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ザ・ウルトラマン最終回 48話「ウルトラの星へ!! 第2部 前線基地撃滅」

ファミリー劇場『ザ★ウルトラマン』放映「全話評」連動連載!)


ザ☆ウルトラマン#46「よみがえれムツミ」 〜終章の序章・名作
ザ☆ウルトラマン#47「ウルトラの星へ!! 第1部 女戦士の情報」
『ザ☆ウルトラマン』全話評 〜全記事見出し一覧

#48『ウルトラの星へ!! 第2部

前線基地撃滅』

(作・吉川惣司 演出・辻勝之 絵コンテ・山口和十八 怪獣原案・渡部昌彦)
(サブタイトル表記にないが、合成怪獣ヘラ=ウマーヤ登場)
(視聴率:関東11.7% 中部11.2% 関西12.5%)


(文・内山和正)
(1997年執筆)


◎ヒカリ隊員がウルトラマンだと確信したゴンドウキャップ(隊長)は、ヒカリなら捕われても大丈夫だと考え、ウルトラ人の少女アミアとともに土星の衛星タイターンへ潜入させる。
 巨大戦闘艦ウルトリアがタイターン基地へ進攻するための連絡役をさせるためだ。
 なぜヒカリを選ぶのかと怪しむマルメ隊員は、彼らの乗る小型戦闘機スペースベータミーに密かに潜り込む。


※:製作No.48『ウルトラの星へ・第二部 タイタン基地撃滅作戦(仮)』


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊98年号』(97年12月28日発行)『ザ☆ウルトラマン』特集・合評3より分載抜粋)


#48『ウルトラの星へ!! 第2部 前線基地撃滅』

(文・T.SATO)
(2010年執筆)


 壮大で荘厳なる宇宙空間をイメージさせるBGMが幽玄に鳴り響き……


ナレーション「ヘラー軍団の地球総攻撃が開始された。


 絶望的な戦いのさなか、墜落した敵戦闘艦から現れたのは、なんとウルトラの女戦士・アミアだった。
 アミアは科学警備隊へ連絡するため、ヘラー軍団の戦闘艦に潜入していたのだ。
 それは、ウルトラ軍のタイターン基地攻撃に協力を求めるためであった。


 だが、地球防衛軍・最高会議は、戦闘艦ウルトリアの発進を許さなかった。
 やむなく、アミアは再び敵の旗艦(きかん・司令官の乗船)に乗り移り、タイターン基地に潜入しようとしたが、正体を見破られてしまった。
 が、危ないところをウルトラマンの決死の戦いで救われた。


 アミアの熱意に動かされたゴンドウは、地球防衛軍・最高会議の決定に逆らい、タイターン基地攻撃を宣言した。
 かくして、戦闘艦ウルトリアは、ヘラー軍団の前線基地・タイターンへ発進した。


 そのヘラー軍団の前線基地は、土星の衛星タイターンにあり、今、土星の向こう側へ隠れようとしている……!」



 本作最終章4部作の第2部たる本話。
 冒頭で、前話である#47「ウルトラの星へ!! 第1部 女戦士の情報」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100328/p1)のアラスジが、簡にして要というより、意識して聴き返すと、ホンの少し早口めで詳(くわ)しめだが、クールな低音ボイスが相変わらずいつもカッコいい故・蟹江栄司によるナレーションにて、スマートにカッコよく語られる。


 (本項でも、前話のアラスジ紹介がてら、独自に筆者なりに要約して地(じ)の文に埋め込もうと思ったが、あまりに至れり尽くせりの隙がないナレーションでもあるし、作品の空気感も出せるのでそのまま芸もなく、またまたつい引用・汗)


 絵コンテ段階にて、キチンと尺数を計算したのであろう、コレ見よがしではなく、過剰な主張はしないナチュラルなカット割りではあるが、ナレーションで説明される内容のほぼワンセンテンスごとに、見事に合致した前話の映像が配置されていく。


・爆発の閃光に包まれる地球の都市
・墜落していくヘラー軍戦艦
・戦艦からヘラー軍団の甲冑をまとって倒れ出るアミア
・アミアがヘラー軍戦艦に時限爆弾を仕掛けた回想シーン
地球防衛軍最高会議の紛糾
・ウルトラ人から預かっている巨大戦闘艦ウルトリアが、α(アルファ)とβ(ベター)に分離しての宇宙空間での艦隊戦
・科学警備隊の小型戦闘機スペースバーディVSヘラー軍小型戦闘機群との大乱戦
・ヒカリ隊員が操縦するスペースバーディのコクピット後ろから敵旗艦の甲板にテレポート(瞬間移動)する人間大サイズのアミア(変身後)


・ヘラー軍戦艦の銃器を持った艦員たちに発見されてしまうアミア
・囚(とら)われの身だったアミアを、敵旗艦内の床をブチ抜き出現したウルトラマンの巨大なこぶしが救う!
・ウルトリアは地球の守りにだけ使うべしと決定した最高会議の決定を、無視してみせた(!)科学警備隊ゴンドウキャップ(隊長)の顔アップ
・世界各地から召集されていた高官たちが激怒しているかたわら、我らが地球防衛軍・極東ゾーンの桜田長官のみが秘かに笑みを浮かべているモニター画像のズームアップ
 (ある意味、マニア的な人種にとっては、このシーンが一番うれしい取捨選択・笑)
・宇宙空間を全速前進して、地球圏を離脱していくウルトリア!


 そして、冒頭ナレーションの最後、土星の衛星にあるタイターン前線基地のくだりからは、本話の新作画シーン!


