假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑)

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ウルトラマンメビウス41話「思い出の先生」 〜80!


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(脚本・川上英幸 監督・佐野智樹 特技監督鈴木健二
(07年2月28日開催の第6回日本オタク大賞06/07で、ウルトラマン80(メビウス#41)が審査員6人(オタキング岡田斗司夫唐沢俊一など)の全員一致で大賞!〜まぁネタ的な賞ではあってもメデタイ!)

「想い出のウルトラマン

(文・久保達也)


教師「こうしてると地球を支えている気分になるんだ。地球をしょって立つ! 先生も登校拒否したことあってな」
生徒「先生も?」
教師「そのとき迎えに来てくれた先生が、こうして教えてくれたんだ!」


 母親から託された登校拒否の生徒を連れ、学校へと向かう途中、「いまさら学校行ったところでしょうがないよ」とつぶやいた生徒の前で、教師は突然逆立ちを披露する……


 『ウルトラマン80(エイティ)』(80年)第2話『先生の秘密』(脚本・阿井文瓶 監督・湯浅憲明 特撮監督・高野宏一)において、まったく同じシチュエーションの場面があった。
 第1話『ウルトラマン先生』(脚本・阿井文瓶 監督・湯浅憲明 特撮監督・高野宏一)において、東京都世田谷区の桜ケ岡中学校に赴任し、1年E組の担任となった理科の教師・矢的猛(やまと・たけし)は、第2話にして早くも登校拒否に陥ってしまった塚本幸夫(ゆきお)*1を学校に連れてこようと、彼の信条のように「一所懸命」努力した。
 だが小学校時代に仲の良かった友人たちとともに私立中学を受験したものの、自分だけが不合格になってしまい、英語も苦手だと云う塚本の心の闇は矢的の想像を超えたものであった。せっかく学校へと連れ出したものの、足どりの重い塚本の前で、矢的は塚本を奮い立たせるため、公園で突然逆立ちを披露した!


矢的「股の間からオレを見てみろ! 地球を持ち上げているように見えるだろう! 地球をしょって立つ! ああ、重いなあ、重い重い……」


 あのときとまったく同じ光景……まさか、この教師は、矢的の教え子・塚本の成長した姿なのか?


 校門までたどりついた二人を、クラスの代表として学級委員らしき男女の生徒が出迎えた。「みんな待ってるよ」との声に、登校拒否生徒はにっこりと笑顔を見せ、校舎へと向かっていく……
 重大な任務を成し遂げた教師もまた、満足気に笑顔を浮かべ、登校してきた生徒たちと「おはよう」の挨拶を交わしながら校舎へと向かっていく。その中学校は、矢的先生がかつて赴任していた「桜ケ岡中学校」*2であった……


 ちょうどそのころ、宇宙空間から地球へと超高速で突入してくるクリスタル状の物体と、それを猛スピードで追跡する光の戦士の姿があった!
 大気圏に突入するや、光の戦士は両腕を合わせ、物体に向け、幾重もの光輪を放った! 奇しくもそれは、矢的猛の正体であるウルトラマンエイティの必殺技・スパイラルビームであった! 全編において多用された技ではなかったが、第6話『星から来た少年』(脚本・広瀬襄 監督・湯浅憲明 特撮監督・高野宏一)においてもUFO怪獣アブドラールスの円盤を破壊する際に使用されていたので、ほぼ同一のシチュエーションという気の利いた配慮だ!
 スパイラルビームを浴びて爆発四散したかと思いきや、円盤は空中で『メビウス』第31話『仲間達の想い』において、メビウス抹殺の使命を帯びて登場した円盤生物ロベルガーの姿に変形し、地上にズドーンと舞い降りた!
 ロベルガー二世が到達した南洋上のウェーク島に、光の戦士も颯爽と着地する! エイティの変身アイテム・ブライトスティックが輝く効果音に続き、ファンファーレのごとく鳴り響く『ウルトラマン80』の主題歌アレンジ曲*3をバックに、ウルトラマンエイティが華々しくその勇姿を現した! そしてファイティングポーズを決める際の、70〜80年代に流行したカンフー映画を彷彿とさせる、「フォッ!」という拳法音まで律義に再現!*4


 ここまでやってくれてこんなことを云うのもなんだが、どうせならロベルガーの再登場よりも、アブドラールスを再登場させてほしかった(予算面のことはさておいて・笑)。口元のリレー電飾が宇宙怪獣としての不気味さを醸し出していて魅力的だったこともあるのだが、円盤にスパイラルビームという『80』第6話の引用をやるのなら、「自分は宇宙人だ」と主張していた大島明男少年の成長した姿ともども、ぜひ見せてほしかった!
 なんせ『メビウス』第16話『宇宙の剣豪』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060928/p1)、第18話『ウルトラマンの重圧』に登場した「オオシマ彗星」とは、天体望遠鏡で星を見るのが唯一の楽しみであった大島明男が発見した彗星であるという裏設定なんだし、少年時代に口笛で風を起こすという(自称)超能力を有し、現在は天文学者となった彼が、つい口笛吹いたらアブドラールスが登場し、「また迎えに来たのか!? オレは地球人だ!」と叫ぶとか(笑)。
 まあ、またアブドラールスのために負傷した明男*5を、エイティが両手から放出するメディカルパワーで治療する、なんて描写までは望みませんが……


 だがしかし、飛び蹴り! 側転! 回し蹴り! など、ロベルガー二世に対して豪快なアクションを次々に繰り出す、エイティのダイナミックなファイティングスタイルは見事にオリジナルのエイティを踏襲したものであった!
 『80』の特撮場面といえば、ミニチュアワークやメカ描写ばかりが語られがちであるが、学校編である第1話から第8話のエイティのスーツアクターは、昭和の『仮面ライダー』シリーズ(71〜75・79〜81年)で有名な大野剣友会に所属する赤坂順一が担当しているのだ。
 『(新)仮面ライダー』(79年)や、『仮面ライダースーパー1(ワン)』(80年)でも活躍していた氏は、『80』においてもライダーキックばりの見事なキック攻撃を数々披露しており、第2話において早くも羽根怪獣ギコギラーの頭上めがけ、三連発ものキックを浴びせるという離れ技を成し遂げているのだ! ウルトラマンタロウのスワローキックや、ウルトラマンレオのレオキックに比べると知名度は低いものの、第18話『魔の怪獣島へ飛べ!(後編)』(脚本・阿井文瓶 監督・湯浅憲明 特撮監督・佐川和夫)において、吸血怪獣ギマイラを葬り去ったムーンサルトキック(!)という必殺技を持つほど、実はエイティは蹴り技を得意とするウルトラマンなのである!
 それに加え、側転やバック転などのアクロバティックなアクション描写の多用は、まさにメビウスのファイティングスタイルの元祖だとも思えるほど豪快なものなのだ!


 ロベルガー二世は両手から紫色の光弾を、まるで手裏剣のように矢継ぎ早に繰り出した! 赤い単眼からも紫色のビームを放ち、さしものエイティもピンチに陥る!
 そこにウルトラマンメビウスが登場! ウルトラ兄弟の共闘が事実上描かれなかった『80』において、第49話『80最大のピンチ! 変身! 女ウルトラマン』(脚本・山浦弘靖 監督・宮坂清彦 特撮監督・高野宏一)でウルトラの星の王女・ユリアンとエイティが合体怪獣プラズマ・マイナズマと死闘を演じたのが、複数のウルトラマンが登場した唯一の場面となったが、エイティが共闘を演じるのは実にそれ以来26年ぶりのことであり、兄弟との共闘はなんと、今回が初めてのことなのである!


エイティ「君への授業はこれまでだ。新しい教官のもとでも、一所懸命、頑張ってくれ」


 DVD『ウルトラマンメビウス Volume.7』(バンダイビジュアル・06年1月26日発売・ASIN:B000KJT9EE)の解説書に掲載された『ザ・ウルトラマンメビウス episode6』(絵・内山まもる! 文・赤星政尚!)において、地球での経験を活かし、若き宇宙警備隊員の指導にあたっていたエイティはメビウスにこう告げ、新しい教官・ウルトラマンタロウメビウスを託したのだ。タロウの指導を受ける前、メビウスはエイティの生徒だったのである!
 メビウスが得意とする回し蹴りや、空中高く舞い上がって炸裂させる飛び蹴り、側転やバック転は、タロウ教官よりも、むしろエイティ教官から教えられたものなのだ!
 ロベルガー二世に対し、エイティ教官とかつての教え子・メビウスがともに得意の蹴り技を連続で浴びせかける!
 かなわぬと見たロベルガー二世は宙に舞い上がり、エイティとメビウスに向かって両手から矢継ぎ早に手裏剣光弾を浴びせるが、エイティは先述の『80』第18話でタコ怪獣ダロンを串刺しにした、サクシウムエネルギーを超細長い光の槍状に変形させたウルトラレイランスを、宙に浮かぶロベルガー二世に投げつけた!
 腹をブチ抜かれたロベルガー二世に、エイティは左腕を宙高く掲げ、右腕を水平に伸ばしたタメのアクションから両腕をL字型に組み、必殺のサクシウム光線*6を、そしてメビウスは両腕を十字に組んで必殺光線メビュームシュートを放った! 師弟が同時に繰り出したウルトラ・ダブルビームに、ロベルガー二世の鋼鉄の身体も木っ端微塵に砕け散った!


