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ウルトラマンメビウス最終回 最終三部作 48話「皇帝の降臨」・49話「絶望の暗雲」・50話「心からの言葉」  〜ありがとう!

『ウルトラマンメビウス』1話「運命の出逢い」 〜感激!感涙!大傑作!
『ウルトラマンメビウス』総論 〜『メビウス』総括・赤星政尚論!
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ウルトラマンメビウス』最終回 最終三部作 48話「皇帝の降臨」・49話「絶望の暗雲」・50話「心からの言葉」 〜ありがとう!


合評1 ~ウルトラマンメビウス終了……最終章に思うこと

(文・森川由浩)


 『ウルトラマンメビウス』(06)終了ということではあるが、今回は時間的都合もあり、最終章三部作(第48話〜第50話)のみについて語ろう。


 ストーリー展開はもちろん、それを彩る大悪として、これまで設定だけでしか存在してこなかった幻のキャラクター・エンペラ星人の登場、光を失いつつある太陽を元に戻すべく活躍するウルトラ兄弟など、確かに盛り上げてはくれたし、楽しめた。
 とはいえ、全てについて及第点ではなく、問題点もある。率直に言うなら盛り沢山の内容を消化しきれず、尚且つ物語の流れを見る側に確実に伝えるといった要素が欠如しているといった印象を抱かせた。「あの人物はどうなったのだ?」「あの状況後、彼はどうなったのだ?」と思わせるような描写不足を感じずにはいられなかったのだ。


 敢えて指摘するなら、第一章でのメビウスの正体をTVで公表したジャーナリスト・ヒルカワのその後や(彼はどうなったのか。特に彼は前のエピソードから数回に渡って登場しているだけに、あのまま何事も無かったように消えただけなのでは不満も残る。ましてやメビウスの正体を暴いたのだから、それ相応の退場劇というか、そういった描写がないと視聴者も物足りなくて納得できない)、第三章でのゾフィーとサコミズの合体・変身プロセス、その後の分離の描写が無かったのは、特にいただけない。


 なぜなら本作のシリーズ全体のセールスポイントに、サコミズ隊長の意味深な行動・言動、そしてその正体は何か? といった謎解きの要素があった。特に公式ホムペでもこれまで地球での人間体がなかった「ゾフィーの正体が明かされる」的なふれこみがアップされて、サコミズの「訳あり」で、尚且つ「すべてを見通している」そぶりから見ても、サコミズ=ゾフィー説に信憑性を与えていたのに、結局は最終決戦で一時的に憑依(ひょうい)しただけの存在でしかなかったのは、余りにも「肩透かし」を食らったという印象が否めなかった。確かに「サコミズ=ゾフィー」にはなったが、それは一時的なものでしかない。世間での盛り上がりやファンの期待に「無理矢理」帳尻合わせしたような印象も受けてしまう。


 最初の総監=隊長同一人物説はある程度は予測されていただけに、それに加えてゾフィー人間態というサプライズを期待するファンは多かった。「ウラシマ効果」で実年齢より若く見えるという状況設定、そしてなによりも宇宙航行中にゾフィーとのファースト・コンタクトを体験している過去は、それをプラスに運ぶ設定であり、第42話「旧友の来訪」放映時点ではまだ「サコミズ=ゾフィー」をある程度は感じ取ることができていた。
 GUYS(ガイズ)隊員の力を借りて甦ったメビウス、サコミズと合体しエンペラ星人を倒したゾフィー。戦い終わってサコミズと分離したゾフィーウルトラマンヒカリとともに故郷・ウルトラの星に帰っていった。これでサコミズ≠ゾフィーといった図式の念押しがなされた。

 
 今回の『ウルトラマンメビウス』「最終章三部作」は、かつての『ウルトラマンダイナ』(97)・『ウルトラマンガイア』(98)の最終回(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971211/p1)のように、未使用カットを再編集したディレクターズ・カット版ビデオでも発売するのだろうかも知れないが、もしそうなら嬉しいとは思うが、それは一歩引いて見返すと余りにも商業主義に走りすぎていて、普通の視聴者にとっては不親切だと思わせられる。


 それともう一つ言及したいのは、メビウスゾフィーVSエンペラー星人の折、メビウスを甦らせたGUYS隊員とサコミズ隊長が一同に並び、共に戦うシーンとして、ヒーローの中に宿った魂のようなイメージで映し出される場面がある。
 どこかしらデジャヴを感じるシーンだった。丁度10年前、似たようなシーンを見た。それは『ウルトラマンティガ』(96)の最終回(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961207/p1)だった。人間の精神的な力が奇蹟を起こすシチュエーションだが、それに範を得た(のだろう)のか、ここで人間とウルトラマンが手を結び、共に戦う術(すべ)として用いられた。
 ここには改めて『ティガ』の影響の大きさ、強さを感じた。紛れも無く『ティガ』は平成の「初代ウルトラマン」、いや「平成初代ウルトラマン」、または「平成時代・初代ウルトラマン」であることを立証したと痛感させられた。平成ウルトラシリーズがこれまで描かなかった「M78星雲・光の国」ウルトラマンワールド(『ウルトラマンネオス』(00)『ウルトラマンマックス』(05・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060311/p1)を除く)を復活させた『ウルトラマンメビウス』も、間違いなく平成ウルトラマンなのであるということの象徴にも見えた。


 最後に総論的に述べるなら、本作は過去のウルトラマンOBの素顔の戦士を含めての登場(タロウ除く)、旧作怪獣の復活、といったイベント性が実現したオールドファンにとっての理想や夢を映像化した作品の存在としてのアイデンティ、そのイベント性を絡めた全体のストーリー構成・展開は大いに評価できる。
 しかしそれが視聴率、マーチャンダイジングに決してイコールしなかった面のマイナス面、至らなかった結果を肝に免じ、次展開に反省材料として生かさないと、もう「ウルトラマン」シリーズ新作の製作は出来なくなるだろう。特に連続テレビシリーズとしては。
 「商業作品」として考える「ウルトラマン」として見れば、『ウルトラマンメビウス』は及第点ではないからだ。予想以上に売れなかった各種玩具、全国ネットからローカル枠への降格(しかも未放映地域が主要都市放映終了後の今もある)、1.5%という関東での最低視聴率、それ故以後バンダイ以外付かなかったスポンサー等……(一時的にセイカノートなどが付いたが、最後まで続かなかった)。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2007年春号』(07年4月22日発行)『ウルトラマンメビウス』最終章・合評②より抜粋)


合評2 ~『ありがとう! ウルトラマンメビウス

(文・久保達也)

ウルトラマンメビウス』第48話『最終三部作Ⅰ 皇帝の降臨』

(脚本・長谷川圭一 監督・アベユーイチ 特技監督・菊池雄一)
最終三部作Ⅰ 皇帝の降臨


 宇宙空間で赤々と燃えあがる太陽。その表面に不気味な黒い染みが広がっていく。


ウルトラマンメビウスの正体はこいつだ!」
「GUYS(ガイズ)に宇宙人潜伏!!」


 ゴシップ週刊誌に躍る文字。その署名は、第28話『コノミの宝物』(脚本・長谷川圭一 監督&特技監督小中和哉)と第44話『脅威のメビウスキラー』(脚本・赤星政尚 監督・小原直樹 特技監督菊地雄一)に登場して、第45話『エースの願い』(脚本・長谷川圭一 監督・小原直樹 特技監督菊地雄一)ではミライ隊員の正体がウルトラマンメビウスであると知ってしまった、性悪のゴシップ週刊誌記者・ヒルカワによるものだった!
――映像に出てきた週刊誌記事の末尾の署名によると、漢字表記は蛭川光彦。下の名前は氏が『ウルトラマンネクサス』(04年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20041108/p1)で演じたナイトレーダー隊員・石堀光彦から取ったものになっている(笑)――

 
 太陽が異常活動を起こす中で、本作の放映組織・クルーGUYS(ガイズ)の宇宙支部であるGUYSスペーシーの防衛ラインを突破して、宇宙からワシントン・モスクワ・北京・パリ・ロンドンといった世界主要国の首都に、13体ものロボット怪獣・無双鉄神インペライザーが出現した!


 ロボット怪獣インペライザーは第29話『別れの日』~第30話『約束の炎』(共に脚本・赤星政尚 監督・佐野智樹 特技監督鈴木健二 http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061203/p1)の前後編でも、1体だけでウルトラマンメビウスメビウスの故郷での教官でもあった往年のウルトラマンタロウを苦戦させたほどの強敵だ!


 GUYSの我らが日本支部・GUYSジャパンが出撃しようとしたそのとき、世界各国にドスのきいた謎の声がどこからともなく重々しく響き渡った!


謎の声「予(よ)は皇帝! この宇宙に君臨する者! 地球人に予の意思を伝える! ウルトラマンメビウスを追放せよ! 奴は人間に化け、ある場所に潜伏している! 奴を捜し出せ! 地球人自らの手で差し出すのだ!」


 そして、東京のインペライザーが幅広の高層ビルの中心部だけをブチ破って歩を進め、頭部の左右の砲口から赤い光弾を連射して進撃を開始した!


 最終3部作というスペシャルな回にふさわしく、いつもは寂しい特撮美術セットが、今回にかぎってイベント編の第29話『別れの日』同様に、複数の競合他社から借りてきたとおぼしき、精巧な出来のさまざまなかたちの多数のミニチュア――ビル・高速道路・信号・標識・自動車・ガードレール・樹木など!――で隙間なく埋め尽くされていて、ゴージャス感を出している――90年代後半の円谷プロファンクラブ会報に、映画『ウルトラマンティガウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』(98年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971206/p1)の特撮現場ロケ記事でその旨の記述があったので、『メビウス』でもこれらのビルが毎回は登場しないということは、金銭を払って複数の他社から借りてきているものなのだろう――。


 猛威をふるうロボット怪獣インペライザー!


 ウルトラマンメビウスが空中高くから華々しく登場し、そのままインペライザーの背中に猛烈なキックを見舞う!


 吹っ飛ぶインペライザー!


 倒れたインペライザーに連続チョップを喰らわし、足を押さえつけてパンチ攻撃をかけるメビウス


 辛くも起き上がったインペライザーはメビウスを吹っ飛ばし、赤い光弾を連射!


 メビウスは両手を手前に突き出して、円形の光のバリヤー・メビウスディフェンスサークルを張ってこれを防御する!


 GUYSの大型戦闘機・ガンフェニックスが両翼からのレーザー攻撃でメビウスを援護!


 インペライザーがひるんだすきに、メビウスは右足、さらに左足で連続キック攻撃!


 メビウスが頭部につかみかかる!


 すると、インペライザーはバタバタしながら周囲に赤い光弾を撃ちまくった!


 インペライザーはメビウスの左足をつかんで、左腕、さらに右腕でメビウスを殴打する!


 インペライザーが左腕から繰り出す連打で吹っ飛ばされてしまうメビウス


 だが、メビウスは連続バック転を繰り出して後ろ向きにインペライザーに接近し、右足で飛び蹴りを喰らわした!


 宙を高く回転してインペライザーの後方に着地するメビウス


 メビウスは逃げようとするインペライザーに回し蹴りを喰らわして、大きく投げ飛ばした!


 そして、メビウスは全身を燃え上がらせ、強化形態であるウルトラマンメビウス・バーニングブレイブへとタイプチェンジする!


 大空高く舞い上がって、全身を高速ドリル回転させ、突き出した右足先から全身を燃え上がらせる!


 第34話『故郷(ふるさと)のない男』(脚本・赤星政尚 監督・小原直樹 特技監督菊地雄一 http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061224/p1)で、ウルトラマンレオの薫陶(くんとう)にて習得し、光波宇宙人リフレクト星人を倒したメビウススピンキックを今また繰り出した!


 立膝をついて着地したメビウスの後方で、ドテっ腹に風穴の開いたインペライザーは大爆発を起こす!


 近年のウルトラシリーズの主題歌の中でも珠玉の名曲といえる『ウルトラマンメビウス』が高らかに流れる中、たたみかけるようなテンポで展開される、極めてスピーディーなメビウスとインペライザーのバトルアクションはあまりにカッコよい! こういったカッコよさこそが、変身ヒーロー作品の最大の醍醐味なのである!


 だが、勝利の余韻も束の間、空間転移によってさらに2体のインペライザーが出現した!


 両者がメビウスに向かって赤い光弾を発射!


 一体のインペライザーが右腕でメビウスをド突くと、メビウスはお返しに蹴りを喰らわし、光弾を発射したもう一体に地上を回転して接近する!


