假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑)

★★★特撮・アニメ・時代劇・サブカル思想をフォロー!(予定・汗)★★★ ~身辺雑記・小ネタ・ニュース速報の類いはありませんので、悪しからず!(笑)

仮面ライダーキバ最終回・総括〜その達成度は? 王を消して一緒になろうと言い寄る弱い女の狡猾さ


『仮面ライダー』シリーズ評 〜全記事見出し一覧
『シン・ゴジラ』 〜震災・原発・安保法制! そも反戦反核作品か!? 世界情勢・理想の外交・徳義国家ニッポン!
拙ブログ・トップページ(最新10記事)
拙ブログ・全記事見出し一覧


 『仮面ライダーディケイド』(09年)#1で、前作『仮面ライダーキバ』(08年)主人公・瀬戸康史(せと・こうじ)クン本人が演じる本物(?)の紅渡(くれない・わたる)クンが出たばっか、#2「クウガの世界」になぜか乱入してきた『仮面ライダーカブト』(06年)のワル系・地獄兄弟ライダーも声(笑)は本人だったのに、平成ライダー初作「クウガの世界」につづいて、のっけからパラレルワールドなチビチビ子供のカタカナ名のワタルくんが変身する「キバの世界」と来るのかよ!?


 いやまぁ数年以上前ならイザ知らず、たしかに終わったばかりの番組中にありえたかもしれない一挿話、というのもシラケたり、ムリやりや違和を感じる度合いが高くなるやもしれず、役者さんも視聴者もテンションがビミョーに上がらないかもしれないので、ならばいっそリビルドする中での『キバ』っぽさ・エッセンスを抽出した方が、違うんだけれども通じてる! 的な遠回りしてからの意外性の好感をもたらす印象操作で、勝算はまだしもあるのかもしれないけれど……


 ……とカコつけて(笑)、『仮面ライダーキバ』最終回・終了評をUP!


仮面ライダーキバ最終回・後半評 〜不倫・三角関係・異父兄対決、王を消して一緒になろうと言い寄る弱い女のしたたかさ

キバの真価は発揮されたか!?

(文・J.SATAKE)

 
 夏の劇場版公開以降、1986年を舞台とする麻生 ゆりと、現在・2008年の麻生 恵(あそう めぐみ)親子の共通の仇役であるチェックメイトフォー・ルークとの闘いを、心情・バトルを互いに上手く同調させて描いてからは、恋愛ドラマへの傾倒が強くなった『仮面ライダーキバ』(08)。


 86年世界は怪人種族ファンガイアのクイーン・真夜(まや)とゆり、紅 音也(くれない おとや)の三者が名器バイオリン・ブラッディローズを中心に三角関係を作る。
 そこに現れたファンガイアのキングが行う他種族への粛清と、真夜と音也への消すことができない嫉妬の感情から生まれる闘い!


 長寿のファンガイアから見れば、人間は下等で愚劣な存在でしかないとするキング。
 しかし真夜は唯一評価できる「芸術」を生んだところから人間に興味を持ち、更に愛する心を知ると、音也を大切な存在として受け入れる。
 母の仇を討つために共に闘い、心を通わせたゆりと音也だが、彼の本分である音楽を深く認める真夜を忘れることはできなかった。例え彼女がファンガイアでも!


 誰しも自分のしていること、踏み込んで行くことを側にいる人には理解してほしいと思うことは当然であろう。それがどんな小さなこと、くだらないと思えることであっても!
 理解できない(認めたくない)心情で結ばれる音也と真夜を許せないキング。
 王としての威厳を保ち、嫉妬や怒りといった感情も下賎な人間のものだとする(したい)彼にとっては、真夜の力を奪い音也の命を消そうとするのは当然なのだ。


 音楽を通して結ばれたとしても、既にキングとの子供をもうけていた真夜は不倫・不貞のレッテルを張られるのかもしれない。
 しかし古今東西様々な物語にあるように、血筋や地位に縛られ望まない結婚生活を強いられたための悲劇はあまたの如し。まして出会った相手が自由人・音也ならば尚更興味を引かれるというものだろう。

 
 変身ベルトのバックルに合体するコウモリ型モンスターのキバットバットⅡ世の力によって変身したキング=闇のキバ(作品外での商業的名称は仮面ライダーダークキバ。基本デザインは仮面ライダーキバの最終形態エンペラーフォームに近いが、黒に織り込まれたメタリックレッドの配色が血をイメージさせ、威圧感を高める!!)に立ち向かう音也。
 別れはしたものの、大切な人であることには変わりがないゆり、その彼女の生命や愛を巡って命をかけて争ってきた次狼(じろう)・力(リキ)・ラモンの魔物たち、そして真夜と時空を越えて現れた息子・紅 渡(くれない わたる=仮面ライダーキバ)のため最後の闘いにその生きざまをぶつける彼! 


