主演者の映像部分をカットして製作・放映された一応の最終回『ウルトラマンコスモス特別総集編』の前後編2本。
 この2本は本来なら1週遅れで放映の地域でも、同時ネット局と同じ日に放映されたため、続く2002年7月から代替の緊急措置として放映開始された元はセルビデオ作品である『ウルトラマンネオス』(00年)も、1週遅れでないどころか名古屋の場合は17時放映なので同時ネットの局より1時間早く見ることができた!
 もしかして全国で一番早かった?(笑)



 さて第1話『ネオス誕生』。
 怪事件発生、防衛チーム出動、捜査、怪獣出現、危機、ウルトラマン登場とあまりに正統派なオーソドックスな出来映え。
 『ウルトラマンコスモス』の怪獣保護路線に不満だった人々の溜飲も少しは下がったかな?(笑)


 特撮面においてもCG表現が怪獣の再生能力くらいしか目立った使用がなく、防衛チーム・HEART(ハート)のメカやネオスの飛び人形など、ミニチュア重視の手作り特撮の良さを十分に堪能することができた。


 ただ、原点回帰の姿勢の表れであろうが、


 「アンバランスゾーン」
 「ミラクルマン


 なんてセリフはなあ……(云うまでもなく、前者は元祖『ウルトラQ』(66年)のナレーションからの引用。後者は『ウルトラセブン』(67年)の主題歌歌詞からの引用)。
 スレたマニア的には今さらな、80年代の特撮マニアが喜びそうな古びたセンスのセリフで少し失笑(笑)。


 続く第2話『謎のダークマター』。
 「大人は信じてくれない」という第2期ウルトラでよく扱われたテーマを描いている。


 しかし、小学生に、


・「無気力・無関心・無責任」


 ――終戦直後の昭和20年代前中盤生まれの「団塊の世代」と昭和35(1960)年前後生まれの「新人類世代」=「オタク第1世代」の狭間の昭和20年代後半〜30年代前半生まれで、政治や学生運動に関心を持たないシラケた70年代の若者たちを、その上の学生運動団塊の世代たちが揶揄(やゆ)して「無気力・無関心・無責任」の「三無主義(さんむしゅぎ)」「シラケ世代」と呼んだことからの引用――


・「人生の倦怠期(けんたいき)」


・「大人になりたくない症候群」


 などと云わせてみたり、内閣情報室のフジワラ秘書官の


 「あなたたちのサラリーは国民の血税から出ていることをお忘れなく」


 云々(うんぬん)のセリフなど、『ネオス』のシリーズ構成(メインライタ−)を担当し、平成ウルトラ3部作にも参加して各種マニア向け書籍のインタビューによると、第1期ウルトラや『ウルトラセブン』のアンチテーゼ編を信奉しているらしく、でもクールなSFをねらっているらしいわりにはドコか泥くさくて外している印象もある武上純希(たけがみ・じゅんき)イズムが早くも炸裂!!
 (HEART(ハート)という国際的な組織の日本支部が、日本の内閣の配下にあるというのはヘンな話だが・笑)


 特に気になるのがザム星人のキャラクター。
 1995年のパイロット版は観たことないのだけれど(だって講談社の幼児誌『テレビマガジン』買わなきゃ観れなかったもの)、確かごく普通の侵略宇宙人の設定だったハズでは?
 ナゾの暗黒物質ダークマターに星を追われた悲劇的な宇宙人なんて思わず感情移入してしまうような奴では、『コスモス』を見慣れた子供たちに「どうしてザム星人を殺しちゃうの?」と非難されること必至である(笑)。


 ザム星人とネオスのバトルが結構長く、特にネオスのトランポリンアクションが見事で充実して楽しくカッコいい内容だっただけに、敵を倒すカタルシスに水を差すような設定改変が惜しまれてならない。


 あとネオスと合体した主人公カグラ・ゲンキ隊員にザム星人のメッセージを伝えに来たウルトラセブン21(ツーワン)の仮の姿が白ドレス姿のローティーンの痩身の美少女ってえのもなあ。
 思春期以降の青少年やおたくがターゲットの作品ならばともかく、メインターゲットの男児は男性ヒーローの人間体が女性であるという設定はイヤがると思うけど。


 作り手たちはハイブロウなことをしているつもりかもしれないが、逆にこのあたりの発想は世間から見ればいかにもおたくクサいセンスに映るのでは?
 それに怪獣や宇宙人の意思を伝達する美少女ってこのごろハヤリみたいだが、どうも威厳があまり感じられず、説得力に欠けるような気がしてならないけど。


 これだけグダグダ云いながら、ネオス誕生(カグラ隊員との合体)シーンでの、白銀の背景をバックにしてのウルトラ兄弟の長男・ゾフィー登場によって全て帳消しにしてしまう私も随分と勝手な奴であるが(笑)。


 このシーンは提供タイトルにも流用されていて、3人ウルトラマン(ネオス・ゾフィー・セブン21)の揃い踏みがカッコよすぎ〜。
 (中心のゾフィーよりも斜め前にいるネオスの顔の方が、ゾフィーの顔よりも小さく見える。造形技術の進歩も大したものだ)
 この夏公開の『劇場版ウルトラマンコスモス2 ブルー・プラネット』(02年)の併映作品、昭和のM78星雲出身者も含めた全ウルトラマンが登場する短編『劇場版 新世紀ウルトラマン伝説』(02年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20021115/p1)観たら、アタシ劇場で失神しちゃうかも(笑)。


 「パジャマみたい」と悪評判のHEARTの隊員服だが、個人的にはそれよりも作戦室が何も置いてなくがらんどうで、あまりに殺風景なのが気にかかる。
 低予算のセルビデオ作品であるからいっそ本編美術予算は節約して特撮の方に予算を廻したのであろう裏事情も推測はできるが、あれでは一般の企業の「会議室」と変わりない(笑)。


 あとミナト隊長役が嶋田久作(しまだ・きゅうさく)ってえのはどうなのだろう? 決して嫌いな俳優ではないのだが、ああいう顔を子供は恐がると思う(オレでも恐い・笑)。


 でも作風自体は良い意味でわりとわかりやすく、マニア向けだけの作品には陥(おちい)ってはおらず子供の視聴者の方をしっかりと向いていて、ビデオパッケージにはもったいない作品だ。


 電波に乗ったことを大いに喜んでいたのだが、『ウルトラマンコスモス』の予想外の早い復帰のためにたった2回で打ち切り(笑)。
 平成ウルトラシリーズ製作・放映元の毎日放送(大阪・TBS系)によれば「続きはビデオで見て下さい」とのこと。


 だが、『ウルトラマンンネオス』を全巻置いてるレンタルビデオ店なんてウチの地元には皆無なんだけど(笑)。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2003年準備号』(02年8月11日発行)〜『仮面特攻隊2003年号』(02年12月29日発行)所収『ウルトラマンネオス』前半合評1より抜粋)


[関連記事]

ウルトラマンネオス』1995年版 〜Wヒーローならテーマへの多角的アプローチが可! 防衛隊も巨大ロボを持て!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971115/p1


[関連記事] 〜主人公がウルトラマンの憑代に選ばれた理由のエピソード!

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  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061029/p1



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