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仮面ライダー剣 最終回・総括 〜終了合評 會川ヒーローは痛みと深みを増して


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仮面ライダー剣 最終回 後半〜終盤評

仮面ライダー剣 〜後半評 會川ヒーローは痛みと深みを増して

(文・内山和正)
 アンデッドでありながら遺伝子の異常により殺し合いを好まない嶋昇(しま・のぼる=タランチュラアンデッド)という名キャラクターを視聴者の心にのこしてメインライター・今井詔二(いまい・しょうじ)氏は28話で去っていかれた
 (嶋の存在感が魅力的なのはもちろん、持っていなければ平和なのではないかという要素は人間にもあるので、深い設定に思えた)。


 降板されたのか、ほかの仕事でいそがしいのか長期的不在となっている
 (過去の例では1988年に東映不思議コメディシリーズ『じゃあまん探偵団 魔隣組(まりんぐみ)』のメインライターだった大原清秀氏が大映テレビのドラマ『ザ・スクールコップ』執筆のため2ケ月間番組を留守にした例がある)。
 それ以後放送された今井氏の作品には2時間ドラマ2本があるが、片方は安定した力量でたのしませてくれたものの、もう1本は旺季志ずか(おうき・しずか)さんとの合作であり、旺季さんのほうの比重が大きいのではないかと思えた(2時間ドラマの制作は一般にテレビ放映よりもかなり先行しているので、『剣』執筆以前の作品かもしれないが)。


 ともかく、この最後のエピソード、嶋は魅力的であったものの、いまさら剣崎一真(けんざき・かずま=仮面ライダーブレイド)に戦う意味を再確認させるのは疑問だった。
 彼がライダーとしての使命ではなく人を救いたいから戦っているなんてもうわかっていることではないか。剣崎が両親を救えなかった過去はあるにしてもなぜこのように真っ直ぐな人間になりえたかこそを描くべきではなかったか。



 井上敏樹氏の担当回(29・30話)をはさみ、會川昇(あいかわ・しょう)氏が暫定的か、後任かは知らないもののメインライターに就任され31話以降の大半の回を執筆されるようになった。今井氏の世界観をこわさずに自分の世界を出していける方なのでこの人選は、妥当だろう。


 けれど、夏場のあのヒーロー風味に満ちた至福のたのしさはもうなく、ひたすら傷つく剣崎、嶋が犠牲
 ――タランチュラアンデッドである自分が封印されれば、上城睦月(かみじょう・むつき=仮面ライダーレンゲル)の意識をあやつるレンゲルの素体でもあるスパイダーアンデッドの邪悪な意思をおさえられるかもしれないと考え実行――
 になった効果もなく暴れまくる睦月、
 彼らしいとはいえ広瀬に騙され利用される橘朔也(たちばな・さくや=仮面ライダーギャレン)、ジョーカーに戻り少女ヒロイン・天音(あまね)さえわからなくなる相川始(あいかわ・はじめ=仮面ライダーカリス=アンデッド・ジョーカー)……と悲痛すぎて観ていて気持ちが高揚しなかった。


 だが、今井氏が描ききれなかった剣崎の正義感を、献身的で愚かなまでの捨て身の一途さとして見事に表現し深みを与え得たことは高く評価したい。
 タイガーアンデッド=城光(じょう・ひかる(♀))と睦月の間に芽生えた感情、そしてこのたびのバトルが天王路(てんのうじ)という悪しき男の陰謀にすぎぬことを知った光は、自分を睦月が封印するようせしめアンデッド化させられそうになっていた睦月を嶋と協力して救いだすことに成功した。
 これからヒーローとしての仮面ライダーレンゲルの活躍がたのしめるのだろう。