 更に真夜への仕打ちを見かねたキバットⅡ世が音也に寝返り、今度は音也が闇のキバに変身、渡のエンペラーキバと共にキャッスルドランとの大空中戦(劇場版と同様に格好良さ、爽快感溢れるシーンに拍手!!)、真の姿のキング=バットファンガイアとの激しいバトルを展開する!!
 闇のキバに変身を続ければ絶命する、それが分かっているからこそ息子と共に闘い意思を繋ごうとする父・音也。彼はいつでも前向きなのだ。
 思ったこと感じたことを素直に行動にあらわす、だから綺麗なお姉さんには声をかけずにはいられないし、トラブルに巻き込まれてもそのバイタリティー故に周りの援助を受けられる。

 
 これは親から子へのメッセージであり、男の美学でもある。女子・男子かくあるべし、などと線引きする時代でもないと思うが、大切な人、物のために闘う気概は持っていたい! まあ、言うは易し行うは難し。自分もヘタレなので実践者とはとても言えないのだが……。
 至極ありふれた言葉ながら、人は人に磨かれるのだ。その中では認められること好かれることばかりではなく、妬まれ憎まれることも(いやそのほうがむしろ)多いだろう。
 しかしその小さな幸せを感じることができるよう「自分らしく」生きることが大切なんだと息子に道を示そうとする。
 ホームドラマなどでは描けない(特異な状況だからこそ伝えられる、ジャンル作品ならではの特権ここにあり!!)強力なメッセージをバトルに絡めて送り出す! 


  
 2008年世界のファインガイアのキング、仮面ライダーサガこと登 大牙(のぼり たいが)との闘いの最中、過ちでヒロイン鈴木 深央(すずき みお)を殺(あや)め、自らの存在を消すため過去を変えようと86年を訪れた渡。

 しかし、音也の全身全霊をかけた行動に触れ、直接言葉を交わすことで自分を認め、父の命を受け継いで生きていく勇気を得たのだ。 
 遂に親子キバの渾身のWキックが炸裂し倒れ伏すキング! 真夜を道連れにと最期の一撃を放つも、まだ赤ん坊でありながら覚醒した大牙に跳ね退けられ絶命する。


音也「人の中に流れる音楽、そして美しいもののために闘え……」

 
 別れの時が迫り、改めてエールを贈る音也。
 しかしまだ教えてほしいことがあるんだ、と訴える渡に甘えるな、それは自分で見つけるものだと突き放した。
 これから先は自分で道を切り開け、これもまた息子へのエールなのだ。


 渡を未来へ送り出し、残された時間を悔いなく送ろうとする音也。
 どしゃ降りの雨のなか、ふらりと現れた彼に以前作ってあげたオムライスの隠し味を尋ねられたゆり。
 ……毒を入れるんだ。分かりきった冗談を真面目に受け、感謝の言葉を続ける彼に、不安になるゆり。

