假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑)

★★★特撮・アニメ・時代劇・サブカル思想をフォロー!(予定・汗)★★★ ~身辺雑記・小ネタ・ニュース速報の類いはありません

アンダーニンジャ・忍ばない!クリプトニンジャ咲耶・忍の一時・テスラノート ~2020年代「忍者」アニメの多彩な料理の仕方&面白さ!

(2025年6月18日(水)UP)
『スキップとローファー』『私の百合はお仕事です!』『事情を知らない転校生がグイグイくる。』 ~地味でも世に出る女子! 地味ゆえに内向してしまう女子! 3大快作に見る、ちょっとした本人の資質&周囲の人間の品位で生じる大差!
『うる星やつら』『つぐもも』『小林さんちのメイドラゴン』『よふかしのうた』 ~異界から来た美少女キャラとの同居ラブコメにも今昔!(非日常・異能よりも日常性が強調・好まれる傾向)
拙ブログ・トップページ(最新5記事)
拙ブログ・全記事見出し一覧


[アニメ] ~全記事見出し一覧


 マンガ原作の実写映画版『アンダーニンジャ』が、かの福田雄一カントク作品(笑)として、2025年1月24日(金)に公開記念! 同年1月からはマンガ原作のナンと2クールの深夜アニメ『ニートくノ一となぜか同棲はじめました』が放映中記念! 4月からもマンガ原作の深夜アニメ『忍者と殺し屋のふたりぐらし』が放映中記念! とカコつけて……。2020年代の現代日本の「忍者」を題材とした深夜アニメ『アンダーニンジャ』(23年)・『忍ばない! クリプトニンジャ咲耶(さくや)』(23年)・『忍の一時(しのびのいっとき)』(22年)・『テスラノート』(21年)評をアップ!


『アンダーニンジャ』『忍ばない! クリプトニンジャ咲耶』『忍の一時』『テスラノート』 ~2020年代「忍者」アニメの多彩な料理の仕方&面白さ!

(文・T.SATO)

『アンダーニンジャ』

(2023年秋アニメ)
(2023年12月25日脱稿)


 現代日本にもまだ忍者は残存しており、その人数はおよそ20万人! といった、博多の人口の3%までもが実は殺し屋であった!(爆) と設定されていた深夜アニメのアクション良作『博多豚骨ラーメンズ』(18年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190908/p1)のような舞台設定を持った作品でもある。


 しかし、それもまたアクション・バトルを発生させて擬似的に見せ場を構築したり、ストーリーを駆動させていくためのエクスキューズ・言い訳ではある。


 この作品の本質はムサくて冴えない我々のような非モテな男子たちの見苦しさを、美化や自己憐憫などもなく80年代以降の「可愛いものがわかってしまうボク」的な要素はまるでなしに、オタ向けに淡泊に蒸留化されている絵柄で描いていくのでもなくって、70年代の「劇画」的に四畳半の汚い木造下宿なども舞台背景美術として描いていくことの方を「主眼」として、そこで独自の「空気感」を出していくような作品であるとも思える。


 いや、無職であって無精ヒゲすら剃らないニートの青年であるのかと思いきや……、そんな彼が忍者高校生(笑)として学園への潜入捜査を命じられるのだ。そして始まる、あまたの現代忍者たちとの超バトル! といった作品でもある。


 相応には面白いけど、バツグンに面白いといった作品ではないような感じでもあって、評価に困るところもあるけれど……。原作は『週刊ヤングマガジン』連載マンガで、原作マンガ家は花沢健吾。マンガ家の冴えないアシスタント主人公が、ゾンビが跋扈するようになった現代日本で、生き残った人々とともに奮闘する『アイアムアヒーロー』(09年)は実写映画化(16年)までされており、筆者個人のこの映画に対する評価も高い。その意味では期待したいところではある作品ではあるのだ。
アンダーニンジャ
アンダーニンジャ 完全版BOX 全12話,DVDメディアプレーヤー用

(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.87(23年12月30日発行))


『忍ばない! クリプトニンジャ咲耶(さくや)』

(2023年秋アニメ)
(2023年12月25日脱稿)


 同季の『アンダーニンジャ』同様に、現代日本にも伊賀・甲賀・風魔・雑賀(さいか)の4大忍者が闘争を繰り広げている世界観である。といった世界観は、作品序盤では説明されていない。ググってみて初めて知った事実だ(笑)。


 イイ意味でムサいキャラデザ&忍者バトルに向かい合っている『アンダーニンジャ』とは異なり、グダグダでユルユルで記号化された3頭身のキャラクターが登場!