 同じころ、桜ケ岡中学校の校門の前に自転車を停め、感慨深く校庭の生徒たちを眺めるスーツ姿の男がいた。後方から近づいたワゴン車から彼に声をかける男。


スーパー「おい、落語(らくご)!」


 スーパー、落語……『80』未見の若い方々には「なんのこっちゃ?」と思われるであろうから、彼らに関して説明を加えておかねばなるまい。彼らはかつて桜ケ岡中学校で、矢的猛が担任していた1年E組の生徒なのである。


 スーパーとはもちろん彼のあだ名のことであり、本名はススムである*7。父親がスーパーを経営していることからそう名づけられたススムは、普段は明るい人気者だったのであるが、『80』第4話『大空より愛をこめて』(脚本・阿井文瓶 監督・深沢清澄 特撮監督・高野宏一)において、亡き母に代わって家を支えていた姉・広子*8が嫁にいくことが決まり、さらには父の再婚話まで持ち上がったため、寂しさのあまり自暴自棄に陥って学校をさぼり、『80』放映前年の79年に発売され、当時大ヒットした携帯カセットプレーヤー・ソニーウォークマン*9を楽しみながらローラースケートに興じるという別の一面をのぞかせた。
 矢的が学校をさぼる理由を問いただすと、ススムは「教科書を捨てよ、町に出よう! 寺山修司」(笑・*10)とおちゃらけたかと思えば、「世の中なんて、ブッ壊れてしまえばいいんだ!」と叫ぶセリフなど、思春期独特の揺れ動く少年の心を多面的に見せた、的確な演出が秀逸であった。


 一方の落語は、「毎度ばかばかしいお話で」と落語調で話す少年であり、本名は鍛代順一である*11
 第8話『よみがえった伝説』(脚本・平野靖司 監督・湯浅憲明 特撮監督・高野宏一)において、鍾乳洞を見物しに行くバスの車内で女子生徒のファッション(詳細は後述)とケンカし、転倒して頭から血を流した落語を矢的が心配して介抱するが、「ヘヘヘ、冗談ですよ、ジョーダン」との落語の声。なんと血の正体はケチャップであった(笑)。
 そして復活怪獣タブラ出現によって地割れが起こり、落語は体育教師のマドンナ教師・相原京子先生とともに地下に転落。それでも鍾乳洞から発する光を見て、好奇心から奥に入っていき、タブラの舌にからめ取られてしまうほど、冗談といたずらが大好きな少年であった。
 だが第10話『宇宙からの訪問者』(脚本・土筆勉 監督・湯浅憲明 特撮監督・川北紘一)において、翌日の試験問題を盗み出そうと、スーパーとともに矢的の部屋にこっそりと忍び込んだ落語は、そこに居合わせたエイティの幼馴染みの女性・アルマ*12から、教科書を5回なぞると百点をとれるという、「魔法のえんぴつ」を手渡される。スーパーはそれをまったく信じなかったが、落語は真剣な表情で教科書をなぞるのだ。冗談といたずらで人を驚かすのが好きだった落語であったが、落語以上に冗談といたずらが好きなアルマを登場させることにより、落語の別の一面を引き出すことに成功しているのである。


 スーパーと落語が久しぶりに母校である桜ケ岡中学校を感慨深く訪れたのにはわけがあった……


落語「この学校、なくなるんだってなあ」
スーパー「ああ、隣町の学校と、統廃合されるそうだ」
落語「寂しいよなあ……」
 (少子化による学校の統廃合が進む現代日本の世相も反映しつつ、本話の物語自体の切なさも盛り上げる……)


 運動部が練習をしている放課後の校庭に思わず入ってきた二人は、一人の教師に呼び止められる。


教師「あの〜、部外者の方は立入禁止なんですが」
 (部外者の侵入に神経質な近年の学校の姿も反映・笑)
スーパー「部外者なんて云われても、俺たちは卒業生なんだよ」


 その教師を指し、落語は驚きの声をあげる!


落語「あ〜っ!」
教師「な、なんですか?」
落語「おまえ、塚本じゃねえか!?」
教師「ハイ、そうですが……あ、ああ〜〜っ! おまえ、落語! スーパー!」


 母校で感激の再会を果たした三人は、喜びをかみしめながら塚本が担任するクラスの教室に入っていく。登校拒否をしていた塚本は、自分を立ち直らせてくれた矢的に感謝の意を示すために、中学校の教師となっていたのである!


塚本「先月赴任してきたばっかりなんだよ。そしたら早速登校拒否に出くわして」
落語「バチが当たったんだよ。矢的先生を困らせた」
スーパー「懐かしいなあ……」
落語「博士(はかせ)、ファッション、真一(しんいち)はどうしてるかな……」
 「一所懸命」とチョークで書かれた黒板の前で、にっこりと微笑む矢的先生、京子先生、そして1年E組の生徒たちが集まった記念写真がここで挿入される!(ここで泣くのはまだ早すぎるのだが、感涙せずにはいられない!)


スーパー「早いもんだよなあ、時が過ぎるのは」
落語「すっかりオジサンだよなあ、俺たち……」


 『80』放映当時、中学2年生だった筆者は彼らとほぼ同世代であり、年を重ねたことにより、ちょっとしたことでセンチメンタルな気分に浸ってしまう彼らの心情に、つい共感してしまう……


塚本「矢的先生、どうしてるかな……」
スーパー「ある日突然、俺たちの前からいなくなっちまったなあ……」
落語「なのにどの先生よりも、想い出に残ってるよ……」
スーパー「うん……」


 第12話『美しい転校生』(脚本・広瀬襄 監督・深沢清澄 特撮監督・高野宏一)を最後に、『80』から桜ケ岡中学校の設定は姿を消してしまった。矢的先生は1年E組の担任と並行し、放課後と日曜日はUGMの隊員として活躍していたのだが、続々と出現する怪獣、凶悪な侵略者のために、彼らにだまって教師であることを捨てねばならなかったようだ……


塚本「矢的先生は、ウルトラマンエイティだったんだ!」


 思わず笑い声をあげるスーパーと落語。


落語「おまえさあ、まだそんなこと云ってんのかよ」


 『80』第2話において、羽根怪獣ギコギラーと戦うエイティの姿に、塚本は自分に対して「一所懸命」に戦ってくれた矢的の姿をオーバーラップさせ、「先生」と叫ぶ。以来、塚本は矢的先生の正体がウルトラマンエイティであると、今日まで固く信じ続けていたのである! 第2話のラストで塚本は1年E組の生徒たちにそれを主張するも、嘲笑されてしまう。あのときスーパーはこう罵倒した。


スーパー「先生がウルトラマンなら、大根(だいこん)だってウルトラマンになれらあ!」(爆)


塚本「笑われたっていい! 俺は、確信している!」
スーパー「よし! この学校壊されちまう前に、みんなでクラス会やろうぜ!」
落語「おっ、いいねえクラス会!」
スーパー「できるだけ人数集めてな」
落語「ああ!」
スーパー「この教室、貸してくれるだろ?」
塚本「ああ、かけあってみるよ」
落語「よし、決まりだ!」
塚本「矢的先生、来てくれるといいな……」


 東京都内に微弱なマイナスエネルギー(怪獣博士のGUYS(ガイズ)隊員テッペイの言によれば、邪悪な怪獣を呼び寄せる、人間の心の暗い波動……だがマイナスエネルギー学説は研究途上であり、あまり詳しいことはわかっていないとのこと)の発生をGUYSは感知、ミライは発生地点にある桜ケ岡中学に急行、塚本がそれに気づいた。


塚本「あなたは、GUYSの」
ミライ「ハイ、何か変わったことはありませんか」
落語「いや、別に」
ミライ「そうですか。失礼します」


 去ろうとするミライを、塚本が呼び止める。


塚本「あの、かつてUGMの隊員として働いていた、矢的猛さんをご存じじゃないでしょうか?」
落語「オイ、おまえUGMって……」
塚本「先生は教師やりながら、UGMの隊員としても、働いていたんだよ!」
スーパー「そんな……ホントか!?」
塚本「ああ、前の学校で元UGM隊員の子供がいたんだ。そうですよね? 今、矢的先生がどこにいらっしゃるか、教えていただけないでしょうか?」
ミライ「いや、それは……」


 そう、生徒たちには矢的先生がUGM隊員を兼ねていることも秘密であったのだ。これがかつての教え子たちに、本当に矢的がウルトラマンエイティであったのかもしれないと思わせる助走台・ジャンプの前段にもなっていく。
 しかし元UGM隊員って誰だろう? ハラダか、タジマか、フジモリか、イケダか? 広報のセラか、気象班のユリ子隊員かもしれないが(笑)。


 矢的の正体を知っているがゆえに、その教え子たちに真実を告げることができずに苦悩するミライは、星空の下、エイティに向かって語りかけた。


ミライ「ウルトラマンとしてだけでなく、教師としても慕われていたんですね。25年も経った今でも、まだ……桜ケ岡中学校で最後のクラス会をしようとしています。出席してあげて下さい! 矢的猛先生として!」
エイティ「それは……できない……」


 意外な返事に驚いたミライは、矢的猛先生の爽やかさを象徴するような、青空を思わせるスカイブルーのイメージ空間に包まれた(センスいいぞ!)。


ミライ「どうしてです!」
エイティ「元々私は、地球にはマイナスエネルギーの調査のために訪れた。そして人間と触れ合ううちに、人間の持つ、限りのない可能性を感じた。それはメビウス、君も同じだろ?」
ミライ「ハイ」
エイティ「しかし人間は、その可能性を間違った方向に向けかねないこともわかった(手から発せられる地球のイメージ画像)。そのことによって生まれるのが」
ミライ「マイナスエネルギー」
エイティ「そうだ。そして私は考えたのだ。教育という見地から、マイナスエネルギーの発生を抑えられるのではないかと。私は勉強を重ね、思春期と云われる不安定な時期の、中学生の教師になった。しかし、マイナスエネルギーの発生を食い止めることはできなかった……」


矢的「見て下さい、この子供たちを。このまま育てば怪獣になってしまうような子供もいるんです! 僕は怪獣の根本を叩き潰したいんです! 僕は怪獣と戦うのと同じような気持ちで先生になったんです!」


 『80』第1話において、地震が怪獣の仕業(しわざ)であると感知した矢的が、同じく私服姿で極秘に調査に来たUGMのオオヤマキャップに熱く語った主張が、いま再び甦る!


