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ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE 〜岡部淳也副社長電撃辞任賛否!

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 ……とカコつけて(汗)、昨年の映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』評を発掘UP!


『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』 〜岡部副社長電撃辞任賛否!

(文・T.SATO)
(2010年2月7日脱稿)



 破産寸前の円谷プロダクションを買収した映像製作会社・TYO(ティー・ワイ・オー)による新体制後の第1作、映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE(ザ・ムービー)』(09年)。


 TYOより送り込まれし――正確には円谷プロと合併した造型会社・ビルドアップの社長であった――、獅子奮迅・八面六臂の大活躍をした本作の立役者。
 プロデューサーに加えてメイン脚本も兼任し、本職は映像屋さんだから、彼のブログによるとラスボスのダメ出し再撮影も行っていたという岡部淳也副社長!
 その彼の、まさかまさかの寝耳に水の、電撃辞任!


 ネット時代のウルトラシリーズファンの間――の一部(笑)――では大いに話題をふりまいていた岡部副社長のブログ「怪獣日記」での、ビッグマウス・大口叩き発言。
 その40代中盤の年齢に似合わないヤンチャな大将ぶり。天然な俺様ぶり、唯我独尊なワンパクぶりが、賛否両論……というか、猛反発を呼んでいた御仁だけれども。

 
 喝采を叫ぶ向きも多そうだけど、ごくごく個人的には非常にショック! イヤミや皮肉ではなく心の底から大いに残念!


 新ウルトラマンことウルトラマンゼロは、いや今後の円谷プロはいったいドーなってしまうのか? 大変心配だ。


 番組の公式ホームページなどでよく見る、ヌルくって作り手への媚び・へつらいも感じられるファンの声――日常生活では、いわゆる常識人・善人なのではあろうけど――。
 それとは正反対・真逆の世界であり、玉石混交ではあっても玉の方では、シニカル(冷笑的)で口が悪くてウルさがたで、イキがったりワルぶったりして不良性感度もある偽悪的な発言をものする猛者(もさ)のマニアたちが集うも、時にスルドい見解を眼にする印象の各種の匿名掲示板。


――もちろん何事も一長一短だし、二者択一する気もナイけれど、ドチラかといえば筆者も、そしてこのような文字ばかりの同人誌を読む読者も、区分けするなら後者寄りだろう(笑)――


 だが、その後者を見てみても、しょせん我ら、もとい筆者と同様に、彼らも現実世界においては気の弱いオタクにすぎないというのが正体だと見えて、防衛組織・GUYS(ガイズ)の短気で口が悪くて巻き舌でケンカを売り買いする天然・真性のDQN(ドキュン・ヤンキー・不良)であるリアル・リュウ隊員(『ウルトラマンメビウス』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070506/p1))みたいな岡部副社長を、リュウと同様に大いにキライまくっている(笑)。


 まぁ自分も近くにいたり一緒に仕事をするのはイヤだなとは思うし、こーいう性格の人間が人類の過半を占めたら荒れると思うけど、傍から見ている分にはコレほど面白く、かつデカいことをやってくれそうなヤツはいないと思う。会社とか歴史の変革期には必要とされて、安定期に入るとウザがられて放逐されそうな御仁だが。


 ……と思っていたら、この2010年1月に、実は12月の映画公開前には、すでに円谷プロを辞職していたことが、自身のブログにて初公表!


 あぁナンてこった! 個人的には、しばらく今後数年間は岡部副社長に大暴れしてほしかったのに!
 円谷プロを、そして日本の特撮ジャンルをひっちゃかめっちゃかにしてほしかったのに!
 平成仮面ライダーシリーズの立役者、東映の興行師・白倉伸一郎プロデューサーに対抗・拮抗できるのは、商業的にも映像的にも作品内容的にも彼だけだ! と個人的には思っていたものなのに!