 画面の左いっぱいを、輪を持つ巨大な土星の右半球だけで占めるまでの目前にまで最接近を果たした、対比の意味であろう小さめに写る巨大戦闘艦ウルトリアを艦尾から捉えた映像が、まずは写し出される。


 各自持ち場の座席から離れて、ウルトリア艦橋の巨大な司令室中央に勢ぞろいしている科学警備隊の隊員たちと少女アミアにロボット・ピグとウルック1号。
 彼らが、その荘厳さと迫力に打たれたかのように上方を見上げているサマを、「俯瞰」(ふかん・上から見下ろした)映像にて描写する……


 彼らが見上げる先。それは、彼らの背中越しに「煽(あお)り」(下から上へと見上げる)映像で捉えた、ウルトリア司令室上部を覆うプラネタリウム半球型の巨大モニター全面を占めんばかりの勢いで投影される、巨大な惑星・土星の姿であった!


 そう、前回の第1部では地球圏を離脱するところまでが描かれてきたが、この第2部ではウルトラの星へと向かう中継地点としての土星圏を舞台・背景装置にしての大攻防戦が描かれることが、巻頭早々印象的に大写しで配される映像でもって、象徴されてもいるのだ!


 衛星タイターン自体は、今まさにここから見て土星のウラ側へと隠れようとしている……というナレーションで、タイターンもまた衛星であるからには土星のまわりを周回し、我らが巨大戦闘艦ウルトリア1艦だけではまずはタイターン基地の戦力とは直接対峙せず、土星を挟んで真っ向反対側に陣取ったことをも立体的に意味してみせている。


 ……昨今のマニア系のアニメファンは、前回のアラスジを冒頭で流すことなり、タマにおさらいのように世界観の説明を復唱することを軽視して、時間稼ぎだと見る向きも多いようだ(?〜統計的な調査を行なったワケではない印象批評だが)。
 (10代のアニメファンの間で大ヒットしたロボットアニメ『機動戦士ガンダムSEED(シード)』シリーズ(02年・04年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060324/p1)に対する、年長マニア(〜オッサンの筆者から見ると彼らも小僧だが・笑)からの批判などがイイ例であろうか?)。


 また、前回のアラスジもなく、イキナシお話が前話の即つづきとなっている、連続もののマニア向けTVアニメも非常に多い。
 TVだけがお友だち(笑)のマニア諸氏にとっては、それはまったく問題のないことであり、と同時に即座に前話のストーリーの記憶も思い出せてしまって、お話もつながるものなのかもしれない。


 しかし、もっとラフな鑑賞をしている、あるいは前回なり途中の1本を見(録り)逃してしまうようなヌルいマニア視聴者や、チャンネルをガチャガチャ換えてザッピング視聴をしている一見(いちげん)さん、できれば通りすがりの一般視聴者といわずともそのケがあるマニアの近縁人種をたとえ少数でもゲットして、放映途中からでも裾野を広げようとするならば、世界観の説明や前回のアラスジの省略が賢明な方法であるとは決して思えない。
 貯め録りやセル(販売)にレンタルDVDでの連続話数の視聴を前提にしているのやもしれないが、仮にそうであるならばターゲットとしても映像表現としてもコアにすぎて、閉じているとまでは云わないが、あまりにも狭すぎよう。


 往年の『宇宙戦艦ヤマト』(74年)や『機動戦士ガンダム』初作(79年)などの連続もの作品は、意識していたのか単に作画枚数の節約のためであったか不明だが(笑)、ワリとクドめの世界観説明や前話のアラスジ紹介があったり、戦闘が少ない回にはバランスのためかツカミのためにか、冒頭での説明や回想のかたちにて今までの回の戦闘シーンが流されたりもしてきた歴史的前例もあるのだから、昨今のマニアによる批判には承服しがたいものがある。


 やはり本話のごとく、前話のアラスジ紹介はあってしかるべきものだし、単に世界観や物語の説明という機能だけでなしに、うまくやれば視聴者の心理・気分の高揚や盛り上げを促(うなが)すための効果的な助走台にも成りうるものであろう!


 のっけから脱線が長くなってしまったが、話題を本作に戻そう。



 #37「ウルトラの星U40の危機!! ウルトリアの謎?」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100118/p1)、#38「ウルトラ大戦争!! 巨大戦闘艦ウルトリア出撃」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100123/p1)においては、ウルトラの星の反逆者にして彼の地を占領したヘラー軍団の首領ことヘラーは、直々に地球にまでお越しをねがって、正体が何かさえもわからない段階でウルトラ人のナゾの切り札とされてきた超過去の伝説の存在であるウルトリア強奪作戦をくわだてた。


 しかし#39「ねらわれた巨大戦闘艦ウルトリア」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100124/p1)冒頭以降においては、ヘラー自身は故地に戻って、以降はTV画面にも登場せず、ウルトラの星・U40(ユーフォーティ)最強の戦士でもある我らがウルトラマンジョーニアスをこの地球に釘付けにすることを第一の任務ともするヘラー軍団の初老の幹部・ロイガー司令が、土星の衛星タイターンにすでに超近代的な建築物をかまえて前線基地を構築しているという、中堅幹部であるにも関わらずスケールの大きな設定と舞台が用意されていたことが明かされた。
 以後、地球はロイガー司令率いる太陽系方面軍、または彼らが傘下(さんか)に加えた下請(したう)け宇宙人からの攻撃を受けつづけてきた。
 (これにより、 下請け宇宙人 < ロイガー司令 < ヘラー という不等式のピラミッド型位階・上下構造もが背後にて成立し、ラスボスであるヘラーの強大さ&威厳も際立とうというものなのだ)