 
音也「お前には笑顔がよく似合う。さあ、早く行くんだ……雨はすぐ止む……」

 
 晴れ上がった空に浮かぶ虹と共に一言残して去った音也。身を斬るより辛い別れを乗り越え、そして恵を産み育てた彼女の心中はいかばかりか……。


 次に音也は次狼たちにキャッスルドランを前に誓いをかけさせる。城に留まり、いつか現れる息子を助けてほしいと。

 
次狼「化け物が約束を守ると思うのか? そのガキを喰っちまうかもしれんぞ?」

 
 皮肉まじりに答える彼に、頼んだぞ次狼、と返す音也。……共に命をかけてきた「戦友」の誓いは交わされた。

 
 麗らかな陽射しの公園で真夜を前にオムライスを作る音也。彼が最後に入れる隠し味はもちろん、心を込めたバイオリンの演奏だ。

 
音也「真夜、聞こえるか? 俺の音楽が……」
真夜「ええ、私の胸の中でずっと鳴り続けているわ……」
音也「そう、それでいい。それが本当の俺の音楽だ……」


 真夜の膝枕で静かな二人の時を過ごす彼。そして眠りに落ちるように、伝説の男は逝った……。



 一方08年では、キバとして闘う渡。
 現在のクイーンである(人間を愛する同胞を抹殺するという)使命と人の感情に板挟みになる深央。
 渡にとって子供時代唯一の友達であった大牙=現在のキング。
 三者がすれ違う恋愛模様を描いていく。


 人間とファンガイアとの間に生まれたために、周りの人たちを不幸にしていると思い悩む渡。
 その彼に思いを寄せながら、魔物としての運命にも抗えず大牙からの求婚にはっきり答えを出せない深央。
 渡の身を案じ恋愛を成就させようと援助しつつ、キングとして人間の発展の芽を摘むよう企業を利用して暗躍する大牙。


 個人の感情レベルでは互いに幸せになってほしいと相手を思いながら、公の立場によって傷を深めていくという展開。こんなやりきれない思いを現実で体験している方も多いだろう。


 己の立場からの重圧を想像せず結婚を進め、受け入れてくれないと憤る、大牙の男の身勝手さ。


 渡が自分と同族であり、キングにもなれる存在だと知るや、大牙を消して一緒になろうと言い寄る、深央の女のしたたかさ。


 およそ子供たちも見る番組とは思えない描写まで盛り込めるのは、脚本・井上 敏樹氏の成せる技だろう。
 ドラマを楽しめる女性や大人はそれでも良いが、子供にはちょっと理解し難く辛いのでは……とも感じてしまうのだが。


  
 ドラマ展開を一つの柱とするなら、もう一つの柱、キャラクター番組としてはどうか? 


 後半にまず投入されたのは、人間側の「素晴らしき青空の会」の新ライダー・ライジングイクサ。
 太陽神を想起させる胸の放射状のディテールや、ちょっと強引な変形ながら元のパーツを利用した頭部デザイン、印象を一新させようとしたメタリックブルーの配色など、頑張っているのは分かるものの、元の仮面ライダーイクサを上回ることはできなかった感が強い。


 大牙の変身する仮面ライダーサガは、肩と頭部に施された銀色の装飾や胸部の宝玉がキングの威厳を表し、黒のスーツが全体を引き締める良いデザインだと思う。 
 得物は時にフルーレに鞭にと変幻自在。その鞭を振るい、空中に浮かんだ紋章にジャンプしくぐり抜けて相手を絞首刑にかける必殺技はインパクト大!!  


 サガに対抗するため、キバが手にした大剣がザンバットソード。持つ者を狂戦士に変えてしまう魔力のため、キャッスルドランに封印されていたが、次狼たちが剣に取り憑き渡と協力することで能力を発揮できるようになった。
 ギミックの目玉はスライドアクション。いわゆる鍔(つば)にあたるパーツを剣先までズラしてから引き戻してパワーをためるかたち(切れ味を取り戻す研ぎの意味もあるのか?)だ。これにより、静と動、メリハリのついた太刀捌きを演出してくれた!! 

 

 こうした個々は魅力あるものでありながら、総体的には淡白な印象なのは、一重に尺の取り方にあるのでは? 


 冒頭に、前回のバトルシーンを見せるのは『仮面ライダーアギト』(01)以来定番化しているが、それを含めても新キャラ・アイテムが初登場した回以外は、ボリュームダウンしている。 
 キバのパワーアップアイテムである魔皇龍(まおうりゅう)タツロットも、ガルルセイバー・バッシャーマグナム・ドッカハンマーと合体させることで能力を向上させる設定ながら、その活躍が記憶に残っていない。
 他にも、イクサがキバと同じホイッスルを使ってガルルセイバーを従えたのは? 結局キャッスルドランはキングのペット(自分の城に竜を住まわせたら面白いかなくらいの)扱い? などなど、面白い要素がありながら使わないというのは本当にもったいない。