 「5年ぶりに怪獣は大攻勢をかけてきた。地球上に満ちわたる醜い心や悪い心、汚れた気持ち、憎しみ、疑いを吸収して強大な力を蓄えていた」

(『80』第2話『先生の秘密』・冒頭ナレーション)


 『80』第3話『泣くな初恋怪獣』(脚本・阿井文瓶 監督・深沢清澄 特撮監督・高野宏一)に登場した硫酸怪獣ホー、第1話に登場した月の輪怪獣クレッセント、第2話に登場した羽根怪獣ギコギラー、第10話『宇宙からの訪問者』に登場した変形怪獣ズルズラー……ドキュメントUGMに「マイナスエネルギー怪獣」*13として記録された『80』初期の怪獣たちが、鳴き声入りで次々に映し出される! 予算面での諸事情らしい静止画なのがチト残念だが、やはり絶大な説得力を与える!


エイティ「私は次々と出現する怪獣たちに立ち向かうため教師であることを捨てねばならなかったのだ。遠く離れたとはいえ、私の心には常に彼らがいる。メビウス、君の口からみんなに伝えてほしい。矢的猛が、謝っていたと……」


 製作上の種々の事情で桜ケ岡中学校の設定が消滅した件に対し、ここまで愛情のあるフォローを入れてくれるとは……スーパーや落語、塚本の心に今でも矢的先生が大きな存在となっているばかりでなく、エイティの心にも未だに1年E組の生徒たちが存在していたのである! やはり、エイティは今でも「ウルトラマン先生」なのだ!(涙)


 登校してくる生徒たちを校門前で出迎える塚本に、落語の運転する自転車が猛スピードで突っ込んでくる!


塚本「危ないなあ、なんだよ〜、登校中なんだぞ」
落語「これ、これ見てくれよ!」


 「ウルトラマン80現れる!」の見出しが踊る、先日のウェーク島の一件を報じる記事を掲載した新聞だった!


塚本「これは、ウルトラマンエイティ!」


 経営するスーパーの前で同じ記事を見るスーパー。


スーパー「ウルトラマンエイティ……塚本の言葉が正しければ」


落語「矢的先生は、地球に来ているのかもしれない!」
塚本「ああ!」


スーパー「先生〜! 明日クラス会なんだ! 桜ケ岡中学で、最後のクラス会なんだ!」


 空に向かって矢的先生に叫ぶスーパー。女性客が「ヘンな人」とばかりにスーパーをチラ見する(笑)。


塚本「絶対、絶対来て下さ〜い!」
落語「オレたちや、スーパー、博士、ファッションに真一も、とにかくみんな来るから〜!」
塚本「みんな会いたがっています! 必ず来て下さい!」


 矢的先生に会いたいという強い想いが、かつては「先生がウルトラマンなら、大根だってウルトラマンになれらあ!」と嘲笑していたスーパーさえをも、エイティと矢的先生をおもわず直結して連想させたのである。「矢的先生はウルトラマンエイティだったんだ!」などという突拍子のない塚本の主張を思わず信じられる、いや、信じられるような気がする〜『ウルトラマンA(エース)』(72年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070430/p1)第23話『逆転! ゾフィ只今参上』(脚本&監督・真船禎 http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061012/p1)における、防衛組織TAC(タック)の兵器開発研究員・梶洋一のセリフ「僕には、(北斗隊員の云うことが)信じられます。いえ、信じられるような気がします」みたい・笑〜と転じた落語とスーパーの心情には大いに共感でき、これがまた涙を誘うのである……


 空に向かって絶叫する二人を「ヘンなオジサン」(笑)とチラ見しながら校舎に向かう女子生徒たち。だがミライはそんな二人を見つめ、苦悩の色を濃くしてしまう……


ミライ「ごめんなさい。僕には伝えられません……」


 矢的先生と生徒たちの板挟みになってしまったミライはひたすら苦悩するが、そんなミライにサコミズ隊長が暖かく声をかける。


サコミズ「出会い、別れ、喜び、悲しみ……人間って面倒くさい生きものなんだ。でもね、時が来ればそれが想い出というものに変わる」
ミライ「想い出?」
サコミズ「そう、その想い出が何もないことが、いちばん人間にとって、悲しいことかな」


 そして運命の同窓会当日。下駄箱の前で再会する二人。
ファッション「あなた、もしかして?」
博士「ファッション!?」
ファッション「博士〜! なっつかしい〜い! 元気だったぁ〜?」


 ファッションとは元ミス1年E組だった女子生徒(本名は設定されていない……)であるが、先述の第8話において、砂糖と間違えて塩を使って焼いたクッキーをE組の生徒たちに振る舞ってしまい、文句をつけた落語を突き飛ばしたことで「おまえ女の子なんだから、もっとおしとやかになれよ!」(今なら苦情電話殺到必至のセリフだ……*14と矢的に注意されたほど、男勝りの女子生徒であった。
 そして第4話では、ラストシーンのスーパーの姉の結婚式において、姉を心配させまいとスーパーに頼まれて恋人役を演じるものの、役目を終えた途端、スーパーからバイト代をムシり取るチャッカリ娘でもあった。
 それだけならまだ良かったのだが……第12話において、同じE組の女子生徒・マリ*15が博士宛に以下のようなラブレターを下駄箱に仕込む。


 「明日の午後1時、青葉公園に来て下さい。学校では云えないことをお話します。あなたを好きなMより」


 これを見た博士が本当に来るかどうか、ファッションはマリや他の女子生徒二人とアイスクリームで賭けをやるのだ。見るからに純情そうな博士は青葉公園にやってくるのだが、そこにオランダから転校してきたアメリカ人と日本人のハーフの美少女・青山ミリー(正体はビブロス星人・ミリー)が現れ、「この辺でアイスクリームのおいしいお店知らない?」と博士に声をかけ、二人はそのまま本当のデートへと発展してしまうのである。
 これを見ていたマリやファッションたちは「アッタマきちゃう!」と翌日の放課後、ミリーの前に揃いの赤ジャンパー姿で現れ、「ちょっとアンタ来て」と人気のない場所へミリーを連れ出し、「アンタあたしたちのゲーム邪魔する気?」「こういうの着てると、誰かからかいたくなんのよねえ〜」〜女子生徒のこんなダークな一面が描かれたのは、当時としてはまだ珍しかった。ほとんど大映ドラマのノリだ・笑〜などとミリーをいたぶってしまうのだ……


 こうして書くととんでもない女子生徒だったみたいだが(笑)、第3話においては、真一からガールフレンドのミドリを奪った柴田を評し、「アタシだって、あんなカッコイイ人が現れたらクラッときちゃうもの」などと純真な乙女心ものぞかせている(「そうよねえ」などと同意する女子生徒たちが妙に生々しくてリアルに過ぎる・笑)。
 第9話『エアポート危機一髪!』(脚本・阿井文瓶 監督・湯浅憲明 特撮監督・川北紘一)においても結構女の子らしい一面を見せている。矢的先生が密かに想いを寄せる京子先生が、野崎教頭の勧めでソルボンヌ大学助教授(笑・*16と見合いすることになる。矢的先生を応援しようとファッションはスーパー・落語・博士らと、京子先生とのデートのお膳立てをする。当日の朝、彼らの前にビシッと紺のスーツで決めた矢的が現れるが、なんとそこに今では大女優の石田えり演じるUGMの城野エミ(じょうの・えみ)隊員が私服姿(青いアロハ風のシャツにデニムの短パン姿! 肉感的なボディを強調しており、まさにエロかっこいい・笑)で現れ、「事件発生」を告げ、車で矢的を連れ去ってしまうのだ。
 すっかり誤解して、「プレイボーイ!」「裏切り者!」と罵倒するスーパーと落語。そしてファッションは……


 「京子先生の方がよっぽど美人じゃないの!」
 「私もう恋なんて出来ない! 男のいい加減さを見せつけられたもの……」


 などと大きなショックを受けてしまうのだ。
 翌日、デートをすっぽかしたことを京子先生に詫びた矢的はファッションたちに「京子先生は全然気にしてなかったぞ」などと云うが(笑)、ファッションは「女の気持ちが全然わかってない!」と非難する。だがその一方で落ち込んだ矢的を「でも、なんかかわいそうみたい」「母性本能をかきたてられちゃうのよね〜」と同情する姿勢をも見せており、決して男勝りだけではない「女の子」だったのだ。


 同じく第9話で「約束は、破るためにあると云っていたのは、ソクラテスだっけ。プラトンだっけ」と語っていたように、物事を論理的に考える理屈屋として描かれていた博士は本名は上野博士(うえの・ひろし)。眼鏡をかけた坊ちゃん刈りの小柄な少年であり、先述の第12話で約束の場所に現れた際、眼鏡をかけ直したり、ズボンの履き具合を調整してみたりすることからも純情そうな一面がうかがえるが、マリやファッションたちにいたぶられていたミリーを助けた際、博士は彼女たちにこう云い放つ!