 たぶん女子高生であろう、日本神話の木花咲耶姫(コノハナ・サクヤヒメ)ならぬ、女忍者・咲耶(さくや)。


 彼女は忍者の訓練には励むものの、目立ちたくて自撮り棒のスマホで自身を撮影している。それだけでも、プッと心の底から笑えてしまうのだ。


 とはいえ、5分アニメでナンセンスさを主眼に据えた作品である。事前情報ヌキでの視聴で不意を突かれたから面白かったのであって、こういったアラスジや導入部の紹介それ自体がネタバレになってしまう作品では、さほどに面白くはないとも思われてしまう危険性もあって……(笑)。
忍ばない!クリプトニンジャ咲耶
忍ばない!クリプトニンジャ咲耶 弐ノ巻

(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.87(23年12月30日発行))


『忍の一時(しのびのいっとき)』

(2022年秋アニメ)
(2022年12月25日脱稿)


 現代日本を舞台とした忍者モノである。伊賀忍者や甲賀忍者も現役で活動しているといった世界観である。そして、忍者学校モノなのでもあった。


 ……といった説明だけだと、ナンちゃって感に満ちあふれたイロモノ作品だとしか思えない。しかし、よくできた娯楽活劇作品としても仕上がっている。


 フツーの中学生としての日常生活。後輩の美少女から告白。ラブコメ風味もある作品なのかと思いきや、彼女の正体は主人公少年を殺しに来た暗殺者にして、現代の忍者! そして、はじまる忍者たちの襲撃に次ぐ襲撃!


 といった緊迫感にあふれる攻防と逃走劇に果てに、彼は母親から自分が19代目の伊賀忍者の頭首であることを明かされる! といったところで、日常生活からフィクション・ワールドへと変転していくサマが実にウマい。


 仕方なく忍者学校へと進学した彼に待ち受ける、スクールカーストや試練や訓練、個性的な男女学生たちの数々! といったところで、なかなかに面白く仕上がっている。
忍の一時
忍の一時 アクリルパネル ver.B

(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.84(22年12月30日発行))


『テスラノート』

(2021年秋アニメ)
(2022年12月25日脱稿)


 暗殺者ならぬ、忍者の末裔である黒髪ショートの制服美少女高校生が主人公のアニメ。セル画ライクなCGアニメでもあった。


 学校では冴えない覇気もないメガネ女子を演じているが、その実態は快活かつズバ抜けた身体能力を持った少女でもある。さりながら、性的なことにはウブでもあるというあたりがポイント高い。


 女児向けアニメ『スタートゥインクル プリキュア』(19年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191107/p1)の副主役でもある幼女メンタルな宇宙人プリキュアを演じたことでブイレクした感もある小原好美(こはら・このみ)が、サッパリかつ蠱惑的に演じているあたりも印象的だ。


 そんな彼女が諜報任務に招集されて、年上のお兄さんやオジサンたちと対等に口喧嘩をしながら、任務を遂行していくといった物語である。


 原作&脚本は、実写版『怪物くん』や『妖怪人間ベム』、イケメンやイケオジ(さん)のアメコミヒーローもどきが多数活躍して、女性オタ層に大人気を博した深夜アニメ『TIGER&BUNNY』の西田征史(にしだ・まさふみ)。


 本スジからは離れた#3が、また大傑作!


 任務の過程で潜入した高校で目撃した気の弱そうな女子に対する、女生徒3人組によるイジメやカツ上げを見逃せずに、忍者女子高生はウラから救おうとして、周囲のプロ仲間たちをも巻き込んでいく(笑)。


 現今だと尾木ママみたいな、個人としては善人でも、やや浅薄な人間観の持ち主が、イジメっ子側にも親の愛情欠如ゆえだとか社会が悪いと云い出したり、両者を和解させようとして、結局は緊急避難やイジメっ子の放置に加担する悪行を犯しつづけてもいる。


 しかし本作では、表面あるいはその時だけは反省したフリをしても、次から次へと悪知恵を働かせて主役少女に反撃してくる性悪少女の姿が描かれていく。


 そこに助っ人参戦した諜報員のお兄さんいわく、イジメを心から反省するようなヤツは最初からイジメなどしない! 不敵な大学生のアンちゃんとのHを楽しむイジメっ子少女に対しても、「不純異性交遊を就職希望の企業にバラす!」との脅しで、イジメっ子少女を監視しろと大学生に対して逆に脅迫!