 地球を遠く離れて、占領されてしまったウルトラの星の解放戦線に加わるための最前線に踊り出るには、敵の挟撃にあう可能性があるために、後顧の憂いをなくさねばなるまい。
 それよりなにより、地球をこれ以上の空爆・荒廃にさらさせないためにも、まず土星の衛星タイターン基地を再起の機会すらないほどに徹底的にたたいておくことは、理の当然のしからしむるところでもある。
 それはまさに、劇中人物が(虚構・フィクション内においての)合理的な判断を逐次行なっていくことにもつながり、そして作り手が物語を合理的につむいでいく展開の根拠ともなっていくものなのだ。


 もちろん乾いた「合理性」のみならず、というよりも「合理性」そのものは、やはり物語においては二次的な言い訳にすぎないところがある。
 視聴者の「情緒」の次元では、徐々に物語のスケール感と戦闘が宇宙規模にて拡大していく「ワクワク感・勇壮感」などの情動を喚起されたいワケなのだ。
 それを与えていくのが、「物語」という存在の目的・機能であるからには、それらの主目的に奉仕するための、あくまで舞台背景・装置・手段としての「合理性」であるのに決まってはいるのだが(笑)。
 よくできた娯楽活劇作品とはそうあってしかるべきものである。そして、そのよくできた例として、本作の最終章4部作もまたあるのだ……


 前話である「ウルトラの星へ!! 第1部」においてヘラー軍団は、第1陣・第2陣とヘラー軍の宇宙戦艦数百艦を差し向けてきた……。アミアはまだそれらは敵の総攻撃の前触れにすぎないとも云った。
 つまり、いまだ圧倒的な物量を誇るタイターン基地に対しては、巨大ヒーロー・ウルトラマンひとりと、いかに強大な戦力を誇るといっても巨大戦闘艦ウルトリア1艦だけでは、愚直に真っ正面から立ち向かっても、(悪口ではなく云うのだが)大方の少年マンガのように精神主義だけで勝利する世界観設定でもない中途半端に現実的な本作においては、その攻略は困難なものともなるだろう。


 正しい心を持つ者の精神主義(というか気合い・笑)による、より大声で絶叫した者が勝つ作品――そーいう暑苦しい作品も筆者は大スキだし、子供番組としてはそちらの方がより正しくて王道だとも思うが(笑)――ではない本作。
 そのような世界観の作品においては、巨大な勢力を持って圧制を布(し)く邪悪な者を砕くためには、真正面から堂々とではなくとも、知恵を尽くして(悪く云えばズルをして)敵のスキをついて奇襲をかけて蹴散らして逆転してみせることは、倫理の基準が変わってくるので視聴者にも許容されてくるものだ
 (逆に云うなら、1対1・個VS個の対決ものにおいては、たとえ対等ではなく善VS悪との戦いであってさえも、道義面では“奇襲”などの小細工が主人公側には許されなくなってくる)。


 そこに本作では、占領されてしまったウルトラの星の生き残りのウルトラ軍の艦隊が、数百までは行かなかろうが数十ではきかない数の艦船群として加勢することとなる。
 しかし、それでも1:5の戦力比で、敵軍の方が優勢であるという!


 もちろんヒーローものであるからには、途中で苦戦しようとも正義の味方の陣営が勝利するのに決まってはいるのだが、問題はそこに至るまでの手順を踏んだていねいな過程の描写である。
 それをいかに肉付けしたか否かによって、逆転の勝利に説得力がうまれて作り物のフィクション作品ではあってもカタルシス(快感)が得られたり、ただの段取りを踏んでいるだけの砂をかむような味気ない作品に堕(だ)してしまったりもする。


 果たして、その観点からの本話の成否はいかに……!?



ムツミ隊員「(万感の思いで)とうとう来たのね」


マルメ隊員「いよいよ決戦だ! アミアさん、エレクやロトたちはどこにいます?」


 コミカルなマルメ隊員ですら、ウルトラ人の少女・アミアから敵基地攻略の方針説明を受けた際に聞かされたのであろう、すでにウルトラの戦士・エレクやロトたちの存在を知っていることも示される。


 土星には到着したものの、今から20時間後に攻撃を開始することになっていること以外は、敵を欺(あざむ)くにはまず味方から……という故事にも則(のっと)ったものでもあろうか、ウルトラの戦士・エレクやロトたちが率いるウルトラ艦隊の所在を、アミア自身もまだ知らされていないという。
 とにかく今から20時間後に、敵基地への総攻撃を開始する予定だけが決まっているのだと。


 腕時計を見るマルメ隊員。その腕時計はちょうどこの時期に発売がはじまり、当時はとても斬新でハイセンスな印象があったデジタル時計だ。


 「しかし、あいさつくらい……」
 とまたも#45「爆弾を抱(だ)いたピグ」(脚本・平野靖司 http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100307/p1)同様、日常常識的な礼儀の次元でモノを云う(笑)マルメ隊員。


 彼の言動を真(ま)に受けて、ロボットなのに人間的でオマヌケなコミカルメーカーでもある科学警備隊のピグとウルトリア備え付けのウルック1号らが、


 「大丈夫〜、ピグが探してやるんだナ〜(語尾上がり)」
 「こちら、ウル……(トリア)」


 と通信しようとする。


 今は亡き大型戦闘機スーパーマードックの設計者にしてメカニックマンあがりで、マルメやピグらにくらべれば理知的なトベ隊員にポカリとド突かれて、


 「バカもん! 電波は使えないんだ、敵に気付かれたらドーする!?」


 という、科学的・軍事戦略的に合理的な説明をさせつつも、チビロボたちを使った緊張緩和のシーンとしても機能させているあたり、マジメ・朴念仁なだけのマニア諸氏はこーいうシーンをキラうのかもしれないが、シリアス一辺倒ではない遊び心も残している演出で、さりげにイイ(笑)。