博士「メダカは金魚にはなれやしない! とかくメダカは群れたがる。悲しい習性さ。(ミリーに)行こう、金魚さん」


 スーパー、落語、ファッション、博士と一応の性格づけの設定はなされていたものの、決してそれをステレオタイプとしては描かず、各人が別の一面をも持ち合わせていることがキチンと描写されていたことは、結構ポイント高いかもしれん。


 まあこんなことは『80』が初めてではなく、『帰ってきたウルトラマン』(71年)の防衛組織・MAT(マット)の岸田隊員が主人公の郷秀樹隊員をいじめる憎まれ役として描かれてはきたものの、第44話『星空に愛をこめて』(脚本・田口成光)で宇宙牛人ケンタウルス星人が変身した茜(あかね)と恋におちるような純朴な一面もあるとか、『ウルトラマンA(エース)』で主人公の北斗星司を、「ほくとぉ〜っ!」(笑)と怒鳴り散らしていたTAC(タック)の山中隊員が、第14話『銀河に散った5つの星』(脚本・市川森一 http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060805/p1)ではウルトラ4兄弟が磔(はりつけ)にされたゴルゴダ星破壊の超光速ミサイル№7のパイロットという危険な任務を命じられた北斗に気を遣って身代わり代行を進言するとか、『ウルトラマンタロウ』(73年)のZAT(ザット)の北島隊員が、第2話『その時ウルトラの母は』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071209/p1)で怪獣捜索中に多摩川で呑気に釣りを楽しむなどして当初はおふざけキャラという側面が強かったものの、第45話『赤い靴はいてた……』(脚本・阿井文瓶)では幼馴染みの真理と久々の再会を果たすものの、彼女が凶悪宇宙人ドルズ星人によってうろこ怪獣メモールに改造されていることを知り、一転悲劇の男となるなど、当初の性格設定だけではない一面が大概描かれていたものだ。


 こうした配慮によって視聴者の見方が変わり、当初嫌いだったキャラに少しは親しみを感じるような効果が出ていたのではなかろうか。未だにGUYS隊員に関して某巨大掲示板の一部で非難が絶えないのは、熱血バカ・キザ野郎・クールビューティー・怪獣博士・メガネっ娘という隊員たちのキャラが完全に記号と化し、それ以外の面がなかなか描かれないことにも一因があるようにも思われるのだが(筆者的にはそれはそれであまり苦にはならないのだけれど)。閑話休題


 ファッションと博士、スーパーが階段を昇ると、かつての教室の前で、キョロキョロとしているスーツ姿の男がいた。ファッションと博士は無言で会釈をするが……


スーパー「おい、おまえ、真一じゃないか?(ファッションと博士に)ほら、あの、失恋して怪獣呼び出した」
博士「覚えてる覚えてる。懐かしいからって、今日は怪獣呼び出さないでくれよ」
ファッション「それがね、最近若い奥さんもらったらしいのよ。だから大丈夫。ねえ〜」
真一「もう勘弁してくれよ〜」


 『80』第3話において、真一*17のガールフレンドのミドリ*18が、サッカー少年でカッコいい柴田になびいてしまった。それを許せない真一の感情がマイナスエネルギーとなって実体化、硫酸怪獣ホーとなって夜の街で泣き叫ぶ! 矢的先生に説得されてもミドリを許すことができない真一の憎しみはホーをますます凶暴化させ、やがて真一の心からも離れ、ミドリの家に復讐するために進撃を開始したのだ!


 「真一君や矢的先生って、どう見たってモテるタイプじゃないわよねえ」などと、ファッションたち女子には「イケてねえ」と思われていた真一も、めでたく結婚できたようである。あのまま「負け組」のままであったなら、多分今回は出席していなかったのではないか……*19


 スーパー、ファッション、博士、真一は会場である学校の屋上に上がってくる。


博士「だけど、なんで屋上なんだ?」
スーパー「矢的先生にメッセージを送るためさ」
ファッション「え、矢的先生いらっしゃるの?」
スーパー「まだわからないけどな……」


 「1980年度1年E組クラス会」の看板を掲げた会場で談笑するかつての生徒たち……真一が恋したミドリや、天体オタクの大島明男、第7話『東京サイレント作戦』(脚本・田口成光 監督・深沢清澄 特撮監督・高野宏一)に登場した岡島アキラとそのバンド仲間の姿が見えないようだが……いや、さっきは「負け組」は同窓会に出席困難と書いたが、「勝ち組」もまた然りであり、天文学者となった明男は当日学会と重なったのであり(冥王星を惑星から格下げにする会議にも出席したハズ!・笑)、アキラと仲間たちはプロのミュージシャンとなり、レコーディングかコンサートで忙しかったのであろう。そして、ミドリは会場に来ていたのだ(まあまあの美女が数人いたからそのどれか)。ただ若い妻をもらったばかりだから、もうミドリのことなんか眼中になく、真一もあえて声はかけなかったのだろう。そう考えた方が楽しいではないか。ただマリはあの性格のまま成長していたとするならば……(以下略・笑)


 同窓会会場である屋上で矢的先生を待ちわびる生徒たちを校門前から見上げ、ミライは遂に決意を固める。


ミライ「やはり伝えなくてはならない。エイティ兄さんの言葉を!」


 エイティ兄さん! こう呼ばれるまでに『80』終了から26年もの月日が流れてしまった。なんと長かったことよ……筆者はつい最近まで、エイティは永久にウルトラ兄弟の末っ子として終わると思っていただけに、感慨もひとしおなのである!(感涙……)


 だが感慨に浸っている場合ではない。そのとき桜ケ岡中学校全体が青色のマイナスエネルギーに覆われ(『80』で怪獣出現時に多用された「ピュルルルルル〜」という効果音を流用!)、かつて真一が作り出してしまった硫酸怪獣ホーが出現したのだ!


スーパー「真一、おまえまた!」
真一「知らん! 俺は怪獣なんか呼んでいない!」


 かつて『80』を観ていたファンならば(いやつい最近ビデオで観返してみた若いマニアでも)、生命の危険に際している場面であるにも関わらず不謹慎にもつい笑ってしまうこのセリフ(笑)。
 そこにウルトラマンメビウス登場! ホーに後ろからつかみかかるが、ホーは破壊活動をするわけでもなく、何かを捜しているようにキョロキョロと周囲を見回している。
 捜しものが見あたらないことに怒ったのか、ホーは紫色のビームを口から吐き、ドタドタ走りで突進(『80』第3話で凶暴化したホーが、ミドリの家に向かう際の走りを再現!)してメビウスを襲う! メビウスはこれを投げ飛ばし、飛び蹴りをくらわそうとするがかわされてしまい、ホーはメビウスの上にのしかかり、硫酸の涙を降らせる!(これも第3話の格闘を再現している! エイティの体に落ちた硫酸の涙は光学合成で表現されていたが、今回はメビウスの体に落ちた涙が火花を散らし、周囲の土は焦げるという芸コマな演出がなされている!)
 今回の特技監督鈴木健二は『80』で監督助手を務めており、カメラアングルが妙に低くて住宅街越しなのは、明らかに当時を意識して狙って撮っているかと思われる(笑)。


 ホーが涙を流しながらメビウスをどつきまわす合間に、廊下、時間割り表、水飲み場といった、桜ケ岡中学校の風景がカットバックされる。コノミ隊員が想像したように、桜ケ岡中学校が取り壊されることを悲しんで自らマイナスエネルギーを発生し、ホーが誕生したのだろうか……
 そのとき、空からやってきた光の戦士! 再び流れる『ウルトラマン80』のテーマアレンジをバックに、地上に降り立ったその戦士の名は……


博士「あ、あれは!」


ファッション「ウルトラマン


真一「エイティ!」


スーパー「俺たちの」


落語「ウルトラマンだ!」


塚本「矢的先生! 矢的先生〜〜〜!!!(喜悦)」



「空を見ろ!」
「鳥だ!」
「ロケットよ!」
「あっ、スーパーマン!」
 TVドラマ版『スーパーマン』(53年・日本放映56年・KRテレビ→現・TBS)のオープニングを彷彿とさせる、ヒーロー登場に沸く市民の歓喜の声……それにとどまらず、「俺たちのウルトラマン」というフレーズが、世代人共通の言語として響き渡るこの演出はなんともたまらない! ましてやただひとり、「矢的先生〜〜〜!!!」と叫ぶ塚本に至っては……(本話の予告編で既にこのシーンをネタバレ的に観ていて落涙していたのにも関わらず……また感涙)


 エイティの登場に耳を垂れるホー。『80』第3話では耳がレーダーのように敏感という設定から、耳が動くギミックが仕組まれていたが、今回は犬がそうであるように、耳を垂れる演出で、ホーがエイティに再会したことでおとなしくなったのを端的に表現しているのかと思われる。


エイティ「マイナスエネルギーによって出現した怪獣ならば、私が倒す!」


 「お懐かしや……」とばかりに両手を掲げ、エイティに親愛の情を見せるホーであったが、エイティは精神を集中し、全身のエネルギーを腰のウルトラバックルに集め、一気に放出する大技・バックルビームを放った! 黄金色に輝きながら、嬉しそうに昇天していくホー……


 戦いを終えたエイティ=矢的先生に、かつての教え子たちが、校舎の屋上から次々に熱い近況報告を送った!


