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ウルトラマンエース47話「山椒魚の呪い!」

ファミリー劇場ウルトラマンA』放映・連動連載!)


「ウルトラマンA 再評価・全話評!」 〜全記事見出し一覧


(脚本・石堂淑朗/山元清多 監督・古川卓巳 特殊技術・田渕吉男)
(文・久保達也)
 日原村に液汁超獣ハンザギランが出現するが、防衛組織・TAC(タック)が急行したときにはすでに姿を消し、日原村は家々は焼かれ、家畜は食い尽くされ、まさに廃墟と化したあとだった。
 付近を捜索する北斗・吉村・美川隊員は倒れていた少女を発見し、彼女に住み家の鍾乳洞を案内される。そこには祖父の坂上がいた。
 隊員たちに日原村をハンザキ――山椒魚(さんしょううお)が体を半分に裂かれても平気で生きていることからつけられた俗称――の超獣が襲ったことを聞かされた坂上


 「そうかそうか。ついに村の奴らにバチが当たったか!」


 と狂喜の声をあげる……


 第45話『大ピンチ! エースを救え!』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070310/p1)・第46話『タイムマシンを乗り越えろ!』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070319/p1)と比較的娯楽色の強い作品を書いた石堂であったが、今回はいつもの怨念と変人キャラ登場の石堂節が炸裂! といったところか。
 孫娘の小百合(さゆり)が坂上に「お金なんか借りるからよ」と発言していることから、坂上は多額の借金から土地も家も担保に取られ、鍾乳洞で生活するハメになってしまったようだ。
 暗い穴ぐら生活の中で、「村を追い出された」という坂上の村人たちに対する恨みは増幅し、村人たちの環境破壊から仲間たちを大量に失った坂上のペットの山椒魚・庄兵衛(椒兵衛?・しょうべえ)の怨念と融合して超獣ハンザギランが誕生する!


 自分と庄兵衛にひどい仕打ちをした村人たちが苦しみを味わうのを、坂上は「因果応報じゃ!」と表現する。
 が、まあそれを云うなら坂上が不自由な生活を強いられるのも「因果応報」「自業自得」であり、調子にのって自ら吹く笛で何度もハンザギランを暴れさせたあげく、危機が迫った小百合を守ろうとしてハンザギランの液汁に溶かされてしまうのもまさにそれである。


 「やっつけろ! わしを苦しめた村の奴らをやっつけろ!」


 と鬼気迫る表情で怪気炎をあげる坂上役の巌金四郎(いわお・きんしろう)
 (かつて東映の長編アニメでよく声優を務めていた。『西遊記』(60年)、『アラビアンナイト シンドバッドの冒険』(62年)、『わんぱく王子の大蛇退治』(63年)。円谷作品では『帰ってきたウルトラマン』(71年)第30話『呪いの骨神(ほねがみ)オクスター』(脚本・石堂淑朗)の松山役や『ミラーマン』(71年)第24話『カプセル冷凍怪獣コールドンに挑戦せよ!』の川村博士役なども好演)
 氏の演技はなかなかの見ものである。


 山椒魚の生命力が強いということから、ハンザギランはさしものエースによっても倒すことができず、巨大化の原因である太陽光をエースバリヤーで遮断することで元の姿に戻し、洞窟に封印するという退治方法に象徴されるように、全体的に『A』中最も地味な印象の作品ではある。
 石堂氏のこの手のネタも4クール目に入ってからでも何度かあっただけに、確かにパターン化の印象は否めない。まあ『A』に限らず終盤はどうしてもこういう小粒の作品が出てくるのよ(笑)。


 ただ強いて云うなら第45話から第47話にかけては冒頭で工業地帯や山村で生活する人々を描写したあとに突如超獣が出現、パニックになって逃げまどう人々……
 という展開が毎回成され、「日常」の中に突然「非日常」の世界が巻き起こるさまが実に丁寧にメリハリを持って描かれている。
 「非日常」を描くために「日常」の世界を綿密に描くのは、往年の東宝特撮映画を多数監督した故・本多猪四郎(ほんだ・いしろう)の手法であった。
 近年の特撮作品で逆に「日常」があまり描写されていないのは、本来は「非日常」だからあり得ないものをも、過剰に「リアル」に捉えようとしているからではないのだろうか……



<こだわりコーナー>
*ラストのナレーションで、祖父を失った小百合は竜隊長の姉の家に預けられたと説明されている。
 第23話『逆転! ゾフィ只今参上』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061012/p1)において、竜隊長は姉の家に甥が二人いると語っていたことをきちんと踏襲しているのだ
 (石堂はよく他人の脚本や設定を読まないと豪語して、それを真に受けているマニアも多いが、本心というよりも韜晦・偽悪としての物言いの側面も強いだろう〜その4。その3は、第45話『大ピンチ! エースを救え!』評(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070310/p1)にて・笑)。
 小百合はその子たちとその後うまくやっていけたのであろうか?


*液汁超獣ハンザギランは山椒魚の超獣化なので珍しく四足怪獣。その背中は、なぜか次作『ウルトラマンタロウ』(73年)第40話『ウルトラ兄弟を超えてゆけ!』に登場した合体怪獣タイラントの背中に転生を遂げた(笑)。


*視聴率19.4%


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2007年号』(06年12月30日発行)『ウルトラマンA』再評価・全話評大特集より抜粋)



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