『ウルトラマンオメガ』(25年)序盤総括 ~宇宙人の超人・正義の味方の怪獣たち・変身アイテム・先輩ウルトラ戦士の図像のコレクションアイテムらを活かすためには!?
『ウルトラマンアーク』(24年)前半総括 ~鎧・アイテム・内宇宙・倒置法の作劇・昭和怪獣・タテ糸! 今後の「ウルトラ」はどうあるべきなのか!?
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『ウルトラマンオメガ』1話~14話評 ~オーソドックスな作り! 良作なのだが、いささか地味で堅実に過ぎるか!?
(文・中村達彦)
『ウルトラマンオメガ』1話~4話評
今年2025年も新たなウルトラマンストーリーがやってきた!
(2025年8月15日・脱稿)
第1話「宇宙人がやってきた」
崩壊した惑星内で、怪獣群と戦う真紅の戦士。鋭利な手足の攻撃に晒されるも、高速でかいくぐり、頭部のブーメランを振るい、光線技を浴びせ、怪獣群をせん滅する。だが突如放たれた攻撃が直撃した。直後の地球では、青年ホシミ・コウセイが倉庫管理人の住み込みアルバイトに従事していた。彼は早朝、空から光に包まれて落ちて来る人の姿を目撃する。その後、地面では大きな揺れが続き、工事中のビルが倒壊する。コウセイは、作った焼きそばを食べようとしたが、いつの間にか倉庫に謎の青年がおり、焼きそばを食べられてしまう。謎の青年は、自分のことを何も知らず、コウセイにトンチンカンな対応をするばかり。そこへ地鳴りが、外へ出た謎の青年、追うコウセイ。ビルが陥没し、巨大生物が姿を現す。コウセイが踏みつけられる瞬間、間一髪、彼の身体は空を飛んでいた。
巨大生物はいったん姿を消し、その後、母親とはぐれた女の子を助ける。急なことに狼狽する大人たちを一喝、女の子に懸命になるコウセイの姿は、謎の青年に優しいと映る。直後、巨大生物がビルを破壊して再び姿を現す。その熱線怪獣グライムに驚く人々、この世界にこれまで怪獣は現れていなかった。グライムの角から発射される光線から守るため、謎の青年はコウセイを空高く放り投げる。先にもそうして助けられたと気付くコウセイ。先程助けた母子にグライムが迫る。「俺が助ける」。謎の青年は、ブーメラン型のアイテムとペンダント型のユニットを出現させ、眩しい光の中、コウセイの眼前で赤い超人に変身した。初めはグライムの猛攻に苦戦するも、空を飛んで凄まじいキックを浴びせ、頭部のブーメランで角を切断、続いて斬りつけて倒す。超人は謎の青年に戻り、コウセイにオメガと名乗った。
脚本は根元歳三。監督は武居正能。長くウルトラシリーズに関わり、『ウルトラマンアーク』(2024)では第5話、第18話を共にあたった。『ウルトラマンブレーザー』(2023)第20話と第21話も手がけている。
冒頭、宇宙空間で怪獣群との戦闘(このフル3DCGを担当したのは、かのVFX製作会社・白組!)、怪獣は小型で群れている。『ウルトラマンブレーザー』(2023)第20話・第25話に登場したズグガンを彷彿させる。
記憶を失ったウルトラマンが登場。今までに怪獣が現れたことがなく、防衛チームが存在しない地球で物語が始まる(ウルトラマンレグロスとウルトラセブンXも記憶を失っていたが)。これまでのウルトラマンストーリー否、円谷ヒーローより踏み出している。新しいウルトラマンのデザインは紅色が強調され、ウルトラマンゼアスに似ている。さらにウルトラセブンの必殺技アイスラッガーのようなブーメランを使う(アイスラッガーと同じ効果音で)。
ウルトラマンが地球人の青年に憑依するパターンが多かったが、今回はウルトラセブン・ウルトラマンレオ・ウルトラマンメビウス・ウルトラマンオーブと同じウルトラマンが青年になるタイプである(ウルトラマンゼアスもそうであった)。
新しいウルトラマンとバディを組むコウセイ青年。『ウルトラマンアーク』のユウマとシュウに重なる。コウセイはふつうの青年だが、他人の窮地を放っておけず、身体が動いてしまう姿は好感が持てる。オメガとはどんなドラマが生まれるか。
地球に落ちてきた直後、オメガの青年は全裸であったが、倉庫に現れた時、服を着ていた。ウルトラマンから変身を解除した時は服を着ていたが……。
それと焼きそばを食べている時、宇宙人で記憶を失っているのに、割りばしの使い方がわかるのか?
巨大な角を持ち、全身に大小の棘を多数備えた怪獣グライムは、『オメガ』第1話の敵として申し分ない。
第2話「俺と宇宙人と学者さん」
グライムの死骸を調査する若い女性がいた。コウセイは、オメガと倉庫で、いっしょに暮らすことに。1週間が経過したが、オメガは居そうろうになり馴染んでいたが、記憶を失ったままであった。そこへ群馬県の伊林市山中で新たな巨大生物が発見されたとの報が。オメガはこいつのところへ行きたいと言い出す。現場の近くに来たオメガとコウセイ。警察が道を塞いでいたが、オメガは人並外れた跳躍力で、コウセイと山中へ入る。そこで地中から現れた怪獣を見る。必死に逃げ出したあと、調査をしていた女性イチドウアユムと出会う。コウセイは、オメガをオオキドソラトと咄嗟の名前を出して、アユムに紹介する。また独自で怪獣の研究を続けていると偽った。怪獣捜索に赴く3人。
伊林川河原に辿り着いたあと、怪獣は隠れやすい大量の水のある場所を求めていると分析。近くのダムへ行き、怪獣の脅威を訴えるアユム。ソラトとコウセイも同行する。しかし訴えは、ダムの職員には相手にされない。そこへ地面を破って水棲毒獣ドクリドが出現する。ダムへ体当たりを。その時、隠れてソラトは変身した。眩しい光と共に出現したオメガは、ドクリドをダムから引き離す。職員の避難に尽くすアユムとコウセイ。オメガは、巨体を押しつけるドクリドに苦戦するも、「怪獣を水から引き離して!」とアユムガ叫び、毒液を撒き散らすドクリドにオメガから必殺の光線が放たれた。大爆発、ドクリドを倒したオメガは飛び去った。戻って来たソラトとコウセイは、アユムをアユ姉と呼ぶ。必死でソラトがオメガと隠すコウセイ、腹が減ったソラトを抱えて家路につく姿をアユムは笑って見送った。
第1話に引き続き、脚本は根元歳三。監督は武居正能。
記憶を失ったソラト(オメガ)はお茶目というか、抜けている部分があった。ソラト役近藤頌利は何もできないこと、何も知らないことを意識して演じていると。会話のテンポが変だったり、どこを見て話しているのかや、のろりのろり考えながらしゃべったり工夫していると。ソラトといっしょに暮らすコウセイは、ソラトより歳下だが、彼の保護者(笑)。かつ何事にも一生懸命で。ソラト自身は普通に見えるが、彼がオメガであることを必死で隠す。「変身しているのがバレたら飯作ってやらねえからな」と言うのは、そういうのもあったかと。
ヒロインで『ウルトラマンアーク』(2024)のリンと重なるアユム。OPの映像通りソラト、コウセイと3人で、怪獣事件にこれから取り組んでいくことがわかる。『ウルトラマンデッカー』(2022)のカナタ、イチカ、リュウモンの3人とも比べてしまう。
ほとんど装備もなく、組織にも属していないから「大丈夫か?」と思うが『ウルトラマンギンガ』(2013)以来、防衛チームの存在しないレギュラー陣は度々いたからだ。
アユムが怪獣の脅威を訴えても、向き合わないダムの職員。今回の世界は、これまで怪獣が出たことのない、怪獣の概念すらないから、無理もないだろう。ドグリドの名前を知っていたソラト、初めて地球に来たはずなのに……。
ドグリドはサンショウウオとカエルを足して2で割って、両生類そのもののデザイン。
今回のダムは『ウルトラマンメビウス』(2006)第46話と同じロケ地だそうだ。オメガのスーツクターは、今回も20年以上ウルトラマンを演じている岩田栄慶。東映特撮の高岩成二と双璧。EDを歌うのは、『ウルトラマンブレーザー』(2023)の前後期のEDも担当したMindaRyn。