 だが、反対側の一体が発射した光弾がメビウスに命中した!


 この一連の場面の一部が、ミニチュアの上下2段の高速道路のガード下から覗くようなアングルで撮られているのが秀逸である!


 遠方のメビウスVSインペライザーのバトルがまさに人間目線で映し出されて、臨場感を醸(かも)し出しているのだ!


 一体のインペライザーが振り降ろした盾(包丁?)のような右腕!


 それをメビウスがつかみあげる!


 インペライザーは左腕でド突いて、メビウスが吹っ飛ばされる!


 さらに、もう一体のインペライザーが右足で蹴りを喰らわし、倒れたメビウスを何度も踏みつける!


 メビウスの活動時間の限界を示す、胸の中央にあるカラータイマーが赤く点滅して鳴り響き出す!


 大型戦闘機・ガンフェニックスがレーザー攻撃で援護するも、インペライザーは右腕の盾でこれを振り払った!



GUYS作戦室のサコミズ隊長「メテオール、解禁!!」


コクピットリュウ隊員「インビンシブルフェニックス! パワーマキシマム!!」


 昭和の歴代ウルトラシリーズの侵略宇宙人たちの円盤群の残骸から取得した超絶科学・メテオールで、黄金に輝いたガンフェニックスのエネルギー波攻撃・インビンシブルフェニックスが発射された!


 この攻撃により、一体のインペライザーが大爆発を起こした! GUYSが怪獣インペライザーをついに倒したのだ!


 連られてもう一体のインペライザーが衝撃で吹っ飛ばされて、メビウスが解放される!


 メビウスはガッツポーズを取って全身を炎で包んで、赤い光弾を連射するインペライザーに突進してつかみかかった!


 両者が紅蓮の炎に包まれる!


 第30話『約束の炎』でウルトラマンタロウが30数年ぶりに地球で披露してインペライザーを倒した最強の自爆必殺技・ウルトラダイナマイトを、第43話『脅威のメビウスキラー』でメビウスが咄嗟に模して、『A』第14話『銀河に散った5つの星』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060805/p1)に登場した悪の人型ロボット・異次元超人エースキラーの後継機である異次元超人メビウスキラーを葬ってみせた、自身の寿命も縮めてしまう禁断の自爆技! その第43話の敵でもあった暗黒四天王のひとりに成り下がった異次元人ヤプール命名(笑)されることになった新たな必殺技「メビュームダイナマイト」の再披露だ!


 インペライザーは苦悶のような機械音を上げながら何度も大爆発を起こして、空に高々と火柱が吹き上がった!


 その光景をビル街からカメラを引いたアングルで捉えているのがまた効果的だ!


 自身の体を自爆させて空に散っていった光の粒子が舞い戻って結集してメビウスの体へと復元した。しかし、さすがにすっかり体力を消耗してしまったメビウスはがっくりと膝を落とし、活動限界を示すカラータイマーの点滅が激しくなる!


 そこに、なんとまた別の4体目のインペライザーが出現! 赤い光弾を連射しながらメビウスに迫ってくる! カラータイマーがせわしなく鳴り響いて、ついにメビウスは消滅してしまった……


 ヒーローの敗北に愕然としてしまう群集に対して、空の彼方から勝ち誇ったような謎の警告の声が発せられた……


謎の声「見てのとおり、メビウスを倒すことなど造作もない! 即座に地球を滅ぼすことも可能だ! メビウスを地球より追放せよ! 要求を飲むなら、あらゆる脅威から、予が地球を守ると約束しよう。タイムリミットは3時間! それまでに地球人の賢明な答えを待とう!」



 国家安全保障局のシキ(演・斉藤洋介)がGUYS基地・フェニックスネストを来訪してきた。そして、地球に迫る危機を回避するため、GUYSに対してミライの引き渡しを要求した!


シキ「『地球はわれわれ人類、自らの手で守り抜かなければならない』。かつての防衛チーム隊長が残した言葉です。ご存じですね。ウルトラマンといえども、宇宙人です。未知なる存在に地球防衛の一翼を任せることに、疑問を感じなかったんですか?」
リュウ隊員「疑問なんてありません! メビウスは、いやミライはオレたちの仲間ですから!」
シキ「仲間? GUYSはいつから仲良しグループになったんですか?(嘲笑)」


 オオッ! 「仲良しグループ」という言葉! これはネット上の巨大掲示板2ちゃんねるなどで、われわれのような小ウルさいリアル志向の特撮マニア諸氏が『メビウス』を批判や揶揄をする際に用いてきた語句ではないか!? 作り手側のわれわれに対するイヤミなのか!?(笑) でも、90年代後半にはリアル志向を信じて疑っていなかったとおぼしき、平成ウルトラ3部作の立役者でもある本話の脚本家・長谷川圭一がそれを云うのはなぁ(笑)。


 いやまぁ、本当にリアリズムで考えれば「仲良しグループ」という揶揄や批判は正論のツッコミではあるのだ。でも、『メビウス』はしょせんは子供向けのジュブナイルなのであり、描くべきテーマが「友情」なり「絆」なりといった精神主義的・道徳的なものでもあるのだから、そのテーマが要求する目的からして、若者たちの仲良しグループ・大学サークルノリの描写になっているともいえるのだ。
 昭和ウルトラシリーズの歴代防衛チームも、あるいは『ウルトラ』ではないけど警察ものや刑事もののドラマだって、「家族ノリ」であったりして、本当の意味でのリアルな警察・軍事組織としての描写はされていないのだから。でもまぁ、スタッフ側でもそれはわかっていて、あえてやっているのだと一度は主張するためには、このようにエクスキューズ的にセルフツッコミしておいた方がよいのかもしれない!


シキ「ウルトラマンメビウスの引き渡しを要求します!」


テッペイ隊員「脈拍360、血圧400、熱が90度近くもある。今のミライ君は、人間の身体を維持することすら難しくなってきている」


 
 「脈拍360、血圧400、熱が90度近くもある」というセリフ。もちろん、ふつうの人間の脈拍・血圧・体温ではないだろう。あまりにもな異常な数値にすぎて、元ネタがわからない年長者がこのセリフを聞いてしまうとギャグに聞こえて台無しになってしまう可能性もあるものだ。
 これは長年のウルトラシリーズのマニア諸氏であればご承知のとおりで、『ウルトラセブン』(67年)第48話『史上最大の侵略(前編)』において、セブンこと主人公モロボシ・ダン隊員が宇宙パトロールに向かったウルトラホーク2号の機内で、自らの極度の体調不良を指して語ったセリフの引用でもあったのだ。ちなみに、原典ではこのセリフのあとに、ダン隊員は幽霊怪人ゴース星人の宇宙船が地球侵入するのを許してしまう。本作でもメビウスがそれだけ体調に重大なダメ―ジを負っていることを、このセリフで表しているのであった。


 隊員たちがミライ隊員の引き渡しに抵抗する中で、あのGUYSジャパンの上官・トリヤマ補佐官が集中治療室のミライの許に向かおうとするシキの前に立ちはだかり、意を決したまじめな顔で意外なセリフを口にする! 一瞬、BGMが止まり……


トリヤマ「私は知っている! ヒビノ・ミライという青年を! 彼は不器用だが、誰より一生懸命だ! 誰よりやさしく、誠実だ!」
シキ「(冷たく)どいてください」
トリヤマ「彼は私の……、かけがえのない部下だ!!」


 これまで完全なコミカルキャラだったトリヤマ補佐官に、最後の最後でこんなカッチョいいセリフを吐かせて見せ場を作ってあげるあたりが、やはり『メビウス』の粋(いき)なところで、ベタでも泣かせるのだ!


シキ「それはGUYSジャパン補佐官としての言葉ですか? それとも、あなた個人の言葉ですか?」
サコミズ隊長「(作戦室に入ってきて)今のはGUYSジャパン総監の意思を、代弁した言葉です」
シキ「お久しぶりですねえ…… サコミズ総監」
一同「総監!?」


 こんなところでGUYSの総監が実はサコミズ隊長であったことが明らかとなった! 一同が驚くのは当然だが、当のサコミズ自身が意外にケロッとしているところも面白い!


サコミズ「GUYSジャパンの総監は……、私なんだ」
リュウ「どうして、今まで……」


 バツの悪そうな顔をして、右手の指で右眉をかくサコミズがまたカワイイ(笑)。


サコミズ「(言葉に困って吐息)いっしょにいたかったからだ。私もウルトラマンといっしょに戦いたかったからだ。君たちとともに…… それだけだ」
シキ「よろしいですか。政府として、ヒビノ・ミライの引き渡しと、あなたの辞任を要求します」
リュウ「ちょっと待って下さい!」
サコミズ「その前に、総監として最後の仕事をさせて下さい」


 そのとき、宇宙空間では、本作の第11話から登場した青いウルトラマンことウルトラマンヒカリが、太陽の表面に広がり続けている巨大な染みがただの太陽黒点ではないことに気付いていた……


 総監としての最後の仕事。それは地球に迫る危機を迎えた市民に対して、メッセージを伝えることであった。


 これが本話の本編における最高のクライマックス! サコミズ役の田中実の『メビウス』での一世一代の名演技が光るのだ!


 GUYS基地の一室にテレビカメラが据えられて、いつもの隊員服ではなく士官服で正装したサコミズが演台につく。


「みなさん、クルーGUYSジャパン総監、サコミズです。タイムリミットまで一時間。まず最初に伝えるべきことがあります。


 (ウルトラマンメビウスは、クルーGUYSの一員です。


(街頭巨大テレビを観ていた観衆がどよめく!)


 今、多くの人が驚き、動揺しているでしょう。ですが少しだけ、私の個人的な話を聞いて下さい。


 むかし私が、亜光速で宇宙を飛んでいたとき、侵略者から地球を守るため、人知れず戦っているウルトラマンを目撃しました。


――第42話『旧友の来訪』(脚本・谷崎あきら 監督・佐野智樹 特技監督鈴木健二)で、初代『ウルトラマン』(66年)の防衛組織・科学特捜隊の隊員としてサコミズが搭乗している戦闘機・宇宙ビートルに迫ってくる円盤群を、ウルトラ兄弟の長男・ゾフィーが必殺技であるM87光線で次々に粉砕していくシーンが回想として流れる!――


 そのとき、彼は言いました。


 いずれ人間が、自分たちと肩を並べる日が来るまで……、われわれが侵略者の盾になると。


 彼らは人間を愛してくれた。そして人間を、命がけで守り続けてくれた。私たちは……、その心に応える責任がある。


 地球はわれわれ人類、自らの手で守り抜かなければならない…… ウルトラ警備隊・キリヤマ隊長が残した言葉です。


 この言葉は、『ウルトラマンが必要でない』と云っているわけではありません。彼らの力だけに頼ることなく、私たちも共に戦うべきだと伝えているのです。


 最後まで希望を失わず、ウルトラマンを声援する。それだけでも、彼らと、共に戦っていると云えるのです。彼らに力を与えることができるのです」



 ここで、テレビのワイドショーに出演していたヒルカワの


「ヘッ、声援で勝てれば苦労しないぜ!」


という冷笑が入るのが上手いのだ。われわれのような小ウルさい特撮マニアがそのツッコミを入れるよりも前に、先に云ってしまう小気味よさ! もちろん、劇中では否定されるべき価値観として、女性司会に「静かに!」と抑えられてもしまうのだけど(笑)。


 そう、たしかにリアルに考えれば、声援が後押しをすることもあったとしても、声援だけで常に勝てるわけでもないことも事実なのだ。声援だけで勝てるという発想は、日本の戦前の物量や計算や作戦を無視した、単なる精神主義へと堕(だ)してしまうことも多いからだ!


 ただし、それは置いといて、人生の入口・門出に立ったに過ぎない子供たちには、まずは正義の味方を応援・声援することを教えるだけで充分ではないのかとも思うのだ。複雑な現実社会のことは、特撮ヒーローもの以外のジャンルや歴史小説、実際の人生で出会うさまざまな事柄から学んでいけばよいのだから…… 特撮ヒーローものでこそ、そのような厳しい現実を学ばせるべきだと考える気持ちもよくわかるし、われわれが思春期・青年期に遭遇して深甚なる衝撃を受けた歴代ウルトラシリーズのアンチテーゼ編のすばらしさやテーマ的な深さもよくわかるのだが、だとしてもそれもやはり程度問題ではあるだろう。



サコミズ「お願いします。今こそ勇気を持って下さい。侵略者の脅しに屈することなく、人間としての……意思を示して下さい。ひとりひとりの心の声に従い……、最後の答えを出して下さい……」


 ……この名演説に感銘を受けた子供や市民たちから、


ウルトラマンを追い出さないで下さい!」
メビウスを信じています! 私も弟も!」
「娘が最後までメビウスを応援すると!」


などの携帯からの電話。


「ガンバレメビウス! マケルナ人類!」
「正義は負けない」
「GUYSガンバレ!」


などのFAX。


「勇気」
「希望」
「仲間」


などの文字が踊るメール、ネット上の巨大掲示板への書き込みが殺到する!


