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ウルトラマンZ最終回 後半評 ~ネタキャラが敵味方に多数登場だが熱血活劇! 2020年代のウルトラはかくあるべし!

『ウルトラマンZ』序盤総括 ~セブンガー大活躍! 「手段」ではなく「目的」としての「特撮」!
『ウルトラマンZ』前半評 ~ギャグ漫画・ギャグアニメ的なキャラ立て・会話劇での「お遊び」の中に「タテ糸」を挿入
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[ウルトラ] ~全記事見出し一覧


 シリーズ最新作『ウルトラマントリガー』(21年)#7~8に、前作『ウルトラマンZ(ゼット)』(20年)が客演記念! とカコつけて、『ウルトラマンZ』後半評をUP!


ウルトラマンZ』最終回・後半評 ~ネタキャラが敵味方に多数登場だが熱血活劇! 2020年代のウルトラはかくあるべし!

(文・久保達也)
(2021年4月22日脱稿)

*途中退場した巨大ロボット・セブンガー、予定調和されていた復活宣言!(笑)


 さて、『ウルトラマンZ(ゼット)』(20年)第21話~第25話(最終回)の最終章5部作には、往年の『ウルトラマンダイナ』(97年)第49話『最終章Ⅰ 新たなる影』・第50話『最終章Ⅱ 太陽系消滅』・最終回(第51話)『最終章Ⅲ 明日(あした)へ…』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971211/p1)との類似性を指摘する声がかなり多かったものだ。
 それは『Z』『ダイナ』ともにその最終章は、「地球は我々人類自らの手で守らねばならない」とした初代『ウルトラマン』(66年)最終回(第39話)以来のテーマの変化球として、防衛組織の上層部が最強兵器=「人造ウルトラマン」の製造を強行した結果、逆に「地球最大の危機」を招くに至る展開となっていたからだ。


 ただ、たとえば『Z』第21話で筆者が最も印象に残ったのは、地球に大挙来襲した宇宙凶剣怪獣ケルビムの「マザー」としてデタラメにデカすぎる姿で宇宙空間に現れた親怪獣を、ウルトラマンゼット・デルタライズクローが「デスシウムスラッシュ!」と超特大の紫色のビームサーベルでブッた斬る描写だった。
 これに対して『ダイナ』の最終章で最も印象的だったのは、昭和の第2期ウルトラマンシリーズによく登場した横暴な「バカ長官」のごとく、防衛組織・スーパーGUTS(ガッツ)のゴンドウ参謀(さんぼう)がひたすら暴走する姿だった(笑)――「ゴンドウ参謀はホントウは善人だ」などと擁護(ようご)する声が意外に多いのは承知しているのだが、申し訳ないけど本編中の舌っ足らずな描写や演出では個人的にはとてもそうは思えなかった――。


 まぁ、『帰ってきたウルトラマン』(71年)でも「今度の作戦に失敗したら(防衛組織)MAT(マット)は解散だぞ!」と「バカ長官」がよく恫喝(どうかつ)していたが。しかし、『Z』の最終展開ではストレイジが本当に解散させられる(!)など、これまでの明朗快活な作風とは一変してやや陰鬱な描写もたしかに見られたのだ。
 だが、この最終章は本作のタテ軸・連続ドラマの総決算としてよりも、これまで『Z』の人気を支えてきた魅力の数々を総動員させてみたという印象が強く、やはり最後まで「ドラマ性」や「テーマ性」よりも「キャラクター」や「特撮」の魅力の方が主導で描かれていたと思えるのだ。


 第14話『四次元狂騒曲』で特空機3号として新たに装備された巨大ロボット・キングジョーストレイジカスタムにバトンを渡して、セブンガーは5年間の活躍を終えてついに退役(たいえき)、特空機のPR用として地球防衛博物館に展示されることとなった――小学館の幼児誌『てれびくん』2020年12月号掲載の『セブンガー友の会 特別編』によれば、初めて倒したのは火星怪獣ナメゴンだったそうだ!――。
 これには『ウルトラマンR/B(ルーブ)』(18年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20180826/p1)の「ネタキャラ」でもある当初の宿敵・愛染マコト(あいぜん・まこと)社長がシリーズ中盤で退場したことを彷彿(ほうふつ)としてしまい、失望を感じた人もいたかもしれない。だが、セブンガーの一時的な退場は、シリーズ終盤で再登場させるためだろうと予測したスレた特撮マニアも相応には多かったことだろうし、実際にも第22話『それぞれの明日(あす)』のクライマックスでのセブンガーの奇跡的な復活をおおいに盛り上げる意図で確信犯的に行われたのだ! と解釈すべきところだろう。


 しかし、その相手はあの「ネタキャラ」であるバロッサ星人の「三代目」であったのだが(笑)。


 ちなみに、バロッサ星人三代目はヨウコが飲んでいたタピオカドリンクに含まれる「でんぷん」(笑)をエネルギー源として巨大化する。コレは『激走戦隊カーレンジャー』(96年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110521/p1)の敵組織・宇宙暴走族ボーゾックの怪人たちが地球の「芋長(いもちょう)」の「芋(いも)ようかん」を喰って巨大化していたのと同じノリだよな(爆)。
 かつてであれば非難必至であった科学的・SF的根拠もヘッタクレもない、こんな描写が堂々と映像化されたこと自体は、それだけマニア視聴者の側がこんなことでイチイチ目くじらを立てたりせずに、良い意味で子供番組らしい稚気満々(ちきまんまん)な描写だとして笑い飛ばせるだけの成熟(せいじゅく)を果たしたことの証(あかし)でもあるだろう(笑)。


 ストレイジが解散させられたことでセブンガー同様に退役状態だった女性隊員・ヨウコが、バロッサ星人三代目が巨大化して都市部で大暴れしたために、退役したハズのセブンガーのコクピットに私服姿で乗りこむ! いつでも出撃できるようにと、セブンガーは博物館に展示されて以降もストレイジ整備班の初老の班長イナバ・コジロー=通称・バコさんによって常に整備されていたと語られることが、退役から華麗な復帰をとげるセブンガーとヨウコのカッコよさに高い「ドラマ性」も与えている!


 ウルトラマンゼットの基本形態・アルファエッジが羽交い締め(はがいじめ)にしたバロッサ星人に、セブンガーがジャンピングキックを喰らわし(!)、その衝撃で精巧なミニチュアの中華料理店の周辺に配置された自転車が吹っ飛び、ブロック塀(べい)の手前にビルの破片が飛んでくる!
 坂本浩一監督お得意の「ガード下アングル」でバロッサVSセブンガー、そして別の男性パイロットが操縦するキングジョーストレイジカスタムが捉えられ、セブンガーが右腕の「ロケットパンチ!」もとい「硬芯鉄拳弾(こうしんてっけんだん)!」を発射する!


 臨場感とカタルシスにあふれる演出が、セブンガーの復活を実にカッコよく描いていた。


 特筆すべきはセブンガー&ヨウコを、ゼットの新武器でもある悪の黒いウルトラマンことウルトラマンベリアルの顔面を持つしゃべる魔剣・ベリアロクとカラませて、それぞれのキャラをさらに掘り下げたことだろう。


「おまえがオレさまを使うことなど、2万年早い!」


 ベリアルの因縁(いんねん)の宿敵であるウルトラマンゼロの定番フレーズ「2万年早いぜ!」をベリアル自身が、もといベリアロクがパクるのはどうかと思ったが(笑)、これは「良いか悪いか」ではなく「面白いかどうか」で行動を決めるベリアロクから見て「2万年早いぜ!」という物言い自体を「面白い」と判断したからこそだろう(爆)。


 「どうせ、できないんでしょ!?」というヨウコの挑発をも「面白い」とベリアロクが感じたからか、魔剣ベリアロクの使い手(!)となったセブンガー=ヨウコは、ストレイジの理系女子=オオタ・ユカが遠隔操作するキングジョーストレイジカスタムの脚部を構成する高性能輸送車・レッグキャリアーにスノーボードのように乗りこみ、バロッサ三代目に突撃する!


「セブンガー・波乗りスラッシュスペシャル!!」


 セブンガーが都心のビル街の奥のバロッサに向けて突っこむさまが、コクピット内のヨウコの主観から捉えられる!
 バロッサが爆発四散した衝撃で窓ガラスが室内に吹っ飛び、机が宙に舞うさまがオフィスのミニチュアを主観に描かれる!
 その大爆発を背景に、セブンガーがベリアロクを手に勝利のポーズをバッチリとキメる!


「なかなか楽しませてもらったぞ」


 ベリアロクは満足げにヨウコにそう語った。我々視聴者も「なかなか楽しませてもらった」のだが、それはその迫力あふれる「特撮映像」もさることながら、それだけでもなかったのだ。
 それは、一応のレギュラー悪・寄生生物セレブロに憑依(ひょうい)されてしまった地球防衛軍・日本支部クリヤマ長官に強引に解散させられたストレイジのハルキ・ヨウコ・ユカ・バコさん、そしてあえてここでは書かないがヘビクラ隊長が退役してもなお、チームとしての結束力の強さを誇っていたことを、セブンガーのカッコよさを通して見せつけられたからだ!