 敵の前線基地を攻略するにあたって、衛星タイターンの濃いガス・霧(きり)による大気が問題視され、それによって正確な基地の場所が判別しがたいことが、アミアによって説明される。
 だれかが先遣隊として潜入して、正確な場所を主力艦隊に告知する必要があるのだと。


 巨大なウルトリアでは敵に関知されてしまうと、またもトベ隊員はスジが通った見解を返す。


 「ですから、私がスペースバーディで行きます」と云うアミア。


 一同呆然とするが、前話でのアミアの極東ゾーン基地滞在時の部屋の係りは誰なのか? という騒動につづいて、まがりなりにも正規の隊員のマルメはともかくピグとウルックまでもが加わっての、「私がいっしょに行きます!」合戦のコミカル描写が展開される(笑)。


 SF志向の印象が強い吉川脚本回ではあるが、後年のインタビューでは『ウルトラ』という実写特撮作品に対して元々ターゲットの年齢層が極度に低いとカナリ辛辣なことをのたまうも
 ――そーいう忌憚(きたん)ない発言も、『ウルトラ』ひいては特撮ジャンル自体を外側から見て相対化しつつ定位置を観測する指標になりそうで、筆者個人のマゾ的な感情もあるのやもしれないが(笑)、自身の視野・視角を拡げる参考にもなるので、個人的にはけっこうスキだが――、
 コミカルなシーンも意外と忘れず軽視せず、担当回では必ず挿入する融通と遊び心のある御仁なのだ。


 「やめろ!!」と一喝して黙らせるゴンドウキャップは、隊員一同を見渡して、「ヒカリ……、おまえが行け」と命令する。


 すかさず、マルメ隊員が駆け寄って異議を申し立てる!


 「キャップ! な、なんでこいつが。キャップ、アミアさんを死なす気ですか!?」


 もちろんヒカリ隊員へのあまりに失礼な彼の言動は、故(ゆえ)のないものではない。
 最終章4部作の直前回、#46「よみがえれムツミ」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100320/p1)にて描写された、瀕死のムツミ隊員を看病していたものの、ウルトラマンに変身して戦っている最中に、ムツミ隊員が事切れてしまったという大失態から生じた、マルメ隊員からの「肝心なときにはいつもいない(!)」ヒカリ隊員の無能ぶりへの不信感の爆発の再現でもある。
 登場人物たちは本作では当然のことながら、劇中内での過去の事件とその際に生じた情緒や人間関係を引きずりつづけているのだ。


ナレーション「数時間後、ウルトリアはタイターンの出現位置に移動して、時を待った」


 窓に土星を眺めつつ休息室にいるマルメ隊員は、不機嫌にコーヒーを飲み干し、胸中に疑念をいだく。


 「くそう。このごろキャップはどうもヒカリを特別扱いしやがる……あんな落ちこぼれをどうして?
 (表情を変えて)待てよ、この際、あいつのナゾの行動を突き止めてやるか……」


 ここでアミアの前言とは異なり、前話で初登場した小型戦闘機バーディの宇宙航行可能型スペースバーディではなく、同じく小型戦闘機ベータミーの宇宙型スペースベータミーの機体が格納庫に初登場するプチ・サプライズ!
 なぜにアミアの前言の段階で、「スペースベータミー」とは云わせず「スペースバーディ」と云わせたのか正確な意図は不明だ。
 しかし、その後の展開ではこの機体を「ベータミー」と終始呼称させつづけることから、つまらないケアレスミスの類いではないことも推測されよう。
 本話のテーマやドラマに直接的にはまったく関係がないとはいえ、リアルというよりナチュラルな、ありうる軽微の作戦変更などもウラ側に少し感じさせ、何よりもオトコのコが大スキな(あるいは巨大戦闘艦ウルトリアを登場させた吉川先生あたりもスキそうな?)新メカ登場によるワクワク感を提供するサービス精神ではなかろうか?


 ベータミーの両翼端は、旅客機のジェットエンジンのごとく前方のファンから空気を取り込んでエンジン内の燃料を燃やして後方に噴射するようなスタイルに見えたが、空気のない宇宙空間では前方からの空気取り込みファンも必要がないのであろう、その部分が省略されてその代わりに黒鉄色の細長い銃身が装備されたスタイルとなっている程度のマイナーチェンジ版がスペースベータミーではあるが、それがまたカッコいい。
 操縦席が2名並んで座れる複座式であるあたり見た目、単座式であった(っけ?)本家のベータミーと変わらないので、容積的には辻褄が合わないような気もするが、カッコいいのだから気にするな(笑)。


 ついでに今回出撃するスペースベータミーが格納庫にあるシーン。手前には少なくとももう1機のスペースベータミーがある模様だ。


 宇宙服を着込んだマルメ隊員は、スペースベータミー操縦席うしろの空洞物置き(?)スペースに忍び込む。
 オトナの視点でリアルに考えれば、上官の命令を無視するなど、一応の軍事組織にはあるまじき絶対にアリエナイ行為なのだが、そのへんは厳密なイミでのリアリティを追及しても、さして意味はない。