 実にベタベタな描写ではある。媒体がFAXやメールやネット上の巨大掲示板であるあたりで、現代性もあるけれど。しかし、市民がひとつへと結束していく様子が端的に表現されて、胸にジ〜ンと来るものがあることもたしかなのだ。そして、その演出もまた、情感たっぷりで上手いのだ。


 思えばサコミズの名演説は、第2期ウルトラシリーズをも正当に評価するご同輩であれば自明のことであろうが、実は『ウルトラマンA(エース)』(72年)第27話『奇跡! ウルトラの父』(脚本・田口成光・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061105/p1)において、地獄星人ヒッポリト星人が火炎地獄や風地獄を起こして人類にウルトラマンエースの引き渡しを要求したことから、「星人を攻撃するな!」などと同作の防衛組織・TAC(タック)の専用車・タックパンサーを取り囲んできた市民に対して、


「これはTACと星人との戦いではない。人間と宇宙人の戦いです!」


などと説得し、ヒッポリト星人の脅しに屈することなく結束して戦うことを呼びかけた竜隊長を彷彿させるものであり、こちらのオーマジュでもあることがわかるだろう。


リュウ隊員「どんなことがあっても……、ミライを引き渡したりしない! それが、人間が出した答えです!」


 遂に日本政府もメビウスの引き渡し要求を拒否することを決定!(感動)


 これを電話で知らされたシキが一瞬、ホッとする表情を見せるのがまたポイントが高いのだ。トリヤマに対しては「あなた個人の言葉ですか?」と尋ねていたはずの憎まれ役に思えたシキもまた、自分個人としてはメビウスの引き渡しに反対であり、一見イヤな奴に見えながらも、政府の方針をGUYSに伝達せねばならない、つらい役目を負っていたのであった!(涙)


 これは最初からシナリオで指定されていたのか、現場でアベ監督か、シキを演じた斉藤洋介がアドリブで付け加えたのかは不明だが、登場人物が記号的・一面的な憎まれ役ではなく、一応の生身の人間の多面性が表現できており、ほんのわずかなカットとはいえ、これまた名場面となっている。


 シキが日本政府からの電話を受けるところからもう、ウルトラマンメビウスがバトルで危機を挽回する際に多用された爽やかで勇ましい主題歌アレンジ曲が流れはじめて、GUYS隊員たちが誇らしげに人々が出した結論をサコミズ総監に伝えに行くシーンにつなげており、アベユーイチ監督による演出も冴えわたっていた!



謎の声「地球人は背(そむ)くというのだな! 予の命令に!!」


 地球人の出した解答に業を煮やした謎の声が、東京で停止していたロボット怪獣インペライザーを起動させた!


謎の声「ならば教えよう! 貴様らが、いかに愚かで浅はかであるかを!」
テッペイ隊員「世界各地でインペライザーが一斉に起動!」
コノミ隊員「各国GUYS、迎撃を開始しました!」


 この様子はモニターのシミュレーション画面で表示されるだけなのが残念だが、東京だけではなく全世界規模で危機が迫っていることが一応は表現されて、一層のスケール感を醸し出しているところは良い!――もちろん、実写特撮の新撮映像で世界各国都市で再起動しだしたインペライザーと各国GUYSとの戦闘を描いてほしかったが、予算の問題なのだろう(汗)――


ミライ隊員「僕はここだ! ここにいるぞ!!」


 瀕死の重傷を負っているはずのミライが、地球人が出した解答に報いるために、フラフラになりながらもビルの屋上からインペライザーに向かって叫ぶ!(泣ける!) 屋上からインペライザーを捉えた主観カットもまた絶妙な効果を上げている!


ミライ「メビウ〜〜~~ス!!!(変身時の掛け声!)」


 ミライはウルトラマンメビウスへと変身して、空中回転して着地した!


 だが、ファイティングポーズを構えるも、「ハァハァハァ」と息が荒いメビウスを描くことで、エネルギーが消耗していることをも含意させている。


 そんなメビウスを援護するため、戦闘機・ガンフェニックスが超絶科学・メテオールを発動させて、先にインペライザーを倒した黄金色のエネルギー波攻撃・インビンシブルフェニックスパワーマキシマムを放った!


 しかし、宇宙から高速で飛来した赤黒い火の玉がそれを打ち砕いてしまった!!


エンペラ星人「予は、エンペラ星人!」


 上空から地上の高層ビル群を見下ろして捉えた主観カットに地獄のような声が響き渡る! 姿は見せないが、これだけでも迫り来る敵が強大であることが充分に表現されている!


 そして、空から飛来した火の玉がガンフェニックスを直撃! ガンフェニックスは火花を散らして回転しながら不時着してしまう!


 メビウスもまた、インペライザーが放った火球の直撃を喰らってしまう!


作戦室のサコミズ「リュウ!! ジョージ!! マリナ!! ミライ〜〜~!!!」


 メビウスは両腕をクロスしてインペライザーの火球を防御しようとする! 


 しかし、ふだんの力が出せないメビウスはこれを防ぐことができなかった!


 インペライザーは頭部中央のカメラアイを高速回転! メビウスに黄色いレーザー攻撃を浴びせかけた!


 宙を遠くまで吹っ飛び、建設中のビルに落下するメビウス


 遂にインペライザーは上半身を高速回転! 周囲に砲弾の雨を降らせる! 次々と爆発炎上していくビル群!!


 太陽をバックに暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人の声が響く……


エンペラ星人「フハハハ…… 見るがいい! これが貴様らの選んだ結末だ! ハハハハ、ダ〜ハハハハ……」


 ちなみに、エンペラ星人の声を演じる内海賢二氏は『ウルトラマンパワード』(93年にバンダイビジュアルからビデオ作品としてリリース・95年にTBS系の一部で放映)で防衛組織・W.I.N.R.(ウィナー)のラッセル・エドランド隊長の声を吹き替えていた。しかし、ウルトラシリーズでははるかむかしに原点『ウルトラQ』(66年)第5話『ペギラが来た!』において、南極越冬隊の鈴木副隊長の声を吹き替えている(演技自体は黒木順という役者が担当)。


 この時点では声だけの存在なのに、圧倒的強さ・優勢さ・絶望感が充分に表現されているのは、もちろん内海氏の功績も大きい。とにかく、本編・特撮ともに圧倒的な危機感を煽るだけ煽り立てているのがスゴすぎる!


 通常は次回予告編の直後につくミニコーナー「メビナビ」も省略されて、次回へとつづく……


ウルトラマンメビウス』第49話『最終三部作Ⅱ 絶望の暗雲』

(脚本・赤星政尚 監督・佐野智樹 特技監督原口智生
最終三部作Ⅱ 絶望の暗雲


男の子「メビウス〜~! がんばれ〜~~っ!!」
ママ「がんばって〜~! ウルトラマ〜~~ン!!」


 サコミズの演説に説得されて、最後まで希望を失わずにウルトラマンを声援することにより、ウルトラマンとともに戦う市民たち! おそらくは円谷プロファンクラブに招集されたエキストラであろうか? どことなくイケてない人が多いような気がする――もちろん筆者も含めた、われわれオタク族自身の自画像ではあるのだ(笑)――。


 ちなみに、ママを演じたのは『ウルトラマンネクサス』で防衛組織・ナイトレーダーの平木詩織隊員役だった五藤圭子だ。彼女が妙に浮いて見えてならない(笑)。


 フラフラだったウルトラマンメビウスが市民の声援を受けたことで気を取り直して一気にパワーアップ! またまたウルトラマンメビウス・バーニングブレイブに強化変身して、またまたメビュームダイナマイトでインペライザーを吹っ飛ばした!! 歓喜に沸く市民!


 ほとんどご都合主義による復活&勝利以外のなにものでもないのだが(笑)、とにかくオイシいところをめいっぱい本気でやる! それが視聴者にウケさえすれば全然オッケーなのである!


 フラフラになってジョージとマリナ両隊員に抱き抱えられたミライ隊員に、人々が遠巻きに心配そうに集まってくる。先ほどメビウスに声援を送っていた男の子も注目してくる。


男の子「ママ。メビウス、あのお兄ちゃんなの?」
ママ「そうよ」


 男の子がミライの許に駆け寄る。


男の子「ありがとう」
ミライ「(笑顔)」


 「ありがとう」の言葉は、ミライが地球に来て初めて耳にした言葉でもある。第1話『運命の出逢い』(脚本・赤星政尚 監督・佐野智樹 特技監督原口智生)冒頭(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060625/p1)において、女の子がうっかり手放して宙に舞い上がった風船をキャッチして手渡してあげたときに女の子が発した言葉であった。ミライにとっては何よりも嬉しかったはずである。


 だが、ミライは担架で運ばれていく!


 その間にもGUYSスペーシーが太陽黒点上に未知の高エネルギー反応を検出! ものすごい速度で太陽を浸食していることが判明する。


 そして、世界各都市から残りのインペライザーが日本のGUYS基地の周辺3キロ以内に瞬間移動で出現した!


 第1話ほかでも流れされた怪獣警報が街中に鳴り響く……


民衆A「メビウスがやっと倒したばかりなのに……」
民衆B「あきらめるな。オレたちにはまだGUYSがいる!」


 GUYS作戦室の警報も鳴る!


マル補佐官秘書「周辺住民の避難を急ぎます」
トリヤマ補佐官「(神妙に)お任せください。サコミズ総監」
サコミズ「いや、今は…… 隊長と」


 そこに、渋い男性コーラスオンリーのBGMが流れ出して……


トリヤマ補佐官「(一瞬だけ笑顔になって、すぐ真顔に戻り)ハイ、誰ひとり犠牲者は出しません! サコミズ隊長!!」


 サッと持ち場に向かうトリヤマとマル。ウウッ、BGMも相まってトリヤマことトリピーにはまた泣かされてしまった……
 

 ビル街のインペライザーが再び起動し、左手が回転ドリルに変形して、踏切で緊急停車していた電車を蹴り飛ばして、GUYS基地・フェニックスネストに向かって進撃を開始する! 人々は粛々と逃げていく。
 ウルトラシリーズで鉄道破壊が描かれたのも随分と久しぶりだろう。少なくとも警報機が鳴る踏切が登場するのは、『ウルトラマンA』第11話『超獣は10人の女?』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060731/p1)以来のことではないのか!?


 フェニックスネスト周辺では、緑色系の迷彩色の2×3連装のミサイルランチャー群が起動を開始!

 
 フェニックスネストに迫ったインペライザーを戦車隊が包囲!


 そして、『ウルトラマンA』第39話『セブンの命! エースの命!』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070129/p1)で火炎超獣ファイヤーモンスを倒したTACの新兵器シルバーシャークの発展形であり、『メビウス』第16話『宇宙の剣豪』(脚本・赤星政尚監督&特技監督原口智生http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060928/p1)でも登場して、『ウルトラマン80(エイティ)』(80年)第6話『星から来た少年』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100606/p1)に出演したエイティこと矢的猛先生の教え子・大島明彦くんが発見したとウラ設定されていた、地球に迫ってくるオオシマ彗星の破片を迎撃してみせた2連装の砲口を持つレーザー兵器・シルバーシャークGも、地下の格納庫から2基がせり上がってきて起動準備を完了した!


サコミズ「ウルトラマンの心に……、そしてミライの頑張りに応えよう。ウルトラマンを信じた人々の心を無にしないためにも! ……GUYS!! サリーゴー!!!」
隊員一同「G・I・G!!!」


 各種形状のミサイルランチャーが一斉砲撃!!
 戦車隊が一斉砲撃!!


 ミリタリックな描写を嫌悪したり、それによる右傾化を危惧する向きもあるのだろうが、これぞ怪獣映画の醍醐味なのだ!(笑)


 シルバーシャークGのレーザー光線がインペライザーに命中して背中から倒れる!


 しかし同時に、インペライザーはドリルアームを射出して、シルバーシャークGのうちの1基に損傷を喰らわした!


 だが、倒れたインペライザーの右後ろに、もう一体のインペライザーが空間転移で出現した!


 ミサイルランチャー群や戦車隊はもう一体のインペライザーを攻撃するも、反撃にあって壊滅!!


