(2025年12月7日(日)UP)
『BanG Dream!(バンドリ!)』 ~「こんなのロックじゃない!」から30数年。和製「可愛いロック」の勝利!(笑)
『アイドリープライド』『ゲキドル』『22/7』『推しが武道館いってくれたら死ぬ』『おちこぼれフルーツタルト』 2020~21年5大アイドルアニメ評!
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アニメ映画『劇場版 チェンソーマン レゼ篇』(25年)が9月19日から公開中! とカコつけて……。『チェンソーマン』(22年)・『ノー・ガンズ・ライフ』(19年)・『ライフル・イズ・ビューティフル』(19年)評をアップ!
『チェンソーマン』『ノー・ガンズ・ライフ』『ライフル・イズ・ビューティフル』 ~顔面が工具や武器に変化するダークヒーローや、銃器を遊戯にする美少女キャラの意味!
(文・T.SATO)
『チェンソーマン』
(2022年秋アニメ)
「チェーンソー」ならぬ「チェンソー」の名義なれども、電動ノコギリのチェーンソーのことである。
頭部が巨大な拳銃の姿をした主人公が活躍する『ノー・ガンズ・ライフ』(19年)といった深夜アニメがあったものの、本作では少年が変身を遂げると頭部が巨大なチェーンソーに変貌! といったキャラクターが活躍している。
幼児のころはともかくローティーンの年齢にでもなれば、「チョイ悪(ワル)」的なカッコよさや、多少は無軌道な暴力などにもあこがれを、全員とはいわずとも大勢の少年が抱いてしまうモノであろう。
「第二次性徴」とも表裏一体の暴力衝動の発散。世間や自分に対してムシャクシャして一時的な「万能感」を味わうために破壊活動などもしてみたい! といったところを満たす意味でも、ホラー映画『悪魔のいけにえ』(74年)などに登場するチェーンソーなどを振り回す異形のキャラクターもまた普遍性のある存在ではあったのだ。
とはいえ、そういったキャラクターは「悪」として登場してきて、最終的には退治されることで「日常」へと物語は回帰する。しかし、本作では倒すべき「敵」ではなく、「主人公」として登場させて活躍させる以上は、多少のインモラルさは残しても、劇中内にて否定されるべき存在にしてしまうワケにもいかない。
といったところで、本作の世界観においては「悪魔」なる敵キャラが実在! 超常的な彼らと超法規的な方法で戦うために「公安」にスカウトされたかたちとすることで、チェンソーマンの暴力的な活躍を正当化しているのだ(よって、少々逸脱した戦い方ではあるものの・笑)。
もちろん、それだけではない。主人公少年には両親がおらず、家もない。ホームレスのような極貧生活を送っていて、学校にも通っていなかった……。といったあたりで、「格差拡大社会」の現代性といったモノも少々醸して、そこも導入部での「ツカミ」にしているのかもしれない。
といったところで、「正義のために」というよりも、「最低限の生活を送るために」、あるいは「美人の女上司にあこがれて近くにいたい」、「接点を持っていたいがために」も、戦っているといった感じとすることで、ミクロ・私的なところでは「不純な動機」も持っているような、「ダークヒーロー」の亜種・変種といった、それはそれで今ではよくあるパターンにもカテゴライズができるのだ。
などと、本作の高い人気にも理解を示しているフリを延々としてきた(笑)。『週刊少年ジャンプ』連載の大人気作品であることも今さらながらに承知はしているし、各種配信サイトでの再生回数も非常に高い。
しかし、個人的にはソコまでズバ抜けて面白い作品なのかと問われれてしまうと……。それほどでもナイような(個人の感想です)。