 彼のように、インスピレーション・思い付いたら、しかもそれが良いことだと思えれば即決済・即行動で、小泉純一郎元首相や長谷川理恵も連れてきて……。
 しかも人脈・ツテ・コネも業界に多数あって、まさかまさかの今までの円谷プロ作品ではまず考えられなかった、『パワーレンジャー』シリーズ(93年〜・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080518/p1)の坂本浩一カントクに、横山誠カントクなどの、JAC(ジャック:ジャパンアクションクラブ)アクションともまたちがう、アクロバティックな殺陣(たて)&ワイヤーワークを得意とするアクション監督上がりの監督たち、アクションの一挙手一投足に合わせてそれらを強調するかのようにカメラを左右斜めに動かしつつ撮るのがウマい『ゴジラ FINAL WARS』(04年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060304/p1)のカメラマン・古谷巧(ふるや・たくみ)たちをも連れてきて……。


 もう彼がいるのなら、彼が自分でズンズン動いて折衝して決めてきてくれるのならば、たいていの営業マンや、どころか営業マン・渉外の専門家集団であるカネ喰い虫の広告代理店・電通すらもが要らないんじゃネ、オシも強そうだしネ!
 そして、コレならば、即座にはムリでも数年かければ、東映の平成『仮面ライダー』&『スーパー戦隊』シリーズに勝てないまでも、拮抗できるんじゃネ! と思っていたのだけど。


 白倉プロデューサーが前面に出たがために、興行的には大成功であっても、作品の内容面までにも口出ししすぎたためにか、グダグダになっていた『仮面ライダーディケイド』(09年)終盤(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090829/p1)や、『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』(09年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20091213/p1)。
 それと比すれば、アクション主体でシンプルではあっても、ナンとまとまりがよく、登場人物の行動動機のツボを押さえた物語構成である『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』であることよ!


 コレならば、“商業性”・“映像性”・“作品内容性”中の後者2点で、白倉さんにも勝てる御仁がついに現れたじゃん! と思っていたのだが。


 「なにわのことも 夢のまた夢……」で終わるとは。


 彼のブログによると円谷プロの次期社長職にも打診されていたそうで……。なぜに引き受けなかったか?


 まぁ彼のようなアクが強くてクセの強い、豪腕ではあっても、対人関係面ではおそらくセンシティブ(繊細)さの欠片もない御仁が、その正反対の性格類型である我らがオタク族連中の過半にキラわれてしまうというのは、よく判りはするのだけれども――一般ピープルにもキラわれるかもしれないが(笑)。ただし結果を出せれば、実社会でも出世するタイプかナと――。
 そして、たしかに我々のようなコミュニケーション弱者にはやさしくなさそうだけど――それを云い出すと、テンションの高い元・東映の高寺成紀(たかてら・しげのり)プロデューサーあたりも、個人的にはその一点で似たような印象を醸している(汗)――。

 
 ウルトラシリーズの、いや業界の不良債権と化している円谷プロの延命には、彼のような存在による強引な外科手術が必要であったとは思うのだ。でなければ、緩慢なる右肩下がりの死が待つだけであったと個人的には思うので。



 とはいえ、今回の映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』。個人的には多くのマニアと同様、非常に高く評価してはいる。
――もちろんしょせんは単なる娯楽作品・嗜好品であるからには、工業製品や自然科学のように絶対的な正解の感想・批評があるワケではないのだし、社会科学・人文科学・文芸批評などとも同様に、あーいう見方もこーいう見方もありますよ! 乱立してますよ! 的な、ヒトの好き好きなのですから、本作を低く評価される方の見解をも、同意はせずとも尊重はいたします――


 しかし、同日に公開された映画『仮面ライダー×仮面ライダー W(ダブル)&ディケイド MOVIE大戦2010(ムービーたいせん・にせんじゅう)』(09年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101220/p1)が、それまでの平成ライダー最高興行収入であった『劇場版 仮面ライダー555(ファイズ) パラダイスロスト』(03年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20031104/p1)の15億を超えて18億に達した昨09年夏の『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』につづいて、ナントまたまた15億円に達しそうな勢いなのに、片や2010年2月現在の情報では6.08億円に留まっており興行的には厳しい結果に終わったことは否めない。