 インペライザーはまたも上半身を高速回転させて黄色いレーザーを四方にブッ放す!


 レーザーは基地周辺の施設群はおろか、フェニックスネストまで直撃する!


 フェニックスネストはフライトモードへの変形が不能に陥(おちい)ってしまう!


 基地地下の粒子加速機までもが破損したことで、正義のマケット怪獣ウインダムやミクラスを超エネルギーで実体化させて出動させることも不可能になる!


 フラフラになったミライが作戦室に入ってくる……


ミライ「僕もいっしょに戦います!」
リュウ「おまえ、今の自分の状態わかってんのか!?」
ミライ「地球の人たちは、ウルトラマンメビウスを必要としてくれました。その想いに、僕は応えたい! それにここは、僕たちの想い出の場所ですから!」


 この期(ご)に及んでも、何という健気(けなげ)さ! ミライはいったいどこまでピュアなのであろうか?


 だが、そんな感傷に浸っている場合ではない! インペライザーはフェニックスネストのすぐそばまで迫っていた!


 インペライザーが頭部のカメラアイを高速回転させて、黄色いレーザーを浴びせようとしたそのとき……


「ジョキーーーン!」(ウルトラセブンのブーメラン切断技アイ・スラッガーの効果音と同じ音!)


 風穴の開いた作戦室から、ニヤリと笑う巨人の大きな口と歯が見渡せた。


 そして、頭部から左右真っ二つに裂けていくインペライザーの姿も……


 インペライザーを斬り裂いた刀の柄を軽く叩き、鍔(つば)を鳴らすと左右でインペライザーが爆発!!(カッチョええ〜〜!!)


ミライ「ザムシャー!」
ザムシャー「勘違いするな。貴様は俺が斬ると決めた相手だ!」


 このおもいっきりのお約束のセリフがたまらん! 先述の第16話『宇宙の剣豪』に自分が宇宙一強い者であることを証明したいがために、メビウスに決闘を申し込んだ宇宙剣豪ザムシャーのいかにもなセリフだ!


 殺気を感じて、愛刀である「星斬丸(ほしきりまる)」を構えるザムシャーの前で、インペライザーの破片が宙に舞い、さらにはグシャグシャに潰れていく。


 「なにが?(起きたのか?)」と前のめりに倒れそうになったミライを支えるように突然、作戦室に姿を現した、第36話『ミライの妹』(脚本・赤星政尚 監督&特技監督・村石宏實)に登場したゲスト宇宙人であるサイコキノ星人のカコちゃん!(女子中学生姿!)
 そして、第7話『ファントンの落し物』(脚本・赤星政尚 監督・梶研吾 特技監督・菊池雄一・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060705/p1)に登場した健啖(けんたん)宇宙人ファントン星人も作戦室に出現!


ファントン星人「キエテ、コシ、キレキレテ(ボク キミ トモダチ)」
カコ「わたしは…… ミライの妹だもん」


 くう〜〜〜っ。各人のお約束のセリフが泣ける(笑)。


 中途半端な破壊だと復元してしまうインペライザーの破片を、宇宙に放り出したのはカコちゃんの「PK波」――PK=サイコキネシスの略。メビウスを金縛りにして、土くれから怪獣を作り出すほどの強大な念動力だった!――、そして破片を潰してしまったのは「無限食糧シーピン929」をカボチャくらいのサイズに縮小する、高度な圧縮技術を持ったファントン星人だったのであった! 以上、映像ではわかりにくいが、番組公式ホームページの「WEB(ウェブ)メビナビ」での説明によれば……(笑)。


 伏線もなしに再登場したザムシャーはもちろん、同じく伏線もなしにカコちゃんとファントン星人の再登場も、嬉しいことは嬉しいけど、これまた唐突だ(笑)。
 もちろん、最強の強敵に対抗して、それまでのシリーズに登場してきたゲストキャラクラーが再登場するのはお約束の展開だが、テレビアニメなどではともかくウルトラシリーズではそのへんが弱かったので、この処置自体もスナオに嬉しい。過去のゲストが再登場することでのカタルシスや、友情・絆テーマを賞揚することもできるのだし!


 しかし、着ぐるみの宇宙人2体――ザムシャー&ファントン星人――と顔出しの子役ゲスト(カコちゃん)の3人だけの再登場というあたりで、『メビウス』という番組の予算がとても厳しいことをスレた大きなお友達としては如実(にょじつ)に察知できてもしまうけど(汗)。そこは大きな友達であればあるほど、わかった上であえて目をつむるか、手加減を加えたかたちで言及すべきなのだ!(笑)



サコミズ「(内心の声)見ているか!? エンペラ星人! これが、われわれが紡いできた絆だ!」


 と、そのとき、空に輝く光体が赤くなり、地上に降下してきた!


 赤黒い西洋梨のような炎の形をしたその中に、暗黒宇宙大皇帝・エンペラ星人の影が見えた!


 エンペラ星人が降下する先にあった、あまたのビルの窓ガラスが吹っ飛び、次々とビル群が大爆発・大炎上!!


 これも予算の都合だろうが、先のインペライザーによるフェニックスネスト攻撃も含めて、


・『ウルトラマンティガ』(96年)第3話『悪魔の預言』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961201/p1
・映画『ウルトラマンティガウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』(98年・松竹・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971206/p1
・映画『ウルトラマンティガ ファイナル・オデッセイ』(99年・松竹・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961209/p1
・『ウルトラマンダイナ』(97年)第34話『決断の時』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971208/p1
・『ウルトラマンガイア』(98年)第20話『滅亡の化石』


などから爆破シーンを大量に流用している!――ケチをつけているワケではない。われわれのような腐れオタクにしかバレないから大丈夫だ!(笑)――


・『ウルトラセブン』第49話(最終回)『史上最大の侵略(後編)』における、ゴース星人の地底ミサイルで世界各都市が壊滅する場面は、東宝特撮映画『世界大戦争』(61年・東宝)の流用だった!
・初代『ウルトラマン』第13話『オイルSOS』における、油獣ペスターがコンビナートを襲撃する場面は、第16話『科特隊宇宙へ』で早くも流用されていた!(笑)
・『帰ってきたウルトラマン』(71年)第13話『津波怪獣の恐怖 東京大ピンチ!』~第14話『二大怪獣の恐怖 東京大竜巻』と、『ウルトラマンA』第2話『大超獣を越えてゆけ!』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060515/p1)まで、東宝怪獣映画『空の大怪獣ラドン』(56年・東宝)のバンクは流用されていた!


 他社作品だが、東映の『ジャイアントロボ』(67年)第3話『宇宙植物サタンローズ』でサタンローズの触手が絡みついてガソリンスタンドが炎上する場面などは、少なくとも東映メタルヒーロー『巨獣特捜ジャスピオン』(85年)の時点まで20年近くも流用されていたのだぞ(笑)。


 20世紀の東映特撮ヒーローのように、各話で毎回、同じバンクフィルムを流用していれば、子供たちにもすぐにバレてしまって問題なのだが、そうではない流用であれば過半の視聴者には気付かれないのだし、われわれもシラケることなくその大迫力の特撮シーンの久々の流用にひたれることができるのだ!(笑)


 別のビルのガラスの鏡面状の壁面に、ゆっくりと降下してきたエンペラ星人が映し出されている描写もカッコよい!


 大地に着地すると、反動の凄まじい勢いで粉塵が空高く舞い上がる!


 そして、エンペラ星人が颯爽と伊達にマントを翻すさまも決まっていてカッコイイ!


 そのマントの風圧で、地上から宙へと巻き上がる猛烈な砂塵!


 炎に包まれたビル街の中心に、全身が漆黒のスマートな人型体型でありながらも目鼻口がわからず表情もわかりにくい、得体の知れなさを漂わしているエンペラ星人がすっくと屹立しているのだ!


 その姿は90年代の児童向け漫画『ウルトラマン超闘士激伝』(93〜97年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210131/p1ISBN:4835444094ISBN:4835444108[asin:4063216853])に、円谷プロ所属の丸山浩(まるやま・ひろし)デザインで円谷プロ公認としてデザインされたエンペラ星人の姿とは異なるそうだ。


(編:その姿はこちらで!・http://d.hatena.ne.jp/SHIKAIKILYOU/20070223/p1#seemore)(2019年現在、プライベートモードに移行済でした。移行先は以下のリンク。http://ugs02.hateblo.jp/


 映画『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』(06年・松竹・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070128/p1)では、1980年代に映画『ウルトラマン物語(ストーリー)』(84年・松竹・asin:B000H4W1CE)で育った世代向けのサービスでもあったのだろうか(?)、同作と同様にウルトラマンタロウの声が石丸博也ウルトラの母の声も池田昌子が担当されていた。
 同様にエンペラ星人のデザインについても、平成ウルトラ3部作直前の時期の90年代前中盤に児童漫画誌コミックボンボン』で連載されていた名作ウルトラマン漫画で育って、しかもウルトラシリーズのマニアにもなってくれた世代向けに、サービスしてあげてほしかったところではある。しかし、致し方(いたしかた)がない。『ウルトラマン超闘士激伝』が舞台としていた遠い未来におけるエンペラ星人の第2形態なのだとして、脳内補完をしてもらうことにしよう(笑)。


エンペラ星人「予は暗黒の支配者! ウルトラの父よ! 光の者たちよ! 遂に3万年前の決着をつけるときが来た!」


 ここで「3万年前」の語句が! そう、エンペラ星人がウルトラ一族の故郷である「ウルトラの星」こと「光の国」に攻め込んだ「ウルトラ大戦争」とは、往年の『ウルトラマンタロウ』第25話でも語られて、各種の子供向け「大百科」書籍などでも説明されてきたとおり、「3万年前」の出来事であることを、正しく踏襲してくれてもいるのだ!


 そして、ここで3万年前、エンペラ星人が怪獣軍団を引き連れてウルトラの星を襲撃し、ウルトラの父と一騎打ちとなった際の回想場面が遂にイラストなどではなく、新撮の映像として再現されるのだ!
 第1話の冒頭や第24話『復活のヤプール』(脚本・長谷川圭一 監督&特技監督・アベユーイチ・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061112/p1)の冒頭などにおける、あたり一面が黄金色のさざ波のようなCGイメージの背景で表現された「光の国」!


 ウルトラの父とエンペラ星人が剣と剣でスレ違いざまに斬りつけ合う!


 両者ともに脇腹に傷を受けて膝をつく!


 ウルトラの父と引き分になって、ウルトラの国の攻略が叶わなかったことを、エンペラ星人は実に3万年間も恨み続けていたのであった!


 エンペラ星人が指を鳴らすと、天空は暗雲で包まれる……


 漆黒の闇に覆われた空の下で、誰かを守るためではなく、ここでは自分が宇宙一の強い者であることを証明するためにエンペラ星人に立ち向かう宇宙剣豪ザムシャー!


 だが、さしものザムシャーもエンペラ星人が左手から発する念動力だけで吹っ飛ばされる一方であった!


 それを見たGUYS作戦室の中でカコちゃんも念動力を発揮する!


 しかし、それに気付いたエンペラ星人も念力を発揮して、カコちゃんを吹っ飛ばす!

 
 たまらず「僕が行きます!」と変身しようとするミライの左腕甲から出現せんとした変身アイテム・メビウスブレスも、エネルギー不足か一度は実体化しそうになっても粒子となって消滅してしまい、それだけでエネルギーを消耗したのかミライ自身も倒れこんでしまう!


 フェニックスネストを破壊しようと左掌を光らせるエンペラ星人!


 それを阻止せんと、ウルトラマンヒカリこと鎧(よろい)を装着したハンターナイトツルギが助っ人参戦!


 その身を盾にしてフェニックスネストを守る!


 だが、ザムシャー同様に、念動力の直撃を浴びてその場で倒れ伏す!


マル補佐官秘書「ウルトラマンヒカリ!」
ミサキ総監代行「セリザワさん!」


 オオッ、ここでウルトラマンヒカリと合体している、GUYSの前隊長でもあるセリザワの名前も、GUYS古参のミサキ女史が言及してくれているという、基本設定的にも「さもありなん」な嬉しさだ!


リュウ隊員「チキショウ! なんもできねえのか!? なんか手はねえのか!?」


 ここでの「なんもできねえのか!?」というリュウのセリフは、第1話『運命の出逢い』ラストでも発せられた「なんも守れてねぇじゃねぇか!?(怒)(中略) なんも守れなかった……(泣き崩れる)」という、地球に初登場したウルトラマンメビウスへの批判の言葉でありながらも、それはそっくりそのまま自身へとハネ返って、批判していた自分自身こそがまさに「なんも守れてねぇじゃねぇか!?」という、痛烈なる自己批判と自己嫌悪であった言葉とも通底しつつも似て非なる、しかして決してアキラめてはいないことを意味させているセリフである可能性は高いだろう。


 なにかを思いついて、大急ぎで作戦室から出て行くリュウ隊員!