ソラトはオカルト雑誌を読んでいたが、元ネタは月刊『ムー』。同じネタは近年のアニメで『ダンダダン』『アポカリプスホテル』『GAMERA -Rebirth-』でもある。
第3話「急な寒波に御用心」
一宿一飯の恩義とコウセイの手伝いに精を出すソラト。そこへ訪ねて来るアユム。怪獣について意見を求められ、自分がオメガと明かしそうになるソラト、また必死で隠すコウセイ。情報を求めるアユムに、ソラトは怪獣の出現が目覚めの時で、この先も続くと言った。その直後、ソラトは何かの気配に急に飛び出す。追うコウセイとアユム。電車で2時間、向かった先は山中の神社。ソラトが宇宙から落ちて倒れていた場所であった。同時に神社上空に迫る黒雲があった。山中を捜していて、あちこち掘るコウセイ。過去の陸上競技に熱中していた高校時代を語る。やり切って、今次にやりたいことを捜しているとアユムに言う。それを聞いて、やるべきことがあったようなと思うソラト。
やがて渦巻き状の石塊を見つける。その時、上空の黒雲から冷気と共に、鳥型の怪獣が降りてきた。無重力怪獣ペグノス。強力な風を吹きかけ、アユムとコウセイは飛ばされる。ソラトはアユムを助け、石塊を掴んだままのコウセイの前に立ち、変身した。オメガとペグノスは殴り合うが、ペグノスの冷気ガスで、オメガは空中に逆さづりにされ、不利になる。続いてペグノスはコウセイに向く、その時、石塊が突如、怪獣の姿になり、意識がコウセイとリンクした。ペグノスがその怪獣に気を取られている間に、オメガは態勢を立て直す。冷気ガスを利用した攻撃で苦戦するも、怪獣は超能力で援護、オメガは光線でペグノスを撃破する。戦いが終わったあと、ソラトは怪獣と向き合い続けばやりたいこと、やるべきことを思い出すと。また助けてくれた礼を言うアユムに俺たちは仲間だと言ってみせた。
脚本は足木淳一郎。監督は武居正能。足木も根元同様、ウルトラシリーズの脚本を長く勤め、本作で根元とシリーズ構成を担当した。毎年、新しいウルトラマンストーリーを作り出すスタッフの営為工夫には経緯を払う。もっとも『ウルトラマンブレーザー』(2023)、『ウルトラマンアーク』(2024)、そして『ウルトラマンオメガ』と次第に人間の防衛組織はスケールダウンを重ね、なくなってしまった。
野菜ケーキを持って、コウセイとソラトを訪れたアユム。いろいろおかしいソラトによく付き合ってくれるなあ。必死でソラトの正体を隠すコウセイ。ソラトより歳下だが、保護者みたいで。
ソラト、コウセイ、アユムのチーム構成が明確に。やりたいことを捜す、今やれることをやる。コウセイやアユムの気持ちが語られた。彼らは防衛チームに属していない、無名の若者だが、どういう風に活躍していくのか?
そのコウセイが高校時代に陸上競技で挫折したことが明かされた。またアユムが助けてくれた礼をソラトに言うと、ソラトは仲間だからと当然のことのように言ってみせる。そういうシーンがあり、キャラクターの肉付けがされていく。コウセイは次話でも心情が描かれる。
今回現れた怪獣、コウセイに操られオメガを助ける。令和のミクラスか? 装飾が細かく、沖縄のシーサーみたい。念力を使って、多くの岩を浮遊させてペグノスの冷気を抑えると、活躍は申し分ない。
一方、ペグノスは冷気ガスでオメガを逆さづりにする(特撮シーンも今までにないカットで注目)が、外見は巨大な鳥で、インパクトは今イチ。前回のドグリドも、巨大な両生類そのもの、どちらも引き立て役とはいえ、デザインや能力は今までのウルトラ怪獣に比べ弱い感がする。NHK『ダーウインが来た!』を観ていたら、ウルトラ怪獣のアイデアになりそうな実在の動植物にも、まだまだいると。
山中の神社に落ちたと語るソラト。倉庫まで電車で2時間かかると言うが、どうして#1で神社から倉庫まで歩いて来たんだろう? その時もずっと裸だったのか? アユムはその時のことを聞いたが、不思議に思っただろう。
第4話「爪痕の謎を追え」
コウセイは、レキネスと名付けた怪獣を調べるが、コウセイも体力を消耗し、活動は10分程度、ソラトには反応せず、コウセイにしか使えないことが明らかになる。そこへ倉庫のオーナーオオヤサブロウが現れ、初対面のソラトは挨拶する。政府は、巨大生物を怪獣と呼称、ソラトを怪獣研究者だとオオヤは興味を持つ。かつてコウセイはオオヤの元でバイトに従事していたが、やりたいことを捜すコウセイに、住み込みの管理人で倉庫に住むように言われたのだ。釣りに行こうと誘われるソラトとコウセイ。そこへアユムから電話が。怪獣らしい現象が、調査でソラトに来てもらいたいと。ソラトは応じ行くことに、だがコウセイには釣りに行くように言う。仲間外れにされたようでふて腐る。
オオヤは釣りを中止して、コウセイを将棋に誘う。一方、ソラトは、アユムの案内で、ビルに大きな爪痕が刻まれているのを見る。続いて巨大な羽根が落ちているのを見る。やがて屋上に姿を見せる刀爪怪獣デリシラス。爪痕は自分の縄張りを示すマーキングであった。オオヤは、将棋を指しながら、コウセイに、将棋もサポートする弱い駒が必要なのだと言う。ラジオで、怪獣が現れたとの報が流れ、コウセイは駆け出す。ソラトは変身して立ち向かう。鋭いくちばしや爪で責め立てるデリシラス。到着したコウセイは、レキネスで援護する。デリシラスは透明になり、背後から襲いかかるが、レキネスの念動力で車が浮遊させ、位置を掴む。さらにレキネスは剣と化し、オメガスラッガーと一体化する。剣劇でデリシラスを倒す。戦いが終ってからソラトに詫びるコウセイ。仲直りした2人は。オオヤと笑いあった。
脚本は足木淳一郎。監督は越知靖。越知も『ウルトラマンマックス』(2005)からウルトラシリーズに参加し、『ウルトラマンタイガ』(2019)で監督デビュー、『ウルトラマンアーク』(2024)は6本監督した。
サポート怪獣レキネスを得たコウセイが、ソラト(オメガ)との関係や、自分のポジションと改めて向き合う。アユムがソラトを呼び出し、コウセイなしで、ソラトは1人で行くと言う。一見、ソラトはぶっきらぼうな態度で、コウセイは仲間外れにされたと怒るが。ソラトは、釣りに行くのを楽しみにしているコウセイを知っており、自分がコウセイに頼らなくても電車で行けることも併せ、ソラトなりに気を遣っているのだ。
将棋を通して優しくコウセイを諭すオオヤや、調査中に話を聞いてコウセイの気持ちもわかると言うアユム。周りの人々も良い。『帰ってきたウルトラマン』(1971)初期に通じている。
レキネスは剣に変化し、オメガの武器になるが、バンダイぽい玩具の演出で、『ウルトラセブン』(1967)他のカプセル怪獣、『ウルトラマンZ』(2020)の特空機、『ウルトラマンブレーザー』(2023)のアースガロンに比べれば、ちょっと……。デリシラスは、透明になるが、爪やくちばしで攻撃する以外、特異な能力がない、第2話から怪獣は今1地味な感がある。レキネスの剣でめった斬りにされ爆発したが、昭和のウルトラならもっと残酷に撮られるだろう。
オオヤの役は、『ウルトラマンダイナ』(1997)のヒビキ・ゴウスケ隊長を演じた木之元亮。『ウルトラマンオーブ』(2016)にもゲスト出演している。若者の気持ちを察する良い人で、#4のあとにも出てもらいたい。なお、『ウルトラマンダイナ』でゴンドウ参謀を演じた亀山忍さんがこの8月5日に逝去。合掌。
コウセイとソラトがよく聞くラジオ番組の声で、本編予告も担当しているのは丹下マサルと佐那河内レミ、演じるはウルトラシリーズでレギュラー宇宙人を演じた真木駿一と潘めぐみ。あと携帯の呼び出し音は主題歌のBGMで。
『ウルトラマンオメガ』5話~7話評
いささか地味か堅実か?