 物語的には、“マクロの次元”・“叙事の次元”での土星圏での戦闘の帰趨(きすう)といったことと平行して、“ミクロの次元”・“叙情の次元”・“ドラマやテーマを扱う次元”においては、#46でのムツミ隊員のヒカリ隊員に対する心情変化、#47でのゴンドウキャップのヒカリに対する心情変化につづいて、本話たる#48では関係が険悪化する一方だったマルメ隊員のヒカリ隊員に対する心情変化を描いてもいくからだ。


 その主目的とそれが視聴者に与えるであろう感慨の重要性とを比するなら、リアリティの優先順位などは若干(じゃっかん)下がろうとも、さしたる問題ではないのだ
 (視聴者のほとんどもマルメ隊員の独断専行をアリエナイことだ! などとは気にしないであろうとも思われる。もちろんリアリティの優先順位を無限大に下げていってもイイ、などという極論を主張する気もないけれど)。


 そして、マルメ隊員の無謀な行動は、結果論ではあっても物語中では、ヒカリ隊員とアミアの行動の足をひっぱらない。
 むしろ、前線基地内での彼らのピンチを救う契機にさえなるのだから、イヤな感じは与えないのだ!


 発進するスペースベータミー。シートベルトもハメていなかったせいか、発進事のG(衝撃)で意識を失うマルメ隊員。
 ヒカリの正体をもちろん知るアミアは、ベータミーを操縦しながらプライベートな会話を交わす。


アミア「(華やいだ感じで)ヒカリ、よかったわね。あなたと行けることになって」


ヒカリ「(気のない感じで)うん」


アミア「なにか気になるの?」


ヒカリ「いや、キャップがなぜ僕に命令したのか、それを考えていたんだ」


アミア「ウフ(イタズラっぽく肩もすくめて微笑)、もしかしたらキャップは、あなたがウルトラマンだってことに気付いているかもね」


ヒカリ「(無言でうなずく)」


 この一連のシーンでのアミアの顔アップの作画は、本話の一連の作画同様、少しだけ線・描画が太い気もするが、なかなかにクオリティが高く、気高くもかわいく描けている。


 一方、ウルトリア司令室内の一段高いキャプテン席にいるゴンドウはいつもの腕組みをしながら、


 「(内心の声)もし俺の勘が当たっていれば、この任務をやりとげられるのはヒカリ、おまえをおいてほかにない」


 とのたまう。
 これもまた、前話の後半Bパートで、アミアとともに敵の旗艦に潜入したヒカリに対してゴンドウがいだいた、確証はないものの内心のホンネのリフレイン・反復描写でもあるのだ。
 次作『ウルトラマン80(エイティ)』(80年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971121/p1)と同様に、今見返すと実はナレーションにてクドいほどに説明をほどこす本作であるのにも関わらず(ただし本作においては、声質のせいかスマートで鼻にはつかない・笑)、隊員たちは内心「そうかもしれない」と思っても、「そうかも」のその内容をワザと明言させずに、視聴者の心理をもジラしつづけることが吉川脚本のキモにして、情動喚起のためのねらいのひとつであったのかもしれない。


 衛星タイターンに到着したヒカリとアミアは、外気の猛毒ガスを避けるための宇宙服を着込まずに、誰はばかることなくウルトラチェンジして、#39「ねらわれた巨大戦闘艦ウルトリア」・#45「爆弾を抱いたピグ」につづいて等身大・人間大サイズのふたりのウルトラマンに変身!
 そのまま走行して、敵の基地へと潜入する。ウルトラマンに変身したのに、伊武雅之の声ではなくヒカリ隊員の富山敬(とみやま・けい)の声でしゃべったり掛け声をあげるのが新鮮。


 基地に潜入を果たしたふたりは、透明チューブのエレベーターにて下降し、呼吸ができる空気のある下層部で変身を解除してそのままエレベーター(?)で水平に移動して、脅威の光景を目撃する。


 まだ膨大な数が残るヘラー軍戦艦の大群が、そこには格納されていたのだ!(ヘラー軍巡洋艦の姿はここでは見当たらない)


 そして!
 濃赤色の体表、眼球は緑色で瞳もなく、無表情な巨大怪獣が微動だにせずに、同じ格納庫の果てに配置されていることにも気付く!
 その名は、合成怪獣ヘラ=ウマーヤだという。「合成獣」というからには、『ウルトラマンダイナ』(97年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971204/p1)のナゾの宇宙球体スフィアが取り付いたもの……ではなくて(汗)、人造によるSF科学的な処置にて誕生した巨大怪獣、生物兵器といったような含意をほどこそうとしていたのであろうか?
 デザイン的にはオーソドックスな恐竜型でも筋肉質なボディで、通常編に登場する怪獣よりも強そうだ。
 ヒカリは警戒を怠らず、険しい目付きでこれを見上げながら、エレベーターはそのかたわらを通り過ぎていく……。


 一方、地球人潜入の報に接して、協働が予想されるウルトラ軍の生き残り艦隊との圧倒的な戦力比からも余裕で鎮圧できると見る、ヘラー軍の一般兵士と同じ鎧でも赤色の服飾部が多い配下の中堅幹部からの進言に、地底に格納されているかぎりは無力だから早く戦艦を出撃させろ!
 と的確に軍事的な判断を下していくロイガー司令のキレ者ぶりも怠らずに描いて、肉付けもしていく。
 そう、愚劣なだけの敵を倒したところで、カタルシスはゼロではなかろうが、よりいっそう高まろうこともないハズだ。



 マルメ隊員にピンチを救われて、3人は駆け出して、息もたえだえに危地を脱する。


マルメ「チキショウめ、こんなものかぶって走ると、息が切れてイケねえ」


ヒカリ「マルメ隊員、ここは空気があります」


マルメ「エッ? それだ! おまえその姿でどうやって、あのガスの中を来たんだ!」


ヒカリ「エッ? いや、それは……」


アミア「それどころじゃないわ!」


 敵兵士の追跡、接近に気付いた3人は、別の場所への避難を開始する!