 そのキビしい現実は、本作をプッシュしたい当方としては残念なことでもあるのだけど、謙虚に認めたいとも思う。
――ちなみに、映画前作『大決戦! 超ウルトラ8兄弟』(08年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101223/p1)は8.4億円。前々作『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070128/p1)は6.8億円。ただし、同日公開『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101208/p1)には余裕で勝ったが、それじゃあ自慢にはならない(笑 〜いや『復活篇』、筆者個人は実はまぁまぁ評価してるんですけどネ――


 そこのところを……、つまりは、「客観的な経済的成果」と「主観的な作品評価」とを混同して、不利な結果を見て見ぬフリしたり、「戦果あり!」「大勝利!」としか云わない大本営発表――花火ミサイルを成田空港や皇居に打っただけで、「戦果あり!」「大勝利!」とのたまう極左の機関紙でも同じ(笑)――みたいなことをしていても、仕方がない。


 だけれど、自慢じゃないが(?)、本作のハイクオリティなCG映像による映画予告編がネット上にて公表されるや、ごくごく一部のマニアの間で見られた、『仮面ライダーディケイド』や夏休みの『オールライダー』にガッカリしたマニア連中が、年末の劇場版『仮面ライダーディケイド〜完結編〜』(09年)よりも『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』の方にこそ期待する! みたいな風潮が、一般ピープルや一般の子供たちの間でも波及する……
 というような「誇大妄想」には、「世間知らずもイイカゲンにしろ! マニアの評価と子供や一般ピープルの評価・認識・見えている風景はちがうだろ!」と、内心ツッコミまくってはいたけれど。


 いかにマニアから『オールライダー対大ショッカー』が酷評されようとも、幼児はドラマやテーマ性や構成バランスなんて着目していないのだから、ヒーロー&怪人がたくさん出てきさえすれば、大喜びして楽しんでるのに決まっているだろが!(笑)
 だったら、ただでさえ現行放送中のTV特撮なのだから、それが激突してしまったら、純・内容面ではなく興行的には『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』の方が苦戦するのに決まっているだろが!
 ……なーんて、筆者が声高に叫ばなくても、今やとうの立ったスレているマニアのみなさんのサイレント・マジョリティも、実は同様にそー思っていたのならば、あまりガナって力説するほどのことでもなかったか?(汗)


 というワケで、6億であるならば、同じく6億の映画『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY(ファイナル・オデッセイ)』(00年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961209/p1)、5億の『劇場版 ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT(ファースト・コンタクト)』(01年)と『ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE(ファイナル・バトル)』(03年)、7億の『劇場版 ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET(ブルー・プラネット)』(02年)と比較すれば、本作は大失敗だったというワケでもない。
 だけれども、うまくやれば『超8兄弟』同様、8億前後はイケただろうとは思うし、劇場版『ライダー』と比すれば負けているのは否めないので、あえて「負けた」こととして――多くの特撮マニアもそう判定しているであろうし、筆者自身もそのように思っているので――、ここではその「敗因」を分析していきたい。



 敗因その1。


 まず、本作の映画自体のタイトル名。


 ネットやマニア誌による情報洪水ベッタリの生活を送っている御仁は、この問題を気にしてないやもしれないけど、『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』と聞いて、コレが『ウルトラマン』の映画だと即座にわかった一般ピープルやパパ・ママ層、映画館の興行師――現在では実質シネコン側の担当者――が、どれだけいたことであろうか? 一瞬、何の映画のことなのかわからなかったと思うのだけど。


 往年のアニメ映画『サイボーグ009(ゼロゼロナイン) 超銀河伝説』(80年)のコトかしら? とみんなが思ったことであろう――って思わねーヨ!(汗)――
 同じように洋画『ダークナイト』(08年)が日本国内では大ヒットしなかった理由も、内容が高度だからでは毛頭なく、単に『バットマン』の語句がないから、観客には何の映画か即座にはわからなかったためにすぎないとも思う。


 やっぱりココはヒネらずに、ベタでも『ウルトラマン』か、『ウルトラ兄弟』というメジャーな語句を入れるべきではなかったか?