(2025年9月13日・脱稿)
第5話「ミコとミコト」
ソラトは、コウセイがオオヤから送ってくれと頼まれ忘れていた荷物を代わりに届ける。相手は、山中に暮らす家の老婦人ササコ。駅からも車で3時間はかかる田舎。
荷物は、つい最近、母を亡くし、いっしょに暮らし始めた姪の少女ニシキミコへの長靴であった。無気力なミコ。長靴を届けたあと、ソラトは山中へ向かうミコを見かける。
あとを付けると、白い大蛇と戯れていた。快活に笑い、大蛇をミコトと言うミコ。山にはむかし人間と恋に落ちた大蛇の伝説があり、ミコはここに来てからすぐ仲良くなったとのこと。最初は手の平くらいだったが、鉄を食べ、どんどん大きくなった。廃鉄を持って来たソラトとも仲良くなるミコトだが、ミコ身体の鉄分もミコトに吸われ、倒れてしまう。ミコを案じるササコ。
翌日、ミコトを訪ねるミコ。ソラトは同行する。一晩のうちにミコトは巨大化し、伝説蛇獣オオヘビヌシノミコトとなっていた。近寄るミコは、再び体の鉄分を吸われてしまう。駆けつけたササコも鉄分を吸われる。ミコトと山の奥へ行くミコ。追うソラトとササコ。オオヘビヌシノミコトはこれ以上いるとミコを死なせると察し、離れることで、近くの村へ襲いかかる。
ソラトはウルトラマンオメガに変身して立ちはだかる。オオヘビヌシノミコトは尻尾で攻撃する。肩に噛みつかれるが、そこへソラトを迎えに来たコウセイのメテオ怪獣・レキネスが援護。オメガスラッガーがオオヘビヌシノミコトを倒す。もしかするとミコを守るため、自ら討たれたのかと思うソラト。後日、田んぼで作業に興じるミコとササコの姿があった。
脚本は本田雅也。『ウルトラマンアーク』(2024)第11~12、第22話も担当した。監督は今回も越知靖。
舞台は#3に続いて都会から遠く離れた山中。ソラトがコウセイやアユムと離れ、孤独な娘や怪獣と交わる話。孤独な娘や怪獣は、昭和の『ウルトラQ』(1966)をはじめ、『ウルトラマン』(1966)第30話、『帰ってきたウルトラマン』(1971)第13話とも重なる。ソラトにぶっきらぼうに接しながら、オオヘビヌシノミコト(なんて名前なのだ)に驚かず、親しく接するソラトに、「変わっている」と笑顔を向けるミコ、演じた土屋希乃は上手い。『ウルトラセブン』(1967)第31話の松坂慶子のようになるかも。
オオヘビヌシノミコトはCGだろうが、昭和の特撮なら操演のピアノ線が注意すればあちこち見えただろうが、本作ではない。ソラトやミコとの絡みでは、合成技術を使っているのだろうが、こちらも作りものと感じない。『ウルトラマンブレーザー』(2023)第20話のズグガンと比べてしまう。
廃金属を食べるくらいなら可愛いが、自然に人間の金属成分も吸ってしまい、共存不可能であった。自ら危険な存在と解し、自分からオメガに討たれた。悲しい。しかし荷車いっぱいの金属を食べ、一昼夜で巨大化してしまうとは。
噛みついたり、締め上げたりするも、オメガスラッガーで粉みじんにあっけない。いささか地味で、ウルトラマン抜きの、オリジナル怪獣ものとして成立。1時間くらいの自主映画の題材で適していると。
叔母のササコ、オオヘビヌシノミコトの姿に狼狽するも、姪のミコを本当に案じているのがわかる。長靴を届けてくれたソラトに、お土産で野菜を持たせてくれた。その野菜は、本話ラスト近く、コウセイが喜んで見ているのが。
そして、ササコとミコが笑顔で田んぼに従事しているところで締めくくられる。ミコは、オオヘビヌシノミコトが倒され、悲しみに沈んでいるはずだが……。『ウルトラマン』第30話、『帰ってきたウルトラマン』第13話ともに、怪獣と知り合ったゲストの少女が悲しい死を遂げていることを考えると、いささか強引とはいえ、良い結末。
山中の遠方まで電車に乗って届けものをしたり、夜、コウセイへ電話で話をしたり(コウセイから電話をしたのか? よく電話番号わかったな)、何だかんだで、地球人の生活に馴染んでいるソラト。
第6話「怪獣の探しもの」
山奥、八が岳の工事現場に怪獣が現われたが、突然絶命してしまった。アユムは後輩のカミヤと怪獣の分析をする。1キロほど離れた山に現れた穴があると。染色細胞の研究をしていたカミヤは、不満と吐露する。そこへ穴から2匹目の怪獣が出現。2人を追う。その頃、倉庫にいたソラトとコウセイは、ラジオで怪獣出現の報を聞き、八が岳へ駆けつける。山中で怪獣に追われ道に迷ったアユムとカミヤ。野宿を覚悟するが、ソラトとコウセイにめぐり会う。ソラトは怪獣がゲドラゴ、ふだんは地下深くに住む大人しい怪獣と言ってのける。アユムたちを追って来たのは、死亡した怪獣から採取した唾液が原因と推測した。夜半野宿する4人。
翌日、瀕死の亀を救ったことで絶滅危惧種を救う研究に入ったと語るアユム。誰もやったことのないことに挑戦する彼女をカッコ良いと言うソラト。
その時、猛突怪獣ゲドラゴが再び出現。光を遮る保護板を持つオスだとソラトは言う。最初に死んだ怪獣はメスで。オスのゲドラゴは町へ向かう様子。
ソラトはアユムたちから離れ、オメガに変身した。ゲドラゴが掘った穴にはまって苦戦するオメガ。ユーモラスな戦いが続く。コウセイのレキネスが加勢する。2対1で羽交い絞めにするが、電流攻撃を受ける。レキネスは変形、剣と化す。地面を掘って逃げるゲドラゴへ、剣からの強力な電撃がつんざき、飛び出したゲドラゴの保護板を斬り落とす。その時、絶滅危惧種のツチナガダンスモグラの動きとゲドラゴの動きがそっくりと気づいたアユムは、ゲドラゴが求愛行動をしていると説明。それを聞いたオメガは、レキネスと力を合わせ、メスの死骸もろともゲドラゴを元の穴へ返す。アユムは今回のことで、怪獣にも弱い部分があり、もっと研究したいと述べるのであった。
脚本は俳優でもあり、『ウルトラマンギンガS』第3話で脚本デビューした三好昭央。監督は今回も越知靖。