 本話の主軸のひとつとなるのは、マルメ隊員の心情変化の起伏だ。
 衛星タイターンという呼吸ができる大気がない星のハズなのに、いつもの科学警備隊の隊員服という軽装で活躍しているヒカリ隊員に、マルメの疑念はここで一度深まる。


 シャッターが降下する先の空間へとスライディングする3人。デブのマルメ隊員はひとりだけ遅れて直前で転ぶ、お約束のサスペンス演出もはさみつつ……
 しかし、その先は行き止まりの、急峻な崖に囲まれた空洞であった!


 ついでにその空洞は、合成怪獣ヘラ=ウマーヤを地表へと運ぶ通路でもあったのだ!


 巨大怪獣が轟然と上昇していく迫力ある姿に狼狽して、マルメ隊員は思わず銃口を向けてしまう。
 この狭い空間で怪獣を刺激することをよしと思わなかったかヒカリ隊員はそれを身を挺(てい)して止めようとするも、銃弾はヒカリの右肩をかすめてしまい、その衝撃でヒカリは崖下へと落下していってしまう!


 しかし……、
 崖下から我らがヒーロー・ウルトラマンジョーニアスが出現した!
 後期オープニング主題歌冒頭にて、ウルトラマンが右腕をふりあげているバンクセル画を流用しつつ、ウルトラマンは上昇飛行して怪獣のあとを追う!


 なぜにこんな僻地(へきち)の衛星の地底にまでウルトラマンが!? というマルメ隊員の驚きを尻目に、ウルトラマンと怪獣との激闘がはじまった!


 敵兵に囚(とら)われたマルメ隊員とアミアは縛(ばく)を受けて、ロイガー司令の許に引き出され、ヘラー軍戦艦が地底格納庫から続々出撃するサマを、そしてウルトラマンが右肩を痛めていて思うように戦えないサマを目撃する!


 右肩! ここに至って、ヒカリと対立を重ねてきた、いかに鈍感な彼でも、さすがに真相を察するしかなくなるマルメ隊員の変心の決定的な瞬間が描かれるときも来た!
 ここがミクロの次元での本話の見せ場・クライマックスだ!


 囚われたウルトラ人の少女を、ジョーの妹・アミアだとわかったロイガー司令は、事がここに至っても敵に屈して卑屈になることもなく気高く不敵に「ここはもうすぐ墓場になるのよ!」と発するアミアに業を煮やし、電磁棒で彼女を幾度も打ち据える!


 その度に苦悶の声をあげて、優美で豊かな金髪の長髪が逆巻く作画が、不謹慎で倒錯した見方であると重々承知しつつ云うのだが、艶(なまめ)かしくも美しい。


 倒れたアミアを見て、同様に両腕が後ろ手に縛でつながれて不自由な身であるにも関わらず、マルメ隊員がオトコ気を見せて突進するあたりも、彼の多面性・善性を描写していてイイ感じだ。


 仰向けに倒されて、合成怪獣の豪腕に首を絞められて、適わないと見たウルトラマンジョーニアスは戦局の大局を見て、ウルトラマンの身体の主導権をにぎっているとおぼしきヒカリ隊員の意識に、プラニウム光線を怪獣ではなく天空高く目掛けて発射することをアドバイスする!
 一条の光が、衛星タイターンからはるかな高空、宇宙空間にまで達する!


 それを目撃したゴンドウキャップは、まだウルトラ軍との戦闘開始時刻が来ていないのにも関わらず、形式主義官僚主義に陥らず、情勢を直感して即断即決を下す!
 一条の光の発信源をめざしての、巨大戦闘艦ウルトリアの突進だ!


 同じ判断を即座に下したのであろう、ウルトラの戦士・エレクのテレパシーによる声も、ウルトリア艦内の科学警備隊の面々の脳内に響いた!


 「(中略)今わたしたちもタイターンに向けて発進しました! (中略)力を合わせて!」


 ナント土星の輪である岩石群の中に紛れるかたちで隠れていたという、ウルトラ軍の前方後円墳型の白い戦艦群が陸続とその姿を現したのだ!
 (その後の科学的知見で、土星の輪が岩石ではなく氷のツブでできており、輪の厚みも非常にウスいことが知られた今日では、高さが少なくとも数十メートルはあろう戦艦を隠すことも実は困難かもしれないのだが、またも細かいことは気にするな・笑)


 ウルトリアの後方につづいてくる数十艦にもおよぶウルトラ軍戦艦!!


 その中央にはよく見ると、円形部分の左右前三方の複眼レンズ型のレーザー発射口の代わりに、長大な4連装の紫色の砲口を三方に備えた戦艦が!
 (などと云いつつ、DVDライナーに収録された設定資料画にてつい最近はじめて知った、このウルトラ戦艦のマイナーチェンジ版の正式名称は、“キング・オブ・ウルトラ”。巨大化変身できるエレクやロトに5大戦士が搭乗するウルトラ軍の旗艦!)