*放映終了後も凋落しない『Z』の「商品的価値」に象徴される「人気」度合い!


 近年のウルトラマンシリーズとしては珍しく(汗)、ネット上の反響や関連商品の売れ行きも比較的好調だった『ウルトラマンZ』が全25話をもって2020年末に放映を終了した。


 たとえば『ウルトラマンR/B』の場合、あまりにコミカル寄りに振り切った作風が第1世代の高齢特撮マニア層から反発を喰らっていたり、一応の敵キャラとしてシリーズ前半に登場した愛染マコト社長=ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ(笑)=精神寄生体チェレーザが「ネタキャラ」としても大評判となるも、シリーズ中盤で退場したことでライト層の関心を少々ウスくしてしまう――このタイミングで同じく円谷プロ製作で放映を開始した変身巨大ヒーローが巨大怪獣と戦う深夜アニメ『SSSS.GRIDMAN(グリッドマン)』(18年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190529/p1)がアニメ&特撮ファンの間では大人気となったことで、やや話題も奪われた――。
 「ウルトラ」の関連玩具の不調が顕著(けんちょ)となったのはこの『R/B』当時であり、バンダイが『ウルトラマンX(エックス)』(15年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200405/p1)以来発売してきた20センチ強のソフビ人形『ウルトラBIG(ビッグ)ソフビ』と『ウルトラ怪獣DX(デラックス)』シリーズは『R/B』をもって打ち切られたほどだった――『R/B』主人公のウルトラマンロッソとウルトラマンブルの人形は放映終了数ヶ月を経ても売れ残って半額処分されていた(汗)――。


 また、『ウルトラマンタイガ』(19年)は第1話『バディゴー!』冒頭(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190811/p1)でせいぞろいした7大ニュージェネレーションウルトラマンたちの宇宙空間での大活躍を描いたり、ウルトラマンタイガ・ウルトラマンタイタス・ウルトラマンフーマといった3大ウルトラマントリオを主人公格とし、彼らの間でかわされるコミカルなやりとりが「カワイイ」(!)などとコメントされたほどにシリーズ序盤は好調だったのだ。
 だが、作品自体は昭和の時代に逆行したかのようにタテ軸・連続性がきわめてウスい「1話完結」形式の趣(おもむき)が強く、しかもレギュラー悪のウルトラマントレギアにそそのかされた平和的な宇宙人が葛藤(かっとう)の末に悪に走る陰鬱(いんうつ)で湿っぽい話が多発したために、こちらもシリーズ後半は失速したと見てもよいだろう(爆)。
 動画無料配信サイト・YouTube(ユーチューブ)での第1話の再生回数が1週間で100万回を超えていたのに、シリーズ中盤以降は毎回30万回程度に凋落(ちょうらく)したのがそれを端的に象徴する――『仮面ライダー』や『スーパー戦隊』と違って地上波で放映されない地域が多いことを思えば、ネット配信で鑑賞する地方在住の特撮マニアは相応にいたハズなので、コレは同作のファンの方々には非常に申し訳がないのだが『タイガ』の人気の低さを証明してしまう低い数字である――。
 ちなみに、そのYouTubeで『タイガ』シリーズ後半と同時期に週1回で配信されて、しかも『タイガ』の前日譚(ぜんじつたん)として製作された短編『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』(19年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200110/p1)の方が、ネットでしか鑑賞できない作品なので単純比較はできないものの、再生回数では毎回『タイガ』の倍以上を稼(かせ)いでいた(汗)。


 さて、『Z』の後番組として2021年1月から総集編番組『ウルトラマンクロニクルZ ヒーローズオデッセイ』(21年)が放映されている。これは『Z』、そして2021年で放映25周年を迎えた『ウルトラマンティガ』(96年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961201/p1)・『ウルトラマンダイナ』(97年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971215/p1)・『ウルトラマンガイア』(98年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19981206/p1)の「平成ウルトラ3部作」のテレビシリーズや劇場版などを特撮名場面を中心に再編集して構成した番組だ。
 同枠の同じく総集編番組『ウルトラマンゼロ THE CHRONICLE(ザ・クロニクル)』(17年)以来、毎年1月~6月の半年間にかつての『ウルトラマン列伝』(11~13年)や『新ウルトラマン列伝』(13~16年)と同様の形式で過去作の傑作選や名場面集を流す番組が放映されている。しかし、前年末に放映が終了したばかりの作品がメインで扱われるのは『Z』が初である! まぁ特撮場面が占める割合が近年のウルトラマンではダントツで高い『Z』ならワザワザ再編集せずにそのまま半年間再放送しても充分にイケるかと思えるくらいだが、やはり『クロニクルZ』自体が『Z』の反響の高さから企画された番組だと解釈してもよいだろう。


 そして、もうひとつ、注目すべき動きがある。
 先にバンダイのソフビ人形『ウルトラBIGソフビ』の発売が『R/B』で打ち切られたと書いた。しかし、その新商品として2021年5月29日に『Z』の主役ウルトラマンであるウルトラマンゼット・オリジナルと特空機1号のセブンガーが発売されるのだ!
 たとえばお金持ちのマニアを対象とした高額ブランド「プレミアムバンダイ」などでは『光る! 鳴る! 特空機1号セブンガー』なる高額な合金玩具など、ウルトラマンにかぎらず放映を終了した特撮やアニメの関連商品をネット限定で通販するのはまぁフツーに行われている。だが、一般の玩具店で販売される本来のターゲット=就学前の幼児に向けた商品として、すでに打ち切られたシリーズ展開がこのようなかたちで復活をとげるのはきわめて異例のことだろう。
 バンダイにそれを決断させたほどに『Z』、そしてセブンガーの商品としての価値はいまだに大きいのではあるまいか?――実際、セブンガーをはじめ、バンダイのソフビ人形『ウルトラ怪獣シリーズ』はきわめて好調で『Z』の放映中にすでにプレミア付きとなる商品まであった!――


 そうした動きがあとから余波として見られるほどに、『Z』は相応の評判を世間から得たと解釈してもよいだろう。


 2010年代以降のニュージェネレーションウルトラマンシリーズでは、最終章の撮影と並行して例年7~9月の時期に撮影されてきた来春公開用の最終回後の後日談でもある『劇場版』は、新型コロナによる2020年4~5月の緊急事態宣言に伴なう撮影一時中断の余波によって、『Z』にかぎらずこの手のテレビドラマの現場スタッフとは「作品」単位だけでなく拘束「期間」も込みでの契約であるために、やむなく流産させざるをえなかった……と捉えるのが妥当な推測だろう。しかし、『Z』のこの勢いがあれば興行収入も例年よりも高く行けそうなのだし、改めての製作Goサインを出してほしいところだなぁ……
――後日付記:かの庵野秀明(あんの・ひであき)監督による映画『シン・ウルトラマン』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220618/p1)と公開時期がカブる可能性があったために、今回は最初から製作予定がなかったという情報もある――


 シリーズ後半で失速して当初は得られていた支持層を次第に失ってしまった前作の『タイガ』や前々作の『R/B』とは異なり、『Z』が放映終了まで、いや終了後もいまだに根強い「人気」を誇っているのはナゼなのか!? 今回は『Z』第2クール=シリーズ後半を振り返りながら、それを検証することで『Z』の総括としたい。


*敵にも味方にも視聴者がイイ意味でツッコミできる「ネタキャラ」(笑)たりうる珍妙なキャラクターを投入!


 ぶっちゃけ云わせてもらえば、『R/B』と『タイガ』がシリーズ後半で失速したのはコミカルな「ネタキャラ」を廃したのが大きな要因だったと思える。
 『R/B』の「ネタキャラ」はもちろん愛染マコトだったが、『タイガ』の「ネタキャラ」はタイガ・タイタス・フーマ、つまりウルトラマンたちそのものだったのだ(笑)。
 先述したように、『タイガ』のシリーズ序盤ではふだんは彼らが主人公青年・工藤ヒロユキ(くどう・ひろゆき)の周囲でミクロ化した半透明な姿と化して、ボケとツッコミの掛け合い漫才のようなやりとりを繰り出すのが本編場面での大きな見せ場となりえていた。
 だが、シリーズ中盤以降はそんな描写が極端に少なくなったどころか、タイタスまたはフーマが一度も登場しない回もあったために、タイタスが初変身の直後に延々と繰り出して大評判となったマッスルポーズもほとんど拝(おが)めなくなったのだ(笑)。


