80
UGMが単独で怪獣を撃破! ウルトラマンが実質登場しない最終回! 最後にここまで異色なテーマ的にも高度なエピソードが登場するとは! 傑作認定に異存はない。しかしてそれは諸刃の剣でもあるのだ。そして本話は子供たちにも楽しめるエピソードであったろ…
ユリアンこと星涼子が女ウルトラマンとしての勇姿を初披露するイベント編。最終回近辺でこそふさわしい2大怪獣の強敵ぶりとエイティの大ピンチ。それはメタ的にはユリアンが助っ人参戦する劇中内での必然性を作るため。言葉尻は「地球人に生まれたかった」…
ウー・ナマハゲ・邪神カイマ・エンマーゴ・モチロン・ファイヤードラコ・ジヒビキラン・イダテンランといった、スピリチュアルな妖怪・精霊・低級神が巨大化・実体化・物質化したような怪獣たちも登場してきた。広い意味では、ジェロニモン・ノンマルトの使…
ダイナマイトボール攻撃の特撮演出が強烈! ともまれ、「物を粗末に扱うな」「環境問題」などといった「道徳的テーマ」「社会派的テーマ」だけにとどまらず「児童ドラマ」も展開させて、SF的な存在のようでもイロモノでもある怪獣グロブスク、そして実に美…
レッドキングを登場させるために設定された魔法使いのマアジンが潜む「魔法の壷」と、同様に便利な超科学の道具である「メディカルガン」を絶妙に対比。「児童ドラマ」と「涼子=ユリアンの成長物語」を両立させ、レッドキングの派手な大暴れとエイティとの…
「お釈迦様でもご存じあるめぇ」。当時の年長マニアたちの激高ぶりはさぁ大変。だが、バルタンの生みの親・飯島敏宏監督も「クローンなんぞお茶の子さいさいなのだ!」と『ウルトラマンマックス』でバルタンに語らせる(笑)。「他愛のない子供同士の諍い」…
「怨念セブン」と呼称されていた。暴走族を登場させ、児童ドラマも描き、ユリアン=涼子にも活躍の場を与えて、矢的に対するほのかな恋情も生じさせたり、極めて密度が高い。 正味20分強のドラマで、これだけの要素を盛りこんでいることは驚嘆するが、特撮…
城野エミの最期は犬死にではない。ユリアンの負い目と、エミから地球防衛のバトンタッチを直々に受ける描写。この2点が的確に組み込まれ、ユリアンが地球に留まりUGM隊員として参画し続けるという強い動機付けに昇華できたことこそが、ユリアンというキ…
石堂先生が意識したかは別に、『タロウ』NG脚本『怪獣無常! 昇る朝日に跪く』を思い出したロートル特撮マニアは多かった。 苦戦するウルトラマンタロウに大仏像がなぜか立ち上がって加勢して、怪獣を海へと引きずって去っていくというストーリーである。…
「子供はゼロ戦、父親はゴルフ。あたしもなにかに凝ろうかしら」「玩物喪志(がんぶつそうし)。物にこだわり過ぎると人間がダメになるってこと」。オタクたちにとっては実に耳が痛い言葉だ。 「女性はそうはいかないわ。毎日同じものを着てると、すぐなにか…
江連卓のペンネームだ。江連が私淑する宮沢賢治の『風の又三郎』に由来し「水沢」も宮沢が度々訪れていた「緯度観測所」の所在地にちなんだもの。このペンネームから本エピソードにかけた想いも透けて見える。 足柄秘境の青葉山に住むといわれ、地元の子供た…
人間に戻りたくないテツ男なので、カネゴンの単純なリメイクにはなっていない。金男がガキ大将であったのに対し、テツ男がダメ人間として設定されたことで、同様の題材を扱いながらも正反対の物語を描き出すことには成功している。姿は怪獣であるもののウル…
脚本家・若槻文三は特撮評論においては言及されることが非常に少ない。大宇宙から巨大隕石が接近してきたりゲストの人間ドラマよりも怪事件の捜査や作戦中心の攻防編をメインで描いてきた作家でもある。今回は本作『80』が児童編に突入したことから児童ゲ…
悪とは人間の外に存在するものではなく、人間の内から呼び出されたものであるという持論を展開する石堂先生。 今回は政夫の心の中のUGMに対する憎悪こそがマイナスエネルギーの波動となり、悪魔メフィストを呼んでしまったファウスト博士のごとく、バルタ…
『てれびくん』の『80』連載漫画の終章は『ウルトラマン80 宇宙大戦争』と改題。ウルトラ兄弟vsバルタン星人大軍団を描く一大連続スペース・オペラへと変貌を遂げた! 先立つ80年10月号『あやしい流星』でも、古代怪獣ゴモラ&バルタン星人登場! …