 その前円の頂点の透明パーツに覆われた展望ルーム(?)に、古代ギリシャ風の貫衣で身をまとったエレク&ロト&5大戦士が集結している。
 そして、ここからが本話のマクロの次元での映像的なクライマックスであり、戦闘ショータイムの開幕でもある!
 夏休み放映分の3部作である#20「これがウルトラの星だ!! 第2部」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090914/p1)にて彼らが初登場した際に作画された美麗なバンクセル画を再び用いて、星型の変身アイテム・ビームフラッシャーを額に当てて変身する、7人のウルトラマンの同時変身シーンが描かれる!!


 「ウルトラ、チェーーンジ!!」


 まばゆいばかりの閃光に包まれながら、身体がウルトラマンへと変転していく7人の戦士たち!!


 ウルトラ軍の大艦隊のみならず、ウルトラマン7人までもが新たに加勢をするのだ!
 少年時代の筆者のコーフンは、何をか云わんや!
 (現代語訳(笑)すると、もうどんな言葉で説明したらよいのかわからないほどよかった! ……という意味。
 いや実は、クドクドと百万言費やして腑分けして言語化するのもスキなんだけど、遠慮しておきます! という意味で・汗)


 ウルトリアにウルトラ軍の戦艦群、ジョーニアスを含む8人のウルトラマンの活躍で、タイターン基地と数百のヘラー軍戦艦に合成怪獣の撃滅は成功し、ロイガー司令もついに息絶える。


 囚われの身であったアミアだけは、人質として有効と見なされたのであろう(作劇的には、戦力比が正義の味方側だけを優勢に偏りすぎさせないためにするシーソーバランスの復元の意味、そして次回以降へのヒキとする意味もあろう)、その直前に打ち出されたロケットに搭乗させられ、ウルトラの星・U40へとワープ航法で護送されてしまったが……
 ロケットに追いつけずにタイターン上空の宇宙空間にひとりたたずんだジョーニアスに、あとから追いついたエレクとロトは慰めの言葉をかける。


ロト「アミアは勇敢な子だ。きっと死にはすまい」

 
 多少の不協和音と次回へのヒキも残し、超人種族であるエレクとロトのキャラにも人間味を与えつつ、物語はアミア救出失敗に過剰な悲壮感を漂わせず、タイターン基地撃滅の勝利の余韻の方をメインにして気持ちよく終わる。



 ラスト、独断先行の行動を取ったマルメ隊員は当然のことながら、ゴンドウキャップに叱責されるも、ウルトリアの司令室には安息の空気が流れる。


マルメ「(糾弾ではなくソフトな感じで)おいヒカリ、おまえのそのケガなぁ……」


 ヒカリ隊員のヒミツの核心に迫る質問をしようとするつもりだったのか否か、あえてまたイジワルなヒイてジラして盛り上げる作劇で、イイところにてジャマが入る!
 そこにテレポーテーションで、変身前の古代ギリシャ風の貫衣に身をまとったU40の7大戦士たちが出現したのだ!


 科学警備隊へ感謝の意を表し、地球への脅威が去ったことを告げるエレクとロト。
 アミアだけが新たに囚われの身となってしまったことを嘆き、できればウルトラの星の奪還闘争への参画(!)をも申し出るゴンドウキャップのまたしてものオトコ気ぶり!


 「(いっしょに)行っていただけますか、みなさん!」


 と彼らの侠気(きょうき)を心強く思うエレク!


 そして、ゴンドウとエレクは硬い握手を交わす!


 ついに最後の地であるウルトラの星へと向かう決断を下した科学警備隊!
 頼もしい胸躍る展開であるが、テーマ的・ドラマ的に分析チックに観るならば、ここに来てウルトラ人は、地球人を庇護すべき弱い存在ではなく、互いに尊重すべき同等の人格ある存在だと見て、ほぼ対等の次元に立ったのだと見て取れないこともない。


 #44「ウルトリアが二つに割れた!!」(脚本・若槻文三 http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100228/p1)にてすでに伏線は張られていたが、光速の壁を超えて200万光年の彼方にあるウルトラの星へと向かうには、当時のSFアニメでもおなじみ「ワープ航法」を用いなければならない。


 ウルトラの星へ!!


ピグ「でもナ、ここまではウルトラマンも助けてくれたけど、U40まで来てくれるかナ?」


ウルック1号「かナ?」


 ……「かナ?」「かナ?」って、『ひぐらしのなく頃に』(02年〜)のヒロインじゃないよ(オイ)。


キャプテン席のゴンドウ「安心しろ。きっと、ウルトラマンもいっしょだ(力強く確信を持って、隊員席を見下ろす)」


マルメ「もちろんですよ、キャップ!」


 ついにマルメ隊員までもが気持ちよく同意する!
 その手前で、「エッ」という表情をしているヒカリ隊員と対比。


ムツミ「わたしも、絶対にそうだと思います!」


ピグ「でも、あんなに遠くじゃナあ。
 (ムツミ隊員の座席から歩を進めて)
 どう思う? ヒカリ隊員。


ヒカリ「ウン?(苦笑してゴンドウを見上げる)」


ゴンドウ「ウルトリア、発進!!」


 ミクロの次元での、ヒカリ隊員の正体は!?
 そしてその疑問にあい対する各隊員たち、主にマルメ隊員の心象変化のドラマを一旦ここにて完結させる。
 そして、勇ましいBGMが響き出す中、巨大戦闘艦ウルトリア&ウルトラ軍のウルトラ戦艦群の連合艦隊は、ワープ航法で光の奔流うずまく亜空間へと突入していった!