塚本「先生! 先生に憧れて、僕は教師になりました!」
ファッション「私は結婚して、3人の子供のお母さんです!」
落語「僕は、地元の信用金庫に就職しました!」
博士「大学で、研究する日々を送ってま〜す!」
スーパー「おやじのスーパー継いで、頑張ってるぜ〜!」


 『80』第5話『まぼろしの街』(脚本・山浦弘靖 監督・湯浅憲明 特撮監督・高野宏一)において、四次元怪人バム星人によって四次元空間に迷い込んでしまった矢的は変身能力を失い、四次元ロボ獣メカギラスを前に手も足も出なかったが、そのとき行方不明となった矢的を心配した1年E組の生徒たちが、四次元空間に向かって矢的の名を力いっぱい叫ぶ……まさにそれを彷彿させる名場面だ!
 生徒たちが並ぶ、屋上からの主観カットでエイティを見つめていると、自分までもがその場でエイティに対し、礼を述べているような気にさせられる、泣かせる演出……


 「矢的先生 思い出をありがとう」の横断幕が広がる。


塚本「みんな先生には感謝しています! 本当に、ありがとうございました!」


 卒業式の定番曲「仰げば尊し」をエイティに対し、皆が合唱する。もうとても冷静ではいられない……(涙)
 感無量の想いで生徒たちを見下ろし、聴き入っていたエイティは、合唱が終わると静かに空へ飛び去っていった……


 やっと「本当の卒業式」を迎えた1年E組の生徒たちを見上げるミライの背後から、歩いてくる人物がいた……


矢的「教え子たちに逆に教えられてしまったな」
ミライ「兄さん」
矢的「感謝してるのは私の方だ。彼らとともに過ごせた時間は、私にとってもかけがえのない想い出だからな」
ミライ「さあ、みんなが待っています」
矢的「メビウス、私は自分の言葉で謝ってみるよ。大切な私の生徒たちだから」


 懐かしの学び舎に向かっていく矢的先生。それに気づいた屋上の生徒たちが「矢的先生〜!」と大歓声をあげる。それに大きく手を振って応える矢的先生……


ミライ「きっとあの怪獣は、桜ケ岡中学が呼び出したんです」
ジョージ「コノミが云ってたようにか?」
ミライ「ハイ。でもちょっと違うのは、桜ケ岡中学が壊されてしまうから、悲しいからじゃなくて、エイティ兄さんと生徒さんたちを会わせたくて、怪獣を出現させたんです」
マリナ「想い出の人、っとゆーか……」
ジョージ「想い出の、ウルトラマンか……」
ミライ「想い出って、本当に大切なものなんですね」


 屋上で矢的先生と抱擁を交わし、涙を流す生徒たち。いつしか空は夕暮れとなり、彼らを赤く染めあげていた。



 『80』のプロデューサーを務めていた円谷プロの満田かずほ氏は、80年当時の某同人誌で学校編の設定が消滅した件に関し、「描かれなくなっただけで、矢的は今も教員を続けている」という主旨の個人的な見解をコメントしていたらしい。だがそれは『80』のファンに対するリップサービスのようにも思える。果たして本音の部分はどうであったか……


 「学校の生活というのは現実だから、どうしてもSFの味つけとしては遠くなっちゃうんですよ。(中略)それで、UGMを中心にしていけば、もうちょっとSF的な展開もできるのではないかということで、シフトしていったんですよ」

タツミムック 検証・ウルトラシリーズ『君はウルトラマン80を愛しているか』辰巳出版・06年2月5日発行・ASIN:4777802124・第4章創造者たちの思考・満田氏インタビューより)


 「僕はね、『金八』(『3年B組金八先生』(79年〜・TBS)大嫌いだったの。生徒とタメ口をきいて、友達のように心の問題に相談にのるとか、「冗談じゃない!」って。(中略)だから主人公が先生と怪獣退治を兼業してもいいけど、ものわかりのいい兄貴的なキャラクターとして描くことは、個人的には非常に抵抗がありましたね。そこはきっと意見としても言ったんだとは思うんですけどね。結果としてそのあたりは通らなかった」
 「うーん、あまり肯定的ではなかったですね。職業を何にしても特に構わなかったんだけど、先生ということであるなら、先ほどもお話したような、ソフトな先生なんてのはいかんと。それは強く思ってましたね」

(出典同上 脚本・阿井渉介(『80』当時は文瓶)インタビューより)


 製作スタッフ自身が学校編の設定をあまり好ましいものだとは捉えていなかったことがうかがえる(「主人公を先生に、というのはTBS側の意向が働いていた」と阿井氏は語っている)。それは当時中学2年生だった筆者の、『80』に対する放映当時の率直な感想でもあったのだ。


 今見ると微笑ましいと思えるギャグ演出も、当時はひたすら「さむ〜い」としか思えなかったし(笑・「さむい」という形容は90年代以降の流行で当時はなかったが)、『金八』では既に「十五歳の母」なんてネタをやっていたにもかかわらず、失恋した少年の復讐の心が怪獣を生み出すなんてあまりに幼稚だと思っていた(爆)。
 だから第13話『必殺! フォーメーション・ヤマト』(脚本・阿井文瓶 監督・湯浅憲明 特撮監督・川北紘一)以降、学校の場面が消滅し、『ウルトラセブン』を彷彿とさせるような「SF」色の強い路線に変更されたことが、当時の筆者はたまらなく嬉しかったものだった(笑)。
 だが3クール目以降、今度は『ウルトラマンタロウ』的な、子供ゲストが中心の路線に再度変更されるとゲンナリし、真裏の時間帯で10月にスタートした『鉄腕アトム』(80年のカラーリメイク版)を弟が見たがったこともあり、リアルタイムの視聴はそこで打ち切りとなった……


 だがわずか3年後、高校2年生のときに再放送を観た際は感想は一変し、あれほどつまらないと思っていた学校編がたまらなく魅力的に思えたのだから不思議なものだ。
 特に第9話『エアポート危機一髪!』は、中国東北部や韓国のソウルで大暴れしたオイル怪獣ガビシェール(脳がムキ出しになったような頭に血管が浮き出たような体表と結構グロい奴だが、それがまた「異国の怪獣」という趣を醸し出す!)が石油を求めて九州オイル基地・東海オイル基地を襲撃し、関東に迫り来る恐怖。コンビナートの石油タンクや、成田空港の駐車場に並ぶ何十台もの車のミニチュアを、惜し気もなく圧倒的な火炎で派手にブチ壊す川北紘一による特撮シーン。そして京子先生の見合いを阻止せんとする1年E組の生徒たちをコミカルに描きつつ、彼らに迫る危機をクライマックスにしたドラマ……まさに本編と特撮が渾然一体となって絶頂の盛り上がりを見せたことに対し、大いに驚嘆の声をあげたものであった!
 成田空港に迫るガビシェールを前に、スーパーに「ちゃんと歯を磨けよ。おまえ虫歯だらけなんだからな」、落語に「理科をもっとしっかりな」、ファッションに「いつまでも優しさを忘れずにな」、博士に「クラスのまとめ役を頼むぞ!」、そして京子先生に「お元気で」と「贈る言葉」を残し、ガビシェールが吐き出した猛烈な火炎の中に身をうずめ、「エイティ!」と変身する矢的先生はすげえカッコいいぞ! もし学校編の設定が最後まで続いていたならば、こうしたノリの最終回になったのではないかと夢想したのは筆者だけではないハズである。
 スタッフやキャストがようやく慣れてきた頃に製作されたからかもしれないが、第10話『宇宙からの訪問者』、第12話『美しい転校生』も初期作品と比べ、娯楽作品としての完成度は明らかに高い。しかも、それらは全て恋愛の要素を扱ってはいても、第3話『泣くな初恋怪獣』のようなジメジメとした印象は感じない。ようやく方向性が固まってきたかのようなこれらを観るにつけ、学校の設定を排除したことは、やはりあまりに惜しいように思える。


 「僕なりに当時の生徒たちとなかよく撮影してたんでね。ピタッと、もう会うことない、っていうのがすごく寂しく思ってました。いくらドラマとはいえ、最後にその(別れの)シーンがなかったってことだけは、ずっと気持ちの中でモヤモヤしてた部分ですからね。だから、みんなに「すまなかった」っていわせてもらえたってことと、みんなのところに来て、同窓会のシーンを作ってもらえて、ちょっと救われた気がしますよね。だってエイティは学校の先生だったんですよ」

徳間書店ハイパーホビー』07年3月号・ASIN:B000MR8NTQ長谷川初範インタビューより)


 今思えば放映当時に学校編を好きになれなかったのは、中学校を舞台にしたことが、むしろ当時中学生だったからこそ、「一所懸命」の矢的先生や、1年E組の生徒たちの姿を「リアル」ではない「絵空事」だと感じてしまったのかもしれない(その意味ではいじめや校内暴力を扱った『金八』の方が、やはり「リアル」だと感じたものだ)。
 だから背伸び盛りの小学校高学年の頃か、もっと成長して大学生や社会人(笑)になってから『80』に接していたのならば、また違う見方になっていた可能性もあるのだ(実際当時そうした世代だった人々には熱心なファンも多いと聞く)。そうしたタイミングの違いで「つまらない」と思った作品を、後年再視聴してガラッと感想が変わることはよくあるもので(逆もまた真なり!)、リアルタイム時の感慨を絶対視するのは極めて危険であると思える。


 満田氏や阿井氏の発言もマニアの学校編批判に影響されて記憶や評価や印象が上書きされた可能性もあるやもしれず(特に阿井氏は『80』のことはあまり記憶にないと語っているからなおさらである)、百歩譲って彼らが本当に学校編の設定を苦々しく思っていたのだとしても、それは作品の価値とは別問題である。
 怪盗アルセーヌ・ルパンの生みの親である、フランスの小説家モーリス・ルブランが、友人の編集者に依頼されて嫌々書いた『ルパン逮捕される』は大評判を博し、以後氏は次々とルパン・シリーズを連作することになる。それまで氏が書いていた純文学系の心理小説は商業的にはずっと失敗に終わっていたのである。
 また探偵シャーロック・ホームズの生みの親である、イギリスの作家コナン・ドイルも、自身の犯罪小説で得た成功に対し、「尊敬に値する文学的情熱から遠ざけるもの」だと困惑していたらしい。


 モーリス・ルブランコナン・ドイルも、彼らの成功作である「犯罪小説」をむしろ嫌っていたのである。だが、一般大衆にとってはやはり「文学」よりも「娯楽」なのであろうし、読者や視聴者が作者の意向に影響されることはないのである。作品の価値は作家が決めるものではなく、読者や視聴者が決めればよいのである。いくら作家が愛している作品であっても、自画自賛なだけのひとりよがりの作品ではどうしようもないのだし(笑)。