 深沢小夜子役の粟田麗(あわた・うらら)さん、伊坂=ピーコックアンデッド役の本宮泰風(もとみや・やすかぜ)氏、一之瀬仁役の藤間宇宙氏(子役出身)、高原=イーグルアンデッド役の林泰文(はやし・やすふみ)氏などなどベテラン役者の出演が目だった本作。
 ヒーロー役者の再登板をおこなってきた本シリーズ
 ――本作においては、『大戦隊ゴーグルファイブ』(1982)ゴーグルブラックと『科学戦隊ダイナマン』(1983)ダイナブラックことヒロイン栞の父・広瀬義人役の春田純一氏や、『仮面ライダーアギト』(2001)レギュラー小沢澄子役こと神丘令役の藤田瞳子(ふじた・とうこ)さんや、ビデオ作品『ウルトラマンティガ外伝 古代に蘇る巨人』主役アムイ役ことキング=コーカサスビートルアンデッド役の上條誠氏や、『忍風(にんぷう)戦隊ハリケンジャー』(2002)レギュラー女敵幹部ウェンディーヌ役ことあずみ=サーペントアンデッド役の福澄美緒さん――
 だが、『ウルトラセブン』(1967)主人公モロボシ・ダン役こと天王路役の森次晃嗣(もりつぐ・こうじ)氏の登場には意表をつかれた。
 まさに真打ち登場という感じ。登場に不思議はないのだがある種盲点になっていた配役ではないだろうか。


 天王路という人物の介在が当初から予定されていたものかは不明だが、ライダーたちのたどりつくべき場所は明確になったようだ。
 それをふまえてどのような結末になるか(明るい結末を)期待したい。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2005年号』(04年12月30日発行)『仮面ライダー剣』TV後半合評①より抜粋)


仮面ライダー剣 最終回 〜終了評① そしてヒーローは全てを変えて

(文・内山和正)
 生き残ったたった一人のアンデッド(従来の『仮面ライダー』シリーズの敵怪人に相当)が得られるという、想いのままの世の中をつくれる特権を手にすべく人造アンデッド・ケルベロスと融合。いまの人類をほろぼし、自分に従順なあたらしい人類をうみだし支配する。
 そのためにライダーにほかのアンデッドを封印させ、用済みとなったライダーを始末する……人類基盤史研究会・ボードの元理事長・天王路博史(演・森次晃嗣)のたくらみはそのようなものだった。


 なぐりたい・殺したいという卑近な欲望で行動する者、みずからの悲痛な状況を回避したい切実な想いから他人の人生をもてあそぶ者、本能で人を襲う怪物……
 そのような敵が大半を占めた「イケメンライダーシリーズ」(通称、平成ライダーシリーズ)において、彼のようなオーソドックスな正統派の悪役はめずらしい。
 それが成立する世界観だから違和感なく巨大な敵として存在するのだが、同時に笑ってしまいかねないのも事実で、シリアスさと変身もの的ギミックが微妙なバランスで混在する本作だからだろう。


 給料をもらってアンデッドと戦ってきた剣崎一真(けんざき・かずま=仮面ライダーブレイド)・橘朔也(たちばな・さくや=仮面ライダーギャレン)・広瀬栞(ひろせ・しおり)の3人。
 勤め先のボードが第1話で壊滅したのにもかかわらず、どうして支払いがあるのかが本作の欠陥のひとつだったが、天王路の活動が本格化するとともに給料の振り込みがストップしてしまうという形で遅ればせながら説明がなされた。
 これまで不審がらずに給料をうけとっていた彼らの呑気さが気になりはするが、説明なしに終わらせなかったことは評価したいし、戦いのうえでの危機とともに経済的な危機も予感させる(結局、それ以上追求されないものの)つくりはうまい。


 さんざん企みをめぐらした広瀬栞の父・広瀬義人(実は広瀬の姿と記憶をうけついだトライアルB)の背後にいた天王路。
 ライダーベルトやカードなどで連結・吸収されているアンデッドの力をつよめて暴走させ、ライダー同士を殺しあわせようとしたり、人造アンデッド・ケルベロスでライダーの持つアンデッドを封印したカードを吸収強奪して戦闘不能にしたりとつぎつぎライダーたちをピンチにおとし、ライダーたちがたどりついだ最大最後の敵であるように思わせた彼だったが、それで終わらないのが本作の凄味。