 さて、『Z』でも「ネタキャラ」はやはり主人公ウルトラマンであるゼット自身が務めている(笑)。第21話『D4(ディー・フォー)』~最終回(第25話)『遙(はる)かに輝く戦士たち』に至る最終章5部作ではさすがにそれまで通りとはいかなかったものの、地球防衛軍・日本支部の対怪獣ロボット部隊・ストレイジに所属する主人公青年=ナツカワ・ハルキ=ウルトラマンゼットとの間でかわされる、敬語とタメ口の区別もできないデタラメな日本語(爆)による会話はシリーズを通して描かれつづけた。
 また、ある意味ではゼット以上の「ネタキャラ」として、ストレイジの隊長であるヘビクラ・ショウタ=『ウルトラマンオーブ』(16年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20170415/p1)のライバルキャラ=ジャグラス・ジャグラーも最後まで健在だった。そういや、ハルキはジャグラーの変身態を「トゲトゲ星人」と呼んでいた。これはジャグラーの「ネタキャラ」ぶりや『Z』のコミカルな作風を象徴させるのには実に的確な呼称だったと思うのだ(笑)。


 ちなみに、第23話『悪夢へのプレリュード』ではヘビクラ隊長は銭湯(せんとう)で腰に手を当ててラムネを飲んでいた(笑)。この仕草(しぐさ)は『ウルトラマンオーブ』でも風来坊(ふうらいぼう)主人公のクレナイ・ガイ(ウルトラマンオーブ)の日々の楽しみとして描かれてきたものだ。映画『劇場版 ウルトラマンオーブ 絆(きずな)の力、おかりします!』(17年・松竹・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200406/p1)のラストで、ガイが銭湯でジャグラーに出くわして仰天(ぎょうてん)する場面があった。別世界といえど、ジャグラーはあれ以来、銭湯通いが習慣になったようであり(笑)、今回の銭湯の描写はかつて対立していたガイとの関係性が現在では良好なことまで暗示しているのかもしれない微笑(ほほえ)ましい演出だった。


*ゼットの新武器でおしゃべりする魔剣ベリアロクや、宇宙海賊バロッサ星人2代目も「ネタキャラ」だった!(笑)


 そして、『Z』ではシリーズ後半に入って以降、さらに新たな「ネタキャラ」が加えられたのだ。


 第15話『戦士の使命』には、第6話『帰ってきた男!』~第7話『陛下(へいか)のメダル』の前後編につづいて朝倉リク=ウルトラマンジードがまたまた再登場を果たし、『ウルトラマンX』の最終回前後編(第21話~第22話)に登場した強敵・虚空(こくう)怪獣グリーザを相手にゼットとの共闘が描かれた。
 この回ではウルトラマンジードとウルトラマンゼロの強化形態・ゼロビヨンドとウルトラマンベリアルの強化形態・アトロシアスのウルトラメダルを使い、ゼットが最強形態=ウルトラマンゼット・デルタライズクローの姿を初披露する。しかし、その専用武器となる剣からして「ネタキャラ」なのだ(笑)。


 宇宙からグリーザを追ってきたウルトラマンジードはグリーザの体内に取りこまれてしまう。しかし、その中にあった「宇宙の穴」を縫(ぬ)う「針」にジードの体を構成するジードの父でもあったベリアル因子(いんし)がふれたことで、持ち手の部分がまんまウルトラマンベリアルの顔(爆)をつけた黒い幻界魔剣(げんかいまけん)・ベリアロクが誕生する!
 映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE(ザ・ムービー)』(09年・ワーナー・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101224/p1)でデビュー以来10数年、敵キャラとして登場するのみならず、近年ではウルトラマンの変身や強化アイテムにまで使われるほどのウルトラマンベリアルはすっかり「便利屋さん」キャラと化した感がある(笑)。ただ、今回は実の息子・ジードの体内に含まれる因子からの再生だったので、一応は疑似(ぎじ)科学的な説得力もあり、ジードがたしかにベリアルの息子だと改めて実感させてくれたのは好印象だろう。


 大地に突き刺さったベリアロクを引っこ抜くことでゼット=ハルキがその使い手となるのは、ちょうど同時期にスタートした『仮面ライダーセイバー』(20年)の第1章『はじめに、炎の剣士あり。』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20201025/p1)で主人公の小説家で書店も経営する青年・神山飛羽真(かみやま・とうま)=仮面ライダーセイバーが、炎の中に出現した長大なる聖剣・火炎剣烈火(かえんけん・れっか)を引き抜くことで「炎の剣士」=セイバーに変身するに至る描写も彷彿(ほうふつ)としてしまう。


 ただ、火炎剣烈火とは違い、


「オレさまを手に入れて、おまえは何をする?」
「オレさまは斬(き)りたいときに、斬りたいものを斬る!」
「オレさまの使い手は、オレさま自身が決める」


などと持ち手にあるベリアルの顔で主張する(爆)ほどに意志をもつベリアロクは、一筋縄(ひとすじなわ)ではいかなかった。


「この野郎! すみやかに抜けやがりなさいよ!」(大爆)


 史上最大のデタラメすぎる日本語でくやしがるゼットへのハルキのまじめすぎるツッコミが、その「ネタキャラ」ぶりにさらに拍車をかける!


「これからいっしょに戦うんだから、あいさつくらいしないと失礼っスよ!」(大笑い)


 ウルトラマンの最強形態、そして新必殺ワザ登場の前段としては通常ありえない描写だ。しかし、ベリアロクの行動の動機はあくまで「面白いかどうか」であり、面白くなければひたすら非協力的で、面白ければたとえ敵でも使われてしまう、いくらでも「立ち位置シャッフル」が可能なキャラなのだ。
 まぁ、ウルトラマンジャックのウルトラブレスレットとかウルトラマンタロウのキングブレスレットとかウルトラマンレオのレオマントなどと違い、刀=「武器」のクセに「人格」がある(爆)ベリアロクには隔世の感があるが。


 ちなみに、特撮ジャンルで「人格」があってベラベラとおしゃべりもする剣の第1号は、『五星(ごせい)戦隊ダイレンジャー』(93年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20111010/p1)で6人目の白い戦隊ヒーローである小学生が変身するキバレンジャーが変身や武器に用いていたトラの顔面がついた白虎真剣(びゃっこ・しんけん)である。もちろん、おしゃべりする剣の元祖は西洋の神話か洋ものファンタジーあたりかと推測するのだが、ネットでググってみてもその類例自体が発見できなかった――まさか、『ダイレンジャー』が世界初だったということはさすがにないよね?(汗)――。
 国産テレビゲームでは今もつづく西欧中世ファンタジー風ゲームの古典『テイルズ オブ』シリーズ(95年~)の第2作『テイルズ オブ デスティニー』(97年・ナムコ)という作品が元祖らしい。その後はあまたのマンガやライトノベルやアニメに登場しているそうだ。


 このベリアロクは、『仮面ライダー鎧武/ガイム』(13年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20140303/p1)や『魔法少女まどか☆マギカ』(11年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200329/p1)のメインライターでも有名な虚淵玄(うろぶち・げん)が手掛けた日本と台湾の合作による中華ファンタジーの特撮人形劇の大傑作『Thunderbolt Fantasy(サンダーボルト・ファンタジー) 東離劍遊紀(とうり・けんゆうき)』(第1期・16年(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191109/p1) 第2期・18年(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191110/p1) 第3期・21年)に出てきた、人心を惑わせて天下を乱す魔剣・妖剣・聖剣・邪剣を36種もおさめた「魔剣目録」に含まれている、おしゃべりもする剣たちの1本なのかもしれないが(爆)。


 これほどまでに「ネタキャラ」として描かれても、「デスシウムスラッシュ!」と叫んで「Z」型の光跡を残してグリーザを一刀両断する「カッコよさ」自体はしっかりと描かれてはいたのだ。


 しかし、第17話『ベリアロク』でベリアロクは自身と同じ「ネタキャラ」と対決することとなった(笑)。第10話『宇宙海賊登場!』にて『ウルトラマンレオ』(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090405/p1)などに登場したサーベル暴君マグマ星人のマグマサーベルや暗黒星人ババルウ星人の鉄球付き刺股さすまた)などを強奪したほどの強敵として描かれるも――『ウルトラマンメビウス』(06年)第16話(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060928/p1)に登場した宇宙剣豪ザムシャーの刀・星斬丸(ほしきりまる)も含まれていたそうな!――、ひたすら「バロッサ、バロッサ」とワメくだけ(笑)だった海賊宇宙人バロッサ星人の「9999人」もいる弟(爆)のひとりがさっそく復讐(ふくしゅう)にやってきたのだ!


 先の第10話ではロシアの作曲家・ハチャトゥリアンのバレエ楽曲『剣の舞』で踊っていたバロッサだったが(笑)、第16話『獅子の声』のラストで宙から舞い降りてくるバロッサ星人を地上からの目線で捉えたカットでは、ウォルト・ディズニーのアニメ映画『ファンタジア』(1940年・アメリカ)や日本に空前のディスコブームを巻き起こした映画『サタデー・ナイト・フィーバー』(1977年・アメリカ)をはじめ、往年の特撮怪獣映画『決戦! 南海の大怪獣』(70年・東宝)の予告編にまで流れたロシアの作曲家・ムソルグスキーの手になる『禿山(はげやま)の一夜』が流された!