 タイトル前段の『大怪獣バトル』の語句は、『ウルトラ』シリーズの変種の最新作『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』(07年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080427/p1)シリーズからの引用で、主要人間キャラも主要怪獣もそこから出演するのだからハズす必要はないし、むしろ必要だとは思うけど。


 しかし、つづく『ウルトラ銀河伝説』の語句は、それこそ歴代ライダー同士がバトルしあう夢のマッチメイクの『仮面ライダーディケイド』のキャッチコピー(?)である#1のサブタイトル「ライダー大戦」とネタがカブるけど、パクリと云われようとも怖れずに、もっとベタにそのものスバリ、ウルトラ一族の内紛を描く映画なのだから、見た目一発判然の、


 『ウルトラマン大戦』!!


 とかにでもすればよかったのではなかろうか?


 ……エッ、イヤですか? ハァそーですか?(汗)



 敗因その2。


 公開が年末12月となり、強豪お正月映画とブッキングしたこと。まぁコレはだれでも思うことだろう。


 そう、個人的には強豪映画がない時期のスキマねらいで、映画『メビウス&兄弟』や『超8』同様、9月公開とか、たとえば12月を避けて、11月や1月に公開されることで、他の強豪映画に埋もれずにマスコミにも紹介してもらい、ネット上のポータルサイト・YAHOO!(ヤフー)のランキングやユーザーレビューでも上位に位置されるような目立ち方もあってイイと思うのだ。
 それが真正面から戦いを挑まない後ろ向きな戦い方だと思う御仁もいるかもしれないが――今時そんな悪いイミでケッペキ症なマニアもいないかナ?――。


 それをヒキョウだと云うならば、東映テレビ朝日も、4月・7月・10月・1月第1〜2週の改変期を少しでも避けて、相対的に目立てるように、マスコミにも注目してもらえるように、進学進級が最終回&新番組の時期とカブって子供たちが卒業しないように、『ライダー』『戦隊』の新番組#1の放映開始時期を設定しているとも明言しているのだから、ついでに4月の進級進学の時期に「日アサ合体スペシャル」とかで日曜朝の4本の子供番組を通じて語句当てクイズなどもやっているのだから(笑)、それと同じことだろうと反論するまでだ。
――もちろんクリスマス商戦をクライマックスにしたい、バンダイの玩具の発売スケジュールが原点にはあるのだけど。そーやって思い返すと、12月の公開時期も決して悪くはないのかナ……ってオイ(汗)――



 ウルトラマン仮面ライダーという素材自体が既成のものなのだし、どうあがいてもシリーズものである以上は、根本からして斬新ではありえないのだから、そーいう派生的な要素で点数稼ぎや集客することも間違っているとは思えない。


――同じ理由で、シリーズ中断はなるべく挟まず、一定曜日の一定時間ワク(まぁ今の時代は平日ゴールデンタイムではなく土日の午前がイイとは思うけど)にて恒常的に放映して、子供たちに視聴週習慣を付けた方がイイと思う。
 16年のブランクを経て放映された『ウルトラマンティガ』(96年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961201/p1)が新鮮に見えたという話もよく聞くけれど、90年代ならばまだしも、ますます変化が早くなる一方の当今においては、そんなにブランクがあったら、3年のブランクを経て21世紀に復活したけど子供間での人気が沈滞してしまい、00年代中盤の一旦の終結からさらに5年のブランクを経てみて完全に忘却されている『ゴジラ』シリーズと同じ運命をたどると思われる――

 
 配給側のワーナーマイカルの都合や考えもあったのだろうが、公開時期については非常に残念だ。


 ワーナー自体は一部では誤解されているようだけど、本作の製作自体に関わっているワケでは毛頭なく、配給――映画館の提供――のみに関わっており、コレも岡部副社長の「ウルトラ」を海外へ売っていくためのコネ作り・実績作りの一環、ツバをつける第一歩でもあったのだろう。