 ノズルからバーナーオン! 急発進した戦闘機は、第1話の冒頭にも登場したGUYSの旧式戦闘機・ガンクルセイダーだった!


 それに気付いたエンペラ星人が、またもや念力攻撃をかけてくる!


 余談だが、この一連のシーンで滑走路脇に待機している多数の戦闘機は、『帰ってきたウルトラマン』(71年)の防衛組織・MAT(マット)の戦闘機マットアロー1号だ!――またもや「WEBメビナビ」によれば、マットアロー1号を改装したGUYSアローMA1型だとか! 今回登場したガンクルセイダーの機体の方にもウラ設定が付与されており、「メテオール搭載試験機」として「スペシウム弾頭弾」を装備したMX(METEOR EXPERIMENTAL)型、名づけてガンクルセイダーMXだそうだ!――


リュウ隊員「絶対、守るんだ! オレたちの想い出の場所を! 地球の未来を! 覚えているだろ!? この機体を!」


 「覚えているだろ!?」と語りかけた相手は、第1話冒頭で旧式戦闘機・ガンクルセイダーに共に搭乗して戦ったGUYS前隊長セリザワのことだ! そしてその叫びが、GUYS前隊長セリザワとも一心同体となっているウルトラマンヒカリこと、彼が鎧(ヨロイ)をまとった形態であるハンターナイトツルギを復活させるのだ!


・第2話『俺達の翼』(脚本・赤星政尚 監督・佐野智樹 特技監督原口智生http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060627/p1)での戦闘機の急上昇シーン


 そして、


・第17話『誓いのフォーメーション』(脚本・赤星政尚 監督・佐野智樹 特技監督・北浦嗣巳・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061001/p1
・第18話『ウルトラマンの重圧』(脚本・川上英幸 監督・佐野智樹 特技監督・北浦嗣巳・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061022/p1


で披露した、セリザワ前隊長&リュウがガンクルセイダーで散々に特訓してきた飛行フォームでもある、その初出は『ウルトラマン80』第13話『必殺! フォーメーション・ヤマト』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061001/p1)と第25話『美しきチャレンジャー』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101016/p1)であった、「フォーメーション・ヤマト」ばりに急上昇してみせるガンクルセイダーMX!


 それを見上げて、隙ができたエンペラ星人!


 そこを目掛けて、ハンターナイトツルギが必殺光剣・ナイトブレードを構えて!


 ついでに目覚めたザムシャーが星斬丸を構えて!


 ふたりで突進して、エンペラ星人の左手に斬りかかる!!


 リュウのガンクルセイダーMXも、スペシウム弾頭弾を発射する!!


 爆発!!


 それでも左手ひとつだけで、ツルギとザムシャーの2本の刀を受け止めてしまうエンペラ星人!(汗)


ツルギ「ザムシャー!」
ザムシャー「話はあとだ!」


 細かい話や指示はなくても、戦闘の機微が通じ合っているらしいプロフェッショナルな両者がカッコよすぎる!


 刀に力を込めるツルギとザムシャー。


 だが、ツルギとザムシャーが協力してもエンペラ星人の念動力にはかなわず、ふたりともまたも吹っ飛ばされてしまう!



 エンペラ星人がついにフェニックスネスト基地に念力攻撃を開始した! 基地施設が破壊されていく! 停電してGUYS作戦室の壁面も破壊されて、外部に露出してしまう!


 エンペラ星人がその壁面を目掛けて、最後の念力光線を浴びせようとしたそのとき……


 ザムシャーが自らの背中でその盾となった!!


エンペラ星人「光の者でないおまえがなぜ?」
ザムシャー「これが、守るということなのだな…… メビウス……」


 第16話『宇宙の剣豪』において、ウルトラマンヒカリから


「こいつ(メビウス)は常に、何かを守るために戦っている。だから強い!」


と聞かされたザムシャーは、


「俺には守るものなど何もない……」


と語っていたはずであった。そのザムシャーが最後にしてようやく「守る」という言葉の意味を悟ったのだ。正直、少年漫画などで何十回となく見てきたベタベタなアリがち展開なのだが、しかしだからこそ普遍性があるのだともいえるのだ! 感動的でありながら、同時に悲しくて美しくもある結末……


 正直、家族などの守るものがあった方が、会社の仕事などでは踏ん張れることができても(笑)、実際の戦争における殺し合い(爆)などにおいては守りの姿勢になることでかえって弱くなってしまうとは思うのだ(汗)。しかし、現実の「戦争」における「戦闘行為」のメタファーなどではなく、日常生活における日々の「生活」を「戦い」のメタファーで捉えた場合には、「守るものがあるから、強くなれるのだ!」ということにしておいた方が、子供向け・一般層向けの作品としては「道徳説話」的になってよいとも思うのだ(笑)。


 崩れ落ちたザムシャーが光の粒子となって、蛍のような光がミライの手の中で消えていく描写が涙を誘う……


ツルギ「よくもザムシャーを!(怒)」


 久々に披露した両腕を十字型に組んで放つ必殺光線・ナイトシュートをエンペラ星人のマントで払いのけられたハンターナイトツルギことウルトラマンヒカリは、フラフラになりながら一度は膝を屈して、エネルギー切れであるのか、ツルギとしての鎧(よろい)を消失して元のウルトラマンヒカリの姿へと戻ってしまう。


ヒカリ「惑星アーブよ、感謝する!」


 この期に及んで、ウルトラマンヒカリの「鎧」の源である思念(怨念?)エネルギーの正体でもあった惑星アーブの民たちのことにも、一言でも言及してくれていることも、カユいところに手が届いていて実に嬉しいのだ。


 今度はヒカリはとっさに機転を効かして、ザムシャーの形見である星斬丸を素早く手に取り、エンペラ星人に斬りかかった!


リュウ隊員「やった!」


 ……だが、がっくりと膝をついたのはヒカリの方であった。


ヒカリ(セリザワ前隊長の声!)「リュウメビウスを、地球を、頼んだぞ」


 右腕甲の変身アイテム・ナイトブレスとともに、ヒカリまでもが消滅してしまう!


リュウ「セリザワ隊長〜~~!!」


 だが、エンペラ星人の脇腹にも、傷は確実についていた! プライドも傷つけられたか、怒り出すエンペラ星人!!


 ガンクルセイダーMXで特攻するリュウ隊員を、エンペラ星人が左手から発した怪光が襲った! 爆発炎上するガンクルセイダー!!


ミライ「リュウさ〜〜ん!!(絶叫)」


 大ピンチというキリのよいところでこの第49話も終了!(笑) 今回も次回予告編の直後のミニコーナー「メビナビ」は略されて、いざ最終回へ!


ウルトラマンメビウス』第50話(最終回)『最終三部作Ⅲ 心からの言葉』

(脚本・赤星政尚 監督・佐野智樹 特技監督原口智生
最終三部作Ⅲ 心からの言葉


 前話終盤の映像が流れる!


ミライ「リュウさ〜〜ん!!(絶叫)」


 そして、ついにその炎を完全に消してしまう太陽!


 そこで、最終回にふさわしく、のっけから入るメインタイトル! オープニング主題歌抜きで入るサブタイトル! 続けて登場怪獣&宇宙人名のテロップ!(暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人!)


ミライ「よくも大切な人を!」


 ミライの本当に悔しそうな悲しそうな涙を流しつつの演技!――「大切な人」という言い方は、やはり一部女性マニアの「やおい・BL」方面受けを配慮してのものだろう。いや、文句などではなく(笑)――


リュウ「ミライ、俺なら生きてるぜ」
ミライ「エっ?」


 暗雲渦巻く空から一条の光が差し込んでくる。エンペラ星人がまぶしそうに額に手をかざす!


 そこに登場したのは、なんとリュウ隊員がヒカリと合体、変身したかたちでのウルトラマンヒカリであったのだ!


リュウ「そう簡単に死んでたまるか。セリザワ隊長に頼まれたんだ。おまえのこと、地球のことを!」


 右腕甲のナイトブレスがスパークし、ブレスから伸びてきた光の剣・ナイトブレードを構えてエンペラ星人に斬りかかるヒカリ!


 だが、やはり左手から赤い怪光をかざされて、接近できずに乱暴にナイトブレードをやたら振り回すアクションが、いかにもリュウが変身しているヒカリらしくてよい(笑)。


 これを見ていたミライが助太刀せんと、変身アイテム・メビウスブレスを失っているにもかかわらず(!)、全身を赤く発光させて自力でウルトラマンメビウスへと変身を果たした!


 倒れそうになるヒカリに肩を貸して助けるメビウス! 


カコちゃん「変身する力なんて…… もう残ってないはずなのに……」
サコミズ隊長「ミライが云っていた。最後まであきらめず、不可能を可能にする。それがウルトラマンだって」


 オオッ、映画『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』の作品テーマをここにて反復した!


 メビウスとヒカリが両腕を十字型に組んで放つ必殺光線メビュームシュートとナイトシュートが合わさって、らせん状の華麗なる合体光線となる!


 しかしエンペラ星人は身を翻(ひるがえ)すと、マントの中にその合体光線すら吸収してしまった!


エンペラ星人「まだ歯向かう力があるとはな。戯(たわむ)れに仕向けた四天王を退けただけのことはある。しかし、もう、終わりだぁ~~~!!!」


 エンペラ星人は右手から、これまた「WEBメビナビ」によれば(笑)、レゾリューム光線と称される、ウルトラマンの一族の身体自体を分解してしまうドス黒い光線を放った!


 レゾリューム光線の語源は、レゾン(存在)。レゾン・デートル(存在理由)などのレゾンをもじったネーミングであろうか?


 カメラを斜めに傾けて、上から見下ろした俯瞰(ふかん)撮影も交えつつ、いつもとは異なるアングルのカットを見せることで、今回は特別な回であり特別なバトルであることをも印象付けている!

 
 レゾリューム光線を浴びたウルトラマンメビウスは苦悶しながら分解! 人間ことリュウ隊員と合体しているので純然たるウルトラマンとは云いがたいウルトラマンヒカリは分解されなかったが、それでもカラータイマーの時間切れで姿を消してしまった……


エンペラ星人「わかっただろう。ウルトラの一族は、決して予には勝てん!」


 ホントに度がすぎるくらいの圧倒的な強さで、エンペラ星人の強さは描かれる!


 GUYS作戦室で、メビウス&ヒカリ VS エンペラ星人 の戦いの一部始終を、固唾を飲んで身を乗り出して見守っていたGUYS一同。


トリヤマ補佐官「私は……、誰ひとり犠牲者を出さぬと云った!! (左右をキッと見て)すぐに(ふたりの)救助を!!!」


 ジョージとマリナの両隊員がうなずいて駆け出していく! くう〜〜〜! またトリピーに泣かせられてしまった!(笑)


ミサキ総監代行「あなたたちも!」
テッペイ隊員「でも、僕らがここを離れたら!」
マル補佐官秘書「大丈夫! (ケガした額を押さえつつ)ここは……、私たちの想い出の場所でもあるんだ!!」


 テッペイとコノミがうなずいて駆け出していく……


 脇役であるミサキ女史やもマル補佐官にも、最終回ではオイシい役回りを与えてくれる『メビウス』スタッフの気遣いである!


エンペラ星人「(マントをたなびかせながら)悔しかろう。ウルトラの父! 『かけがえのない星』。貴様らがそう呼ぶこの星の未来も…… 今、潰(つい)えた!」


 廃墟の中で、GUYS隊員たちに救出されるリュウ


リュウ「また、なんも守れなかった……」


 第1話ラストで、旧GUYSを、そしてウルトラマン抜きでは街を守れなかったリュウの煩悶のセリフがここで反復されることで苦悩の深さを示すのだ……


ジョージ「もう、ミライもいない……」
コノミ「終わりなんですね……」
マリナ「地球も…… 太陽も……(空を見上げて)」


 いやぁ、ビデオで何度も何度も繰り返し再生していると、初見時よりも彼らの真に迫ったやるせない表情での本当に良い演技が伝染してきて、涙が出てくるのだ……


 そんなマリナの悲嘆の顔に、絶妙のタイミングで声がかぶってくる。


北斗「本当にそう思うか?」


 また絶妙なタイミングで幽玄な、しかし勇ましいBGMが鳴り響き出して……


マリナ「この声……」


 暗黒四天王編で、エースがマリナに、ジャックがジョージに、セブンがコノミに、初代マンがテッペイにテレパシーで語りかけたように、矢折れ、刀尽き、絶望のどん底に叩き落とされたGUYSを励ましたのは、ウルトラの兄弟たちであったのだ!