 決してロシアっぽくはない(爆)バロッサ兄弟の双方に、ロシアを出自とする有名楽曲をあえてつけてみせる音楽演出にも、バロッサをあくまでも「ネタキャラ」として描く意図がうかがえる。「バロッサ、バロッサ」としか云わなかった兄とは違ってしゃべりまくる弟の声を、大の「特撮」好きでも知られる声優・関智一(せき・ともかず)に演じさせたのもまたしかりだ。


・バロッサが開口一番、「聞いて驚け!」と自己紹介するのは、『獣電戦隊キョウリュウジャー』(13年)のキョウリュウレッドの名乗りのパクりである(笑)。
・宇宙忍者バルタン星人やどくろ怪獣レッドキングなど、着ぐるみの造形が明らかに異なるのに同一個体とされてきた再登場怪獣や宇宙人を、1978年に起きた第3次怪獣ブーム以来、本邦初のマニア向けムックや子供向けのウルトラ怪獣百科などでは「初代」「二代目」などと区別するのがすでに一般的になっていたのに、『ウルトラマン80(エイティ)』(80年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110108/p1)映像本編などでは再登場怪獣や再登場宇宙人回でいまだにクレジットされていなかった「三代目」や「五代目」などの分類表記を、バロッサ星人の弟は自ら「二代目」と名乗ることで「公式」名称にしてしまったのだ!!(笑)
・「ハデに行くぜ!」だの「コイツは宇宙のお宝、いただいていくぜ!」だのは、バロッサ星人と同じ宇宙海賊だった『海賊戦隊ゴーカイジャー』(11年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20111107/p1)のキャプテン・マーベラス=ゴーカイレッドの決めゼリフの引用だ。氏が同作のナレーションや玩具の音声ガイダンスを務めていたことを意識したメタ的なギャグだが、海賊が海賊からパクるなよ(爆)。
・「ひきょうもラッキョウもあるものか!」は『ウルトラマンタロウ』(73年)第27話『出た! メフィラス星人だ!』に登場するも、兄の悪質宇宙人メフィラス星人・初代が紳士的だったのとは正反対に、バロッサ並みのチンピラ宇宙人(汗)として描かれたためにかつてはさんざんに非難された弟のメフィラス星人・二代目の迷セリフだったが、ここ10数年ほどは真逆の好意的なギャグ文脈で引用されているものである!(笑)――ちなみに、紳士的な初代ではなくチンピラの二代目の方が地球に来たのは、当時の小学館学年誌の記事によれば「(初代が)忙しかったから」だとのことだ(爆)――。


 まぁ、バロッサ星人が『ウルトラQ(キュー)』(66年)第4話『マンモスフラワー』に登場した巨大な怪奇植物ジュランの種(たね)を飲んで巨大化したり、初代『ウルトラマン』(66年)第38話『宇宙船救助命令』に登場した光熱怪獣キーラみたいに相手の目を眩(くら)ます「キーラフラッシュ!」を発射するのは台本にもあったのだろう。しかし、先に挙げたバロッサ二代目のセリフの大半は、自身が特撮マニアであることから「何をすれば我々のツボをくすぐるのか」を完全に熟知した関のアドリブだったのだろう(笑)。


 それは氏ばかりではなく、ひいては『Z』のスタッフが全体として、ここでは良い意味での「マニア」だったからこそ、『Z』を最後まで失速させなかったのではなかろうか!?
 

 一度はバロッサの手に奪われるベリアロクだったが、


「おまえの攻撃はつまらん。オレさまはもっと面白そうなヤツのところに行く」
「風の吹くまま、気の向くままさ」―― ←・風来坊かよ!(爆)――


などと云って、初登場から数週で早くも「立ち位置シャッフル」を見せたのも、スタッフたちの良い意味での「マニアック」さを象徴した作劇だろう。


 クライマックスではゼット=ハルキの逆転描写で、『Z』の作風には実にふさわしい主題歌『ご唱和ください 我の名を!』が絶妙なタイミングで流れはじめて、ゼットがベリアロクから放つ斬撃ワザ「デスシウムスラッシュ!」で「Z」字状にバロッサをブッた斬る!


 敵をやっつける必殺ワザのカタルシスとしてはそこまででも充分なのだが、まだ逃亡をつづけているバロッサをベリアロクから抜け出して巨大化した雲状のベリアルの顔面の幻影(!)が追いかけてきて、その口をバカでかく開けてバロッサをパックンチョと喰ってしまう!(笑)


 それを見たゼットがつぶやく。


「なんてヤツでしょう!?」(爆)


 日本版『アラビアン・ナイト』をねらった『ウルトラマンタロウ』でさえここまでデタラメな描写はなかったが、シリーズの序盤と比べてややテンションが落ちていた『R/B』と『タイガ』のシリーズ後半にこそ、こんなデタラメな特撮映像的ケレン味で、客引きすることが必要だったのではなかろうか!?


*「年上」好みだったヨウコが、「年下」=ハルキ好みに心変わりすることの作劇的な意味あい!?


「今この世界に怪獣の居場所はない。だから誰かに押しつけちゃいけない。命を奪う責任を……」


 これは第11話『守るべきもの』でゼット=ハルキが倒したどくろ怪獣レッドキングA(エー)が暴れたのは、妻のレッドキングB(ビー)が生んだ卵を守るためだったと知り、一時的に戦意を失うほどに意気消沈したハルキの「怪獣はどうしても倒さなきゃならないのか?」との問いにヨウコが第12話『叫ぶ命』で返した言葉だ。
 『ウルトラマンコスモス』(01年)や『ウルトラマンX(エックス)』(15年)など、かつても怪獣との「共存」をテーマとした作品はあったが、『Z』の世界では「怪獣の居場所はない」と云い切った。


ウルトラマンのどんなところが好きなの?」
「怪獣、殺すところ!」(汗)


 これは『宇宙戦艦ヤマト』(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101207/p1)や『科学忍者隊ガッチャマン』(72年)のリバイバルブームを機に起きた空前の第1次アニメブームの最中だった1978年夏休みの時期に放送された朝のワイド番組『小川宏ショー』(65~82年・フジテレビ)で、子供たちに好きなヒーローやアニメについてインタビューした際の光景だ――アトラクション用の初代ウルトラマンと『ウルトラマンレオ』(74年)に登場した兄怪獣ガロンとの対決もその場で演じられていた――。
 先のハルキとヨウコの会話はウルトラマン、ひいては変身ヒーロー作品本来の性質を改めて見つめ直したものだ。しかし、「命を奪う責任」を導き出したのは、『Z』が単に勧善懲悪(かんぜんちょうあく)のカタルシスに「原点回帰」するだけではない、テーマ的にも一歩進んだ秀逸(しゅういつ)な結論だと感じられた。


 第11話~第14話まで引きずったこの展開は、明朗快活な作風の『Z』であえてやることはなかったのでは? との想いは正直、個人的にもある。
 ただ、第12話のクライマックスで爆撃雷獣グルジオライデンを前にゼットが両腕を十字に組んで必殺ワザ「ゼスティウム光線!」を放とうとするも、怪獣を倒すことに躊躇(ちゅうちょ)してしまってハァハァと息を荒げるハルキを演じる平野宏周(ひらの・こうしゅう)の演技や、ハルキの躊躇が原因でグルジオライデンに敗れたゼットの姿がアルファエッジから素体のオリジナルへと戻り、光の粒子となって消えてしまう描写などは実に見応えがあったのも確かだ。
 そして、先の会話に見られたように、あくまで仲の良い先輩後輩としてのハルキとヨウコの関係性が劇的に変化する発端(ほったん)としても、第11話のレッドキングの事件は必要不可欠だったかと思えるのだ。


 第13話『メダルいただきます!』ではこの展開にワンクッションをはさむかたちで、ストレイジの基地に突然現れたコイン怪獣カネゴンがハルキのウルトラメダルを全部喰ってしまうコミカルな総集編だった。しかし、その少ない新撮部分の脚本でも、ハルキに先の件をまだ引きずらせるかたちで、彼の苦悩を視聴者に念押しさせている。


 そのラストシーンで映された、ハルキの机に置かれたカップ焼きそばには、


「とにかく食べな ヨウコ」


とのメッセージが書かれた付箋(ふせん)が貼(は)られていた……


 この総集編の冒頭で、「なんかモヤモヤして……」と腕立て伏せをするハルキは「あの一件」以来、食欲がないと口にして、ヨウコは「ほどほどにしなよ」と忠告した。これはその気づかいを端的に象徴するものだ。
 ここでもし、出前で注文した重たそうで胃もたれもしそうな「カツ丼(かつどん)」などが机に置かれていたら、ただでさえ意気消沈していたハルキや視聴者からすれば、いくら先輩といえども少々の押しつけがましさを感じたかもしれない(笑)。
 だが、カルめの「カップ焼きそば」ならば、ハルキにそうした精神的な重み・負担をかけることもなかろうと判断したヨウコの人間性には、先の「命を奪う責任」について語ったのと併(あわ)せて、個人的にはお株が急上昇したものだ。


「ヨウコ先輩はオレを助けてくれた。今度はオレが助ける番だ!」


 これは第17話でバロッサ星人二代目の攻撃からヨウコが搭乗するウインダムがゼット=ハルキをかばった際にハルキが叫んだものだ。「助けてくれた」には「カップ焼きそば」に象徴されるヨウコの精神的な支えも含まれていたことだろう。


 第23話の冒頭、ストレイジの解散で地球防衛軍基地の警備員となってしまったハルキは青空を見上げるや、セブンガー・ウインダム・キングジョーストレイジカスタムの形をした雲を見つけて溜め息をつく。私事で恐縮だが筆者も先日、東宝怪獣映画の大スター・ゴジラの頭部から背びれの部分を彷彿とさせる雲を見かけてハルキとは逆に狂喜したが(笑)、日頃の鬱積(うっせき)したものがそんな幻影を見せたとばかりに、ハルキの内面を描いたこの演出は実に秀逸だった。


 そんなハルキのもとに、今は防衛軍の航空隊に所属するヨウコが「お昼いっしょに食べない?」と現れる。サンドウィッチを食べるハルキに「お昼それだけ? 大丈夫なの?」とヨウコが見せる気づかいも印象的だが、


「最近、目が死んでたよ」(!)