 あと「ソフトな先生はいかん!」という阿井氏の発言についてだが、氏は『若い! 先生』(74年・TBS・『刑事くん』などを放映していた「ブラザー劇場」枠の30分ドラマ)という学園ドラマを描いており(長坂秀佳がメインライターで、市川森一上原正三・田口成光も執筆)、『80』と同じく熱血な新任の高校理科教師が主人公で、主演は篠田三郎(『ウルトラマンタロウ』の主役・東光太郎(ひがし・こうたろう)役! ちなみに『ウルトラマンレオ』(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090405/p1)の主役・おおとりゲンを演じた真夏竜も第23話『ふりむくな昨日を!』(脚本・阿井文瓶 監督・榎本冨士夫)に生徒役でゲスト出演して共演したとか)、プロデューサーは『80』学校編に少なからず(?)関わった橋本洋二である。
 放映当時のかすかな記憶だけなので断定はできないが(CSでは放映してるのかと思うが、受信してないので)、この面子であれば金八先生や矢的先生みたいな「ソフトな」先生だったんじゃないのかなあ(爆)。
 ついでに云うと、同人誌『橋本洋二 大全集』(98年・森川由浩)に掲載されたインタビューによれば、橋本洋二が阿井文瓶の最高傑作脚本として挙げていたのが、この『若い! 先生』第17話『ぼくたちの結婚!』(監督・榎本冨士夫)なのである。


 阿井氏が嫌だったとしても、1年E組の生徒たちは「ソフトな」矢的先生を26年間慕い続けたのである。だからこそ、今回のクライマックスである「仰げば尊し」は、嵐のような感動を巻き起こす名場面となったのである!
 本来のクライマックスである、メビウス&エイティVSロベルガー二世を冒頭であっさりと処理したり、『80』学校編を知らない幼児には理解できない描写など、カタルシス重視、内輪ウケ批判をモットーに掲げる筆者が、本作を擁護することに関しては若干の矛盾を感じてはいる。


 だがそれを承知の上で筆者は傑作であると主張したい。矢的猛役の長谷川初範の出番がラストシーンのみなのは、すっかりメジャーになってしまった氏が最悪出演不能になっても成立するような脚本にしたのだと推測されるし、むしろ感動がより大きくなり、作劇方法としては正解だ。
 そしてE組の生徒たちは『80』当時とは全員違う役者が演じていたが、それなりに雰囲気が出ていて違和感はなかったし、唯一妙に熱血のイメージを感じ、少々異なるかなと思えた落語(演じた役者の名は“金と銀”・笑)ではあったが、そうした役柄に該当する生徒がいなかった(やはり70年代後半から80年代前半はシラケの時代だったか・爆)のを補完する意味でもよかったのではないか(最もいい味出してたし)。
 生徒役の演者たちの中には『80』を視聴していた者もいれば、視聴していなかった者もいるだろう。だが後者であっても人生経験を普通に重ねていれば、今回の設定には大いに共感し、演技に力がこもったことと思う。そして、それはやはり視聴者とても同じことであったのだ!


 私事で恐縮だが、これのオンエア当日(筆者が居住する静岡ではキー局より一週遅れの金曜15時30分に放映)に筆者は会社を早退して病院に行き、診察を終えて待合室に出てくると、なんとテレビでこれが流れており、ちょうどスーパーたちが屋上にあがってきた場面であった。
 そこに居合わせたのは中高年の男性が中心であり、ホーVSメビウスの場面では皆新聞や雑誌を見ていたにもかかわらず(唯一第1期世代である40代後半と思われる女性が熱心に観ていた・笑)、生徒たちがエイティに叫ぶ場面で皆が画面を注目し始め、「仰げば尊し」の合唱になると皆なんとも云いようのない顔をして、食い入るように画面を見つめていたのである! 細部にマニアックな点は少々存在しても、今回の作品自体は幼児にはともかく人生経験を普通に重ねていれば確かに皆が理解のできる、普遍性に満ちたものであることが証明されたのである!


 1年E組の生徒たちが、なぜここまで矢的先生を慕い続けるのか、ついそれを知りたくなって『80』のビデオをレンタルしてしまうような、作品の呼び水となり得るパワーを今回は充分に示したことと思えるのだ。映画『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』(06年・松竹・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070128/p1)やTV『ウルトラマンメビウス』において、メビウスウルトラ兄弟が華麗に共演したことにより、定番商品として常に置いてあるという印象の強かったバンダイのウルトラヒーローシリーズが売り切れになってしまうという快挙も達成された*20。たとえ今回の作品が幼児に理解できなかったとしても、ウルトラマンの共演だけで嬉しいだろうし、エイティのソフビがほしくなるだろう。なんせリュウが「ミライ、おまえの兄さんの人形、持ってきてやったぞ!」なんてモロに出してくるし(笑)。
 その割には『80』第13話『必殺! フォーメーション・ヤマト』、第25話『美しきチャレンジャー』(脚本・阿井文瓶 監督・湯浅憲明 特撮監督・佐川和夫)で使用され、『メビウス』第17話『誓いのフォーメーション』、第18話『ウルトラマンの重圧』でも使用された戦闘機による分離編隊攻撃フォーメーション・ヤマトについて、リュウとミライが一言も触れないってのは……まあ画面に映っていることだけが全てではないだろうから良しとしよう(笑)。


 唯一の不満……京子先生も呼んでほしかった(笑)。


2007.2.7.


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2007年冬号』(07年2月11日発行)『ウルトラマンメビウス』07年1月放映分合評④より抜粋)



ウルトラマン80』での桜ケ岡中学・子役役者陣
塚本幸夫:藤原哲也(#2)
スーパー(ススム):清水浩智
落語(鍛代順一):鍛代順一
博士(上野博士):上野郁巳
ファッション:久野みどり
マリ:秋元美智恵
ミドリ:鈴木真代
真一:斎藤康彦(#3)
大島明男:小田敏治(#6)


ウルトラマンメビウス』#41での桜ケ岡中学OB・役者陣
塚本幸夫:吉見一豊
スーパー:浅木信幸
落語:金と銀
博士:中村良平
ファッション:奏谷ひろみ
真一:紀伊修平


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ウルトラマン80再評価・全話評! 〜序文

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ウルトラマン80#1「ウルトラマン先生」・#2「先生の秘密」・#3「泣くな初恋怪獣」

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ウルトラマンメビウス#17「誓いのフォーメーション」 〜&『80』#13、25フォーメーション・ヤマト編&BGM

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061001/p1



『メビウス』全記事一覧
『ウルトラマン80』全記事一覧

*1:塚本を演じた藤原哲也は『アクマイザー3』(75年)、『超神ビビューン』(76年)、『宇宙鉄人キョーダイン』(76年)、『快傑ズバット』(77年)など、70年代半ばに東映の変身ヒーロー作品によくゲスト出演していたという情報を得ている。筆者の知るところでは『(新)仮面ライダー』(79年)第7話『カマキリジン 恐怖の儀式』において、サタンカマキリを大量に孵化させるための生け贄として、ネオショッカーに狙われる13才の少年役で出演していた。

*2:この項のみT.INUTSUKA。『メビウス』で撮影に使用された桜ヶ岡中学は埼玉県新座(にいざ)市新座2丁目の新座小学校なんです。
 先日、職場の食堂で昼食をとっていると、ななめ向かいのオバちゃんが「うるとらまんえいてぃっていう映画を近所で撮ってた」と話してたのでまさかと思い、詳しく聞いてみたらそうだったのでした。しかも職場からはわずか1kmの距離。廃校だからきっと平日の撮影だったんでしょう。仕事なんかしてる場合じゃなかったなぁ。

*3:06年12月27日にコロムビアミュージックエンタテインメントから発売されたCD『ウルトラマンメビウス ORIGINAL SOUNDTRACK VOL.2』(ASIN:B000JVS44E)のトラック36に収録された『ウルトラの勇者たち』(http://www.hmv.co.jp/product/detail/1217756)と題した楽曲は、『ウルトラマンタロウ』、『ウルトラマンレオ』、『80』の各主題歌のイントロをアレンジし、メドレーとして演奏した曲である。
 第29話『別れの日』、第30話『約束の炎』、および映画『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』(06年9月16日公開・松竹)におけるタロウ登場シーン、第34話『故郷(ふるさと)のない男』のレオ登場シーン、そして今回のエイティ登場シーンに流され、視聴者を感涙させたそれぞれのテーマは、実はこれを分断して使用されたのである。
 だが、既に今後の再登場が決定している新ウルトラマンウルトラマンエース登場シーンを想定したアレンジ曲は今回のCDには収録されていない。ひょっとして今度こそオリジナルの主題歌が使用されるのか!?
 (現在ではTV放映では無料だがソフト化の際には既成の歌曲を使用している場合、音楽著作権を一括して仲介・管理する日本音楽著作権協会JASRACジャスラック)にかなり高額の金銭を支払しなければならないのも、他のウルトラと比すれば相対的に低予算番組である『メビウス』で既成の歌曲が使用されない一因だろう。漫画などでも既成の歌曲の歌詞の引用や替え歌が掲載できなくなったのはこれが理由。『マンガと著作権』(01年・米沢嘉博コミケットASIN:4883790894)によると漫画家の原稿料よりも高い場合があるためとか(笑)。過去映像の再利用も基本的には静止画のみで動画が使用されないのは、同じような著作権団体なり当時の脚本家や監督や出演者へのロイヤリティ問題が現在ではあるためと思われる)

*4:エイティが拳をふるときの風を斬る効果音は、実は東宝製作のTV特撮、巨大変身ヒーロー『メガロマン』(79年)が拳をふるときの効果音の流用。

*5:『80』第6話で、アブドラールスが目から発した火炎光線を、足にまともに受けた明男(ズボンに火がついてる!)を治療する医師を演じたのは声優の渡部猛である。
 『キカイダー01(ゼロワン)』(73年)第37話『剣豪 霧の中から来たワルダー』以降レギュラーとなる、ゼロワン抹殺のために大犯罪組織シャドウに雇われた剣豪ロボット・ワルダーや(第23話から第27話にかけてはシャドウナイトの声も演じている)、『イナズマンF(フラッシュ)』(74年)第8話『ウデスパー兄弟! クロスハリケーン!!』他に登場したウデスパーαなど、渋みのあるライバル的な悪役が代表的なところだが、『ウルトラマンタロウ』第39話『ウルトラ父子(おやこ)餅つき大作戦!』において、「新潟の米はうめ〜ぞ〜」とヌカしたり、月星人(げつせいじん)・南夕子のことを「アネさん」呼ばわりしていたうす怪獣モチロンも、実は氏の演技なのである!