 宇宙空間。


北斗「(エースの映像をバックに名声優・納谷悟郎の声による「テェェーーイ」の掛け声と、例の白いスカーフも着けて!) 君たちになら、聞こえるはずだ。今はそばにいなくても、勝利を信じて共に戦ってきた、仲間の声が!」
郷「(ジャックの映像と掛け声をバックに) 目をそらしてはいけない! 地球の未来は今、君たちに託されているのだ!」
ダン「(セブンの映像と掛け声をバックに) 君たち人間がいたから、われわれは……どんな強敵とも戦ってこれた。君たちなら、そのことを教えられる!」
ハヤタ「(初代マンの映像と掛け声をバックに) そして救ってくれ、弟を! 君たちが培ってきたものがあれば……、必ずや、地球は……守り抜ける!」


 暗黒の太陽に向かって、ウルトラマンエースが両腕を左後方にふりかぶってからL字型に組んでメタリウム光線を、ウルトラセブンがワイドショットを放つ!
 そして、初代ウルトラマンウルトラマンジャックが両腕を十字型に組んでダブル・スペシウム光線を放った!
 光線を横一文字に浴びせていくそばから、光線が当たった太陽の表面にわずかにだが再び炎が灯り出した!


 いくら巨大ヒーローが放っている光線だからって、超巨大な太陽のサイズと比べると、ずいぶんと広い範囲に火が付いてしまった! というツッコミは可能だけど、これ以上に細長い範囲にだけ太陽の炎が復活している映像表現にしてしまうと、太陽の炎がとても復活してきているようには見えなくなってしまうので(汗)、そのへんはあくまでもフィクション上での映像表現だとして見逃そう!(笑)


 そして、なんとリュウの右腕甲にウルトラマンヒカリへの変身アイテム・ナイトブレスが出現する!
 ミライもまた、リュウの右腕甲のナイトブレスを通じて思念メッセージを送るのだ!


ミライ「もう一度、力を貸して下さい! 僕たちの、最後の戦いのために!」
リュウ「ミライ…… ミライなのか!?(喜) (ここで光の国のような黄金のさざ波で表現される精神世界になって)おまえ、どうして?(悦)」


 やっぱりミライとリュウは、この作品の相思相愛のカップルだったのだ! だから、男女隊員間での恋愛要素も不要だったのだ!(笑)


ミライ「ナイトブレスは、奇跡の力を持つ伝説の超人・ウルトラマンキングから授かったものなんです! それに、ヒカリが云ってました。来るべき戦いのとき、このナイトブレスが必要になると」
リュウ「オレたちにはまだ…… やれることがあるんだ」
ミライ「(うなずく)」
リュウ「わかった。いっしょに行くぜ!」


 ウルトラマンヒカリが右腕甲にハメているブレスレットことナイトブレスが、ウルトラ一族の長老・ウルトラマンキングから授与されたものであることは、作品外での書籍では説明されていたが(笑)、映像本編では一度も説明されていなかった(汗)。子供もマニアも喜びそうな趣向の設定なのだから、そのことに本編で一言もふれないのは実にモッタイない、ふれてくれれば視聴者側でも「燃える」点描になるのに! と思ってきたのだが、ついに最終回でその設定が説明されたのだ!


 そして、ここからが大変だ! まさに前代未聞の展開だ!


 ナイトブレスをはめたリュウ。そして、ジョージ、マリナ、テッペイ、コノミ、全身が発光した状態である霊体(?)のミライ。この6人が円陣を組んで手を重ね合わせる!


 GUYS作戦室にいるサコミズ隊長による


「ガイズ、サリーゴーー!!!」


のいつもの「命令」時の掛け声とともに6人全員が、


「G・I・G!!!」


とやはりお決まりの「了解」の意味の応答を叫んで、変身ポーズをとって、


「メビウ〜〜~ス!!!」


と叫ぶや、爆発する炎の中から、ウルトラマンメビウスウルトラマンヒカリ・GUYS隊員たちが合体した、右腕にナイトブレスを、左腕にメビウスブレスを装着した、全身が赤と青と金色の模様にフチ取られたメビウスの最強形態であるウルトラマンメビウス・フェニックスブレイブが登場するのだ!


 第1話でも描かれていた、


「主人公のみならず、GUYS隊員の全員が、歴代ウルトラシリーズの第1話で主人公たちが見せてきたような自己犠牲の精神を持っているので、ウルトラマンとも合体・変身する資格がきっとあるのだろう!」


といった描写が意味するところの、論理の射程を延長していくことで、GUYS隊員の全員で最強のウルトラマンへと合体変身できてしまったのであった!


 そのころ、宇宙空間ではウルトラマンレオことおおとりゲンを演じた真夏竜の「イヤッ!」の掛け声バンクのもと、ウルトラマンレオ&アストラことレオ兄弟も、我ら地球にとっての光と熱の源である、燃え盛っている太陽の上空へと到着!


 レオ兄弟は彼らの原典作品『ウルトラマンレオ』でもおなじみ、彼らの最強必殺技であるウルトラダブルフラッシャーなる赤い稲妻状の合体光線を繰り出して、その光線の高熱で太陽の表面を再び燃え上がらせようとしていた!


 ウルトラマンタロウウルトラマンエイティもやってきた!


 そして、サコミズは第42話『旧友の来訪』でタケナカ最高総議長から託されていたキーで、GUYSの最終兵器ファイナル・メテオールを発動させる!


 超巨大なロケットが、衛星軌道上から暗雲を突き破って地上の戦場へと飛んできた!


 そうかと思いきや、その機体は中空に浮いたままで四方八方へと機械でできた幾つもの細長い触手を広げて、大きな回転する風車状の兵器となる!


 そして、メビウスとエンペラ星人の間の宙に浮遊・停止した!


 ミサキ女史やサコミズ隊長いわく、ウルトラマンの放つ光線に含まれる物質・スペシウムを増幅して、その効果を数倍(!)にも高めることができるスペシウム・リダブライザーだそうだ!


サコミズ「みんな! メビュームナイトシュートで、スペシウム・リダブライザーを撃て!!」


 胸の前でこぶしを突き合わせたメビウスフェニックスブレイブの周囲に赤い稲妻がほとばしる!


 メビウスが必殺光線・メビュームシュートを発射する直前に浮かぶ、大きな「∞」(無限大)のマークが!


 続けて天高く突き出した右腕甲のナイトブレスに、ヒカリが必殺光線・ナイトシュートを発射直前に浮かばせる幾重もの鋭角の三角形が走る!


 左腕甲のメビウスブレスを赤く光らせ、かなりのオーバーアクションから両腕を十字型に組んで右手から最強の必殺光線・メビュームナイトシュートが発せられた!!


 それは、メビウスのカラーの赤とヒカリのカラーの青が互い違いに交錯した、実に鮮やかな光線だ!


 スペシウム・リダブライザーで十倍にも増幅されてシャワーのような途切れない光の粒が、エンペラ星人の全身に隈なく当たっていく!


 思わず、顔をそむけてしまうエンペラ星人!


 そして宇宙では、ウルトラマンタロウが両腕を逆L字型に組んでストリウム光線、ウルトラマンエイティが両腕をL字型に組んでサクシウム光線を放っており、太陽表面全体の炎はもう復活を遂げようとしていた!


(光の国にいる)ウルトラの父「エンペラ星人! 地球を照らす太陽の光は消せはしない……」
エンペラ星人「(苦悶しながら)なぜだ、ウルトラの父? なぜのうのうと太陽に照らされている命を救おうとする!? 闇こそが、永遠の世界、なのだ!!」
ウルトラの父「光があるからこそ、闇もある。闇があればこそ、また光もあるのだ!」


 ……まぁこのへんのセリフは、番組公式ホームページの「怪獣図鑑」のページで紹介されているエンペラ星人のウラ設定。エンペラ星人もまたウルトラ一族と同様に、自身の母星の太陽を失った種族であるという設定を知らなければ、真の意味がわからないという問題点もあるだろう。
 しかし、それがわからなくても、この最終回全体が意味不明になるという独り善がりなものでもないのだから、この思わせぶりなセリフで少々高尚に見せるようなセリフもまた充分にOKだろう!(笑)


 さらに! さらに!


ゾフィーの声「サコミズ、サコミズ……。共に行こう。今こそ君の力が必要だ!」


 光の中へと静かに歩いていくサコミズ。初代ウルトラマンの変身効果音とともに、フェニックスネスト基地を背景映像としてゾフィーが右拳を前方に突き出した変身巨大化カットが!!


 この場面で用いられたゾフィーの変身巨大化シーン用の飛び人形は、『ウルトラマンガイア』(98年)→『ウルトラマンネオス』(00年・ビデオ作品・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20120226/p2)→『ウルトラマンネクサス』(04年)と改造されながら流用され続けているものだったそうだ。ポーズやパースがまったく同じことから、おそらく間違いないだろう。
 もちろん、『ウルトラマンタロウ』(73年)→『ウルトラマン80』(80年)→『電光超人グリッドマン』(93年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190529/p1)の変身巨大化時の飛び人形の改造流用の前例もあるのだから、何ら問題はないのだ!?


 ……散々に特撮マニア諸氏の気を持たせてきて、サコミズの正体はゾフィーだとの下馬評ネタで、マニア諸氏も2ちゃんねるやブログ等々で深読み遊びをして一喜一憂してきた。しかし、最終的にはその正体はゾフィーではなかった(汗)。
 最終回でついにゾフィーと合体する! ということが真相であったのだ。幼児誌などではともかく、スポーツ誌や番組公式ホームページで公表されてきた「ゾフィーの正体が明らかになる!」という煽り文句とは、実はJARO(ジャロ=日本広告審査機構)に訴えてもよいような「誇大広告」であったことになるのだ!(笑)


 しかし、サコミズの正体が実はゾフィー兄さんだったりすると、今度はそれではふだんの回ではともかく、第29話~第30話や第37話『父の背中』(脚本・赤星政尚&谷崎のぼる 監督&特技監督・アベユーイチ)といった、ウルトラマンタロウウルトラの父までもが救援に来てしまうほどのメビウスの大ピンチ回に、ゾフィー兄さんはナゼに助っ人参戦してくれなかったのか? それはさすがに薄情なのでは? とった欠点も生じてしまうことだろう。それを考えれば、多少は詐欺的でも、この最終回だけサコミズ隊長がゾフィー兄さんと合体する! という選択が最適解だったのではなかろうか!?


 ゾフィー兄さん自身も、2007年4月1日オンリーの円谷プロのネット上のエイプリルフール企画「帰ってきたSNS『エムナナハチ』」での自己紹介文にて、


「インターネットでメビウスファンのブログを読んでいると、『サコミズはゾフィーなんじゃないの?!』とか『ゾフィーは地球人の誰かに化けている!』とか書かれていて、見る度に複雑な気分になります。  私はちゃんと宇宙を警備しているぞ。。。」


と書いていた(笑)。



 最強の必殺技であるM87光線をエンペラ星人に照射しながら空中から着地してきたゾフィー


 ウルトラ兄弟の長男・ゾフィーと、いちばん下の弟であるメビウスの華麗なるツーショットだ!


 メビウスは十字型に組んだ両腕を、徐々にL字型に広げて右手だけではなく右腕の下腕全体から光線を放っていく!――そのあとに編集時の凡ミスか、また両腕が十字型に戻っているカットがあるけれど…… おめでたい最終回だから、見なかったことにしておこう(笑)――


 精神世界の中で……


サコミズ「みんな、もうひといきだ!!」
リュウ「行くぜ! これがオレたちみんなの、最後の戦いだ!!」


 この際に一同が左胸に手を当てることにも注目だ! 第44話『エースの願い』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070408/p1)において、北斗星司の胸の中に常に南夕子がいることを表現するためになされた演技演出がここでもまた! 北斗同様に今、GUYSのメンバーは第31話のサブタイトルよろしく「仲間達の想い」を胸に戦っているとも解釈できるだろう!