『ウルトラマンタロウ』(1973)、『ウルトラマンコスモス』(2001)的なエピソードである。怪獣の生態がメインで、ツチナガダンスモグラという動物がいて、一年に一度の繁殖の時期にだけ地上に現れ、互いに手足をバタつかせ音を鳴らし求愛ダンスをすると。だが、実はそんな動物は存在しない。フィクションである。『オメガ』の世界にだけいる動物なのだ。しかし、NHKの動物番組『ダーウインが来た!』などを連想させる。
生態から怪獣のことを解し解決に持っていく話は、『ウルトラマンブレーザー』(2023)や『ウルトラマンアーク』にもあった。怪獣分析を行うアユムの活躍が、死んだメスから唾液を採取するところから最後まで、途中ではむかし亀を助けて絶滅危惧種生物の研究に入るきっかけになったことも語られ、重みを持たせている。ソラトが鼻をクンクンさせて怪獣の気配を感じることや、メスの唾液に釣られて、ゲドラゴがアユムとカミヤを追いかけてきたことも含め、怪獣も生物だと再認識させられる。
愚痴を言い続け、野宿がイヤだとか言っていたカミヤが、ラストでアユムに感動しているあたりは、コウセイに呆れられているが。
ゲドラゴがオメガに倒されず、地底に戻されたのは良い。ブレーザーやアークも怪獣を殺してばかりではなかったし、『ウルトラマンコスモス』はいうに及ばず、昭和のウルトラシリーズからそうだった。もっとも、『ウルトラマン』(1966)のゴモラのように、怪獣を殺すか否か線引きは難しい(そのゴモラが『オメガ』の次話でも登場するが)。メスのゲドラゴの亡骸も地底に還されたが、実は仮死状態で、地底で息を吹き返すとすれば良かったが。
怪獣の生態を説明しているアユムに顔を近づけ、ゲドラゴが求愛行動をしていると聞かされるオメガ。その姿は笑える。
また、前半でソラトとはぐれるも、山中でようやくアユムらとも合流したその姿。崖を登って腕を大きく広げるコウセイは、往年の栄養ドリンク剤「リポビタンD」のCMそのもので、こちらも笑ってしまう。
第7話「カゼになる」
古代怪獣ゴモラに立ち向かうオメガは倒され、レキネスも超能力で食い止めようとしたがやられてしまう。ゴモラは地中に潜ってしまう。戻ったソラトは風邪にかかって寝込んでしまう。
スマホでは、怪獣出現について多くの書き込みが、そしてオメガが宇宙人の手先とするフェイク動画が。作ったのはオオカミという自分勝手な人間であった。そして、ネットで三日月形のUFOが現れたと語る。
その頃、アユムはソラトとコウセイを訪ねていた。ゴモラが現れた場所にその少し前、火球が落下し、ゴモラは宇宙怪獣かもしれない。意見を聞きに訪ねたのだ。アユムは風邪で寝込むソラトにお粥を作る。その頃、オオカミはUFOの調査に赴くとネットで報告。レキネスの通報で知ったコウセイは飛び出していく。アユムのお粥を食べるソラト。三日月形の飛行物体は少し前から地球の衛星軌道上を周っていたと、アユムが言う。
ソラトは、ゴモラが地球怪獣だと思い出す。コウセイは市役所近くを浮遊していた飛行物体を見つけ、他の人々に紛れ、キャッチする。ドローンとごまかすが、オオカミに見つかってしまう。逃げ出すコウセイ。追うオオカミや市民。アユムは、ゴモラの足取りを追い、上河市のハム工場があることを知る。ゴモラが出現したニュースが流れる。
風邪のままオメガに変身、現場に向かうオメガ。すぐに光線を撃たないで戦うオメガを、宇宙人の手先と断言するオオカミ。侵略者だと言ってのけるのに、コウセイは「あいつは俺たちのために戦っている。(略)正体なんてどうでもいい、何者かわかんねえけど、俺はあいつを信じる!」とそう言い切った時、飛行物体はメテオ怪獣トライガロンと化し、コウセイとともに疾走し、オメガへ駆けつける。トライガロンの援護でゴモラを倒し、市民はオメガを讃えるのであった。
脚本は鶴田幸伸。『ウルトラマンオーブ』(2016)・『ウルトラマンジード』(2017)・『ウルトラマンR/B(ルーブ)』(2018)の3作品ではプロデューサーを務めていた。監督は市野龍一。『ウルトラマンガイア』(1998)・『超星艦隊セイザーX』(2005)から演出を長く手がけ、『ウルトラマンオーブ』(2016)で監督デビュー、『ウルトラマンタイガ』(2019)まで複数作の監督を担当した。
オメガの戦闘をサポートする味方の怪獣メテオ怪獣は、レキネスに続いてトライガロンが登場。さらに敵役怪獣で、『ウルトラマン』(1966)以来、度々登場。人間の味方で主役を張ったこともあるゴモラが出る話だ。だがサブタイトルは「カゼになる」で、病気の「風邪」と早く疾走する「風」を掛けており笑ってしまう。
ロボット怪獣のようで、レキネスと全く違うデザインのトライガロン。ウインダムとミクラスを彷彿させる。瞬時にゴモラの尻尾を叩き切り(尻尾が千切られるのは初代『ウルトラマン』以来の半ばお約束)、大活躍のデビューを飾った。
レキネスが手持ちサイズの小さい姿で宙を飛び、パソコンの近くまで行ってしまい、アユムに見つかってしまわないかコウセイを慌てさせている。トライガロンも同じく小型になって、レキネスとのツーショットがあるのか?
今回のゲストのオオカミなる人物は、狼のキャップをかぶる中年男。オメガが侵略者であるとフェイク動画を作り、市民を扇動するが、目的は自分が注目を浴びたいだけ。冒頭での歩道橋でのやり取りで自分勝手な人間だとわかる。
ウルトラシリーズでは同じようなイヤな人間に、『ウルトラマンA』(1972)の高倉長官、『ウルトラマンタイガ』(2019)の今里、『ウルトラマンメビウス』(2006)のヒルカワなどがいた。特にヒルカワは最低最悪の人間であった。もっとも、一ファンの浅知恵になるが、ヒルカワが幼少の頃、怪獣災害で家族を殺され、ウルトラマンや防衛チームが助けてくれなかったから、それで憎むようになったといった出自があったのかもしれない(『ウルトラマンタロウ』(1973)や『ウルトラマンサーガ』(2012)などにも前例があったが)。
オオカミは、戦うオメガを応援する人々から支持を失い炎上する末路を迎えたが、また登場するのだろうか?
それとコウセイ。堂々とオメガをかばったが、人々の前から突然消えてしまったので、怪しまれないのだろうか?
