假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑)

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白獅子仮面

(73年度作品・05年1月時代劇専門チャンネル放映)
06年4月17日、時代劇専門チャンネルにて平日深夜の再放送決定!
06年6月08日、時代劇専門チャンネルにて平日深夜の再々放送決定!
(文・T.SATO)


 「獅子吼(ししく)ゥーー!!」


 獅子吼って、“獅子吼王菩薩”や“獅子奮迅菩薩”とかの仏教用語じゃん。
 今聞くと、超カッチョいい意味の変身時の掛け声。唐招提寺へレッツGO!


 江戸時代が舞台ですョ! 享保期ですョ! ナンと大岡人情裁きの南町奉行所のお奉行・大岡越前も出てくるんですョ!(でも登城して暴れん坊将軍・吉宗にお目見えするシーンはありません・笑)
 のっけから大江戸八百八町が、火焔大魔王あやつる妖怪たちの襲撃にあってるんですョ!
 「たち」ですョ。同一種が複数個体いるんです! #1だけの特例かと思いきや……#2以降も、ずっと妖怪は3、4、5体が出てくるんですョ! しかも造形がけっこうイイ!


 次々やられる奉行所の同心(警官)たち。対策して、大岡越前武装同心隊を結成します。そこに満を持して、襖を開けて入ってくる隊長。それこそが、我らが主人公・剣兵馬(つるぎ・ひょうま)ですから!
 作品世界を的確に表現した冒頭部、そして頼れるスマートなカッコいい主人公の登場。オォ、見事なツカミある導入部の第1話!


 で、とにかく妖怪たちはヒトを襲い悪事をし、それに対して、同心たちは時に防ぎ、時に待ち伏せ、そして戦う! チョコっと人間らしさやコミカルさを見せたら、それをネチネチグチュグチュと陰気な人間ドラマに走らせず、即座に事件が起き妖怪が現れ、攻防の一進一退劇をくりひろげてくれる子供向け活劇作品の理想型!


 また撮影テクがスゴい! とにかくカット割りが細かい。テンポがよい。ダレたところがない。その点では今でも古くなっていない!
 同時期の『仮面ライダー』(71年)はじめ東映ヒーロー作品は、今見るとかなりラフに流して長廻しで撮ってるのがミエミエだけど(もちろんそれでガキのころ不満に思わなかったのだから問題ナイともいえる)、コレはリキが入ってます。いや松竹京都映画のヒトたちは(まぁ同時期の『必殺仕置人』(73年)に主スタッフは行ってるから、臨時雇いだろうけど、でも京都のヒトたちですから!)、ジャリ番だからと手はヌイたかもしれないが、それだとしてもこの高レベル(笑)。


 主要キャラ連も立っている。剣兵馬の映像表現は、例えて云えば『キカイダー01(ゼロワン)』(73年)の変身前のイチローの服装。白パンタロン(ズボン)に赤ベスト。70年代長髪+マゲ!
 毎度ながらバカにしてるワケじゃない。ガキ向け作品として、主人公を絵的に区別し、立てて判りやすくする点ではまったく正しい。ガキをバカにするな? 外人にも判りやすいよう座頭市を金髪にする北野武に云ってくれ! 赤と黒のエクスタシー!*1


 妖怪は『変身忍者 嵐』、獅子は『快傑ライオン丸』と前72年度の特撮時代劇の引用だから、コレも『01』のパクリかと思いきや……『白獅子』の放映が先でした!
 同心はデブでマヌケの妖怪怖がり担当。演じるは古川ロック。って『必殺』初期シリーズで字幕によく見る御方ってこのオッサンだったのか(笑・御名は戦前のコメディアン古川ロッパのパロディ)。
 部下に目明し・一平がいて、時代劇の基本も押さえてふたりで漫才(時代劇専門チャンネルでの最終回後の特番での白獅子仮面・剣兵馬こと三ツ木清隆のインタビューによれば、一平は京都の風俗に詳しいそうだ(笑)。それと後年のエクラン演技集団は当時はエクラン剣技会だったのだ!)。


 敵も上下関係の組織で、層の厚みとスゴ味を体現(もち子供番組での範疇での)。大魔王は哄笑し叱責し策謀もめぐらせて、やはりキャラが立っている。しかも変化球で大岡越前の邸宅にまで攻めたりするんですから!
 越前。越前が出ても白洲(しらす)は出ません。妖怪に人情裁きは無用なのか!?(笑) 越前の娘は出てきて和ませます。


 私的にはコレだけ面白いのにも関わらず、各種TV評同人誌で時代劇チャンネル放映の感想を読むと、あんまり評価は高くないのネ。B級キワモノの先入観がジャマしてるのでは?