 元祖である大手シネコンも手懸けるワーナーでありながら、松竹配給時代の公開館数とほぼ変化がない(後日付記:減少した・汗)のはイタイけど、現在の『ウルトラ』の商業規模を考えた上でのプロの眼による見積もりに決まっているので、この程度の館数が妥当だとは筆者も思う。
 無闇に館数を増やしたからといって、客が増えるものでもないだろう。都道府県によっては、館数どころか上映館自体がないのは、また別の問題としてはあるのだけど。


 ワーナーといえば、特撮マニアの過半は海外戦略の問題についてはほとんど関心がナイようだけど、少子化・高齢化が進む日本国内でのビジネスの拡大には上限があり、作品コンテンツを海外に売っていくことをめざすのは、商売としてはまちがっていないと思う。というか、むしろ当然であるべきだ。
 同じ黄色人種であるアジア圏に売る分には問題ないと思うけど、それ以外の人種の地域にも売っていくならば、『パワーレンジャー』シリーズのように、特撮&アクションシーンを除く人間ドラマのいわゆる本編部分を、現地の主要人種の役者に置き換えることで、とっつきやすくして流通させていくしかないとも思う。
 そのような長期戦略を見据えた上でのワーナーとの提携であろうし、短期的に成果が出るものでなくても、その意気や良しであろう。


――逆に云うなら、『電光超人グリッドマン』(93年・円谷プロ)を『パワレン』方式で売り出した前歴があったのにも関わらず、いつぞやの特撮雑誌『宇宙船』でのスタッフインタビューでは肌の色問題を重々わかっていたのにも関わらず、作品至上主義的な観点から『ウルトラマンティガ』を日本人キャストそのままにて、アメリカ放映するようなふるまいは、ケッペキ症なマニアの方々にとっては好ましいことなのかもしれないが、個人的には失礼ながらバカバカしいふるまいだとも思う。後年の『映画秘宝』誌記事によると案の定、1クールで打切りの憂き目にあったとか(汗)――


 その伝で、本作『ウルトラ銀河伝説』冒頭の、「ウルトラマン」はじめ「ウルトラ兄弟」の設定や、『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』は未来が舞台であり、主人公であるレイ青年が太古の覇者・レイブラッド星人の血を引く怪獣使いであり、あまたの宇宙人レイオニクス戦士たちによるバトルロワイアル・王座決定戦の経験者にして、その血による闘争心の呪縛を克服した者という特異な設定を、簡単・簡明にしてカッコいいナレーションと劇中キャラに前半早々で、2度のダメ押しにて説明させてしまう手法は、けっして我々のようなコアなマニアではない、ヌルい一般層やパパ・ママ層、そして海外へ売る際には、親切でもあるし必要なことだとも思うのだ。


 
 D4(ダンディーフォー)こと、初代ウルトラマンウルトラセブン帰ってきたウルトラマンウルトラマンエースらのオールドウルトラマンの変身前の人間体の役者さんたちが、今回は前2者のみのD2になってしまったことにつていは少々残念ではある。
 ストーリー&ドラマに絡まず、顔見せ程度で終わってしまう客演者であるならば、予備知識がない海外の観客が仮に観た場合に理解不能である、という判断でもあったのであろうか?