第8話「霧降山の伝説」
霧降山は超常現象相次ぎ、キャンプに来ていたアベックが巻き込まれた。古い村に入り込み、怪獣の気配に慌てて逃げ出す。大学の超常現象サークルゴーストライダーズがブリガドーン現象と調査に赴き、アユムも仕事がら同行することに。アユムに懇願され、ソラトとコウセイも助手として行く。青年3人のメンバーであるゴーストライダーズ。霧降山には赤い巨人・ダイダラボッチが空から来た天魔を封印した伝説が1000年前からあった。ゴーストライダーズのアジトに空中波動固定装置があった。アストラル波(霊波)のビームを照射し、霧を作って異次元への壁を開くと言う。しかし、ゴーストライダーズのサポートAIは「装置メンテナンスがされていない」と警告する。
そこへ霧降山に本物のブリガドーン現象が発生。アユムは映像記録を押さえようと飛び出してしまう。しかし、行くのを止めようとする古風な少年に出くわす。続いて人気のない村へ。怪獣の姿を見るが、少年に救われる。
ゴーストライダーズのアジトでは、アユムの救出を準備。空中波動固定装置で異次元の壁を開き、穴が空いた10分間のうちに、向こうへ行ってアユムを助け出すと言うもの。ソラトとコウセイは穴をくぐって村に、さらに破壊獣モンスアーガーの姿も見る。突然、空中波動固定装置が不調になり、あちこちに異次元の穴が開く。
ソラトはオメガに変身して、穴を塞ぎ、モンスアーガーにあたる。コウセイのトライガロンも加勢した。空中波動固定装置の暴走は続き、あちこちに穴が開く。オメガは著しくエネルギーを消耗する。トライガロンもレキネス同様に武器に変身、オメガの右腕に巨大な爪のようにして装着される。その攻撃で一方的にモンスアーガーを撃破した。戦闘後、アユムを発見。急いで元の世界へ戻る。「科学を遊びに使うな!」。アユムはゴーストライダーズのメンバーを一喝する。しかし、コウセイはひとつのことにあそこまで熱中できる彼らをうらやましがるのだった。
脚本は『ウルトラマンギンガS』(2014)から続投(『ウルトラマンジード』(2017)は除く)の中野貴雄。監督は前話と同じ市野龍一。登場する怪獣モンスアーガーは、『ウルトラマンダイナ』(1997)第11話と第31話、『ウルトラマンデッカー』(2022)第4話にも登場。『ウルトラマンデッカー』の時も中野が脚本を手がけていた。
超常現象研究サークル・ゴーストライダーズ、トンデモ科学の空中波動固定装置、隠れ里のブリガドーン現象(ネタ元は漫画家・水木しげるの『墓場鬼太郎』(1960)を初出とする造語で、妖怪や幽霊などが跳梁する現象のこと)、その正体は山の精霊らしい謎の少年と、オカルト雑誌・月刊『ムー』(1979~)のようなネタが続いて、飽きさせない。さらに『ウルトラマンX(エックス)』(2015)以来のウルトラシリーズにたびたび登場してきた『太平風土記(たいへい・ふどき)』の名前も出てきて、ニヤリとさせられる。
モンスアーガーは倒したが、ブリガドーン現象はまだ続いている。ゴーストライダーズは「ユピ・アイ・エー!」「ユピ・アイ・オー!」の掛け声が特徴で、ノリが良いが、現地調査やアユムの救出をソラトとコウセイに任せてしまうので印象悪し。サポートAIや空中波動固定装置と侮れない装備を持つが。
ゴーストライダーズは、『ウルトラマンオーブ』(2016)のSSPを彷彿させる。リーダー・南方大吉を演じる渡辺裕太は、渡辺徹と榊原郁恵の息子。ソラトはゴーストライダーズといっしょになって彼らの掛け声をあげ、変身してからも掛け声時のように両手を上げるなど、いつもより何かふざけた様子だ。加えてラスト、コウセイのロコモコ丼を盗み食いしてしまうのはいただけない。とは言いつつも、オメガは毎回の出現する怪獣のことを知っているし、今回出会った謎の少年もオメガのことを知っていた。オメガは1000年前にも地球に来て、怪獣と戦っていたようだ。
ちなみに、アユムが同行したお礼に作ってくれたロコモコ丼は、ハンバーグと目玉焼きを乗せソースをかけたハワイの郷土料理である。
『ウルトラマンオメガ』特別総集編1 & 8話~14話評
傑作と言い難いが面白い
(2025年10月31日・脱稿)
特別総集編1「アカジナリアキの日常」
大屋日の出ビル4Fにオフィスがあるジャパンサイバーアップ株式会社代表のアカジ ナリアキは、ラジオから流れる『丹下マサルのエブリディがトレンディ』に耳を傾けていた。その番組では最近現れるようになった怪獣や赤い巨人について取り上げていた。ラジオでも巨人は味方か、マサルとアシスタントのレミが入れ込んで話していた。
聞き入るナリアキ。視聴者からの声も、田舎に大蛇が出現したと言うものや、娘ともども怪獣に襲われた時に若者2人に助けられたというものも。この若者2人とは倉庫の下の階で暮らしているソラトとコウセイではとナリアキは思う。さらに2人と仲の良い美人のアユムにも想いをはせた。
脚本は#3~#4の足木淳一郎。演出は#1~#3を監督した武居正能。怪獣バトルや主要キャラクターのドラマが発生しない、過去のフィルムを大まかに使用した総集編は、2010年代以降のウルトラシリーズでは恒例。アカジナリアキは、ソラトとコウセイとは階が違う別会社を経営する、いささかガサツだが悪い人ではない御仁だ。本編には登場していない。演じる水野直(みずの・ただし)は、『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』(2021)の防衛隊・GUTS(ガッツ)の隊員・サクマテッシン役の人だ。
ラジオ番組『エブリディがトレンディ』は、マサルのトークにレミが鋭い突っ込みを。レミ役の潘めぐみはウルトラシリーズでも常連。おバカな役や男の子の役もこなし、お母さんの潘恵子同様に上手い声優さんだ。『エブリディがトレンディ』には、#1でソラトとコウセイに助けられた母親が投稿したという設定。オオカミやゴーストライダーズも今後の「特別総集編」で投稿しているかも。
ソラトは、今までのウルトラシリーズの主人公とは違ったキャラクターで、常識を知らない惚けた様子だ。ナリアキはじめ近所の人たちからどう見られているのだろう? 子供たちから懐かれている、子供といっしょに遊ぶようなシーンが存在しないのが物足りない。コウセイやアユムも同じである。
第9話「カネナリ怪獣パーク」
ソラトとふたり暮らしになってから、コウセイは金欠病に。食事にも事欠いて、バナナ1本を2人でという日もあった。そんな時、地下から冬眠中の怪獣が発見されたとの報が。その場所で調査に赴いていたアユムとも会うが、土地を管理しているカネナリコーポレーションに拒まれ、調査はできなかった。
ソラトが警備員を反らし、その隙に中へ入る。冬眠中の怪獣を視認したところで、警備員に見つかってしまう。そこへ金成社長が現れる。アユムが国立自然センターの研究員と明かすと、態度を一変。豪勢なランチに招待する。1兆円の大資産を持つ金成は、怪獣を保護する方針でアユムにも会社の研究員で加わってほしいと言う。だが真実は、冬眠している怪獣で動物園を作るものであった。未知の怪獣を見世物にすることを、コウセイは強く反対するが、金成は動じない。しかしアユムは賛同してしまう。
怪獣パーク開園の発表寸前に、アユムからの報が。彼女が賛同したのは、怪獣分析をしてデータを得るためのボランティアに入るためであった。怪獣は5000年前に海で生息していたことがわかる。
ソラトは、送られてきたデータから怪獣が深海怪獣グビラだと解した。マスコミを前に怪獣パーク発表をしようとする金成。だがその時、グビラは目覚めた。今までは餌を得るために寝たふりをしていたのだ。駆けつけたソラトとコウセイ。オメガに変身したソラト。コウセイは、逃げ遅れ、食われそうになった金成を助ける。触角のドリルを回転させ突進するグビラをかわすオメガ。アユムも逃げ遅れた人を助ける。巨体にのしかかられ苦戦するオメガを、トライガロンが救った。光り輝く爪・トライガロンアーマーと化し、グビラを攻撃して撃破した。事件は解決した。しかしソラトとコウセイの食事はバナナ1本のままであった。