 まあ、玩具的な要素にあまり関心がない今作の作り手たち、もしくはそれができない(製作予算という)大人の事情というものもあるのだろうが……。
 打ち切って新企画を立ち上げるには時間がない。ならば最低限の枠で納得してもらえるものにしよう……。ドラマ展開に特化した後半期を見るにつけ、そんな勘繰りもふと浮かんでしまう。


 その一方、番組で結成されたバンド・テトラファングや出演者たちによるライブ公演は好評のようで、こうした関連展開によるファンの多様化で、作品に求められる姿も簡単には定まらなくなっている。


 平成ライダーが続くならば、今後の道筋をどう取っていくのか?
 キャラクター番組(一つに特化したかたちではなく、各要素をバランス良くまとめた番組)としてエポックとなった『仮面ライダー電王』(07)を受けて製作された『キバ』は静かにだが、これまでの流れに一つの区切りをつけることになりそうだ。



 08年代の展開に再び目を戻そう。
 三角関係に中心が移り、消化不良の要素が多々あったように思う。


 「素晴らしき青空の会」の仮面ライダーイクサこと名護 啓介(なご けいすけ)を師と仰ぎ、素人ながら闘ってきた襟立 健吾(えりたて けんご)だが、彼から三下り半を突きつけられ、渡とも絶交! 失意の末、代表の嶋 護(しま まもる)に請われ「素晴らしき青空の会」で特訓を受け、イクサ装着者の座を啓介から奪う! 
 それに対する啓介のリアクションは……。
 自作の753(ナゴさん)Tシャツを着こんでアドバイスと称して闘いにチャチャを入れたり、変身アイテムに画鋲を仕込んだりのネクラなイタズラなど、すっかり笑かし役になってしまう。


 三角関係のドロドロに緩急をつける意味もあるだろうが、シリーズ前半で描かれた彼の不遜な性格、態度からすればそれはないんじゃない!? という気もする。
 自らの正当性を認めさせるため、組織を瓦解させるくらいの暴走をする展開があっても良いのでは? 
 組織のため啓介を消そうとする健吾と、啓介を守ろうとする渡。絶交している二人の心情を絡めた直接対決も描け、キバであることを皆に知られた渡が窮状を救うことで、危険な存在とされてきたキバの誤解も解け、渡と啓介の関係、健吾の友情も再び結ばれていく……。そんなドラマも期待できたのでは? 
 全ては啓介の士気を高めるための護の計略だったのだが、健吾の存在感は薄かったと個人的には思う。
 渡との友情を再確認しての退場となったが、もっと活躍させてやれたと感じた。


 組織としての「青空の会」の描写も稀薄。幹部は護一人、他にはイクサのビークルが登場した時の技術者くらいで、これほど曖昧な存在は平成ライダー中一番だろう。


 その腹黒い部分を一身に背負った護には、大牙との確執が待っていた。
 音也亡きあと大牙の後見人を引き受けたのが護だった。しかし大牙は魔物の力を抑えられず護は大きな傷を身体に負い、大牙は愛を受けられないと負い目を抱えた……。


 時は流れ、魔物の王とそれを追う男、互いの立場と感情が縺(もつ)れ合い激突する。
 しかも護は大牙の手によってファンガイアとなる芽を植え付けられてしまう!
 自らが最も憎むべき存在となった護だが、その力を使いただの人では敵わないキングに闘いを挑む!! だが、絶対的な力の差の前に護は敗れてしまう。 

 
 大牙も先代キングと同じく、人間をファンガイアの餌としての存在にしか見ていない。彼が例え兄であっても手を取り合うことはできないと決意する渡。


 一方、渡が深央の命を奪ったと思っていた大牙だが、実は(彼女の監視役であり、以前より疎ましく感じていた)チェックメイトフォー・ビショップによるものであることが発覚、彼を追放する。
 王のため忠義を尽くしてきた(クイーンの役目を示し続け、結婚式で相手を不意討ちするような女を許さない、家臣としては当然の行いをしてきたのに)その答えがこれか……。
 ファンガイアの正しいキングを復活させるため、ビショップの暴走が始まる! 
 ライフエナジーを人間から集め、街中を闊歩するファンガイアたち。
 その闘いで視力を奪われてしまうライジングイクサ=啓介! 