 ケルベロスと融合した彼は4人ライダーと同時に戦うほどの能力を持ちながらもさすがに勝てはせず、ただのか弱い人間にもどってしまったところをライダーと手を組んだようにみせかけていた金居=ギラファアンデッドに惨殺される。
 それは正統派の悪役などに、(今回のライダーバトルの首謀者が彼であるにせよ)平成ライダーの結末は飾らせないと言っているかのようでもある。それとともに4人ライダーが力をあわせて敵と戦うヒーローものらしい展開も終わりをつげ、のこるは共存をのぞまない金居との戦い、心との戦い、運命との戦いとなった。


 それだけに、天王路との戦いは並走して出撃するライダーたちのマシーンと天王路の乗用車がすれちがったり、4人が口々に天王路のもくろみを言い当てるなど変身ものとしての華を感じさせた。



 天音(あまね)の父の死が、自分たちの戦いにまきこまれたせいであることを天音らに話すと脅して、相川始(あいかわ・はじめ=仮面ライダーカリス=アンデッド・ジョーカー)に対し優位に立ち、自分が封印されジョーカーのみがのこればその特性から人類が破滅する事実を盾にしてライダーの攻撃を避けようとする金居のずるさと圧倒的な強さがしめされる47話。
 データからジョーカーをのこしてはまずいと知らされ、始を封印しようとするも、始を信じる剣崎や上城睦月(かみじょう・むつき=仮面ライダーレンゲル)の想いを信じようと金居に捨て身の戦いを挑む橘。
 跡には散乱するカードと破損したブレイバックル(変身ベルト)がのこされ、この作品においてはないと思われた仮面ライダーの死がおこったかもしれないことをしめしてこの回はおわる。


 善意は裏切られる。始の意志とはかかわりなく、始=ジョーカー単独の生き残りは人類の破滅を呼ぶものだった。
 自動的につくりだされるダークローチ(ジョーカー配下の怪人)の群れが人々をおそい2人のライダーがたおしつづけても数が増すのみ、状況を変えるには始を封印するしかないが剣崎には思いきれない。
 自分を制御しきれなくなりつつある始は封印をのぞむ。かわりに封印しようとした睦月が(意志にかかわらず動いてしまうジョーカーの攻撃で)死んだかもしれぬ状況で48話も終わる。


 次回予告は剣崎と始の戦いが避けがたいものであることを思わせ、勝手な思い込みかもしれないが番組当初プロデューサーが口にしたテーマから、辛い状況はつづいても最後はおだやかな結末になると信じていた筆者にとっては最悪をうかがわせる展開だった。


 そして最終話(49話)。睦月も橘も無事だった(ひさしぶりに帰国した烏丸(からすま)所長が橘を救出していたというのはご都合主義にすぎるが、とりあえず所長が出ないで終わることにならなかったのはよかった)。
 剣崎は自分の身体を疲弊させることでなにかを行なおうとしていた。
 その「なにか」が自分がジョーカーになることでアンデッドが1人ではない状況をつくり、始も人類も同時にすくおうとしているのであろうことは推測でき、成功するようにと念じながら見ていたが、考えてみればこの番組において特殊な存在になることが幸せであるはずはない。


 剣崎の作戦は功を奏し人類の破滅はくいとめられるが、モノリス(封印の石)があらわれ、統率者が2人のジョーカーにつげる。戦うようにと。
 剣崎は始に人のなかで生きるように言って戦いをさけるべく、始のもとから、仲間たちのもとから姿を消す……