 本話の絵コンテを担当した山口和十八(やまぐち・わそはち)は、やはり漫画家・手塚治虫(てづか・おさむ)大先生設立の虫プロ出身。
 アニメ製作会社日本サンライズ製作の80年代前半の草創期のリアルロボアニメ『太陽の牙ダグラム』(81年)、『装甲騎兵ボトムズ』(83年)、『機甲界ガリアン』(84年)、『蒼(あお)き流星SPTレイズナー』(85年)などの名作群のシリーズ監督としてあまりにも有名な、高橋良輔カントクのペンネーム!


 本作『ザ☆ウルトラマン』放映とほぼ同時期の79年度の3月初〜翌年3月末までは、東映製作でサンライズが下請けアニメ製作に入ったリメイク版(続編?)
 ――我々の世代だと当然のことながら68年のモノクロ版はリアルタイムで視聴しておらず、カラー化が進んだ時代に再放送もなかったので、度々再放送もあって思い入れが深いのはもちろん79年版の方――
 の『サイボーグ009(ゼロゼロナイン)』のシリーズ監督をも務めていた。


 当時のティーンによる旧作回顧をも含む第1次アニメブームの波及効果であり、共にリバイバル作品でもあった『009』と本作『ザ☆ウルトラマン』は、最終回を迎えた時期も同じだが、作業工程の最終段階に人海戦術で関わる作画スタッフたちとは異なり、シリーズ監督職は多忙といえども多少は余裕があったのであろうか?
 何はともあれ、多少権威主義的な物言いをしてしまうが、本作終盤にもアニメ史に名を残すスタッフが関わってくれたことを光栄に思うのみだ。
 (『ザ☆ウル』のメインライターであり、本話の脚本家でもある吉川惣司(よしかわ・そうじ)氏とは、『ダグラム』『ボトムズ』『ガリアン』でもともに仕事をしている)


 筆者個人の見るところ、少なくとも本話の絵コンテは、「俯瞰映像」と「煽り映像」を多用しているところが特色。急角度からの映像にかぎらず、緩い角度での若干俯瞰ぎみ・若干煽りぎみの映像も多用する。


 とはいえ、俯瞰や煽りでの登場キャラクターの特に顔の作画はムズカしいハズだが、スタッフはその困難に実によく耐えて作画を果たしている。
 本話の「作画」名義の筆頭(いわゆる「作画監督」に相当すると推測する)は、#41「激突!! ウルトラマンウルトラマン」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100213/p1)でも「作画」の筆頭を務めた青鉢芳信氏。
 #41評でもふれたが、『機動戦士ガンダム』初作(79年)の各話の作画監督や、その劇場アニメ版(81年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19990801/p1)の「原画」担当者として記憶にあった御仁だ。
 しかし、#41の画風との共通点はあまり見出せない。下請けのアニメスタジオに出して、氏は監修程度のお仕事か? ナゾは深まるが……
 (ちょっとオオゲサ。実はそんなに気にしちゃいないけど・笑)


 本話評中でも先にふれたが、ワリと達意の達筆で、筆も早そうなノビノビとした作画ではあるも、気持ち描線が太いあたりでヤボったくもなっている。
 同時にラフというほどではないが、マルメ隊員やピグなどのコミカル系キャラは、特に顔の表情などが意図的にデフォルメされている。
 しかし、止め絵などでも、ポージングなどは骨格・デッサン・筋肉もシッカリしていて、動きも感じさせるものである。
 肌もあらわなアミアなどは、太ももが多少ムッチリしていて肉感的で、それまでとのイメージ統一を考えると賛否ありそうだが、コレはコレで許容範囲でもあるし、筆者的には必ずしも悪くはないと思う(てか、スキだ・笑)。
 当時のアニメは(いや、90年代前半のTVアニメ『美少女戦士セーラームーン』(92年)あたりでも・汗)、各話単位でのバラつきがけっこう多くて、逆に云うなら作画監督の個性が良くも悪くも明瞭であったものだった。


 他にも、『ガンダム』の富野喜幸(とみの・よしゆき)カントクが放った翌年度のリアルロボアニメ第2弾『伝説巨神(でんせつきょじん)イデオン』(80年)や数年後のリアルロボアニメ『超時空要塞マクロス』(82年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19990901/p1)での全方位ミサイルや多数のミサイル乱舞描写で名をあげる作画マン・板野一郎氏の名も見える。
 板野氏は、はるか後年の『ウルトラマンネクサス』(04年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060308/p1)・『ウルトラマンマックス』(05年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060311/p1)・『ウルトラマンメビウス』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070506/p1)の3作品。およびそれに連動した映画『ULTRAMANウルトラマン)』(04年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060305/p1)・『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070128/p1)においては、CG監督も務めたことはご承知の通り。


(了)


[関連記事] 〜ウルトラシリーズ最終回評

ウルトラマンエース最終回「明日のエースは君だ!」

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ウルトラマンティガ最終回 最終章三部作 #50「もっと高く!〜Take Me Higher!〜」・#51「暗黒の支配者」・#52「輝けるものたちへ」

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ウルトラマンネクサス最終回 〜中後盤評 #37「Final Episode 絆 ―ネクサス―」

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ウルトラマンマックス最終回 〜終盤評 #33、34「ようこそ地球へ!」バルタン星人前後編

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ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEO最終回 #12「グランデの挑戦」・#13「惑星崩壊」

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100331/p1



『ザ☆ウルトラマン』全話評 〜全記事見出し一覧

引き続き、5月より『ウルトラマン80』全話評も連動連載!

 (今年もファミリー劇場で放映開始記念特番『ウルトラマン80のすべて』をやるそうで!)