 過去から戻り、大牙を上回る力を発揮するようになった渡は、自分がキングになると宣言!! 
 社長の役職を役員たちに罷免され、恋人を、弟を失った大牙は母・真夜の元へ向かう。キングの証である闇のキバだけは僕に渡してほしいと……。しかし真夜は応えない。
 何故だ、何故、誰も僕を受け入れてくれない……! 激情のまま母を手に掛けてしまう大牙!! 

 

 愛憎入り乱れ、遂に迎える最終話。
 イクサを返上しようとする啓介を説き伏せ、コンビネーションの特訓に取り込む恵。互いに憎まれ口をききながらも結ばれていた絆を再確認した二人は、 


啓介「その命、神に返しなさい!」


 の台詞(セリフ)と共に因縁の相手・ビショップを打ち倒す!!


啓介「天魔覆滅(てんまふくめつ)……」


 (なぜか忍者時代劇『影の軍団III』(82)主演の千葉真一演じる多羅尾半蔵が毎回発していた決め台詞!)

 
 緊張が解け倒れ込む啓介、そして呪縛が解けたかのように視力を取り戻した彼を優しく抱き締める恵……。


 大牙は闇のキバとなり、渡との対決に挑む。
 母を手にかけたことを聞き決闘を受けた渡だが、それすらも受け入れて大牙を許そうとする! 戸惑う大牙に渡の真の意思を明かしたのは復活した護だった。
 大牙は護を殺さず、人間として生きられるよう施していたのだ。そして渡も自らがキングとなることで矢面に立ち、大牙を守ろうとしていた! 
 真夜は渡に、人に優しくできるのが本当の強さなの、と説いていた。二人の息子たちは運命に翻弄されながらも、優しさを忘れなかったのだ。
 絆を取り戻した兄弟に復活したバットファンガイアが襲い掛かる! 闇のキバとエンペラーキバが22年を経て再び共闘!! 
 ビショップの急拵えとはいえ、依代(よりしろ)は先代キングの肉体。その力に圧倒される二人のキバ。
 

 遂に絶壁から叩き落とされる渡!
 転げ落ちる中、必死に伸ばした手が掴んだのは……イクサの手!? なんとここは22年前の決戦の場、その時音也が四散させたイクサのパーツが息子を救ったのだ! 
 俺はお前の中で生きている……。音也の思いをしっかり受け止め、闘う気力を甦らせる渡。


渡「兄さん、まだ闘える?」
大牙「当たり前だ……」

 
 渡の声で再び立ち上がる大牙。ピンチの後にチャンスあり、ここからはWキバが一気にアクションを展開! 
 二人同時に繰り出すパンチ・チョップにキックを受け、たじろぐバットファンガイア。細かいカット割りで技を見せていく、スーパー戦隊では定番の手法だが、バトルのカタルシスを上げるには効果的! 更に大牙が必殺技の鞭で動きを封じると、 

 
タツロット「ウェイクアップ・フィーバー!」

 
 渡が渾身のキックを放ち、大爆発!! 怨念の化身はこれで消え去った……。

 
 過去の過ちを悔いる大牙に、その罪は僕も背負う、そして兄さんなら人間とファンガイアとの架け橋になれると応える渡。


大牙「……でっかくなったな渡。キングなんてちっぽけなものに感じるほどに……。 
 闘ってくれ、僕はお前を越えてみたい……」


真夜「闘いなさい。そうすることで魂が通じ合えるのだから」

 
 二人の前に現れたのは……真夜。大牙は母を殺めてはいなかったのだ。
 和解しても馴れ合ったりはせず、異なるままで改めて拳を交えて高めあう兄弟。ここから新たな道を進むのだ……。



 再びキングとなった大牙は、ライフエナジーに頼らないファンガイアの新しい姿を提言。


大牙「今年は勝負の年になる……」


 渡は啓介と恵の結婚式に参列していた(物語のスタートは葬儀、ラストは結婚と教会を使うとは律儀な……)。
 ウエディングドレス姿を見せたかったと亡き母に呟く恵。
 ……幸せになりなさい。静かに祝いの言葉を贈るゆり。22年を経たもう一組の親子の物語も幕を降ろす。
 護と共にバージンロードを進み、啓介の元へ。誓いの口づけにドギマギする彼を押さえつけ自分から口づける恵! やはり蛙(カエル)の子は蛙だ……。


 厳かとはいかないが、華々しい式に演奏を捧げようとする渡。このまましっとりオシャレにエンディングを迎えるのか、と思いきや! 教会に飛び込んで渡にすがり付いたのは、……音也!? 