 なお、明男の治療に輸血を申し出る1年E組の生徒たちの内、落語・ファッション・博士がO型であることが判明する。いかにも細かなことを気にしそうにない林校長はB型(笑・だが第9話においては京子先生の見合いが決まったことに落ちこむ矢的に対し、「当たって砕けろ! 正々堂々と勝負!」と励ますなど、珍しくカッコいい面も見せている!)、なにかと矢的をネチネチといたぶるオールド・ミスの野崎教頭は筆者同様、イヤミが得意なAB型である(爆)。
 ちなみに野崎教頭に血液型を問い詰められた矢的は一瞬口ごもった後、「僕はA型なんです!」と口走るが、少々優柔不断そうな一面を見ても、これまたリアル(笑)。

*6:小学館『てれびくん』80年5月号(80年4月1日ごろ発売)において、ウルトラ兄弟がサクシウム光線について評価する記事が掲載されていた。筆者のおぼろげな記憶で申し訳ないが、参考までに以下に紹介させて頂く。

初代マン「サクシウム光線の強さの秘密は発射するポーズにあるんじゃないのかな。スペシウム光線よりも強力だと思う」
セブン「新しい技・ウルトラブーメランも早く見たいな」(筆者注・エイティ頭頂部の赤い部分がウルトラセブンのアイ・スラッガーのような宇宙ブーメランになる、と各媒体で紹介されたものの、結局劇中には登場しなかった)
新マン「私は光線技があまり得意ではないので、君のサクシウム光線がうらやましいよ」
エース「サクシウム光線で倒せない敵が現れるかもしれないぞ! 特訓してパワーアップしてはどうかな?」
タロウ「サクシウム光線は発射するまでに少し時間がかかるようだ。そこを狙われないように気をつけてくれ!」
レオ「エイティは光線技のほかに空手技も得意なんだね。いつか力くらべをしてみたいな」

 ウルトラ兄弟随一の多彩な光線技を持つエース、ウルトラ兄弟最強の戦士であるタロウのコメントは、各キャラの特性を如実に象徴し、実に説得力あふれたものである。
 ちなみにレオは『メビウス』第34話において、エイティとではなく、彼の教え子であるメビウスと力くらべをすることになった(笑)。これを見る限りでは、レオの方がエイティよりも戦力は上か?(爆)

*7:演じた清水浩智は『3年B組金八先生(Ⅱ)』(80年)でいたずら好きそうなスーパーとは正反対の、学級委員・羽沢康男役でレギュラー出演することとなる。主役話もあり『金八』マニア間では隠れた名作扱いをされている第11話『クソまみれの英雄達』。現在でも役者を続けているようだが(84年に創立された劇団第三帝国→現・S.W.A.Tの初期からのメンバーだとか)、残念ながら今回のスーパーを演じたのは彼ではなかった。
 (編:私見だが、劇団HPで見る今の清水氏はカッコよすぎる。今回演じた役者さんの方がスーパーっぽい・笑)

*8:演じた島本須美は『ザ★ウルトラマン』(79年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971117/p1)の科学警備隊の星川ムツミ隊員や、映画『風の谷のナウシカ』(84年)の声優として有名……んなことは誰でも書いているから、筆者はススムの父に再婚話を勧めている常連客のオバチャンを演じる五月晴子に注目する!
 彼女は『帰ってきたウルトラマン』第48話『地球頂きます!』において、怠け者の少年・勝に「勉強しなさい!」と迫る「教育ママゴン」役を演じたあと、『タロウ』第41話『母の願い 真冬の桜吹雪!』においては自宅の屏に落書きした正博少年を怒鳴りつけるセレブおばさん(笑・アニマル柄のコートを着て、ポメラニアンを散歩に連れている)、『レオ』第26話『ウルトラマンキング対魔法使い』(サブタイトルが『ウルトラマンキングのおくりもの』と表記されているプリントも存在する)に今回と、彼女がウルトラシリーズに出演する際は、全て「口うるさいオバハン」役なのである(爆)。
 だが『スペクトルマン』(71年)第32話『よみがえる三つ首竜!!』では、三つ首竜が口から吐き出した岩石の直撃を受けて命を落とす、かわいそうな母親役を演じているので、こちらの方もぜひご注目を。
 ついでに書くと、五月晴子演じるオバチャンがススムの父に勧める女性の見合い写真をよく見ると、国際放映の『ケンちゃんシリーズ』(68〜82年・TBS)後期の作品でよくおばあちゃん役を演じていた風見章子(かざみ・あきこ)である。
 実は彼女(風見章子)、『タロウ』第5話『親星子星一番星』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071230/p1)のオープニングにクレジットされているものの、実作品には登場していない。尺の関係で出演場面がカットされたのかと思うが、どんな役で出演したのか、以前から気になってしかたがない。筆者の知る限り、この件について記した文献は見たことがないのだが……
 ちなみに、スーパーことススムの初老の父が五月晴子演じるオバチャンや結婚間近のススムの姉を安心させるため再婚の見合いを承諾する姿に、居合わせた矢的先生は年頃のススムの気持ちを考えて困惑するが、実は彼女らを安心させる演技だったことを父が明かし、矢的が感動するヒューマンなやりとりの描写もとても良い!
 80年当時はスーパーといっても八百屋っぽかったが、07年現在ではキレイに改築されて店の面構えにharada storeの文字が見える(ロケに使用したお店の名前なのだろうが)。

*9:このときススムが聴いていたのが、80年初めにヒットしていた沢田研二の『TOKIO(トキオ)』という具合に、『ウルトラマン80』というタイトルを象徴するような80年当時の世相が本作にはかなり反映されている。
 第1話において、早くも桜ケ岡中学校の校長(故・坊屋三郎が演じた)が、当時流行していた占星学に登場する「天中殺」を口にしているし、5年間も怪獣が出現していないことから、地球の異変にも実に呑気な様子のUGM隊員たちが、作戦室でインベーダーゲームに興じる場面までもが描かれているのである。
 ちなみにインベーダーゲームとは78年にゲームセンターや玩具屋や駄菓子屋や喫茶店を中心に設置された、迫り来るインベーダーを次々に撃ち落として楽しむだけの、現在の視点で見ると実に素朴な草創期のテレビゲームであるが、子供が小遣いを使い果たしてしまうなどとPTAからは問題視された。中学の全校集会で生徒指導の教師が、「インベーダーは英語で侵略者という意味です。先生たちは、インベーダーゲームに君たちの頭の中が侵略されてしまうんじゃないかと心配しているのです」などと演説していたものである(笑)。

*10:作家・劇作家・詩人・映画監督・競馬評論家など、マルチな才能を発揮した寺山修司(35年12月10日−83年5月4日)の作品『書を捨てよ、町へ出よう』のパロディである。ちなみにこのタイトルの氏の作品は以下のように四種類存在するが、内容は全て別物なので念のため。

 ★評論集『書を捨てよ、町へ出よう』(芳賀書店・67年・ASIN:4041315220。ちなみに芳賀書店は同年3月25日に『(カラー写真版)決定版 怪獣大行進』と題した、東宝映画怪獣とウルトラ怪獣の、当時としてはまだ珍しかったカラー写真を多数収録し、『ウルトラQ』(66年)と『ウルトラマン』(66年)の放映リストを初めて掲載した、超一級の怪獣図鑑を発行している)

 ★『ハイティーン詩集・書を捨てよ、町へ出よう』(演劇実験室「天井桟敷(てんじょうさじき)」第7回公演・68年)

 ★映画『書を捨てよ、町へ出よう』(製作・脚本・監督/寺山修司 日本アート・シアター・ギルド(ATG)・71年・ASIN:B00005OO62 サンレモ映画祭グランプリ キネマ旬報ベストテン第9位。『メビウス』第22話『日々の未来』で宇宙貨物船アランダスの船長・バンを演じたほか、特撮作品の出演が結構多い平泉成も「平泉征」名義で出演)

 ★評論集『続・書を捨てよ、町へ出よう』(芳賀書店・71年・ASIN:4309408036

 『ウルトラマンダイナ』(97年)第38話『怪獣戯曲』(脚本・村井さだゆき 監督・実相寺昭雄 http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971209/p1)でも清水紘治演じる鳴海浩也(なるみ・ひろや)が劇団員に「書を捨てて町に出るんだ!」と叫んでいるセリフがあるが、これももちろん寺山修司からの引用。

*11:第2話の冒頭で矢的がテスト用紙を採点し、「落語の奴またこんなとこ間違えて」などとボヤく場面があるが、この用紙に書かれていた氏名から落語の本名を特定できる。つーか、演じる役者の名前そのままなのだが(笑)。