チェンソーマン
『ノー・ガンズ・ライフ』
(2019年秋アニメ)
「頭部」&「顔面」全体が巨大な拳銃となっているオッサン刑事が主人公のアニメである。いかにもマンガ・アニメ的なキャラ立てである。しかし、それ以外はナンちゃって感はカケラもなく、ハードボイルドなクライム(犯罪)ドラマでありフィルム・ノワールな作劇ともなっている。
黒光りするリアルな黒鉄色の銃身はまさに現実の重たさがあるし、背景美術もシックでノワールな犯罪荒廃都市といった感じで風情も出せている。
同季の深夜アニメ『警視庁 特務部 特殊凶悪犯対策室 第七課 -トクナナ-』同様に、アニメでやる意味があるのか? といったツッコミも可能ではある。しかし、逆に云うとマンガ・アニメ的な看板が一カ所だけあるからこそ、そこを支点として作品世界に興味が湧くといった心理もあるようには思うのだ。
ローティーンのマニア予備軍なぞは、まさにそーいうモノではなかろうか? オッサンである筆者もウン十年も前にはTV時代劇『必殺』シリーズ(72~87年))に惹かれた当初の理由は、高度な人間ドラマや社会派テーマなどではなかった。現代人の長髪をした若者や坊主頭をした主要人物たちが、主人公ではなかったものの2番手・3番手として登場し、彼らが奇抜な小道具を用いて悪人を暗殺し、時にレントゲンや心電図映像も挿入される部分に興奮し、そういう高揚(背徳感も含む)を再体験したいがために、視聴を開始したことを思えば、古い革袋にマンガ的な新しい酒を注ぐことで、ジャンルの表現を賦活(ふかつ)させることはまだまだ可能なようにも思うのだ。

第1話 暴走拡張者
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.76(19年12月28日発行))
『ライフル・イズ・ビューティフル』
(2019年秋アニメ)
(文・T.SATO)
(2019年12月15日脱稿)
「ライフ」ならぬ「ライフル」をタイトルに据えた、高校のライフル部を舞台とした美少女アニメである。
ライフルといっても、実弾や空気銃ではなくライフルから照射される無害なビームを射的に命中させる、実在の競技であるそうだ。筆者は本作ではじめてそんな競技を知った(射撃時の反動がナイのだそうで、それでは実戦では役に立たないような気もするが・笑)。
ただまぁ、ビームだとはいえ、現実とはややカケ離れた夢のある「超科学的」「SF的」な兵器なぞではない。実在の兵器にも近しいといった意味では少々物騒さもあるとはいえる。よって、アメリカでの銃器反対運動とカラめて、本作を批判する意見もあってイイようには思える(筆者個人はそーいう批判に同意はしないけど)。
とはいえ、そのあたりは作り手たちも百も承知か、直感的な作劇なのか、登場する美少女たちはガツガツとした気が強そうな女子は登場しない。ソフトであったり無気力そうな性格の女子たちを揃えているあたりがまたお約束なのである(笑)。
アイドルやガールズバンドなどを主題としたアニメだと主役女子は元気少女であるのに、メカミリタリ色が強い題材の『ガールズ&パンツァー』や『ストライクウィッチーズ』などだと主役女子が闘争がキライで控えめな女子や守るために戦う治癒魔法女子をメインに据えているものだ。これなども、作品が右翼的に見られることを和らげる直感的な打算・保身の作劇なのであろう(それが悪いというワケでもない)。
本作もまた後者寄りの発想でのキャラ造形なのであろう。しかし、部室での室内練習など、絵的に地味な本作はアクション面での華には乏しい。よって、ますます地味な気もしてくる。
部活系の美少女アニメなどのように、競技で勝利したいという「目的意識」や「動機」などにも弱くなっており、足場も定まっていないような気もしてきて、求心力には乏しくなっているようには思うのだ。
本作とも同様に、野外でのサバイバルゲームでの銃撃に興じる『さばげぶっ!』(14年)といった深夜アニメなども過去にはあった。個人的には本作と同様の評価を下している。しかし、幼稚園・小学校の低学年向け少女マンガ誌『なかよし』出自の『さばげぶ』は、ググってみると7年もの長期連載を達成していたそうだ(汗)。
そういったグダグダな作品もアニメ化されるくらいだから、相応のニーズはあるのだと考えれば、許容されてしかるべきではあるのだろう(筆者個人はあまり評価はしないけど・汗)。

ライフル・イズ・ビューティフル
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#ストライクウィッチーズ #ストライクウィッチーズRtB #戦翼のシグルドリーヴァ #ルミナスウィッチーズ
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