 「助けてよ、パパの力を借りたいんだ!!」


 現れたのは(またまた)22年後の世界からやって来た渡の息子・正夫だった! 空に蠢く怪しい渦、ネオファンガイアの襲来だ!! 
 危機を察知した大牙、次狼、力、ラモンも駆け付け、キバットバットⅣ世(?)が気勢を挙げる!


 「祭りだ! 祭りだぁーー!!」


 三世代のトリプル・キバにお供の魔物たち、ライジングイクサが揃い踏みし、ラストカットは敵に向かってジャンプ&キック!! 
 特撮ヒーロー番組であることを主張する、しかし平成ライダーでは珍しい仮面のキャラでの締めくくりであった! 
 


 年末まででこれまでの事態が収束し、さて後はどうするの? という展開が井上氏の脚本作品には多かった。
 クリスマス商戦対策というビジネス上の都合もあって、その義務を果たしたのだから年が明けた残り数本は自由にやらせてもらうよ、という気分(まあ、分からなくもないのだけれど……)も多少感じてはいた。
 だが、今作では一年を通して二つの世代を繋ぐ親子の物語を縦糸に、それに纏(まつ)わる兄弟、恋愛を横糸にして織り上げてきた。


 そのため全体のまとまり方には不満がないのだが、アクションやアイテム・キャラの糸は配置や分量に難があり、充分にその魅力を発揮できなかったのは大変残念でならない。
 スーパー戦隊シリーズとの差別化の意味もあり、平成ライダーシリーズは人間の暗黒面を隠さず描いたり、残酷・難解な描写を盛り込んできた。
 しかし『電王』のヒットや時事の影響で、変革を余儀なくされている。
 『キバ』もこれまでの井上ライダーの(物語である以上、誇張された表現ではあるものの現実は甘くない、場合によってはバッドエンドもありという)系譜を辿りながらも、全体を「親子の絆」で纏めることで希望の光を感じるさせる作品になった。
 啓介や大牙などが人の負の部分を見せながら、最終的にはメインキャラ全てが正に傾いたというのは、本当に珍しい! 

 
 しかし最終回ラストではネオファンガイアが現れ、争いは終わらない。
 何らかの争いや葛藤が終わらないのは現実世界も、我々の人生も同じことだ。


 (『五星(ごせい)戦隊ダイレンジャー』(93)最終回オーラスのオチともかぶっているけど、テーマは多少違うし、何より15年も経っているのだからもういいでしょう・笑)


 主人公・渡は悩み続けながら闘ってきた。何故闘うのか、強くなる(優しさ)とは、自分はどう生きて行けばいいのか……。


 何故そこまで揺れ動くのか、見ていて歯痒さを感じる一方、今この時の気分をよく表しているのだとも感じた。


 沢山の物事から感じ、考え、悩み、そしてぶつかっていく。だから「生きることは闘うこと」なのだ。


 闘う気力を持て。しかし自分らしさを忘れるな。


 クールなだけではなく、こんな熱い思いを感じさせる面も賛否、毀誉褒貶の激しい井上ライダーは持っているのだ。


 
 『仮面ライダー』(71)など東映ヒーロー特撮の基礎を創り上げた脚本家・伊上 勝(いがみ まさる)氏。
 その息子である井上氏が平成の世で描き続けるライダーたち。
 スタイルの違いはあるにせよ、同じ領域で「闘う精神」を受け継いでいる音也・渡と、勝・敏樹の両親子の姿をダブらせて楽しむことができた『仮面ライダーキバ』。



 私事ながら、一児の親として、こんなでっかい父親になりたいものだねぇ……と、ふと考えさせられてもしまう作品でもありました。(とキレイにシメておこう・笑)


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2009年冬号』(09年2月8日発行)『仮面ライダーキバ』終了評より抜粋)