脚本は俳優でもある兒玉宣勝。監督は三度目の市野龍一。深海怪獣グビラは、『ウルトラマン』(1966)第24話に初登場。以後は『ウルトラマンサーガ』(2012)で新規造形以降、『ウルトラマンX』(2015)などに度々登場。亜種という設定で、着ぐるみの改造などはなしに陸棲のオカグビラも登場していた。
怪獣を見せものにして怪獣パークを作る。昭和のウルトラシリーズでもありそうな話だ。ソラトとコウセイは公務員でもある防衛チームや会社などには属しておらず、活動はボランティアだから、日々の食事にも事欠き、気の毒だ。ただしウルトラシリーズ以外の多くの特撮作品の主人公も同様なのだが。
社長の金成はお金儲けのため怪獣パークを作る。ソラトが、インタビューをパソコンで観ているが、彼の心情が完全に描かれなかったのは残念。単なる金の亡者だけではなく、グビラ襲撃で逃げ遅れた職員を助けるなど悪人でもないのはわかるが。オメガがグビラを倒したあと、他の職員といっしょに喜んでいたが、「元はあんたのせいだろう」と突っ込みたい。
コウセイに助けてもらったのだから、ラストにお礼をしても良いんじゃないのとも。中盤で出された豪華な弁当は、一口も食べていなかったし、もったいない。
金成と対照的に、1本のバナナがふたりの食事と粗末なご飯のソラトとコウセイ。だがジャンケンをしている時やバナナからどんなメニューを作ろうかとコウセイは楽しそうだ。あと、ジャンケンで勝ったのに、コウセイにバナナを半分譲るソラトと、貧乏でも心が豊かで。まあ初めからバナナを半分こにしていればという突込みはあるが。
ソラトとコウセイは、往年の特撮巨大ヒーロー『アイアンキング』(1972)の霧島五郎(きりしま・ごろう)と静弦太郎(しずか・げんたろう)がちょっと重なる(アユムは藤森典子か?)。#4で喧嘩したので、もう喧嘩しないと思っていたが……。
グビラは背中からの潮吹きを武器としているが、水流のごとく噴射するのみならず、水球を撃ち出して相手の頭上で破裂させて大雨を降らせるユニークな技を持つ。雨を浴びたオメガは顔を押さえているが、強酸なのか? 同じ四足歩行のトライガロンと戦ったが、つり合いが取れていた。
第10話「密着! 2人の素顔」
アユムの知人映像ディレクターの新川麻希(あらかわ・まき)がソラトとコウセイを密着取材させてほしいと言ってきた。怪獣について詳しいことに興味を抱いたのだ。ソラトは応じることに。麻希はビデオカメラ片手に、働くふたりの様子を取材する。必死にソラトの正体を隠すコウセイ。なんとなく怪獣を知っていると言うソラト。その時、霧が崎の温泉街に怪獣が現れたとの報が。駆けつけようと言うソラトとコウセイに、麻希は車での同行取材を申し出た。オメガに変身して向かおうとするソラトを、コウセイは必死に押しとどめた。足元を高熱で溶解させながら進む熔鉄怪獣デマーガ。到着したソラトとコウセイ。すぐそばでビデオカメラを回す麻希。隙を見てソラトはオメガに変身。トライガロンも出現する。しかしデマーガは、高熱で地下に沈み逃げられてしまう。その責任をめぐって喧嘩を始めるソラトとコウセイ。
取材を止めようと言うコウセイに、それは麻希に悪いとソラトは譲らない。ともに仕事をし食事をし銭湯に入っていたが、いがみ合ったまま。ふたりが何か隠していると勘ぐる麻希。怪獣災害に関する危機管理の重要性を世間に伝えたかったからだと言い、国民全体がもっと危機感を持つべきと力説した。そのためにソラトとコウセイに協力してほしいと。その話にソラトは自分たちの秘密を打ち明けることを決意。麻希は本当に皆のことを考えていると。だが、告白しようとする寸前、左右市の如月温泉にデマーガが出現。
麻希が遅れたのに乗じて、ソラトはひと早く変身。コウセイとともに現地へ飛ぶ。温泉街でのデマーガとの戦い。そこへ麻希も車で駆けつける。デマーガの溶岩弾が浴びせられるが、オメガに救われる。レキネスの援護も加わり、オメガはレキネスアーマーでデマーガを斬り倒す。戦い終り、仲直りしたソラトとコウセイ。一方、オメガに助けられた麻希は、取材先を急きょ変更、オメガへ切り替えるのであった。
脚本は#6の三好昭央。監督は#7から手がけてきた市野龍一。デマーガは『ウルトラマンX』(2015)第1話以来、ウルトラシリーズに度々登場。初期のウルトラシリーズ怪獣の系譜を引いた二足歩行の恐竜型の正統派である。『X』のメイン監督でもあった田口清隆がデザインアイデアを考えた。着ぐるみの細部を改造しただけのツルギデマーガやカミソリデマーガと亜種もいる。
新川麻希演じる永島聖羅はアイドルグループ・乃木坂46の元メンバー。怪獣災害の重要性を訴え、熱心な取材姿勢を見せるが、実はミーハーな女性。だが、根は真面目なその姿に、ソラトとコウセイは自分たちの秘密を打ち明ける寸前まで行った。
麻希はソラトとコウセイが暮らしている倉庫に張り付いて、根掘り葉掘り尋ねる。ソラトは無関心で、そのぶん矢面に立つコウセイはたまったものではない。視聴者はソラトがオメガだとわかっているが、劇中ではコウセイ以外は誰も知らないのだ。コウセイが必死に取りつくっているが。#7のように、巨大化前のメテオ怪獣・レキネスとトライガロンがマキの前に出てきてしまえばおしまいでもある。
麻希はソラトとコウセイの親はどこにいるか尋ねないなど、質問のツメが甘い。もっとも、怪獣災害の危機管理を広めるという取材目的は、怪獣を野生のクマに置き換えると、現実の世界でも身につまされる。しかしこの時、ソラトとコウセイが正体を明かしていたら。
デマーガが出現した温泉は、車ですぐ到着したということは、倉庫からそんなに遠く離れていないということだ。ソラトとコウセイは、最初にデマーガに逃げられたあと、大声で怒鳴り合い(はたから見ていると、子供同士の言い合いだ)、その後、口も交わさないが、内心では互いを気にかけている。またアユムにも、自分たちの秘密をいつか打ち明けなくてはと言っているのにも注目だ。
今回、温泉街のセットもそれらしく、現地ロケと上手く合成している。デマーガは、口から熔鉄光線、背中から火炎弾を発射。またオメガやレキネスとの戦いで、溶鉄弾をレキネスに跳ね返されて炎上。全身が赤熱化した状態と化す姿は熔鉄怪獣に相応しい。怪獣バトルを含む特撮はこれまで以上に力が入っている。
第11話「グライム再び」
オメガは古代怪獣リオドと戦っていた。鼻を縛り上げ、オメガスラッガーで斬りつけて倒す。変身を解いてからソラトは妙な気配を感じた。一方、コウセイはオメガが自分を頼らないでリオドを倒したことに不満を抱いていた。
そこへ訪れたアユム。怪獣対策を専門としたチームが作られることを話す。今までの調査だけとは違い、具体的な対策を行うもので、アユムの恩師も関わっていると言う。
その時、ラジオでオメガは人類の味方かとアンケートが取られ、支持するが49%、支持しないが37%、どちらでもない14%の結果となる。まだ大勢が支持していなかったことに怒るコウセイ。
その時、熱線怪獣グライムが栃木県に再び現われたとの報が。さらに恩師・宇多咲幸からアユムに、グライムへの作戦に参加するようにと。
ソラトは何かイヤな予感がするが、コウセイは強引に自分たちも行くと言う。アユムは、栃木県のベースキャンプで怪獣対策を行うNDFと合流。指揮官・タイラカズヤスと会う。必要なのは能力と熱意だと語るタイラ。グライムに麻酔薬を搭載するミサイルを撃ち込む作戦が進められる。