と、冒頭の場面との係り結びとしてハルキを語るヨウコの洞察(どうさつ)力の鋭さを示した多面的な描写も好印象だ。


 そして、これまで点描されてきた、ハルキを含めた男性隊員たちとの「腕相撲(うでずもう)」にこだわるヨウコの動機が明かされる! 曾祖父(そうそふ)の代からつづく軍人一家(爆)を出自とするヨウコは、父から「自分より強い男としか結婚するな!」(汗)との教えを受けたために、実はこれまで男性との交際経験が皆無(かいむ)だったのだ。
 ヨウコがハルキとの腕相撲を重ねてきたのは、自分に勝てるような「強い男」になってもらうため、つまりハルキに対する明確な意志表示と解釈すべきところだろう!


「勝ったら結婚ですか!?」(爆)


 この天然ボケが実にハルキらしいが、ヨウコが「勝ってから云え」(笑)と冷徹に放ったことに「チェスト~!!」とおもいっきり気合いを入れて勝負したことからすれば、決してまんざらでもないのだろう。


 『ウルトラマンティガ』(96年)・『ウルトラマンダイナ』(97年)・『ウルトラマンマックス』(05年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060503/p1)など、主人公の青年と女性隊員が最終展開で急速に進展し、中には結婚にまで至る例もあった。しかし、ハルキとヨウコの関係性の変化に見られた発端となる事件や心の変遷(へんせん)はさして描かれなかったように思えて、個人的には共感しづらいものがあったものだ。
 ヨウコが設定年齢59歳のバコさんや「だいたい5000歳」(笑)のウルトラマンゼットに恋するような「超年上」好みとして当初は描かれたのは、シリーズ中盤以降に「年下」=ハルキ好みに心の変遷をとげるさまをメリハリをもってシンボリックに描くためではなかったか!? その意味でも第11話~第14話のいわゆる「鬱(うつ)展開」は、ハルキとヨウコの関係性の変化を描くには欠かせない要素となりえたのだ。


 そんな淡い恋愛描写と並行して、防衛軍が本作にもゲスト出演したウルトラマンゼロをモチーフにして建造させたとおぼしき特空機4号・ウルトロイドゼロの公開機動テストを強行したために、ウルトロイドゼロを「敵」と認識した『帰ってきたウルトラマン』などに登場したオイル怪獣タッコングと、初代『ウルトラマン』や映画『大決戦! 超ウルトラ8兄弟』(08年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101223/p1)に登場した海獣キングゲスラが湾岸地帯に、『ウルトラQ』などに登場した古代怪獣ゴメスと地底怪獣パゴス、そして『ウルトラマンX』などに登場した溶鉄怪獣デマーガが山間部に現れる!
 ニュージェネウルトラマンでは怪獣が単体ではなく複数で登場する回がもはや当たり前となっている。しかし、同一の着ぐるみを同一種族の複数個体に見立てたのではなく、別種族の怪獣を5体も一気に登場させる「怪獣総進撃」状態(!)はテレビシリーズでは初のことだ! それもタッコング&キングゲスラにはハルキが変身したゼットを、ゴメス・パゴス・デマーガにはヨウコが搭乗するウルトロイドゼロを対戦させることで、本編で描かれてきたハルキとヨウコの関係性の変化をさらにドラマチックに見せる意図もあるのだ! 「ドラマ」と「バトル」の両立・一体化!
 先述した『ウルトラマンダイナ』最終章3部作でも、「ドラマ」と「バトル」が並行するのではなく、こうした大乱戦の怪獣バトルに「人間ドラマ」を挿入・点描する手法をとっていたら、個人的にはその印象はまったく異なっていたかと思えるのだ。


*みんな「大好き」、ジャグラスジャグラー=ヘビクラ隊長の「真意」とは!?


 さて、序盤の第5話『ファースト・ジャグリング』で、視聴者にはすでにヘビクラ隊長の正体がジャグラーだと明かされていた。しかし、ハルキ=ゼットがようやくそれを知るのは第23話のラストシーンのことだ。


「見えるものだけ信じるなって、教えただろ」


 第2話『戦士の心得(こころえ)』で神出鬼没(しんしゅつきぼつ)な透明怪獣ネロンガの攻略に苦慮していたハルキへのヘビクラの助言「見えるものだけ信じるな」との見事な係り結びとして、ヘビクラがハルキの眼前でジャグラー怪人態に変身する描写がまた実に絶妙だった。


 ところで、第20話『想い、その先に』でユカがすっとんきょうな叫び声を上げたために、ヘビクラ隊長が盆栽(ぼんさい)の枝を誤って切り落としてしまう描写があったように、これまでストレイジの基地内でヘビクラが盆栽を手入れするさまが点描されていたことに注目していた人は多いことだろう。そして、鋭い人はそれがさりげないかたちでヘビクラ=ジャグラーの行動の動機を描いた演出だと気づいていたのではなかったか?


「むかし、大きな樹(き)を斬ったことがあってな……」


 第24話『滅亡への遊戯(ゆうぎ)』で唐突にジャグラーが切り出したこんな話にハルキは困惑した。これは『ウルトラマンオーブ』の放映終了直後からAmazon(アマゾン)プライム・ビデオで週1回の更新で全12話が配信された『オーブ』の前日譚『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA(ジ・オリジン・サーガ)』(16年)episode(エピソード)7『くるる~眩る~』で描かれた出来事を指している。
 『THE ORIGIN SAGA』の前半は地球から7万光年離れた緑豊かな星・王立惑星カノンを舞台としていた。そこには北欧神話に登場する超巨大な末広がりの世界樹ユグドラシルのような「命の樹」なる大樹が太古から存在し、これを失うとカノンに滅びが訪れるとの伝説があったのだ。
 だが、その「命の樹」こそカノンが戦乱に明け暮れる元凶だと見なしたジャグラーは、「命の樹」をかばおうとするアマテ女王が巨大化変身した戦神(いくさがみ)ともども斬り倒してしまい(汗)、惑星カノンの王族を敵に回してしまう。
 しかも、その行為をアスカ・シン=ウルトラマンダイナから「光の戦士の戦い方じゃない!」と否定されたことから、ジャグラーは良き相棒だったガイに別れを告げてひとりカノンを去っていく……


 ちなみに、『THE ORIGIN SAGA』には、アスカ以外にも『ウルトラマンガイア』の高山我夢(たかやま・がむ)=ウルトラマンガイアと藤宮博也(ふじみや・ひろや)=ウルトラマンアグルや『ウルトラマンコスモス』の春野ムサシ=ウルトラマンコスモスも並行宇宙を越境してきて、ほとんどレギュラーとして登場している。そういう先輩ヒーロー客演イベントはWeb(ウェブ)ドラマだけでなく地上波放送でもやってください!(笑)


 『THE ORIGIN SAGA』当時はまだ、後年とは正反対に冷静で任務に忠実なエリート戦士だったジャグラーが後年に「闇」に支配されるに至ったのは、この出来事で自身の「正義」を否定されたのが発端(ほったん)だったのだ。
 そんな苦い過去から、自身の「正義」を絶対視する人類とセレブロに「正義」の「危(あや)うさ」を思い知らそうとして、ジャグラーは双方を常に監視可能なストレイジの隊長となり、セレブロに踊らされた人類がつくった「正義」の象徴=ウルトロイドゼロを奪うために、これまで「立ち位置シャッフル」を繰り返してきたことが判明するのだ!