仮面ライダーキバ』平均視聴率:関東6.2%・中部7.6%・関西6.8%
 1クール目:関東7.1%・中部9.4%・関西7.8%
 2クール目:関東5.8%・中部7.8%・関西7.3%
 3クール目:関東6.0%・中部7.1%・関西5.9%
 4クール目:関東5.6%・中部5.7%・関西6.1%
 最高視聴率:関東7.7%(#9)・中部11.1%(#2)・関西8.9%(#23)
 最低視聴率:関東4.6%(#46)・中部3.9%(#46)・関西2.4%(#28)
 (10%越え:関東0回・中部4回・関西0回)


 『これさえ見れば完全攻略!劇場版仮面ライダーキバゴーオンジャー公開スペシャル』:
 2008年8月2日(土)AM11:20〜45放送:関東3.5%
 2008年8月8日(金)AM10:51〜11:20放送:中部1.8%
 2008年7月31日(木)AM10:25〜10:50放送:関西3.7%


 テレビ朝日(ANB)系 毎週日曜日8:00〜8:30放送
 (平均視聴率EXCEL表計算:森川由浩)

仮面ライダーキバ』はじめ、「スカイライダー」(79)〜「仮面ライダーW」(09)関東・中部・関西の全話視聴率表を、09年末発行の『假面特攻隊2010年号』「平成ライダー東西視聴率10年史」大特集に掲載!

仮面ライダーキバ VOL.8 [DVD]

仮面ライダーキバ VOL.8 [DVD]


仮面ライダーキバ VOL.9 [DVD]
仮面ライダーキバ VOL.10 [DVD]
仮面ライダーキバ VOL.11 [DVD]
仮面ライダーキバ Volume12 [DVD](#45〜48・最終巻)

[関連記事] 〜『仮面ライダーキバ』全記事一覧

仮面ライダーキバ』 〜序盤評 時に戦隊を凌駕するポケモンサンデーの脅威

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080225/p1

『劇場版 仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事』

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080810/p1

『劇場版 仮面ライダーキバ 魔界城の王』 〜紅音也の真骨頂!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20081004/p1

仮面ライダーキバ』最終回・総括 〜王を消して一緒になろうと言い寄る弱い女の狡猾さ

  (当該記事)


[関連記事] 〜『ディケイド』にクウガ登場とカコつけて……

仮面ライダークウガ』 〜前半合評4 ★前半総括・怪獣から怪人の時代来るか再び★

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20001106/p1

仮面ライダークウガ』 〜全記事見出し一覧

  https://katoku99.hatenablog.com/archive/2000/11


[関連記事] 〜平成ライダーシリーズ最終回

 (平成ライダー各作品の「終了評」の末尾に、関東・中部・関西の平均視聴率を加筆!)

仮面ライダークウガ』最終回 〜終了賛否合評

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20001111/p1

仮面ライダーアギト』最終回 〜終了評 ―俺の為に、アギトの為に、人間の為に―

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20011108/p1

仮面ライダー龍騎』最終回 〜終了賛否合評1

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20021108/p1

仮面ライダー龍騎』総論! 〜終了賛否合評2 ―『龍騎』総括―

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20021109/p1

仮面ライダー剣ブレイド)』最終回 〜終了合評 會川ヒーローは痛みと深みを増して

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20041113/p1

仮面ライダー響鬼(ヒビキ)』最終回 〜後半評 路線変更後の所感

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070106/p1

仮面ライダーカブト』最終回 〜終了評 終戦の白倉ライダー

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070211/p1

仮面ライダー電王』 〜後半評 複数時間線・連結切替え!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080217/p1

仮面ライダーキバ』最終回 〜その達成度は? 王を消して一緒になろうと言い寄る弱い女の狡猾さ

  (当該記事)

仮面ライダーディケイド』最終回「世界の破壊者」

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090829/p1


[関連記事] 〜平成ライダーシリーズ詳細見出し一覧

仮面ライダーアギト 〜TV・映画・特番合評 全記事見出し一覧

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080106/p1

仮面ライダー龍騎(りゅうき) 〜TV・映画・特番合評 全記事見出し一覧

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080113/p1

仮面ライダー555ファイズ) 〜前半・映画・後半・終了合評 全記事見出し一覧

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080120/p1

仮面ライダー剣ブレイド) 〜前半・映画・後半・終了合評 全記事見出し一覧

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080127/p1

仮面ライダー響鬼(ヒビキ) 〜映画・後半合評 全記事見出し一覧

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080203/p1