 であれば、その意図は理解できないこともないのだけど。
 ウルトラマンウルトラセブンウルトラマンメビウスウルトラマンダイナ・ウルトラマンゼロ、補佐にまわるがウルトラマンレオ、そして『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』の面子に絞られて、それらの全員が全員、主軸のストーリー展開にカラむので、予備知識がない人間でも強制的に感情移入、動向を鑑賞させられる仕組みになっている。そーなると、直近の映画『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』(06年)や映画『大決戦! 超ウルトラ8兄弟』(08年)では大活躍を果たした、我らが帰ってきたウルトラマンウルトラマンジャック)とウルトラマンエースは本作ではラストバトルから除外して変身前の人間体の登場も除外したのだと推測はできる。


 本作自体はアクション主体ではあっても、構成的には意外とキッチリカッチリ作りこまれているので、完成作品に脇役的な人間キャラをハメこむ余地があまりナイというか、ハメこんでも異物感や剰余感が出そうで、テンポも若干悪くなりそうではあるけれど。


 そーなのだとしても、多少なりともオールドファンや中年の一般観客に微量でもフック(引っかかり)、関心を持ってもらうためにも、帰ってきたウルトラマンこと郷秀樹を演じた団時朗(だん・じろう)、ウルトラマンエースこと北斗星司(ほくと・せいじ)を演じた高峰圭二の両氏にも前2作同様、ワンシーンでもイイから出演してもらって、もちろんウルトラマンレオことおおとりゲンを演じた真夏竜さんにも、ご都合主義でもサービスで(笑)、なぜだかラストバトル前の一瞬、変身前の人間体の姿で駆けつけて、3人同時に変身ポーズを披露してほしかったものなのだけど!
 そして、前2作同様、地方の映画館の舞台挨拶まわりで、少しでも観客をゲットするのに貢献してもらおうと(汗)。


――ついでに云うなら、年長マニアならばみんなが感じたことだと思うけど、映画の前日談であるビデオ作品『ウルトラマンメビウス外伝 ゴーストリバース』(09年)においても、初代ウルトラマン・セブン・ジャックは出番も少ないゆえにか、TV『ウルトラマンメビウス』やその各種映画版同様、オリジナルの変身前の俳優さんが声をアテてくれたけど、エースのみ出番が多いというか出ずっぱりであることに気を廻してか、俳優・近藤正臣(こんどう・まさおみ)が出演する2時間ドラマでは近藤と同じ事務所の高峰さんが脇役でほぼ必ず出演していたように(笑)、本作の声優さんたちを担当している青二プロダクションが自身の取り分を多くするためのバーター・営業的ツナ引きと妥協でもあったのか、代理の声優さんが声をアテていたのは残念だ。
 昭和のウルトラ主人公役者さんたちの中では、エースの北斗星児こと高峰圭二さんが一番演技力も声質もイイと思うし、長時間のアフレコとかも年齢のワリに器用にこなせそうにも思うので。
 まぁ今となってはベテラン40代(汗)の、週刊少年ジャンプ連載の大ヒット・バスケットボール漫画のアニメ化『SLAM DUNK(スラムダンク)』(93年)主人公や、特撮ジャンルでも打って変わって東映メタルヒーロー『ビーロボ カブタック』(97年)のギャグ調のカブタックに、深夜特撮『ボイスラッガー』(99年)では顔出しで出演していた草尾毅(くさお・たけし)が担当で、キャリア的には重きを置かれた配役ではありますけど。
 作り手の方でも悪意があってやっていることではさらさらないのは重々承知しているし、いろいろとオトナの事情があるとは思うので、作品の内容以上にその一点だけでドーコーとか過剰に云う気は毛頭ないけれど、思うところを一言だけ書いてみました(笑)――。



 さらについでに云うならば、ハリウッドのSF映画やヒーロー映画のごとく、一応の一般層にも観てもらおうという試みは、仮にその内実が一般層の鑑賞に堪えうるものであったとしても、たかだか1本の映画の成功だけで、達成されるものでもないとは思う。


――厳密にはメリケンでも、年配者とかウォール街のビジネスマン・証券マンあたりは、そのテのアメコミヒーロー映画あたりはそんなに観てないとは思うけど。いや歴史的に元々は実は左翼系のシンクタンク(研究所)であった(!)という近代至上主義・近代絶対主義・強制的近代化(!)主義者であった「ネオコン」(直訳すると「新保守」)のヒトたちにとってのアメリカの原風景は、開拓民でカントリーな古き良きアメリカではなく、都市消費者でアメコミヒーローのサブカル・ジャンクカルチャーにまみれたソレだそうで、彼らの方がこのテのジャンル作品に理解があるのだとか。この世は逆説と背理に満ち満ちている――