 GUYSのメンバー全員がウルトラマンになる! これは考えてみれば、昭和ウルトラシリーズの世界観での作劇ではなく、むしろ平成ウルトラシリーズで描かれてきた「人は誰でも光になれる」の踏襲であるには違いない。エンペラ星人が「闇の支配者」であると設定されたこともまた、平成ウルトラに通じているところもあるだろう。


 だが、抽象的・観念的な「人類の進化」や「進歩」といった高尚なテーマに走っていたワケではない。むしろ、『メビウス』は良い意味でアタマの悪い熱血少年バトル漫画といった風であって、外形的には徹頭徹尾のバトルストーリーとして仕上げられていたのだった――実際に、最終回のBパートはただひたすら光線が出っぱなしなだけだった(笑)――。


 スペシウム・リダブライザーによって増幅されたM87光線とメビュームナイトシュートを浴び続けて、さしものエンペラ星人も遂に最期を迎えるときがきた!


 エンペラ星人が地に膝を着く。


サコミズ「今だ!! みんな!!!」


 最終形態・メビウスフェニックスブレイブが、中間強化形態・メビウスバーニングブレイブ時の必殺技である、友情パワーの炎(笑)を胸の前に集めて火球として放つメビュームバーストの特大バージョンを放った!! 


エンペラ星人「なぜだ!? なぜ予がウルトラマンごときに…… 予は…… ウルトラマンに負けたのではない!


 そうか……。人間の……ちっぽけな希望という光に……。ウルトラマンと、人間の絆に、負けたのか……。予が……、予が……、光になっていく……」


 エンペラ星人の両脇腹、口からは黄色い光が漏れてきて、遂にエンペラ星人はガラスのような光の結晶となって宙に舞い上がった……


 悪の帝王だったくせに、最後は「光」になっていくのが意味深というのか、浄化されてしまったのか、そもそもエンペラ星人もまた元々は「光」の存在であったのか、マニア諸氏に深読みして下さい! といった感じの描写になっているが……。そこはともかく、基本的にはヘンに小賢しくヒネらずに、ラスボスは悪であり、やっつけてメデタシめでたしで終わり! といった勧善懲悪の王道セオリーは守ってくれて完結してくれたことにも、個人的には賞賛を送りたい!


 そして、太陽の復元に成功して揃い踏みをするウルトラ8兄弟の勇姿! エース! セブン! レオ! アストラ! 初代ウルトラマン! ジャック! エイティ! タロウ!


 地下街から地上に出てきて、太陽と青空が戻ってきたことに歓喜の声をあげる市民たち!


 『タロウ』第25話『燃えろ! ウルトラ6兄弟』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061126/p1#20061126f2)においても、宇宙大怪獣ムルロアが全身から吐き出した黒煙によって遮られた太陽の光を、ウルトラ6兄弟はウルトラベルの響きによって取り戻していた。あのときの歓喜の声がまた、再現されたのであった……



 平和が戻った地球。GUYS隊員とミライがいる。


ミライ「聞こえていますか? ウルトラの父。僕自身にしか見つけられないこと、大切なものは今、たしかに僕の胸の中にあります」


 これは第1話の冒頭でウルトラの父メビウスに語ったことの係り結びとなる、返歌としてのセリフなのだ。


 そこに、サコミズ隊長、トリヤマ補佐官、マル補佐官秘書、ミサキ女史、カコちゃん、ファントン星人も寄ってくる。


 巨人サイズのゾフィーウルトラマンヒカリを見上げる一同!――ゾフィーとヒカリのツーショットがまたカッコいい!――


リュウ「大丈夫。地球は……、オレたちの手で、守っていける!」


 ヒカリは小さくうなずき、ゾフィーと顔を見合わせて、ともに飛び立っていく! M78星雲のウルトラの星へと帰っていくのだ。


 サコミズ隊長がミライの肩にポンと手を置いた。


サコミズ「これで君も、ウルトラ兄弟の仲間入りだね」


 アレ? 先輩ウルトラ兄弟を「兄さん」呼ばわりしていたから、てっきり最初からメビウスウルトラ兄弟の一員かと思っていたら、まだウルトラ兄弟には正式加入していなかったのか!?


 しかし、四半世紀前のウルトラマンエイティ兄さんも、地球上で活躍中のときにはまだウルトラ兄弟ではなかった。エイティ兄さんよりもはるかに弱い新人・メビウスごときが、最初からウルトラ兄弟の一員だなんてオカシいとは実は筆者も思っていたのだ(笑)。そう考えると、この最終回でメビウスウルトラ兄弟に正式加入できることになったという設定も、歴代ウルトラシリーズと照合してみせても設定的にもスジを通すことができているのだ!


 ミライは無言のまま、GUYS隊員の印でもある通信機にしてGUYS隊員たちとの友情の証でもある「炎のエンブレム」が手製ペイントされたメモリーディスプレイを、サコミズに手渡した……


 アレ? 返しちゃうの? もらっとけば良いのに…… この描写には多少引っかかるところがあるけれども…… まぁいいか(笑)。


ミライ「最後の戦いが終わった今、僕には新しい使命ができました。この星の人たちとともに得た、大切なものを、光の国の、新たなウルトラマンたちに伝えていきます!」


 ……唐突に発せられた別れの言葉だ。しかし、本作の世界観は良い意味でかなりユルいので「いくらなんでも、それはあんまり……」というような反発は覚えない(笑)。


 別れの言葉は唐突だけど、「新たなウルトラマンたち」という言葉には、今後に続くことになるであろう後輩ウルトラマンたちのことにも先回りして言及するかたちになっているし、昭和のウルトラシリーズの故郷の在り方の設定を考えれば、まさにその通りであるのだから、ここの部分は決して唐突ではないともいえるのだ!


 隊員たちは一瞬戸惑うも、言葉を返していく。


ジョージ「いい顔してるぜ、アミーゴ!」
マリナ「しっかりやんなさいよ!」
テッペイ「君と出会えて、本当によかった!」
コノミ「(涙声で少し喉を鳴らして)ずっと、応援してるからね!」


リュウ「(ひとりだけ腕組して背中を向けている。しばらく無言、やがて意を決して吐息。笑顔で)……行けよ」


ミライ「……(涙をボロボロ流して)さようなら。今まで……、ありがとうございました!」


 いい顔してるぜ、役者陣。思わず連られて、こちらも泣いてしまうじゃねーか!(涙)


 地球で最初に憶えた言葉「ありがとう」を最後に残して、ミライは全身を発光させながら後退し、やがて無限大のマークが輝いて光の粒子が上空に舞って、それはウルトラマンメビウスの姿となった。感無量で見上げる一同……


メビウス「セヤッッッ!(大空に飛び立つ)」


 そして、GUYS隊員たちのミライへの感謝の言葉が、別れの言葉が、応援の言葉が大空に捧げられる!


 ゾフィーとヒカリに少し遅れて、漆黒の宇宙空間に輝くウルトラの星へと向かって帰還していくメビウスの場面は、初代『ウルトラマン』第39話(最終回)『さらばウルトラマン』のラストシーンを模したオマージュ映像でもあった!



 テンション高く快調に進んできた『ウルトラマンメビウス』ではあったが、シリーズ前半では、


・宿敵を高次元捕食体ボガールとした第1話~第10話
ウルトラマンヒカリを活躍させた第11話~第17話
・バラエティ編ではあるもボガールが死しても怪獣出現が続くナゾにも迫っていた第18話~第23話
・映画『ウルトマンメビウスウルトラ兄弟』との連動で『ウルトラマンA』の宿敵・異次元人ヤプールを宿敵に据えた第24話~第26話


と、ある意味では舌足らずだったかもしれないが、今時の作品にふさわしい駆け足での目先の変化もあって実に楽しかった。


 しかし、シリーズ後半では、前半で見られたシリーズ・イン・シリーズ、シリーズ内のミニシリーズといった趣向はなくなってしまったことで、シリーズを通じての目先の変化も減ってしまったあたりは少々残念だったとは思うのだ。
 やはり、ウルトラシリーズ最大の宿敵である3万年もの因縁があるエンペラ星人を宿敵に据えるからには、ロボット怪獣インペライザーだけではなく、各話のすべての怪獣といわず多くの怪獣や宇宙人たちを、エンペラ星人の手先として設定して、敵側にも早々にヒエラルキー・階層構造を構築するくらいのことをして、スケール感を徐々に増していくようなシリーズ構成であった方がよかったとも思えるからだ。
 エンペラ星人の配下である暗黒四天王であるメフィラス星人3代目・巨大ヤプール・デスレム・グローザムといった強豪宇宙人たちも、シリーズも終盤に押し迫った最終第4クールの後半に登場させたそばから早々に敗退していくのではなく、おそらく3万年前のウルトラ大戦争にも従軍していた幹部・将軍級の古強者(ふるつわもの)でもあったのだろうから、第3クール早々から小出しに登場させて中堅幹部として活躍させて、時々はメビウスやヒカリと手合わせをさせておくくらいの方が、その強さも描けたとも思うのだ。


 暗黒四天王編も、その3話目となる第45話『デスレムのたくらみ』(脚本・太田愛 監督&特技監督・村石宏實・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070422/p1)以降は、テンションは少々落ちていたようにも思える。特撮予算の問題があってのことかもしれないが、どうしても強敵との丁々発止のバトル編ではなく、人間ドラマ寄りに持っていくためにか、四天王の個々人が力押しではなく、人間の心に挑戦してくるようなエピソードが連発されてしまって、それによって戦闘のスケールは小さく感じられてしまったし、似たような話が連発していたような印象も受けてしまうのだ。


 第48話以降の最終3部作となる『Ⅰ 皇帝の降臨』と『Ⅱ 絶望の暗雲』では、ハイテンションな作劇と展開と演出の連続で、これらは個人的にはまぁまぁ楽しめた。しかし、ザムシャーとウルトラマンヒカリの再登場、そしてヒカリの敗退と、ヒカリがリュウ隊員が合体して復活するあたりは、あまりにも展開が早きにすぎて味気なくてモッタイなくは思うのだ。そのようになってしまうのであれば、この最終章は3部作ではなく4部作構成にできなかったものなのだろうか?(笑)
 そして最終回『Ⅲ 心からの言葉』。こちらも押さえるべき要素はしっかりと押さえてあったとは思ったものの、やはり語るべき要素が多かったせいか、かなり駆け足で余韻が足りていないような気がしたことも事実であった。あれだけ強かったエンペラ星人も最終回ではただ突っ立っているだけである。もちろん、仮にも皇帝宇宙人であるのだから、軽々しいアクションをしてほしいワケでもないのだが、正義のヒーロー側が逆襲に転じてきた際には、何らかの小技での防御はして小さな光線技などは軽々と防いてみせているようなアクション&絵もほしかったところなのだ。


 ミライとGUYS隊員が合体したメビウスフェニックスブレイブと、サコミズ隊長と合体したゾフィーは、エンペラ星人の「ウルトラ兄弟必殺光線」ならぬ「ウルトラ一族分解光線」に対抗するための処置だったことが、作品の外側でウラ設定的には明かされていた。しかし、それであるならば劇中でもその旨の説明が一言ほしいのだ。あるいは、目で見てわかるように、彼ら人間たちとも合体したウルトラ一族が今度は分解光線を浴びても平気になっている! あるいは、その事態にエンペラ星人が驚いている! といった描写を映像でキチンと見せてほしかったワケなのだ!