 悪人は改心しない。「悪」には「必要悪」で「抑止力」を発揮させるのみ! とアドバイスする一連には、実に胸が透く思いがするし、実地に仕える解決策でもあった。


 「地獄への道は善意で敷き詰められている」場合もある。儒教的な「心情」「動機」至上主義で、「動機」や「心情」は「至純」「至誠」ではあっても、「智恵」がなければ、その達成には失敗してしまって、多大なる犠牲を伴なった「悪」にもなってしまうことがあるといった「結果主義的」な考え方も、時には必要なのではあるまいか!? 効果測定が伴なわない「自己陶酔的な理想論」は怪しいと見て取るべきなのだ。
テスラノート
TVアニメ『テスラノート』オリジナルサウンドトラック

(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.81(21年12月30日発行))


[関連記事] ~マンガ原作・作品評!(一部は除く・汗)

『スキップとローファー』『私の百合はお仕事です!』『事情を知らない転校生がグイグイくる。』 ~地味でも世に出る女子! 地味ゆえに内向してしまう女子! 3大快作に見る、ちょっとした本人の資質&周囲の人間の品位で生じる大差!

https://katoku99.hatenablog.com/entry/20250504/p1

『見える子ちゃん』『さんかく窓の外側は夜』『怪異と乙女と神隠し』  ~意匠は怪奇系アニメで括れても、各々の内実はギャグ・BL・作家の挫折などの方が本質か!?

https://katoku99.hatenablog.com/entry/20250615/p1

『わたしの幸せな結婚』『大正オトメ御伽話』 ~政治的に正しくない女性。それは先天的か? 後天的か? 先天的に弱く生まれついたとして、いかに生くべきか!?

https://katoku99.hatenablog.com/entry/20250601/p1

『アンダーニンジャ』『忍ばない! クリプトニンジャ咲耶』『忍の一時』『テスラノート』 ~2020年代「忍者」アニメの多彩な料理の仕方&面白さ!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20250518/p1(当該記事)

『パリピ孔明』『ダンス・ダンス・ダンスール』 ~純オタ向けとは異なるナマっぽい人物描写!(優劣ではなく) 青年マンガ誌連載の傑作&良作!

https://katoku99.hatenablog.com/entry/20231022/p1

『波よ聞いてくれ』『イエスタデイをうたって』『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』『ぐらんぶる』『この音とまれ!』『殺し愛』『グレイプニル』 ~純オタ向けとは異なる、漫画原作アニメの良作の数々!

https://katoku99.hatenablog.com/entry/20230507/p1

『薔薇王の葬列』『純潔のマリア』『アルテ』『平家物語』『アンゴルモア 元寇合戦記』『戦国BASARA』 ~薔薇戦争・百年戦争・ルネサンスなど、人間集団・戦争・宗教・芸術・栄枯盛衰・戦いでの潮目の変化(引き際)!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20231001/p1

『うる星やつら』『つぐもも』『小林さんちのメイドラゴン』『よふかしのうた』 ~異界から来た美少女キャラとの同居ラブコメにも今昔!(非日常・異能よりも日常性が強調・好まれる傾向)

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20230924/p1

『彼女、お借りします』『カッコウの許嫁』『可愛いだけじゃない式守さん』『カノジョも彼女』『トニカクカワイイ』 ~純オタ向け媒体ならぬ少年マンガ誌出自のラブコメ! 同工異曲のようでも成否の差!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20230910/p1

『五等分の花嫁』『ドメスティックな彼女』 ~陰陽対極の恋愛劇! 少年マガジン連載漫画の同季アニメ化!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20201018/p1

『五等分の花嫁』(1&2期) ~ベタでも高みに到達。告白された男子側でなく女子側の恋情で胸キュンさせる

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220329/p1

『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』 ~往時は人間味に欠ける脇役だった学級委員や優等生キャラの地位向上!?

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190912/p1

『その着せ替え人形(ビスク・ドール)は恋をする』『明日(あけび)ちゃんのセーラー服』 ~2022年2大・女子高生衣服系(?)アニメの清楚快活女子・ギャル少女の差異!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20230212/p1


『からかい上手の高木さん』『上野さんは不器用』『宇崎ちゃんは遊びたい!』『イジらないで、長瀞(ながとろ)さん』 ~女子の方からカマってくれる、高木さん系アニメ4本評!

https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210516/p1

『宇崎ちゃんは遊びたい!』 ~オタクvsフェミニズム論争史を炎上作品のアニメ化から俯瞰する!?

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200802/p1

『僕の心のヤバイやつ』『久保さんは僕を許さない』『それでも歩は寄せてくる』『阿波連さんははかれない』 ~ぼっちアニメのようで、女子の方からカマってくれる高木さん系でもあったアニメ4本評!

https://katoku99.hatenablog.com/entry/20230627/p1




アンダーニンジャ・忍ばない!クリプトニンジャ咲耶・忍の一時・テスラノート ~2020年代「忍者」アニメの多彩な料理の仕方&面白さ!
#アンダーニンジャ #忍ばないクリプトニンジャ咲耶 #忍の一時 #テスラノート #アニメ感想 #アニメ批評



[アニメ] ~全記事見出し一覧
拙ブログ・トップページ(最新5記事)
拙ブログ・全記事見出し一覧