 ただ、必殺ワザが物足りないという感想は傾聴には値する。筆者個人は兼TV時代劇マニアだからか、不満なく見たが、フツーのチャンバラ決着だからネ。
 TV局プロデューサーか監督の意図か、西部劇の拳銃裁きのような二丁の十手の扱い方と、それを振り回す変身ポーズ、変身カットも獅子面のズーム・回転・細密カット・透過光で、子供の眼を魅きつける計算は充分なのに、必殺ワザだけは抜かったかも(当初、獅子髪で旋風を起こす予定が変更になったようだけど)。


 あと変身前は白でも赤ベストなのに、変身後は顔の怖さの問題はもちろん、全身が白だけというのも目印に欠けたかも。赤のラインでもあれば……。
 明朗活劇の作劇としては一級だけど、ソフトウェアでなく変身ものはハードウェアも重要要素だと痛感。
 我が愛する『地球戦隊ファイブマン』(90年)は活劇的には最高と信じるけど、前作『高速戦隊ターボレンジャー』(89年)の車、次作『鳥人戦隊ジェットマン』(91年)の鳥に比すればモチーフ無しで、今思えば子供にはキャッチーではなかったのだナ、と思いも至る。

(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2006年号』(05年12月30日発行)『白獅子仮面』合評②より抜粋)


『白獅子仮面』放映リスト(作成/黒鮫建武隊)

第1話「青い目と赤い目の狼」 1973.4.4(水)19:00放映
脚本・監督/浅間虹兒 
狼仮面登場(頭目のみ青目、他は赤目)


第2話「雨もないのにカラカサ小僧」  1973.4.11
脚本・監督/浅間虹兒 
カラカサ小僧登場


第3話「一ツ目の刺客がやって来た」  1973.4.18
脚本・監督/浅間虹兒 
一ツ目登場


第4話「小判の好きな化け猫騒動」  1973.4.25
脚本・監督/浅間虹兒 
化け猫登場


第5話「顔なし男が顔を盗る」  1973.5.2
脚本/石川孝人 監督/小野登 
顔なし男登場


第6話「妖怪牝狐参上」  1973.5.9
脚本/石川孝人 監督/小野登 
牝狐登場(頭目 赤髪 顔面 金色、他 黒髪 顔面 白)


第7話「必殺コウモリ男」  1973.5.16
脚本/石川孝人 監督/小野登 
コウモリ男登場


第8話「のっぺらぼうが火をふいた」  1973.5.23
脚本/浅間虹兒 監督/小野登 
のっぺらぼう登場


第9話「ワラのお化けが笑う時」  1973.5.30
脚本/石川孝人 監督/小野登 
妖怪ワラ人形登場


第10話「河童の皿の光るとき」  1973.6.6
脚本/浅間虹兒・小谷正治 監督/小野登
河童登場


第11話「三ツ目の一ツが飛んでくる」  1973.6.13
脚本/小谷正治・小池俊司 監督/小野登
三ツ目入道登場(頭目のみ目が黒く、他は黄や赤)


第12話「怪人ヨロイ武者の襲撃」
 (テロップは「怪人ヨロイ武者」)  1973.6.20
脚本/石川孝人 監督/小野登 
ヨロイ武者と郎等(豊臣家の亡霊)登場


第13話「輝け! 白獅子の星」  1973.6.27
脚本/石川孝人 監督/八束基 
狼仮面・カラカサ小僧・一ツ目・コウモリ男・河童登場


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*1:海音寺潮五郎(かいおんじ・ちょうごろう)の小説『天と地と』(68年)が、90年に角川春樹によって映画化された際のキャッチコピー。正確には「黒」が先の「この夏、黒と赤のエクスタシー」。国際進出を踏まえ、外人にも分かりやすいように上杉謙信軍を黒、武田信玄軍を赤の甲冑に統一した。