ソラトとコウセイも到着。躊躇するソラトに、コウセイは構わず先行する。グライムは地上に現れるが、様子がおかしい。NDFの麻酔ミサイルが放たれた。第2波の前に、コウセイは強引にトライガロンを出現させる。
グライムを翻弄するが、新たな怪獣である爆進細胞怪獣エルドギメラが出現。圧倒的パワーでトライガロンを叩きのめし、その際の瓦礫からコウセイをかばったソラトは足を負傷する。
そのままオメガに変身するが、足の痛みにグライムの攻撃もあって苦戦。戦いはキャンプベース近くまで迫ってくる。グライムのツノの光線からオメガは人々をかばうが、防ぎきれず、タイラも負傷する。エルドギメラはグライムを体内に吸収し、続いてオメガを触手で空中に固定し光線を浴びせた。オメガはソラトに戻ったが、気を失ってしまった。
脚本は#3~4と特別総集編、本作のシリーズ構成もサブで手がけている足木淳一郎。監督は#1~3と特別総集編のメイン監督・武居正能。
1クール目の終盤である前後編で、『ウルトラマンブレーザー』(2023)や『ウルトラマンアーク』(2024)同様、ウルトラマンが苦戦。力の入ったエピソードだとわかる。
冒頭で、『ウルトラマンアーク』#2にも登場した怪獣リオドが現れ、さらに#1の怪獣グライムが再出現。エルドギメラの引き立て役になったものの、ツノから光線を撃ちまくり、オメガを苦戦させるなど善戦した。
相次ぐ怪獣災害に、政府は本格的に対策に乗り出す。ラジオでは怪獣と戦う巨人(オメガ)についてどう思うかアンケートが行われる。改めて現実世界での昨今のクマ被害と重なって見えてきてしまう。アンケートでは、麻希は支持するを、オオカミは支持しないを選択するだろう。まだまだ支持しない声が多いこともあり、コウセイは突っ走ってしまって、オメガを危機に追いやってしまった。他にも怪獣エルドギメラがいるとは知らなかったからだが、いつもより冷静なソラトの声も届かない。頑固なのだ。リオドとの戦いで自分が置き去りにされたことが不満で、冒頭で#4のオオヤの言葉が響いたが、その意味をいつしか忘れてしまっていた。半面、ソラトは冷静で、負傷した時も、コウセイを怒らず、その身を案じている。
怪獣リオドとの戦いは前座で、後半の怪獣グライムとエルドギメラとの三つ巴の戦いは、『ウルトラマンタロウ』(1973)第18話での怪獣バードン&怪獣ケムジラ戦とも重なる。
エルドギメラは残酷さ・カッコよさ・グロテクスさが巧みに入り組んだデザインで、トライガロン・グライム・オメガを圧倒する。尻尾に第2の口を持ち、一瞬でグライムを捕食するが、バードンがケムジラを捕食した時のような醜悪さはない。捕食した直後に、右肩に光線を発射するツノが出現する演出も今までになかった。
怪獣デザインを手掛けた渡部昌彦は、第3期ウルトラシリーズの『ザ☆ウルトラマン』(1979)や『ウルトラマン80(エイティ)』(1980)の敵怪獣、1980年代前中盤の東映のスーパー戦隊シリーズや『宇宙刑事』シリーズやメタルヒーローシリーズの敵怪人など、46年もの長期にわたって、デザインに関わってきた御仁だそうだ。
第12話「俺のやりたいこと」
ソラトは倉庫のベッドで眠り続けていた。コウセイは突っ走って窮地を招いたことを後悔していた。目が覚めたソラトは元気で何も言わなかった。焼きそばを食べ終えたあと、今まで無理をさせてきた、出ていくと言う。いたたまれずに飛び出したコウセイ。
国立自然研究センターでは、アユムが怪獣エルドギメラの解析を行っていた。伝説上の動物・キメラかもと考える。行き詰まるが、防衛隊の現場隊長・タイラが言った「必要なのは能力と熱意」を思い出す。いつの間にかコウセイは先に怪獣たちが戦った場所にいた。そこで出会った女性に、言われるがままに怪獣破片の採取を手伝う。死に損ないのゾンビみたいだったコウセイも元気になっていく。
「やりたいことが見つかったような気がして、やれてるような気がしたけど、調子に乗って失敗しちゃって……自分がやりたかったことがわからなくなってきた」と吐露する。女性は「失敗しようが何しようが、やらずにはいられない。やりたいことはそんなもの。誰だって間違えることはある。そのまま逃げるか、挽回するか、決められるのは自分だけ。なぜ君がそれをやりたいと思ったか、大事なのはそこじゃないか」と助言する。
エルドギメラは怪獣ドグリドも捕食する。負傷していたタイラは、アユムが解析から得たエルドギメラの細胞が高エネルギーに耐えられないことでの迎撃作戦を立案する。コウセイはレキネス・トライガロンを手にした。ソラトは再戦の決意を固める。
進撃するエルドギメラへ多数のミサイルが発射。続いてアンカーが撃ち込まれる。高電流が流れ込む。怪獣からの光線が放たれる寸前、ソラトはオメガに変身して防いだ。しかし、オメガスラッガーを浴びせるも、毒液や光線を食らって苦戦する。その時、駆けつけたコウセイが「別に無理してやっていたワケじゃねえぞ。俺はやりたいからやったんだ。ソラトと皆の役に立ちたいと思ったことはウソじゃない!」と叫びながら怪獣レキネスを出現させる。レキネスの念動力で、落ちていたアンカーが浮遊。エルドギメラに突き刺さり、再び高電流が。オメガは反撃に転じ、レキネスアーマーで斬り倒した。
しかし、コウセイがレキネスを操っていた行動はアユムに見られていた。夜、倉庫の前でコウセイとソラトは和解。何もなかったように笑い合った。
前後編の後編。地球人類とウルトラマンの反撃。再び足木淳一郎と武居正能がタッグを組む。
突っ走って、オメガを負傷させ、自責の念にかられるコウセイ。当のオメガことソラトからは責める言葉は一切出ず、逆に自身に非があったことが、ますます重くのしかかる。
コウセイを立ち直らせた女性は、急に自身の仕事を手伝わせて、その後、聞き役に徹してから、これからやるべきことを示している。#4のオオヤとも重なる。こんなふうに言ってくれる人が身近にいたらと思った視聴者も多いことだろう。
コウセイが見つけたエルドギメラの破片。画面ではよくわからないが、アユムの手に渡って、反撃作戦手がかりになったのか? NDFの反撃作戦が準備される。包帯姿ながら指揮を執るタイラも勇ましい。エルドギメラ解析を行ったアユムを「貴方の熱意に敬意を表する」とねぎらった姿も好感が持てる。
NDFの戦いでは、歴代ウルトラシリーズの防衛チーム出動時のようなBGMでワンダバを使っている。昨年2024年に亡くなられた冬木透が作ったワンダバが流れるのは感慨深い。加えてオメガとレキネスの活躍バックで流れた、ASH feat.MindaRynが唄う挿入歌『アンブレイカブル』もバトルを盛り上げている。
エルドギメラとの戦いは、NDF・オメガ・レキネスそれぞれに見せ場があり、見ごたえがある。もっとも、①前の戦闘で負傷して気を失ったソラトを、コウセイは倉庫へ連れて帰って看病したが、栃木山中から倉庫までよくソラトを連れて帰れたな? ②そもそも倉庫から栃木山中までどのくらいの距離があるの? コウセイとソラトは何度も行っているが ③ソラトは出ていくと言ったが、戦いが終ってから倉庫の前でコウセイと話しているなど、いくつか「?」も。
第13話「アユ姉(ねえ)にバレちゃった!」
アユムは、エルドギメラの戦いで、コウセイが怪獣レキネスを操っていたのを目撃し、そのことを問おうとしていた。焦るコウセイ。正直に話すしかないと言うソラトに、上手く説明できる自信がないと応える。
その時、ソラトは何かの気配を感じた。コウセイは説明用のカンペ(カンニングペーパー)作りに乗り出す。レキネスとの出会い、ともに戦ったことをソラトと語りながら振り返る。トライガロンとの出会いも、2匹のメテオ怪獣のおかげで何度もピンチを乗り越えてきた。そして3匹目のメテオ怪獣は、ソラトの記憶ではいたようないないような……。その時、アユムが訪れてきた。ソラトは隠しごとをするのがイヤで、自分のことも打ち明けるつもりだ。