 残された命が短いのであろう前作『仮面ライダー555(ファイズ)』(2003)最終回(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20031108/p1)の主人公・乾巧(いぬい・たくみ)とは対照的に、死ねない存在となってしまった剣崎。
 しかし、天王路のような人間にこそ不死は必要であっても剣崎には必要ではないだろう。死ねぬ身体と怪物になるかも知れぬ運命と戦うことを背負い、永遠にどこかをさまよい暮らすのだろう。
 始にしても長い目でみれば、いずれは天音の前から姿を消すか天音の死を見取ることになるはずで、暫定的なハッピーエンドでしかない。


 本音では始が本当の人間になってしまうとか、烏丸によってなにかがもたらされるとか、安易ではあっても完全なハッピーエンドを望みたかったが、そのような方向性への嗜好を別にすれば素晴らしい最終回であった。
 さんざん楽しませておきながら謎がのこされたままだったり、描きこみが薄かったりしてきた「イケメンライダーシリーズ」の最終回のなかにあって本作は完成品といえる仕上がりだった(微少な矛盾とかは生じているのかもしれないが)。


 これまでに、剣崎がキングフォーム(仮面ライダーブレイド最強形態)の力を得たことで、始がジョーカーの姿にもどってしまったり、始がジョーカーにもどったことで剣崎がくるしみだすなど、2人の共鳴作用が描かれてきたことや、広瀬(トライアルB)が不死の秘密をつかむべく剣崎をジョーカーにしようとしたことなど、充分な伏線が用意されていたことで納得がいくのだ。


 剣崎一真というネーミングはセンス的に前期メインライター・今井詔二氏によるものなのではないかと思うが、そのイメージを保守し、まっすぐな気持ちのまま自分を犠牲にして世界と始をともにすくう形で結実させた會川氏の手腕を評価したい。


 天音たちと日々をおくる始が買いものの途中で目にする、幻影の剣崎のやさしく爽やかなほほえみが心にのこる。
 ただ、剣崎に焦点があたったことで、始や睦月のそのあとは描かれたものの、虎太郎(こたろう)や栞や橘について語られなかったのは、彼らの物語でもあったことを思うと非常に残念だ。



 仮面ライダー初心者である2人の脚本家がメインライターをつとめ、第3期ライダーシリーズ(1987年の『仮面ライダーBLACK』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20001015/p2)、1988年の『仮面ライダーBALCK RX』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20001016/p1))においてメインライターが次々かわるなか参加しつづけた宮下隼一(みやした・じゅんいち)氏、これまでのイケメンライダーシリーズすべてにかかわった井上敏樹氏というベテラン『ライダー』ライター陣が参加するという珍しい形式となった本作
 (會川氏の特撮ヒーローものデビューは1986年の東映メタルヒーロー時空戦士スピルバン』あたりらしい(編註:#23「兄と妹が鬼伝説の山を走る」)。井上氏が同年のスーパー戦隊超新星フラッシュマン』14話「恋?! ブンとスケ番」、宮下氏が翌年の『仮面ライダーBLACK』5話「迷路を走る光太郎」ということでこのジャンルに関してのデビューではほぼ同期という感じの3人だが、『ライダー』については會川氏は出遅れた感がある)。


 作品というものはライターの息遣いふくめて反映されるべきと思っているので、その意味ではなるべくひとりのライターに全話書いてほしいのが個人的本心ではある。
 ただ、もとより脚本の方の考えだけでつくられているわけではないし、商業的にはいろいろあるだろう。だから今井氏の降板は惜しまれることではあるがこだわりつづけるつもりはない。
 氏にも功罪双方あったと思うし、氏が書きつづけた場合とどちらが優れた作品になったかもわからない(すくなくともイケメンライダーシリーズ中もっとも印象のうすい主人公だった剣崎は、會川氏のおかげで忘れられないキャラクターになった)。
 ただ、今井氏が書いていたらどうなっていただろうかについては興味がある。また、本作においてはこれまでの高寺成紀(たかてら・しげのり)・白倉伸一郎東映プロデューサーにくらべ日笠淳プロデューサーの口が重く、どういう意図で今井氏らを起用したのかなど語られていないことや、ライター陣のインタビュー自体なかったことには異議がある
 (筆者の地元には入荷しない『特撮ニュータイプ』や、東映のホームページにはあるのかもしれないが。なお、DVD11巻(ASIN:B000803CFC)の初回特典には會川氏のインタビューがつくらしい)。