 とはいえ、最終3部作の感想を執筆するために、録画したビデオを再見していると、初見時の印象とは違って「悪くはないじゃん」と素直に楽しめたこともまた一方の事実だったりもする。初見時の印象と再見時の印象。どちらを優先するべきかについては難しいところだが、今回は再見時の印象の方を優先して、最終回もまた出来が良かったことにしておこう!(ご都合主義である・汗)


 いやまぁ、シリーズ構成は気にせずに各話単位で鑑賞する分には、作劇面においても大きな問題などはなかったのだ。


 しかし、3万年にもわたるウルトラ一族の因縁の宿敵・エンペラ星人が、かつてのように「怪獣軍団」を引き連れても来てこなかったことは、特撮予算面での大人の事情があったことこともわかるけど、少々引っかかる。
 ナゼにエンペラ星人は因縁のあるウルトラ一族の故郷「光の国」を攻めずに「地球」に攻めてきたのか? 「地球」には特殊な鉱石なりがあるとか、陽動作戦であったとかの理由は一言でもつけてほしかったところだ。
 あるいは、エンペラ星人が「光の国」と「地球」との「同時侵攻」なども試みるような、たとえ映像化はムリだとしても、暗黒四天王編のあとに故郷へと順次帰還したウルトラ兄弟たちは、光の国に侵攻してきた怪獣軍団と戦っていたのだ! といったことにでもして、それをセリフだけでも言及してみせて「スケール雄大感」を醸してみせるような工夫には欠如していたあたりは、少々不満ではあったのだ――背景の映像を例の「金色のさざ波」にしてしまえば、「光の国」でのウルトラ兄弟VS怪獣軍団の戦いも特撮セットを組まずにできてしまったハズなので!(笑)――。


 その意味では、世界各首都に出現するのが、ロボット怪獣インペライザー1種のみというのも少々残念ではあった。そこは各首都ごとに別々の種類の怪獣を登場させてほしかったところだ。まぁ、多種の怪獣の着ぐるみを撮影スタジオに搬入する費用やスーツアクターの着替えの手間などが、予算や撮影スケジュール的にはネックだったのかもしれないが。


 宇宙剣豪ザムシャーも第16話で初登場して、その次の登場がもう最終章3部作で、すでにいつの間にか改心していたというあたりもいかがなものだろうか? やはり第16話と最終章3部作の間に最低もう1回、合計3回はザムシャーとの再対戦編を設けなければダメだろう! イレギュラーに合計4~5回は登場していてもよかったくらいだ(笑)――そんなことはスタッフも百も承知で、それでもバンダイ円谷プロ・テレビ局の関係各位の要望や調整の諸事情の果てに、こうなってしまうものなのかもしれないが――。


 幼児はともかく児童であればワクワクしそうな、連続ストーリー性をも有する、小出しに宇宙規模でのスケール感も出していくような手法。そういった作劇が今後の「ウルトラ」にかぎらずテレビ特撮には必要だと思うのだが、それについて詳細に語っていくことは、今後の課題とすることにしよう。



 本来は作品のオープニング用のものであった主題歌が流れる、最終回特製のキャスト&スタッフのエンドロールの背景には、最後の戦いを終えたジョージ・マリナ・テッペイ・コノミが元の庶民としての生活に戻った様子を描いたものであった。
 ひとりGUYSに残ったリュウは、いつの間にか襟が白い指揮官仕様の隊員服を身につけている。彼はセリザワとサコミズのあとを継いで、新隊長となったことが示唆されているのだ! 彼の指揮のもとに、また新たな隊員たちがウルトラマンの力に頼ることなく、自らの手で地球を守り抜いてくれることだろう!


 だが、またエンペラ星人並みの強大な敵が現れたならば、ジョージも、マリナも、コノミも、テッペイも、きっと再びGUYSに戻ってきてくれることだろう! そして、彼らが最後まであきらめずにどれだけ頑張っても倒せない強敵が出現したならば、ミライも必ず戻ってきてくれることだろう!


 そんな続編が登場することに期待して……


2007.4.18.



P.S.


 『ウルトラマンメビウス』はまだまだ続いていく!


小学館『てれびくん』07年6月号(07年4月28日発売・ASIN:B000P46R0I)から、あの名漫画家・内山まもる先生による『ウルトラマンメビウス外伝 超銀河大戦 戦え!ウルトラ兄弟』が連載開始! 『レオ』終了後にも小学館の学習雑誌で内山先生のウルトラ漫画が継続されたことが第3次怪獣ブームを巻き起こす一因となったことを考えれば、子供たちの関心を持続させる手段としてはうってつけのものだ!(翌08年4月に単行本化・ISBN:4091051189


*07年5月2日〜6日にかけて、名古屋・栄の中日劇場中日ビル9F)において公演される『ウルトラマン プレミアステージ』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070513/p1)では、エンペラ星人やメフィラス星人も復活する『メビウス』の後日談が描かれる! リュウ・ジョージ・コノミ隊員に、初代マンことハヤタとセブンことダンも登場する!


*ミステリ雑誌『EQ  Extra GIALLO(イーキュー エクストラ ジャーロ) №27 2007 SPRING』(光文社・07年3月15日発行・ASIN:B000NQDM6K)にて、『メビウス』第32話『怪獣使いの遺産』・第39話『無敵のママ』・第40話『ひとりの楽園』の脚本を担当した直木賞作家・朱川湊人(しゅかわ・みなと)先生による番外編の小説「ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント」〈第1話 魔杖の警告〉も連載がスタートした!


(了)


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ウルトラマンメビウス』#17「誓いのフォーメーション」 ~&『80』#13・25フォーメーション・ヤマト編&BGM

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ウルトラマンメビウス』#24「復活のヤプール」 〜第2期ウルトラの映像派鬼才・真船禎演出リスペクトが満載!

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ウルトラマンメビウス』#34「故郷のない男」 〜レオ!

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ウルトラマンメビウス』#41「思い出の先生」 〜80!

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ウルトラマンメビウス』#44「エースの願い」 ~南夕子!

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ウルトラマンメビウス』最終回 最終三部作 #48「皇帝の降臨」・#49「絶望の暗雲」・#50「心からの言葉」 〜ありがとう!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070505/p1(当該記事)

ウルトラマンメビウス』総論 〜『メビウス』総括・赤星政尚論!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070506/p1


[関連記事] 〜ウルトラの父・登場編!

ウルトラマンエース』#27「奇跡! ウルトラの父」 ~ヒーロー客演&共闘はドーあるべきなのか!?

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ウルトラマン80(エイティ)』#38「大空にひびけ ウルトラの父の声」 〜イジメられっ子をかばってくれる少女はいるか?(笑)

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ウルトラマン超闘士激伝』 ~オッサン世代でも唸った90年代児童向け漫画の傑作!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210131/p1

劇場版『新世紀ウルトラマン伝説』 ~今こそ昭和のウルトラ兄弟が復活するべきだ!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20021115/p1

ウルトラマンメビウス』#1「運命の出逢い」 〜感激!感涙!大傑作!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060625/p1

ウルトラマンメビウス』最終回 最終三部作 #48「皇帝の降臨」・#49「絶望の暗雲」・#50「心からの言葉」 〜ありがとう!

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『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』 ~岡部副社長電撃辞任賛否!

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ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』 ~傑作!

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ウルトラマンジード』最終回「GEEDの証」 〜クライシスインパクト・幼年期放射・カレラン分子・分解酵素・時空修復方法はこう描けば!?

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『劇場版ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!』 〜新アイテムと新怪獣にも過去作との因縁付与で説得力!

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ウルトラ兄弟の長男・ゾフィー登場編!

ウルトラマンエース』#5「大蟻超獣対ウルトラ兄弟」 ~ゾフィー助っ人参戦・大活躍!

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ウルトラマンエース』#13「死刑! ウルトラ5兄弟」 ~超獣バラバ・マイナス宇宙・ゴルゴダ星・ウルトラレーザー!

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ウルトラマンエース』#14「銀河に散った5つの星」 ~異次元超人エースキラー・裏宇宙・超光速ミサイル№7!

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ウルトラマンエース』#23「逆転! ゾフィ只今参上」 〜大傑作! メビウスの輪の力で異次元人の悪意を討て!

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ウルトラマンエース』#26「全滅! ウルトラ5兄弟」 ~一大イベント巨編だが、実は高いドラマ性!(それ故の問題も!)

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ウルトラマンエース』#27「奇跡! ウルトラの父」 ~ヒーロー客演&共闘はドーあるべきなのか!?

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ウルトラマンエース』#35「ゾフィからの贈りもの」 〜子供に過ちを犯す主役!

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ウルトラマンタロウ』#1「ウルトラの母は太陽のように」 ~人物像・超獣より強い大怪獣・母・入隊・ヒロイン・5兄弟の正統タロウ誕生を漏れなく描いた第1話!

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ウルトラマン超闘士激伝』 ~オッサン世代でも唸った90年代児童向け漫画の傑作!

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劇場版『新世紀ウルトラマン伝説』 ~今こそ昭和のウルトラ兄弟が復活するべきだ!

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ウルトラマンメビウス』#1「運命の出逢い」 〜感激!感涙!大傑作!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060625/p1

ウルトラマンメビウス』#15「不死鳥の砦」 ~ゾフィー&アライソ整備長登場!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060924/p1

ウルトラマンメビウス』#24「復活のヤプール」 〜第2期ウルトラの映像派鬼才・真船禎演出リスペクトが満載!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061112/p1

ウルトラマンメビウス』#29「別れの日」、30話「約束の炎」 〜タロウ客演前後編!

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ウルトラマンメビウス』最終回 最終三部作 #48「皇帝の降臨」・#49「絶望の暗雲」・#50「心からの言葉」 〜ありがとう!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070505/p1(当該記事)

『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』 ~岡部副社長電撃辞任賛否!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101224/p1

ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』 ~大傑作!(なのに不入りで暗澹たる想い・汗)

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ウルトラファイトオーブ』完結評 〜『オーブ』・『ジード』・昭和・平成の結節点でもある年代記的な物語!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20170603/p1


[関連記事] ~ウルトラシリーズ最終回評

ウルトラマンティガ』(96年)最終回 最終章三部作 #50「もっと高く!~Take Me Higher!~」・#51「暗黒の支配者」・#52「輝けるものたちへ」

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ウルトラマンダイナ』(97年)最終回 最終章三部作 #49「最終章I 新たなる影」・#50「最終章II 太陽系消滅」・#51「最終章III 明日へ…」 ~賛否合評

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ウルトラマンネオス』(00年)最終回「光の戦士よ永遠に」 ~「種の存続」に殉じることの是非!

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ウルトラマンネクサス』(04年)最終回 ~中後盤評 #37「Final Episode 絆 -ネクサス-」

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ウルトラマンマックス』(05年)終盤・最終回・『マックス』総括! #33~34「ようこそ! 地球へ」バルタン星人前後編

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ウルトラマンメビウス』(06年)最終回 最終三部作 #48「皇帝の降臨」・#49「絶望の暗雲」・#50「心からの言葉」 ~ありがとう!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070505/p1(当該記事)

ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEO』(08年)最終回 #12「グランデの挑戦」・#13「惑星崩壊」

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100331/p1

ウルトラマンギンガ』(13年)最終回 ~タロウ復活! 津川雅彦もキングに変身すべきだ! ウルトラ怪獣500ソフビを売るためには!?

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200827/p1

ウルトラマンオーブ』(16年)最終回「さすらいの太陽」 ~田口清隆監督の特撮で魅せる最終回・ジャグラス改心の是非・『オーブ』総括!

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ウルトラファイトオーブ』(17年)完結評 〜『オーブ』・『ジード』・昭和・平成の結節点でもある年代記的な物語!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20170603/p1

ウルトラマンジード』(17年)最終回「GEEDの証」 ~クライシスインパクト・幼年期放射・カレラン分子・分解酵素・時空修復方法はこう描けば!?

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20180213/p1

ウルトラマンタイガ』(19年)最終回「バディ ステディ ゴー」 ~『ウルトラギャラクシーファイト』『スカイウォーカーの夜明け』『仮面ライダー令和』 ~奇しくも「父超え」物語となった各作の成否は!?

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ウルトラマンタイガ』(19年)最終回「バディ ステディ ゴー」 ~タロウの息子としての物語たりえたか!?

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210606/p1

ウルトラマンZ(ゼット)』(20年)最終回「遙かに輝く戦士たち」・後半評 ~ネタキャラが敵味方に多数登場だが熱血活劇! 2020年代のウルトラはかくあるべし!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210905/p1

ウルトラマントリガー』(21年)最終回「笑顔を信じるものたちへ」 ~新世代ウルトラ各作終章の出来も含めて賛否総括! 光と闇を包摂する真理!?

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220326/p1


ウルトラマンエース』(72年)最終回「明日のエースは君だ!」 ~不評のシリーズ後半も実は含めた集大成!

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『ザ☆ウルトラマン』(79年)最終回 #47「ウルトラの星へ!! 第1部 女戦士の情報」

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『ザ☆ウルトラマン』(79年)最終回 #48「ウルトラの星へ!! 第2部 前線基地撃滅」

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100404/p1

『ザ☆ウルトラマン』(79年)最終回 #49「ウルトラの星へ!! 第3部 U(ウルトラ)艦隊大激戦」 ~大幅加筆!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100411/p1

『ザ☆ウルトラマン』(79年)最終回 #50「ウルトラの星へ!! 完結編 平和への勝利」 ~40年目の『ザ☆ウル』総括!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200508/p1

ウルトラマン80(エイティ)』(80年)最終回 #50「あっ! キリンも象も氷になった!!」 ~実は屈指の大名作!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210315/p1



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メビウス』最終回評 ~エンペラ星人が全ウルトラ怪獣大投票で29位記念!
#ウルトラマンメビウス #エンペラ星人 #ウルトラマン大投票 #全ウルトラマン大投票 #全ウルトラマン



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翌日日付で、『ウルトラマンメビウス』完結! 長編論文『メビウス』総論〜赤星政尚論をUP予定!