アユムに告げようとするソラトとコウセイ。その時、友好珍獣ピグモンが出現。ピグモンを知っているソラトはピグモンのケガの手当てをしてやる。コウセイも優しく接する。そんなふたりの姿に、アユムは初めて会ってからのことを思い出す。ソラトが「目覚めの時」と言っていたことも。
海外でも怪獣出現が始まっていた。ピグモンは本来、海の向こうの無人島にいたとソラトは言う。ピグモンが他の人に見つかり、ソラトはひとっ飛びして、もと居た島に届けると言う。その言葉にアユムは悟った。その後、ソラトはピグモンと外へ。残されたコウセイとアユム。
NDFのタイラも、エルドギメラとの戦いでオメガに助けられ、オメガを味方だと認識したとアユムは話す。自身もオメガは私たちを守っているとコウセイに言った。ここに来るまで真実を追求するべきか迷っていたが、ふたりの友人としてそばにいたい、だから黙っていると告げる。礼を言うコウセイ。やがてピグモンを送り届けたソラトにもそれは告げられた。3人は握手を交わした。アユムが帰ったあと、「これからもよろしくな」「おう」。ソラトとコウセイも絆が深まったのを確認した。
脚本は連続3本目の足木淳一郎。監督は『ウルトラマンアーク』(2024)第13話も手がけた鈴木農史。本話も『ウルトラマンアーク』第13話なども、2010年代以降のウルトラシリーズでは第13話は予算節約のための実質的には総集編で、新しい怪獣は登場しないので怪獣バトルもない。
前話のラストで、アユムにコウセイがメテオ怪獣を操っているのを見られてしまっていたので、これからどうなるのかと気になる。これまでもソラトの変身やコウセイがメテオ怪獣を操るシーンは、人に見られたのではないかとヒヤヒヤしてきたが。シリーズ中盤でウルトラマンの正体がバレる作品は、『ウルトラマンメビウス』(2006)第30話()などがあった。本作ではどういう展開になるかと観ていたが。
ピグモンは『ウルトラマン』(1966)に初登場。その後も度々登場。『ウルトラマンブレーザー』(2023)第9話にも……、あっ、あれはガラモンだった。余談だが、今は亡きSF作家・山本弘の小説『多々良島(たたらじま)ふたたび』(2015)では、ピグモンとガラモンが似ている理由が書かれていた。
なぜピグモンが倉庫に来たのかわからなかったが、怖がらずに優しく接するソラトとコウセイに、険しかったアユムの表情は和らぐ。今までのことを振り返って、ふたりの人柄を再確認。そしてソラトがオメガだとその正体を知った。ふたりの口から、オメガやメテオ怪獣について語られることはなかったが、アユムは暗に悟った上で、対外的には黙っているとした、安心できる展開だ。
他にレキネス・トライガロンに続く3匹目のメテオ怪獣はいるのかについてや、#1で地球に落ちたソラトは裸だったが、その後、倉庫にいた時、服を着ていたことも言及された。服は人からもらったと言うが、その人は今後登場するのだろうか?
そういえば、アユムがコウセイにタイラのことを話したが、タイラは今後も登場するのだろうか? 後半、どのような展開になるのか?
#10評でもふれたが、現在のクマ被害が現実問題として深刻化しており、怪獣災害とも重なる。クマ害で問題になっているようなことは、過去のウルトラシリーズでも何度か取り上げられたことだ。最近のこの手の題材のエピソードはソフトな表現になってしまっているが……。
第14話「オメガ抹殺指令」
空から降りてきた輝きは男性と化し、様子を見にきた人を殺害した。同じ頃、倉庫で働いていたソラトとコウセイに手紙が。直後に現れた女性は、エルドギメラとの戦いでコウセイに破片採取を手伝わせた人で、アユムの恩師・宇多咲幸(うた・さゆき)であった。
生物や工学の優れた科学者でもある宇多は、気さくでオープンな人。前からソラトとコウセイのことを聞いて興味を持っていたと言う。怪獣対策チームの準備で忙しかったと。怪獣探索の装備・Kモニターを楽しそうに見せる。怪獣やオメガについて楽しそうにソラトと語った。
必死にはぐらかすコウセイとアユム。呼び出しがあって退出したが、怪獣研究をする理由を「自分が楽しく、人のためにもなるなら万々歳だ」と言ってみせる。その頃、空から降りて来た男はオメガを追っていた。ソラトとコウセイは河原にいた。#5のゲストであったササコからソラトとコウセイに、姪のミコとの良好な近況を伝える便りが来たのだ。
そのことについて話していたソラトとコウセイへ男が近づいてくる。襲いかかられて、激しく殴り合う。逃走するソラト、追う男。街の中で再び格闘。パンチやキックが繰り出され、男は「オメガ抹殺、ゲネス復活」と言う。「地球支配」とも。
戦いながらソラトは、かつて後ろから撃たれて、地球に落ちていった記憶を思い出した。記憶を思い出しつつあるソラトに、容赦ない攻撃が浴びせられた。コウセイが援護し、危機を脱する。男は巨大化・変貌し、殲滅創世体ゾヴァラスと化す。ソラトもオメガに変身した
。国立自然センターでアユムと宇多もモニターを見ていた。苦戦しているオメガにトライガロンが加勢する。優勢に立つも、ゾヴァラスも鳥型の怪獣を出現させる。その胸にはトライガロンと同じ紋章が。鳥型怪獣はオメガを圧倒し、さらに空中で長い錫杖(しゃくじょう)に変化。それを手にしたゾヴァラスは激しい攻撃を加えた。圧倒してトライガロンを撃退したものの、攻撃に驚いた烏(カラス)が一斉に飛び出すと、苦しみ出して撤退した。オメガへの変身を解いたソラトはダメージを負っていた。
脚本は#2以来のシリーズ構成(メインライター)・根元歳三。監督は前々回も手がけたメイン監督・武居正能。
人間同士のバトルも、オメガとゾヴァラス・飛行怪獣との怪獣バトルも迫力がある。河原にいたソラトへ攻撃を仕掛け、その後は追跡して、バトルは市街へ。ソラト役・近藤頌利とゾヴァラス人間態役・新田健太。力の限りでの殴り合い。新田は東映特撮のスーツアクターの経験が多く、ちょうど本話放映の前月であった2025年9月から放映が開始されたばかりの『仮面ライダーゼッツ』でも仮面ライダーゼッツのスーツアクターを務めている。高くジャンプし、ビルの屋上から屋上へ移動し、息もつがせぬ格闘となるのは、今までのウルトラシリーズ、否これまでの日本特撮ではなかった演出。
ゾヴァラスはモノトーンでカマキリのような容貌。異様な感がある。デザインした坂本トシミは、『ウルトラマンアーク』では怪獣シャゴンを手がけていた。
怪獣バトルも、オメガとゾヴァラスの戦いに、トライガロンや、新たな鳥型怪獣まで出現。#11~12に劣らぬ特撮シーンを見せてくれた。もっともラストで、①驚いた烏が一斉に飛び出してから、②トライガロンアーマーがゾヴァラスにコントロールされてオメガ自身を攻撃、③直後にトライガロンはアーマーを解除してコウセイの許に戻り、④続いてゾヴァラスは苦しみ出す一連は、「?」であった。③が先で、その後に①と④と流れる方がふつうの流れだと思うのだが。
記憶が蘇ったソラト(オメガ)は、ゾヴァラスにかつて後ろから撃たれたことを思い出した。他にもいろいろと失われていた記憶が蘇ったのだろうか? 中盤では、手紙で#5に登場したミコとササコが元気でいることが明かされた。
これからレギュラーになる宇多は超陽気な人だが、倉庫内では時折り険しい表情を浮かべていた。もしかして……。
EDは第2クールに入ったことで本話から『共鳴レボリューション』に変わった。挿入歌『アンブレイカブル』同様、MindaRynとASHが唄う。叩きつけるようなハイテンションな歌。これからのストーリーを暗示しているのだろうか?
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