 今井氏がメインをつとめておられた時点では始には未亡人とその娘をまもるという「未亡人もの」としての要素があったのではないかと思うのだが、そのあと天音が完全に始の相手役になっている
 (遥香(未亡人)役の山口香緒里さんがTV時代劇『大奥 第一章』(2004)にレギュラー出演(『大奥』シリーズの時代を超えて登場する大奥スリーアミーゴスのひとり)するためのスケジュールの問題もあったのかもしれないが)。
 特に宮下氏が執筆された39・40話においての天音のセリフは、年上の青年にあこがれる少女というよりは恋人を思う女性のそれになっており、久しぶりに帰ってきていた始が剣崎を案じてとびだしていこうとするのに対し


 「我慢しないって決めたんだからね、帰ってこなかったら私待ってなんかあげないんだからね」


 と口にするのは印象的である。


 天音の父の死の真相は會川氏によりアッサリ処理され、天音たちが知ることはなかったが、今井氏が書いておられたら父の死に始が介在していたことも、始の正体もあきらかになり、それでも乗り越えられるのだろうか……という展開になったのではないかと思われるが如何(いかが)か?



 會川氏がメインとなってからの本作は、ヒーロー味が光るとその直後に暗い展開もおとずれるようになっており、本作の狙いである“変転”がより増したともいえるだろう。見応えある展開である。
 井上氏も宮下氏も會川氏の盛り上がりと持ち味を無にすることはなく、秀作を書いた。井上氏は強い個性はセーブして技術の高さをしめし、それでいて、合成アンデッド・ティターン(カメレオンアンデッドとスコーピオンアンデッドの合成)の毒に剣崎が侵されているのではないかと見張る始というシチュエーションで


 「俺たち結構濃いつきあいをしてきたのに寂しいじゃないか」
 「気色悪いこというなよ」


 とのやりとりで自己の個性をハッキリ出してみせた。


 宮下氏は、始の力を借りたい剣崎が、始が天音親子とたのしい刻(とき)をすごしているのを知り


 「君はそこにいろ」


 と思いやりをしめすところなどが光り「世界観をつかんでいるな」と感心させられた。
 広瀬義人(の記憶を持ったトライアルB)と栞の再会はあまりにもアッサリしていたが、本物の父でないと知ってこわがって逃げる栞、そんな彼女をかばって死ぬBが実は栞をまもるようにつくられながら天王路に記憶の一部を改変させられていたために、広瀬の「妻を甦らせたい」妄執の部分をうけつぎ剣崎を危機にあわせていたとの真実が泣けた。


 
 今回後期ブレイドを見返してみて本放送のときよりも充実感を得、質の高さを実感した。
 しかし、人気の面で低いのは、見る人を選ぶ作品でもあったのだろう。
 たとえば、睦月がブレイドに借りたキングラウザー(必殺剣)でスパイダーアンデッド(睦月が変身する仮面ライダーレンゲルの素体)を斬って封印、本当のライダーになるという睦月史上最高にカッコイイシーンを経たあとで、ライダーの資質になやむ展開を持ってくるあたりは誠実であるものの、これから強いレンゲルが見られるのだろうという期待にはこたえない。
 橘や剣崎など何度かの善意が裏目に出る展開も子供たちはスッキリできないのではないか。