「見返してやれ。エラそうな能書きだけで人の生き方を否定するヤツらを。オレもそうするつもりだ」


 人生途上でさんざん自身の「生き方」を否定されてきた筆者としては、とても共感するセリフである(爆)。これはストレイジの解散から間もない第22話のラストでジャグラーがヘビクラ隊長の姿でハルキに語りかけたものだ。『Z』は『THE ORIGIN SAGA』、ひいては『オーブ』の間接的な続編でもあるのだとジャグラー自身が雄弁に物語っていたといえよう。


 『Z』の視聴者の大勢としては、通販サイトの最大手・Amazonのプライム会員(月額500円で見放題・笑)にしか視聴できなかった『THE ORIGIN SAGA』を観ていない人の方が圧倒的大多数だったかと思われる。特撮マニアでその作品の存在やアラスジを知ってはいても実際には観ていない御仁も多いだろう(汗)。そんなきわめて狭い層しか知らない作品で描かれたキャラのバックボーンを、現行の最新作で導入しても通じないとの批判は当然あろう。
 これは往年の70年代の小学館学年誌の特集記事のみに記載されていた、映像本編では語られなかったウルトラシリーズのウラ設定の数々にも通じる問題である――当時の学年誌は数百万部の発行部数を達成していたが、それでも子供たちの全員が学年誌を読んでいたワケではないのだ――。


 ところで、実は前日談『THE ORIGIN SAGA』もまた、厳密にいえばテレビシリーズの『オーブ』にはそのまま直結してはいないそうだ(汗)。


 マニア諸氏はすでにご存じだろうが、実は『ウルトラマンオーブ』の物語は、メインだった田口清隆(たぐち・きよたか)監督とメインライターの中野貴雄(なかの・たかお)によって『THE ORIGIN SAGA』の製作後、映像化されなかったウラ設定も含めた全10章からなる「エピソード10」が構想されていた。


・第1章『命の樹』編
・第2章『俺は銀河の渡り鳥』編
・第3章『ブラックホールを盗んだ男』編
・第4章『激闘! イシュタール文明』編
・第5章『ルサールカより愛をこめて』編
・第6章『さすらいの太陽』編
・第7章『宇宙魔女賊ムルナウの逆襲・サデスの帰還』編
・第8章『超空大凶獣デザストロ』編
・第9章『冥府魔道の使者』編
・第10章『渡り鳥、宇宙(そら)を行く』編


 「エピソード10」構想では、第1章が前日譚『THE ORIGIN SAGA』、飛んで第6章がテレビシリーズ本編『ウルトラマンオーブ』、第7章が映画『劇場版 ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』、第8章が映画『劇場版 ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン』(16年)のラストと『劇場版 ウルトラマンオーブ』のラストで言及された怪獣デザストロとの戦い、第9章が『ウルトラマンゼロ THE CHRONICLE』の枠内で放映された短編『ウルトラファイトオーブ』(17年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20170603/p1)と、時系列に沿った位置づけが巧妙になされているのだ。
 そして、第2章でオーブはのちに『劇場版オーブ』の悪役として登場した宇宙魔女賊ムルナウとガピヤ星人サデスと初めて出会い、第5章ではテレビシリーズのタテ軸のカギとして回想されてきた過去話である西暦1908年における出来事であったロシア人(北欧人?)の美少女・ナターシャと光ノ魔王獣マガゼットンが登場するのだ。
 余談だが、第3章のサブタイトルは、歌手の沢田研二が主演した中学教師が原爆を製造する退廃的な名作カルト映画『太陽を盗んだ男』(79年・東宝)から「盗んだ」ものだろう(爆)。


 なので、『Z』を「エピソード10」構想につづく『オーブ』の第11章以降の物語として連続性を持たせて、ウルトラマンシリーズの「大河(たいが)ドラマ」の一端として「世界観」を拡大させたのは、視聴者の興味を持続させるのにはきわめて有効な設定的なお遊びだっただろう。
 そして、仮に『THE ORIGIN SAGA』で描かれたジャグラーの出自を知らなかったとしても、「正義」に懐疑(かいぎ)的なそのキャラクター自体は決して視聴者の理解を超えるものではないのだ。マニア誌やネット媒体であとから『THE ORIGIN SAGA』や『オーブ』ネタの挿入や作品の存在を知って、それからそれらの作品をさかのぼって鑑賞するようなライト層や子供たちも確実にいるだろうことを思えば、長大なるウルトラマンシリーズそれ自体に関心を持ってもらうという意味でもバンバンザイなのである。



涼「現実に耐えきれない人間もいる」
翔一「どうしてですか? こんなに世界はキレイなのに。ほら、空も雲も木も花も虫も鳥も家も草も水も……」
涼「世界は美しいだけじゃない」
翔一「そうかな? そういうのって見方によるんじゃないですか」
涼「人間が皆、自分と同じだと思わない方がいい」


 これは2021年で放映20周年を迎えた『仮面ライダーアギト』(01年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20011108/p1)の第12話における津上翔一(つがみ・しょういち)=仮面ライダーアギトと葦原涼(あしはら・りょう)=仮面ライダーギルスの会話だ。
 基本的には「いい人」だが、自分の価値観を絶対視する翔一に対し、何に対しても懐疑的な(汗)涼は多面的なものの見方を提示している。……個人的にもたしかに世界なんてキタナイものだらけだとは思うけど(爆)。


 「正義」のヒーローが「絶対悪」を倒せばよかった昭和の時代とは異なり、「正義」を疑う観点もが示された平成仮面ライダーが放映されて早20年が経過し、多様な価値観を群像劇を通じて描く手法は特撮変身ヒーロー作品では今やすっかりスタンダードとなっているのだ。
 この20年間さんざんに面白い『仮面ライダー』を観てきたハズなのに、いまだに『アギト』が超面白いと思えるのは――個人的にはリアルタイム以上に!――、やはりその作劇やテーマ自体も実に優れていて普遍性もあったからだろう。


 第11話~第14話にかけての、自身の卵を守るという「正義」を示したレッドキングを倒さなくてはならない「正義」を、ハルキが疑いつづけた展開はたしかに少々陰鬱ではあった(汗)。しかし、そうした観点は特撮変身ヒーロー作品ではもはや必要不可欠な要素であり、それを提示するキャラは本作『Z』では、やはり善悪があいまいで揺れているがゆえに物事を多面的に見られたり、悪に落ちてしまう人間にも一理を認めてあげられる視点があるジャグラーこそが最もふさわしかったのではあるまいか?


 第24話でクリヤマ長官に憑依したセレブロに「選択肢(せんたくし)はふたつだ」と脅迫されて、当初の目的であったハズのウルトロイドゼロを奪うことよりも、ハルキの命を救うことを優先してしまったジャグラーが、


「また、やっちまった……」


とボヤくのも、一方では非情に徹しきれない彼の「人間性」を象徴するものだ。


 ジャグラーは単に「ネタキャラ」として消費するだけでは実にもったいない、背景に高い「ドラマ性」をもっており、「善悪の多様性」や「物事の多面性」といった「テーマ面」でも有効に活用することができるキャラクターとして我々は再認識をする必要があるだろう。


 その意味では、ふだんはノーテンキなユカが第23話で放った、「正義」が守るべき範疇(はんちゅう)に「地球」や「怪獣」も含めるか、「人類」だけに置くかで変わってくる、以下の嘆きも高く評価されるべきだ。


「地球を守るんじゃなくて、人類が人類、守ってるだけじゃん!」


*魅力的なラインナップの「怪獣軍団」と魅惑的なセレクトの「合体怪獣」までもが「最終章」には登場!


 第24話で『ウルトラセブン』(67年)に登場した発泡怪獣ダンカン(!)、『帰ってきたウルトラマン』(71年)ほかに登場した凶暴怪獣アーストロン、『ウルトラマンタロウ』(73年)ほかに登場した火山怪鳥バードン、『ウルトラマンレオ』(74年)に登場した宇宙昆虫サタンビートル(!)、『ウルトラマン80』(80年)第1話(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100502/p1)に登場した月の輪怪獣クレッセント、『ウルトラマンG(グレート)』(90年)に登場した昆虫怪獣マジャバ(!!)などの怪獣たちが「世界各地」でいっせいに目を覚ます怪獣ファン狂喜必至の描写は、第22話で「人類が人類を守るだけのウルトロイドゼロ」に対する反乱として「日本各地」で怪獣が出現した一連を、異なる怪獣たちで反復することでいっそうドラマ性やテーマ性を深めていた。
 その怪獣たちがウルトロイドゼロに吸収されて、それらの各部位が装甲を突き破るように露出した「合体怪獣」である「殲滅(せんめつ)機甲獣デストルドス」が誕生する!