ペットのクワガタ虫が上級生の不注意で死んでしまったことを恨む少年の怒りと悲しみがクワガタ虫の死骸に乗り移って、昆虫怪獣グワガンダが誕生するというストーリーである。 第33話『少年がつくってしまった怪獣』に続いて、当初の『ウルトラマン80』が…
かつて「やまなみ村」にはたくさんの妖怪が住み、中でも三つ首竜は牛や馬を食い荒らし、遂には村人までも襲い始めたことで最も人々から恐れられていた。 そんな三つ首竜に村長は大樽の酒を飲ませて酔わせ、刀ひとつで敢然と立ち向かい、三つの首を切り落とす…
釣りを趣味にする少年が結果がサッパリだったため、地元の漁師夫婦の網にかかったという奇妙な魚をもらったところ、その稚魚が実は巨大怪魚アンゴーラスの子供であり、親怪獣が子供を取り戻そうと大暴れするが、治が子供を返したところ、おとなしくなって帰…
手術の成功率15%という難病を抱える少年・健一が入院する西山病院の院長からUGMに「怪獣出現」の通報が入った。UGMの矢的猛隊員らが急行するものの、怪獣が出現したと思われる痕跡は皆無だった。 矢的はガウン姿で庭にいた健一の姿を見かける。院長…
「児童編」の枠内の1本とはいっても、割りとシブめの作品である。 矢的が親しい少年・明の父を救うと言って救えず、その戦闘で首を痛めたうえ、孤児となった明に責められるという重い展開が一時的にせよあり、バラックシップもコンピューターがすべてを制御…
車にひかれそうになったところを主人公・矢的猛に救われた少女・マリコ。 そのマリコの母親は、1年前に夫が他界したのを機に神経性の心臓病を煩い、病室で寝たきりの生活を送っていた。 亡くなった夫の最初のプレゼントが野菊の花束であり、思い出の地であ…
正体不明の敵による破壊活動が頻発するが、防衛組織・UGMが現場に到着するころには常に敵の姿は消え失せていた。 内部にスパイがいると確信したUGMが怪しいとにらんだのは、毎朝タイムズのUGM担当記者・土山と青木カメラマン。だが土山はUGM広報…
鬼矢谷(きやだに)につたわる三百年に一度目をさますという怪獣の伝説。それを利用して観光に役立てようとする村長たちの欲ボケを描くコミカル編。 のちの作品とは違い防衛組織・UGM側はあくまでまじめに描かれており、彼らによる怪獣の能力分析で村人や…
夜間の東京の各地に燃え盛る塊が、次々と落下して車両や家屋や建物を粉砕していく。ここのミニチュア破壊の特撮シーンは、『80』では毎度のことだが凝っていて凄い。 前回につづいて登場する、宇宙生物学の権威・城野博士の見立てによれば、それは宇宙の渡り…
南川竜(野長瀬三摩地)脚本。氏が第1期ウルトラで手掛けた作品同様、乾いた恐怖編でSF味も強い。 深夜の住宅街にナゾのうごめく白い大きな泡がマンホールや側溝から出現して地を這って、酔っ払いで千鳥足のサラリーマンや車でのデート帰りのカップルを襲…
単なる戦国時代への転移ではない。魂が暮らす黄泉の国への転移だ。エミが一人二役。 殿・姫・家臣を襲い、城を奪った異次元エイリアン・アクゾーンたち。 逃げのびた家老や家臣は、姫に瓜二つの城野エミを本物の姫だと思いこみむ。一時は困惑するもののエミ…
防衛軍2000名の3割は女性。今年の女性新人は数名(映像では15名)。 張り詰めた感じの女性新人ジュン。 城野エミも戦闘機に搭乗して腕前を披露、その活躍と意外な面も見られる。 エミ隊員とジュンは搭乗したUGM戦闘機・シルバーガルで、はじめにエミ隊員…
超巨大円盤がビル街上空に飛来。 宇宙をユートピアにせんと銀河大連邦への加盟を持ちかける。 自力で実現。他力も悪くない。議論百出。 大連邦を知っており歓迎した矢的だが、次第に疑念が生じる。さらに監視に気付く矢的に迫る魔手。 調印式を妨害した矢的…
スペース7号は宇宙アメーバに覆われた。直接搭乗して進路を変えねばならない。 「給料分の働きはせにゃあ」「一人っ子のチーフとはちがい兄弟がたくさんいる自分がやります!」「自分には哀しむ家族や身内もいないから」。 進路変更に成功。脱出したところ…
矢的→オオヤマ→長官→国家最高会議への説得で、40億の地底人との和平が成立! しかし! ゴモラは『6兄弟VS怪獣軍団』の怪獣帝王ゴモラを踏襲! 同族別個体や近縁種である怪獣の名称の末尾に「~II」や「~2」を付ける手法は、70年代末期の本邦初のマニア向…