*12:銀河共和国の惑星調査員であり、各惑星の生物の存在価値を調査し、不必要と判断した生命体を消滅させる権限を持っている。
 こう書くと、のちに平成ウルトラ作品で好んで描かれた「人類批判」ネタの原点みたいだが、この回ではアルマを矢的の妻であると生徒たちが誤解してしまい、潔白を証明するために矢的が京子先生を強引に自室に連れてきたところ、なんと食卓にローストビーフをはじめとする豪華な料理が用意してあり、「あなたのアルマ♥」(笑)なんてメッセージまでもが添えられていたことから、京子先生が「これをアタシに見せつけたかったのね!」と激怒するという、生徒たちも交えたドタバタラブコメディが中心に描かれているので、陰欝な印象は皆無に等しいのである。
 また登場する変形怪獣ズルズラーは、アルマが生物調査のためにペットとして連れているサザエに似た宇宙生物・ジャッキーが、「魔法のえんぴつ」を奪い合ってケンカするスーパーと落語や、交通事故で争う男たちから闘争本能を吸収して狂暴化を遂げ、そのジャッキーを動物園の象が餌とともに飲みこんで怪獣化する設定である。これまでやや抽象的な存在であったマイナスエネルギーが、視覚的に最もわかりやすく表現されている回でもあるのだ。

 ちなみにアルマを演じたのは遠藤真理子。京子先生役の浅野真弓とともに、NHKの『少年ドラマシリーズ』(72〜83年)によく出演していたらしいが、筆者はほとんど観たことないもので……なお、近年では『検証・ウルトラシリーズ』と題した第2期ウルトラ研究本や、雑誌『ウルトラマンAGE(エイジ)』(01〜04年)などでマニアにも知られる辰巳出版から「タツミムック58」として『妖咲狂花(ようしょうきょうか)』(82年12月15日発行・定価1500円)という写真集が過去に出ている。カバー折り返しにあるプロフィールを参考までに紹介しておく。

60年1月2日、東京生まれ。
B・81、W・58、H・83。
特技・ピアノ、バレエ(クラシック&ジャズ)、日舞、水泳、三味線、英文タイプ。
72年から劇団若草、78年から青年座で活躍。
主な作品『末っ子物語』(75年・NHK)、『つくし誰の子』(71年・日本テレビ)、『さやえんどう』(75年・NET→現テレビ朝日)、『菜の花の女』(77年・関西テレビ)、『江戸を斬る』Ⅱ〜Ⅴ(75〜80年・TBS)、『大岡越前』第5部(78年・TBS)、『草燃える』(79年・NHK大河ドラマ)、『月桂冠』(CM)

 07年2月4日に『exciteニュース』にアップされた、「あの人はどーしてる?・遠藤真理子」(ゲンダイネット配信)によれば、残念ながら01年1月1日(笑)に13才年上の不動産会社経営者と結婚しちまったらしい(07年で還暦だぞ……)。その後テレビ出演の機会は激減しているが、そのこともあってか、05年9月9日から11日にかけ、東京の下北沢の劇場で彼女がプロデュースした舞台作品は連日満員御礼だったらしい。
 筆者的にはアルマのように、『大岡越前』で高橋元太郎が演じた岡っ引き・すっとびの辰三(笑)の許婚(いいなづけ)のお花みたいな、チャキチャキの娘こそが彼女には最も似合っているように思う。年齢的に少々キツイかもしれんが、今一度あのような役柄を演じてほしいものだ。
 (編:太平洋戦争末期の沖縄戦を舞台にした、当時の若手女優が大挙出演する82年版の映画『ひめゆりの塔』(東映)での出演も忘れちゃイケナイ。ちなみに編集者はTV時代劇『江戸を斬る』シリーズでの遠藤真理子が♥)

*13:『80』学校編の中で、マイナスエネルギーが怪獣に力を与えるという明確な描写がなされたのはホーとズルズラーくらいのもので(あとは強いて云うならアブドラールスか?)、マイナスエネルギーと直結していない怪獣の方が実は圧倒的に多いのだが、問題視するほどでもない。
 『ウルトラマンA』に登場した超獣たちもまた、メインライターの市川森一による「人間の欲望や妄想、執念が超獣を生み出す」という設定も事実上それほど活かされることはなかったが、そんな抽象的な設定に各ライターが苦悩し、独自の解釈を試みることによって様々なバリエーションが生まれ、パターン化を避けることに成功していると、筆者は好意的に受け止めている。
 『80』だって、毎回毎回生徒たちの心の隙間から登場する怪獣を出していたら、パターン化どころかスゲエ陰欝なシリーズになっちまったと思うぞよ(笑)。

*14:だが一方、第6話にて柔道で女子生徒に背負い投げされ一本取られてしまう大島明男のような70年代までには考えられない情けない男子の姿も描かれている。それを見ていたレギュラーの桜ケ岡中学事務員ノンちゃん(演じる白坂紀子は当時の関東ローカル夕方の『夕やけロンちゃん』のサブ司会で、のちに俳優・志垣太郎夫人)いわく、「戦後35年の民主教育は女の子が男の子を一本背負いで投げ飛ばす成果をあげたのです!」 これが諸悪の根源となって安倍内閣の教育改革が始まった(笑)。

*15:非常に性悪な女の子として描かれているが、マリを演じた秋元美智恵はファッション役の久野みどりよりルックスは数段上であり(あくまで個人的には)、ミス1年E組はむしろマリの方がふさわしいように思うのだが(笑)。

*16:ウルトラマンネクサス』(04年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060308/p1)のTLT(ティルト)管理官・松永役や、映画『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』では神戸市長役だった堀内正美が演じたらしい。「ボンジュール、京子サ〜ン! トレビア〜ン!」と、成田空港に出迎えに来た京子先生に感激するのはいいものの、オイル怪獣ガビシェールが出現するや、京子先生を置いてスタコラサッサと逃げてしまう(笑)。
 つい先日観たTV時代劇『必殺仕事人Ⅳ』(83年)第14話『主水(もんど)節分の豆を食べる』で堀内氏は、かつての仕事人(殺し屋)仲間の小平次(〜演ずるは『新・仮面ライダー』で主人公の筑波洋を演じ、このあと『必殺仕事人Ⅴ(ファイブ)』(85年)でレギュラー仕事人・花屋の政を演じることになる村上弘明!〜)を平然と裏切って殺してしまうゲスト仕事人・弥助という役を演じていました。氏には本当に「ニヒル」という言葉がよく似合います(笑)。

*17:真一を演じた斎藤康彦は『80』と同時期にスタートした岸田智史(現・岸田敏志。きしだ・さとし)主演の『1年B組新八先生』(80年・TBS)にレギュラー出演(編:当時の関東ローカル『夕やけロンちゃん』で、『新八』桜中学チーム対『80』桜ケ岡中学のクイズ合戦があった。出演者はたしかスーパーと落語はいた。真一もいたけどどちらのチームに所属していたかは失念。ただし両番組に出演していることは言及されていた)。その後、今では怪演で有名なあの本田博太郎(笑)が熱血教師(!)で主演、当時人気絶頂だったジャニーズ事務所所属の「たのきんトリオ」(田原俊彦野村義男近藤真彦)が『金八』に続いて当初出演していた『ただいま放課後』(80年・フジテレビ・東宝)に彼らに代わって主役級で出演し(第29話からの第3シリーズのラグビー部編)、主題歌『もどかしさもSOMETIME(サムタイム)』も歌唱した。『ただいま放課後』にはのちにスーパー戦隊シリーズ超電子バイオマン』(84年)にレッドワンこと郷史朗(ごう・しろう)で主演した阪本良介も出演。
 ちなみに真一の恋仇・柴田を演じた岩永一陽(NHKの大河ドラマ獅子の時代』(80年)に白虎隊(びゃっこたい)の少年役で出演したらしい)も『新八先生』に出演していたように記憶するが、映像ソフトが出ていないため、確認がとれていない。
 なお『3年B組金八先生』(79年〜・TBS)以外のTBS金曜20時枠『B組』シリーズはDVD化が困難になっているが、これにはジャニーズ事務所所属のタレントが多数出演していたことが関係しており、現在引退しているタレントの出演作品は事務所から許可されないらしい(『金八』でも第3シリーズ(88年)にはSMAP(スマップ)を脱退した森且行が出演しているため、リリースできない模様だ。もっともこのシリーズはトレンディドラマ全盛期に放映されたため、低視聴率で1クール打ち切り(当初からの予定?)になってしまったことも大きい?)。川谷拓三主演の『3年B組貫八先生』(82年)も、「少年隊」の候補だった松原康行が出演していたが、番組終了後に彼は引退しているのだ。
 では現在でもメンバーがソロで活動している「シブがき隊」が出演していたさとう宗幸主演の『2年B組仙八先生』(81年)はどうなのか? と云われそうだが、彼らは「シブがき隊」の当時から現在に至るまで、大層仲が悪いという話をよく聞くので、きっと彼らが止めているんだろう。『はなまるマーケット』(96年〜・TBS)司会の薬丸裕英、『ウルトラマンダイナ』(97年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971201/p1)のコウダ・トシユキ隊員(のち副隊長)役の布川敏和、そして本木雅弘が、かつては同じアイドルグループに所属していた事実を、今の若い人は知らないんだろうな……

*18:ミドリを演じた鈴木真代は、『3年B組金八先生(Ⅱ)』に佐々木博子役でレギュラー出演。第22話『父の死と高校進学』は彼女の主演作品である。
 なお鈴木真代は『80』第1話と第2話にもクレジットされており、第2話のラストでは生徒たちの中でも中央の目立つ場所に陣取っていたりする。

*19:私事で恐縮だが、98年に中学の同窓会に間違って出席してしまったら、当時筆者以上にいじめられていた男子は各地で個展を開催するようなフリーのカメラマンとなり、散々「ブス」と疎んじられていた女子はピアノの講師となり、医師の妻となって見違えるような美女に華麗に変身を遂げていた。それにひきかえ筆者は……やっぱ「負け組」は出席しない方がいいぞ。立場なかったわホンマに……

*20:昨06年の年末商戦ではウルトラヒーローのみならずウルトラ怪獣シリーズまでもが全国各地の玩具屋でバカ売れしてスカスカの品薄状態になっていることは玩具マニアならばご存じのことだろう! ついにとうとうここまで来たか……(感涙にむせぶ)