 2010年代のニュージェネレーションウルトラマンの最終章に個人的にはいまひとつの感があったのは、初代『ウルトラマン』の宇宙恐竜ゼットン、『ウルトラマンA(エース)』(72年)最終回(第52話)(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070429/p1)の合体超獣ジャンボキング、『ウルトラマンメビウス』(06年)最終章3部作(第48話~第50話)の暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人などの最終回登場怪獣に匹敵するほどにインパクトの高い怪獣が登場しなかったことが大きい――強(し)いて挙げれば『ウルトラマンR/B』の最終章に登場した、ハデな原色のケバケバしいデザインで『A』の超獣を彷彿とさせた怪獣「コスモイーター・ルーゴサイト」は魅力的に感じていた――。
 やはり「合体怪獣」という存在はそれぞれの怪獣のパワーが結集して倍増したようにも思えて強そうに見えるものなのだし、ウルトラマンシリーズの「合体怪獣」としてはジャンボキングに次ぐ二番手となる『ウルトラマンタロウ』に登場した暴君怪獣タイラントがいまだに根強い人気を誇っているのを思えば、それらを彷彿とさせる「合体怪獣」を最終章で登場させた『Z』の方法論はやはり正しいものだろう。
 第1期ウルトラシリーズの美術デザイナー・成田亨(なりた・とおる)は古代ギリシャ神話の神獣キメラ(キマイラ)のような「合体怪獣」には否定的だったが、先人には敬意を表しつつも個人崇拝のような原理主義にもなってはイケナイとも思う。今後のウルトラシリーズでも終盤などではこのように強そうな「合体怪獣」を登場させてほしいものである!


 ところで、ウルトロイドゼロは第11話で救われたレッドキングBをも吸収してしまっており(!)、ハルキのトラウマを誘発するかのようにデストルドスの右肩にレッドキングの首が伸びている(汗)。カオス的であるのみならず、セレブロの頭脳戦・心理戦をも象徴する形態であるのもデストルドスの大きな魅力だろう。


*ハルキとバコさん、そしてウルトラマンゼットとの感動的な「別れ」が描かれた!?


 さて、主人公青年がウルトラマンとしての正体を最終章まで決して明かさなかった昭和以来の伝統が『ウルトラマンメビウス』で途切れて以降、シリーズの序盤から主人公の正体が主要キャラには公然となっている『ウルトラマンジード』(17年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200523/p1)のような例も見られるようになったが、『Z』では最終回の1本前である第24話でハルキがその正体を告白する。
 先述した流れからすれば、その相手がヨウコでもドラマチックに描けたことだろう。なにせヨウコが熱を上げたゼットの正体がハルキだったのだから(笑)。
 だがこのとき、ヨウコはセレブロに憑依されて、ウルトロイドゼロのコクピットでラリった表情でエキセントリックに絶叫していたために(汗)――ヨウコ役の松田リマの明確に差別化した演技が絶品!――、実際にハルキが告白した相手は意外や意外、バコさんだったのだ!


 防衛軍の整備班がクローズアップされるのは故・綿引勝彦(わたびき・かつひこ)が演じるアライソ整備班長が登場した『ウルトラマンメビウス』第15話『不死鳥の砦(とりで)』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060924/p1)以来かと思うが、特空機なる架空のロボット兵器に現実感を醸(かも)し出すために、『Z』では整備班は大人数の隊員が所属する重要部署との位置づけがなされていた。
 登場しない回もあったが、バコさんは決して「周辺キャラ」にとどまらず、戦闘飛行メカを「もっとていねいに扱え!」などと『メビウス』の防衛組織・GUYS(ガイズ)の隊員たちを怒鳴り散らしていた一本調子の印象が強いアライソ班長とは対照的に、格闘技やトランプ手品にマグロの解体(爆)などの多彩な特技を持ちながらも「むかし…… ちょっとな」と多くを語らないバコさんは、ハルキからしても真実を明かしやすい相手ではあったろう。


 だが、特筆すべきはそのシチュエーションの描き方である。


「ちょっとドライブ、行かないか?」


 この緊急事態時にバコさんがハルキをドライブに連れ出すのはもちろんそれなりの意図があってのことだ。ウルトラマンゼットの正体をウスウス気づいていたであろうバコさんがハルキから話を引き出すための有効な手段だったのは想像に難(かた)くない。


 だが、ハルキもバコさんも車中ではひたすら「黙して語らず」。やがて……


「やっぱオレ、行きます!」
「行くって、おまえ……」


 この場面でのハルキのセリフはそれっきりだ。「実はオレ、ウルトラマンゼットなんです!」とはひとことも云っていない! だが、バコさんをひたすら見つめるハルキの表情だけで、自身の予感が的中したことを確信したバコさんもまた


「そうか…… 行ってこい」


と声をかけるのみだった。


 運転席でやや呆然(ぼうぜん)としたバコさんの横顔の背景に、車外へ駆けだしたハルキが変身直前に入る直方体の「光の異空間」に突入するさまが車窓越しに描かれる特撮合成演出がまた絶妙だ!


「最近のウルトラマンはしゃべりすぎだ! 神秘性がなくなる!」


 『ウルトラマンR/B』第8話『世界中がオレを待っている』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20181104/p1)でのウルトラマンオーブダークによる、この旧態依然としたオールド特撮マニアのような否定的文脈での主張にはまったく賛同しないし、ウルトラマン自身がベラベラとしゃべって彼ら自身のドラマを展開していくことにウルトラシリーズの新たな鉱脈すらある! くらいに個人的には思っているのだが(笑)、たとえ「多くを語らず」とも通じ合えているハルキとバコさんの関係性を端的に描いたこの場面がサイコーにカッコよく感じられたのもまた事実なのだ。


 「むかし…… ちょっとな」というセリフの「むかし」という語句には、メタフィクション的にはバコさんを演じた橋爪淳(はしづめ・じゅん)が、特撮マニアには映画『ゴジラVS(対)スペースゴジラ』(94年・東宝)の主人公・新城功二(しんじょう・こうじ)役や映画『ゴジラ FINAL WARS(ファイナル・ウォーズ)』(04年・東宝http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060304/p1)の国連事務総長秘書官役、『大江戸捜査網』(90年)や『若大将天下ご免!』(87年)などのテレビ時代劇の主演などを務めてきたことまでダブル・ミーニングがされているのだろうが、先述したバコさんの静的なカッコよさは、ロマンスグレーの頭髪に白いヒゲがめだつ熟年俳優だからこそ成しえた必殺ワザだろう。


 ハルキとバコさんの別れの場面も哀愁(あいしゅう)が漂(ただよ)う演出だったが、デストルドスに敗れたゼットがガラスのように砕(くだ)け散り(!)、一心同体だったハルキと分離してしまう場面もまたしかりだ。ここでは『ウルトラマン』最終回(第39話)『さらばウルトラマン』でゼットンに敗れた初代ウルトラマンを迎えに来た宇宙警備隊の隊長でウルトラ兄弟の長男・ゾフィーと初代マンが、赤い球体の中で会話する描写のオマージュがなされた。
 初代マンに変身していた防衛組織・科学特捜隊のハヤタ隊員と初代マンがゾフィーによって分離され、長い「別れ」となったように、ゼットとハルキも「別れ」のときを迎えたのかも!?――最終回ラストはまだなので、そんなことになるハズはないのだが(爆)――と視聴者に衝撃を与えるミスリード演出としては絶妙だった。


「こういうとき、地球では……ウルトラさびしい気持ちでいっぱいでございます」


 ゼットがいつもながらのウルトラデタラメな日本語(笑)でハルキに「別れ」を告げても、それを笑った視聴者は誰ひとりとしていなかっただろう。むしろこんなウルトラ非常事態でさえゼットの「らしさ」を貫いた演出こそが、視聴者の涙をより誘ったのではなかったか?


*「タテ軸」「連続もの」要素よりも「ウルトラ面白カッコよさ」の方が優先!?


 デストルドスが世界の主要都市を次々に破壊する中、セレブロの「正義」に鉄槌(てっつい)をくださんと、ジャグラー=ヘビクラ隊長によって解散したハズのストレイジが整備班のメンバーも含めて再結集する!
 そして、キングジョーストレイジカスタムにハルキが、ウインダムにヘビクラが、セブンガーにバコさんが搭乗して全特空機が出撃、デストルドス撃退とヨウコ救出のためにストレイジが総力戦を展開した!


 平成の『ウルトラマンティガ』以降のウルトラマンシリーズの最終回は3部作や前後編などの連作形式によって全世界的な危機が描かれ、主人公側が総力戦で挑(いど)むのが恒例(こうれい)となっている。それは『Z』でも踏襲(とうしゅう)されたのだが、先述したハルキとヨウコの関係性の変化が最終回のクライマックスで頂点に達することで、本編の「人間ドラマ」と「特撮バトル」の双方を渾然一体(こんぜんいったい)にして盛り上げた作劇的技巧は、ニュージェネウルトラマンの最終章の中でも突出して完成度が高かったかと思える。


 ウルトロイドゼロのコクピットで、ヨウコはハルキとの「腕相撲」の日々を回想した末に、


「よっしゃぁ~~! やっと勝ったぁ~~!! ……あ、結婚しなくちゃいけないのか?」(爆)
「アンタ、なんで泣いてんのよ!」


と、ハルキがついにヨウコに勝利するさまを夢に見る。


 この場面は『帰ってきたウルトラマン』最終回(第51話)『ウルトラ5つの誓い』の冒頭で、触覚宇宙人バット星人に捕らわれた『帰ってきた』最終第4クールのヒロインである女子大生・村野ルミ子が主人公の郷秀樹(ごう・ひでき)=ウルトラマンジャックと結婚式を挙げる夢を見る描写を彷彿とさせる。
 最終展開で侵略宇宙人に拘束(こうそく)されるヒロインが「主人公と結ばれる夢を見るシチュエーション」がまったく同じなので、おそらくは『帰ってきた』のオマージュも入っていたのだろうが、これはヨウコがバコさんやゼットのような「超年上」好みから「年下」のハルキに心変わりしたさまの何よりの証(あかし)となっている。


 キングジョーをロボットモードに変型させて高空でデストルドスと組み合ったハルキは、デストルドスの腹部からヨウコを抜き取ることに成功する!
 しかし、乱気流の中でヨウコは宙をまっ逆さまに落下! 救出に向かうハルキが空に飛び出す!