 ただ、一般層にも観てもらうことを志すこと自体は間違っているワケでは当然ない。
 だから話題作りとして、その政治的功罪はさておき小泉純一郎元首相の登用や、お笑いタレント・ナインティナイン岡村隆史(おかむら・たかし)が持ちネタのプレッシャー星人として登場すること自体も個人的にはオッケーだ。


 でも、岡村が出たのか出てないのかほとんど視認ができなくても、氏が所属する吉本興業からクレームがつかないあたりと、それすらもネタとして許容されるあたりが21世紀だなぁとも思うけど(笑)。
 まぁ長々と出てきて一発芸でもカマしてたら浮いちゃうから、そしたらマニアのみなさんもクレームを付けたろうとも思うので、アレはアレでイイとも思うけど。しかしいくら何でも瞬間的にすぎるので、あと1〜2秒は写してあげても、マジメにすぎる一部マニアのみなさんではあってもそれくらいは許してくれたのでは?(汗)


 彼の持ち番組『めちゃ×2(めちゃ)イケてるッ!』(96年〜)での公開直前12月初旬に放映された本作との連動企画の登場怪獣オーディションも、個人的にはクダラなくって面白かったけど、まぁイロイロと番組の尺の都合もあるのだろうけど、あのビジュアルインパクト絶大の本作の映画予告編をまるまる流して、視聴者に衝撃を与えて、少しでも集客につなげてほしかったものなのだけど……。


 もっと云うなら、同時期にはホンダの乗用車・ステップワゴンのウルトラファミリーとのコラボCMもTVで集中放映されていたけれど、Panasonic(パナソニック。旧・松下電器)の液晶テレビ・VIERA(ビエラ)のCMでも大作「三国志」映画『レッドクリフPartII』(09年)とのコラボを最近やっていたように、あのステップワゴンのCMの中に映画の映像を使って『ウルトラ銀河伝説』何月何日公開! などの宣伝をたとえ数秒でも、いや画面の中のさらに小さい窓画面(笑)にしてもイイから、それくらいのことはしてくれないモノなのかなぁ……。


 筆者ごとき素人が考えるようなことは、シリアス志向の『ウルトラマンネクサス』(04年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060308/p1)や映画『ULTRAMAN(ウルトラマン)』(04年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060305/p1)の商業的大失敗以降、お坊ちゃまではない現今の作り手たちも当然考えてはいるであろうし(?)、それでも実現できないということは、コラボするにしても相応の小銭がかかるなどの、やはりオトナの金銭的事情があるのかと推測するけれど。



 敗因その3.


 地上波TVで放映されている現行の新作ウルトラ作品がないこと……もしくは終了した最新作から間が空きすぎていること……
 コレもまた、各所でマニア諸氏が指摘されていることだし、正論でもあるのだけど、それに付け加える提言もココにてしてみたい。


 もちろん本作のメインターゲットは子供である。
 しかし、平成ライダーがそうであるように、あまたのゴールデンタイムのTVドラマや「週刊少年ジャンプ」の人気連載漫画がそーであるように、メインターゲットならぬサブターゲットではあるも、その一部はイケメン好きのママ層や女性層、女オタク層をもねらった、ジャンル&ターゲットを越境したものともなっている。


 くりかえすけど、怪獣怪人ものは本来、子供のためのものであるべきなので、メインとサブの関係を倒立・逆立ちしてしまってはイケナイけど。


 しかし、玩具のみならず映像ソフトやマニア向け書籍や写真集などでも売上を増加させていくべきであるならば、多角的なターゲットを見据えた作品内容&展開はあってしかるべきだし、むしろそーした方が、男性オタクのマニアックかつハード&シリアス志向といった、ハイブロウかもしれないが実は一般層には閉じているかもしれない志向に陥らないための緊張感として、そのような外部・他者・周縁・一般層をも意識することは、映像&ドラマの表現にも節度&緊張感がやどるであろうし、良きことでもあるだろうと思うのだ。