 「本当の仮面ライダー」などと定義がなされても我々旧世代にこそ訴えるものの、悪人ライダーやねじれた心のライダーをさんざん見させられている子供たちには(イチイチ別世界の話だよと割り切れはしないだろうし)「なに言ってんだ」という感じだろう。


 旧世代になじみ深い顔立ちのライダーより子供たちには斬新なデザインのほうが訴求力があるのかもしれない。
 受けたものに似た作品をやるとオモチャが売れないという近年の風潮にさからい、『仮面ライダー龍騎』(2002)よりもカードバトル味をつよめ、コケてしまったようでもある
 (こうなってくるとそろそろ特撮作品もアニメのようにヒットしたら複数年放送という形に変えていくべきではないか)。


(了)


仮面ライダー剣 最終回 〜終了評②

(文・T.SATO)
 化けた。新旧本邦特撮で、ココまで変貌した作品がかつてあったであろうか?
 個人的に、平成『ライダー』シリーズのキャラ連では、本作のブレイド剣崎・ギャレン橘・レンゲル睦月・カリス始が、もうダントツで愛着があって一番スキだ!
 誰が誰だか区別が付かず、3人かと思いきや4人いた(汗)という初期編の迷走。
 特撮雑誌『宇宙船』での本作終了時のインタビューで、東映の武部直美プロデューサーが、
 「平成『ライダー』かくあるべし(……おそらく難解・ナゾ・仲間割れか?・笑)」
 とベテラン御大脚本家・今井詔二センセイに実質リライト・改稿要求(!)した旨(むね)明言している。A級戦犯は彼女だ!(笑)
 作品を脚本家だけに帰せられないイイ例だね。
 でも迷走ゆえに化けたなら……。善悪はあざなえる縄のごとし。


 ただ最終回だけはビミョーだなあ。悪くはないしコレもアリとは思うけど。
 善人ばかりが登場した作品だったのに、世界を滅亡から救うためには仕方ないとはいえアンハッピーエンドにしますか(汗)。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2006年準備号』(05年8月13日発行)〜『仮面特攻隊2006年号』(05年12月30日発行)所収『仮面ライダー剣』終了評賛否特集①・③より抜粋)



『假面特攻隊2006年号』「仮面ライダー剣」関係記事の縮小コピー収録一覧
・読売新聞 2004年10月8日(金) 若者投稿欄「DO!コンポNo.1016」テーマ・マイブーム 〜女子大生が仮面ライダー剣に夢中!


仮面ライダー剣』平均視聴率:関東7.9%・中部10.1%・関西7.4%
 (平均視聴率EXCEL表計算:森川由浩)
テレビ東京が、テレ朝ライダーの裏に『ポケモン☆サンデー』をラインナップ、ライダーの視聴率が低下傾向を見せる。(森川由浩)

仮面ライダー剣』はじめ、「スカイライダー」(79)〜「仮面ライダーW」(09)関東・中部・関西の全話視聴率表を、09年末発行の『假面特攻隊2010年号』「平成ライダー東西視聴率10年史」大特集に掲載!
[関連記事] 〜『仮面ライダー剣』全記事一覧

仮面ライダー剣』 〜全記事見出し詳細一覧

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仮面ライダー剣 〜前半合評1 ベテラン脚本家・今井詔二作品として……

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20041101/p1

仮面ライダー剣 〜前半合評2 混迷を整理!脱却!!

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仮面ライダー剣 〜前半合評1&2 〜全表示

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劇場版 仮面ライダー剣 MISSING ACE[ミッシングエース] 〜賛否合評

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仮面ライダー剣 最終回 〜終了合評 會川ヒーローは痛みと深みを増して

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土6アニメ『天保異聞 妖奇士(てんぽういぶん あやかしあやし)』

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炎神戦隊ゴーオンジャーBUNBUN!BANBAN!劇場BANG!!(ブンブン!バンバン!劇場バン!!)』

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仮面ライダーディケイド』#7「超トリックの真犯人」 〜タイムパラドックス解析!

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