 アニメ作品などで時折り見るような、まさにナマ身でのランデブー落下飛行の状態で向き合うハルキとヨウコの背景に、「光の異空間」内での変身シーンのバンク映像でハルキの真後ろに出現する際のようなウルトラマンゼットの巨大な姿が「実景」の大空の中に現れた!


 そして……


ゼット「ご唱和ください、我の名を!」
ハルキ「ウルトラマン、ゼぇぇ~~ット!!」


 ハルキだけではなくヨウコも、そして地上でこれを見守っていたストレイジの隊員たち全員が「ウルトラマン、ゼぇぇ~~ット!!」と唱和して熱く叫ぶ!!


 これには『ウルトラマンA』のシリーズ前半で描かれた主人公の防衛組織・TAC(タック)の隊員・北斗星司(ほくと・せいじ)と南夕子(みなみ・ゆうこ)の変身時の掛け声「ウルトラ・タッチ!」のように、ハルキとヨウコがウルトラマンゼットに合体変身をとげるのか!? とおもわず錯覚したほどだった。
 また、『ウルトラマンメビウス』最終回(第50話)(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070505/p1)やその後日談であるオリジネルビデオ作品『ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス』(08年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080914/p1)で主人公のヒビノ・ミライ=ウルトラマンメビウスとともに「メビウ~~ス!!」と叫んだGUYS隊員たち全員が、ウルトラマンメビウスの最終強化形態であるウルトラマンメビウス・フェニックスブレイブに合体変身した描写をも彷彿とさせた。
 『ウルトラマンティガ』最終回(第52話)(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961207/p1)で世界中の子供たちの「光」がウルトラマンティガを復活させ、ティガと合体して体内で共闘する描写もそうだったが――正直、個人的には『ティガ』にあまり良い印象を持っていないのだが(汗)、最終章単独では高く評価している――、こうした演出こそ視聴者が劇中キャラとの一体感を得られて、感情移入をより高める効果を発揮するのだ。


 主題歌のタイトルでもある「ご唱和ください、我の名を!」なるゼットのウルトラ変な定番セリフは、最終章を盛り上げるために逆算して考案されたのではなかったか!? と思えてくるほどである。


 バトルシーンには実にふさわしい、『Z』の主題歌『ご唱和ください 我の名を!』が流れる中、


「まだまだイケますね、ゼットさん!」
「もちろんでございますよ!」


と、最終決戦の最中でさえハルキとゼットがそんなやりとりをしてしまう「ウルトラ面白カッコいい」作風こそ『Z』最大の魅力なのだろう。


 デストルドスを撃破して、「宇宙で困ってる人を助けに」とゼットとともに地球を離れることとなったハルキとヨウコの「別れ」の場面すらもが、


「盆と正月には帰ってきますね!」
「実家みたいに云うな!」(笑)


なんて調子だったのだから。


 セレブロの方は最後は虫取り網(あみ)で捕獲(汗)されたほどにラスボスとしては小物感が拭(ぬぐ)えず、そもそもセレブロに憑依された青年・カブラギが登場しない回も多かったとか、怪獣を狂暴化させる要因とされた宇宙全体に飛び散っている「ベリアル因子」でもある「デビルスプリンター」の件は結局、文字通り「回収」されずに終わったなど、タテ軸的には「?」な欠点もたしかにあった――最終回のラストでゼットが「これからハルキとデビルスプリンターを回収する旅に出るのでございますよ!」などというセリフでも入れてくれれば言い訳がついたであろうに――。


 だが、そういった欠点がありつつも、「キャラクタードラマ」としての面白さを優先した作劇こそが、『Z』が最後まで子供たちやマニア層からの支持を離さなかった大きな要因かとは思えるのだ。


 平成ウルトラ3部作はリアルタイムではテーマやドラマ的な部分で当時の年長特撮マニアたちの注目を集めたり、そこを中心に論じられたりもしたものだ。しかし、それとは別に防衛組織の隊員たちやそれを演じる役者さんたちにも熱い視線を送るファン層も一定数は存在していた。
 当時の筆者は特撮番組をそんなミーハーな視点で語るのは邪道だと考えていたのだが(汗)、実際に商業的には久々に成功したといえる『Z』に対する若いファンたちの盛り上がりぶりを見るにつけ、もう21世紀に入ってからはとっくにそのようにも考えを改めてはいたのだが(笑)、ヒーローや登場人物のキャラクター人気が主導するような『ウルトラマン』作品こそが実は充分に魅力的な作品でもあったのだ! という結論を再確認の意味でも噛みしめているのであった。


*エースからゼットの手に! ウルトラマンエースウルトラマンゼットに、先輩ヒーロー客演編の普遍性を透かし見る!


 さて、『Z』がマニア層から支持された要素について考察してきた結果、本来ならば筆者が最も語りたかった、昭和のウルトラマンエースが客演した第19話『最後の勇者』について語る紙幅がなくなってしまった(汗)。ここではその最も重要な部分のみについてふれさせていただこう。


ヤプール! かつておまえは云った。『勝った者は負けた者の怨念(おんねん)を背負って生きるんだ』と。それでも私は、ウルトラマンは戦いつづける! この宇宙に真の平和が訪れるその日まで!」


 『ウルトラマンA』の名作回である第48話『ベロクロンの復讐』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070402/p1)での女ヤプールの捨てゼリフに対する返答にもなっている、この熱血少年マンガ的な超カッコいい名セリフは、この『Z』第19話にも登場した『A』第13話『死刑! ウルトラ5兄弟』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060803/p1)~第14話『銀河に散った5つの星』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060805/p1)の前後編が初出である殺し屋超獣バラバの創造主である、というか今回のバラバの正体でもあるらしい、バラバの姿で不完全な復活を果たしている異次元人ヤプールに向けてウルトラマンエースが放ったものなのだ。これとの係り結びとしてラストでウルトラ意外な事実も明かされる!


「ゼット(=Z)にはなぁ、地球の言葉で『最後』という意味がある。おまえがこの宇宙から戦いをなくして平和をもたらす『最後の勇者』となれ……」


 マニアや怪獣博士タイプの子供であれば、『ウルトラマンZ』というネーミングに昭和の『ウルトラマンA』のネーミングとの共通項を誰もが連想したことだろう。しかし、『A』と『Z』のアルファベットの最初と最後から採った名前つながりで、エースとゼットがすでに旧知の仲であったのだとした描写自体がまずは秀逸である。そして、そこに後付けでも意味やドラマ性を持たせるために、エース自身がまさにゼットの名づけ親だったとしてみせる! もちろんそれは点描でしかない。ナマ身の人間によるドラマではなく宇宙人・仮面ヒーローたちによるドラマではある。しかし、それであっても高いドラマ性を与えることはできるのだ!


 なお、『Z』第19話は動画無料配信サイト・YouTubeで配信当日に「急上昇ランキング」の第29位にランクインし、1週間で再生回数が150万回を超えていた!――この時期の通常回の再生回数は80万~100万回前後――
 往年の昭和のレジェンドヒーローがゲストで登場するサプライズ回でも、世代人でもない若年層やライト層までもが支持をするのだという厳然たる事実があることに、もはや疑いの余地はないだろう――そもそも『A』をリアルタイムで観ていた世代の方が今となっては少数派だろう(笑)――。ウルトラシリーズにかぎらず各社のシリーズヒーローものでも、積極的にレジェンドヒーロー客演回や客演映画を製作するべきなのである!

2021.4.22.


(了)
(初出・当該ブログ記事)


 2021年9月現在、放映中のTV特撮『ウルトラマントリガー』(21年)に、前作のヒーロー・ウルトラマンゼットが並行宇宙を越境してきて客演した#7のサブタイトルは「インター・ユニーバース」! 直訳すると、「宇宙」と「宇宙」間、異なる「宇宙」と「宇宙」相互同士の「関係性」! といった意味になる。「グローバリズム」とは異なる「インター・ナショナル」という語句とも同様に、両者が溶け合って混ざって平均化・均質化されてしまったのではなく、互いの個性・特質を保ったままでの併存! もしくは、鎖国ではなく併存しつつも相互で影響を与え合っている! といったことを意味する言葉にもなるので、実に示唆的でもある。


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