 そのようにも思っているのダとクドいくらいの注釈は付けた上で云うのだけど、一方で幼児には人気があっても、小学生には『ウルトラ』のみならず平成『ライダー』も含めて、『ポケット☆モンスター』(97年〜)や「週刊少年ジャンプ」の連載漫画ほどには受容・流通されていないという、確固とした厳然たる事実もあるのだが。


 さすれば、この小学生という層にウケるためにはドーするべきであろうか?


 個人的には、20万部を誇る「てれびくん」や「テレビマガジン」などの幼児誌ではなく、100万部をほこる――立ち読み人口を入れればこの数倍(?)の――児童誌「コロコロコミック」にて、事前のネタバレになろうとも、『ウルトラ銀河伝説』などのウルトラ映画の漫画連載などを展開させるべきだったのではないかと思うのだ。


 怪獣のソフビ人形は幼稚だけど怪獣消しゴムならばオッケー! 「てれびくん」は幼稚でも「コロコロ」ならばオッケー! という感覚は――長じてから思うと、ドッチも大差はナイのだけど(笑)――、70年代末期の小学生にもあったし――年齢がバレるなぁ――、漫画連載にて先の展開を知っていようが『ドラえもん』の劇場版やTVの『ドラゴンボール』を観てしまうような子供たちのファン気質もたしかにあるのだし、そこをこそねらうべきではないかと思うのだ。


 90年代前中盤に、マニア間では不評であっても児童間では大ヒットした平成『ゴジラ』シリーズも、「コロコロコミック」での漫画連載が貢献していたのでは? と今にして分析もする。


 でもこれも、当然そーいう営業的努力は不定期にはしていて、それでも『コロコロ』編集部の方で、『ウルトラ』の小学生間での人気がカナリ低いと認定されているために、実現しないのかもしれないけど。


 ここまで人気が凋落する以前、90年代に長期のウルトラ漫画の連載でもして、当時の児童間にタネをまいておけばなぁ。
 『コロコロ』増刊『コロコロイチバン!』で『メビウス』放映終了直後に、最終回後の話かつ『てれびくん』連載の前日談・宣伝・引きとして、内山まもる先生の『ウルトラマンメビウス外伝 超銀河大戦 巨大要塞を撃破せよ!!』(07年)の単発掲載もあるにはあったけど。アレも多分、小学館の社員ではなくフリー編集者とおぼしき(?)間宮尚彦氏のご尽力なのだろうなぁと勝手に憶測。


 とはいえ、アキらめてはイケナイ。断られても断られても、本来ねらうべきターゲットはココだと思うのだ!
 岡部副社長も一般層ねらい発言の一方、自身のブログにて、毎夏恒例のファミリー向けイベント・ウルトラマンフェスティバル中のアトラクショー舞台・ウルトラライブステージへの子供たちの純真な声援には毎回鳥肌が立って、この子たちのために作品を作らなければならない! とも発言してはいるのだから――ここで云う「この子たち」は「幼児」のことであって「児童」ではナイので、当方の議題設定とは少々ズレてはおりますけど(笑)――。


 そんなこんなで、この問題は次号以降でも、何かの作品評にカラめて本格的に語っていきたいと思う。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2010年冬号』(10年2月7日発行)〜『仮面特攻隊2011年号』(10年12月30日発行)所収より抜粋)



『假面特攻隊2011年号』「ウルトラ銀河伝説」 〜岡部副社長電撃辞任賛否合評・記事一覧
・1「岡部副社長電撃辞任!」
・2「“ゼロ”から始まる超伝説」
・3「大怪獣バトル・映画公開とその後…」


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ウルトラファイトオーブ』(17年)完結評 ~『オーブ』と『ジード』の間隙ほかを繋ぐ年代記的物語!

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