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魔法つかいプリキュア!! ~MIRAI DAYS~ オトナプリキュア第2弾! 元祖『魔法つかいプリキュア』所感&最終回の1話前が神懸かった大傑作!

『キボウノチカラ ~オトナプリキュア’23~』評 ~社会人となって世にモマれる往年の少女たち。再会・歓談・変身・バトルでのカタルシスも忘れずに再現!
『ヒーリングっど♡プリキュア』終盤評 ~美少年敵幹部の命乞いを拒絶した主人公をドー見る! 賞揚しつつも唯一絶対の解とはしない!?
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『魔法つかいプリキュア!! ~MIRAI DAYS(ミライ・デイズ)~』評 ~オトナプリキュア第2弾! 元祖『魔法つかいプリキュア』所感&最終回の1話前が神懸かった大傑作!

(文・T.SATO)
(2025年5月5日脱稿)


 女児向けアニメ『プリキュア』シリーズ第13作『魔法つかいプリキュア!』(13年)の、深夜ワクでの年長層に向けた後日談作品である。先に『魔法つかいプリキュア!2(仮題)』として発表されていたが、正式タイトルでは末尾の「!」は2個の「!!」に増やされている。幼児でなければ誰でも直感できるようなことなのだが、「PART2」をもダブル・ミーニングさせていることがよくわかる。


 本作の原典たる『魔法つかいプリキュア!』のモチーフは、「魔法」あるいは「魔法使い」。「プリキュア」シリーズは2010年代以降においては、「プリンセス(お姫さま)」「料理」「子育て」「天文」「医療」「南海」「人魚姫」「スイーツ」「ヒーロー」「食」「動物」「アイドル」といったモチーフやサブモチーフに複合モチーフを据えることによって、シリーズ各作における作劇やテーマ面での差別化をも図ってきて、それが物語的な稔りにも結実してきたとは思うのだ。


 本作『魔法つかいプリキュア!』においては、それは「魔法」であった。いや、『プリキュア』をはじめとする「魔法少女」もの全般は、すべて「魔法」がモチーフであって、「変身ステッキ」の類いも「魔法の杖」が原典でもあっただろうに!……と云ってしまえばそれまでではある(笑)。しかし、本作はそこであらためてトンガリ帽子をカブって、魔法のホウキにまたがって空を飛び、大空の彼方には「魔法使いたちの国」があるような、古典的なイメージでの「魔法使い」を前面に押し出した作品となっていたのだ。



 主要キャラクターはふたりだ。『プリキュア』シリーズは初期作こそ2名による変身ヒロイン体制ではあった……もちろん、5人戦隊モノでもあってまだ記憶にも新しかった『美少女戦士セーラームーン』(92年)との差別化もあってだろう……。しかし、シリーズに息切れが見えたところで、開き直って5名による変身ヒロイン体制へと変転。以降は、途中追加戦士も含めれば4名~6名と作品ごとに人数を変えるかたちでの、見た目の少々の変化も欠かさずに付けてきたのだ。


 けれども、本作においては当初は初作とも同様に2名の体制でもあった。副主人公は「魔法界」という異界から来た魔法学校出身の黒髪女子だ。彼女の存在によって「魔法使い」モノであることを担保もするのだ。しかし、主人公女子は「人間界」のフツーの少女でもあった。そこにて視聴者との親近感・日常感をも確保しているのだ。そして、シリーズでは毎度おなじみの中学2年生だともいう年齢設定で、デシャばらない程度での明るい女子像でもあったのだ。
 もちろん、シリーズ第5作『Yes! プリキュア5(ファイブ) GoGo!』(08年)以来は恒例ともなってきた追加戦士として、赤ちゃん型妖精から急成長をとげるかたちで3人目のプリキュア女子が登場してもいた。



 主演声優は今では中堅の高橋李依(たかはし・りえ)。前年2015年夏の深夜アニメ『それが声優!』『乱歩奇譚』『がっこうぐらし!』にて突如として主役級で登場したかと思いきや、早くも2016年には本作も含めて『Re:ゼロから始める異世界生活』&『この素晴らしい世界に祝福を!』といった、今でもシリーズが継続している2大ヒット作にて主要ヒロインを演じてもいる。その後もいまだにコンスタントに主役級のヒロインを、各作で器用に声音を変えながら演じ続けていることはご承知のとおりだ。
 サブヒロインには、新人声優を主役に抜擢したことでのアフレコ現場的な担保でもあったのか、90年代後半のアイドル声優・堀江由衣をキャスティング。3人目の追加プリキュアもまた、今では中堅実力派声優といった趣きでも、往時はまだ若手ではあった早見沙織が演じていた。


 ヒラヒラ・フリフリとした白と原色のドレスを着用したスーパーヒロインへと変身して、悪の怪獣怪人とも戦う魔法少女を描いた、21世紀にスタートした女児向けアニメ『プリキュア』シリーズ(04年~)も、早くも20年以上もの歴史を誇ってもいる。そこで、かつて『プリキュア』を観て育ったオトナになってしまった世代に向けて……といった「タテマエ」で(笑)、アニメ制作会社・東映アニメーションが放っているのが、本作も含めた通称「オトナプリキュア」シリーズでもある……もちろん、玩具会社と組んでの1年間を通じた4クール作品もの予算は確保ができないので、1クール作品ではあった。そして、実際のアニメ制作はテロップのとおりであって、グロス(粗・まる投げ)でスタジオディーンに下請けに出してはいたものの(汗)……。


 ググってみると、この「オトナプリキュア」企画と連動したものでは必ずしもないのだけれども、「平成仮面ライダーシリーズ」の後日談作品なども扱っていた「小説 仮面ライダー」シリーズなどとも同じ「講談社キャラクター文庫」レーベルにおいては、「小説プリキュア」シリーズなども存在していたようだ。そこでもすでに原典アニメ版のメイン脚本家たちなどが、後日談やオトナになってしまったプリキュアたちを描いていたりもしていた。もちろん、女児層が「小説」を読めるハズもない(笑)。「大きなお友だち」向けの企画でもある。「オトナプリキュア」なる企画とは、これらの発展型でもあったのでもあろう。



 とはいえ、女性もまた相応には子供時代に親しんだアニメ・漫画・ゲームなどにも思い入れもあることはあるであろう。しかし、男性ほどではないという説もあるものなのだ。統計的な調査などはないのであろうが、筆者個人のフワッとした生活実感としても、女性が男性層ほどには幼少期に享受した作品には執着していない、といった説にはうなづけるものはあるのだ。


 もちろん、個人個人の性格や趣味嗜好の相違の方が大ではある。けれども、傾向としてはファッション&スイーツな女性ほど、中高生以降になるや、良く云えば卒業、悪く云えば子供時代の趣味嗜好はキッパリと忘却していくようには思えもするのだ。そして、いわゆるプリキュア世代の女児ではあって、後年にオタク化した女子たちもまた、その過半はかつての自身が幼少期に視聴をしていた『プリキュア』作品には拘泥していないようにも思える。
 とはいえ、もちろん一般女子でもオタク女子でも、幼少期に観賞した女児向けアニメに拘泥する人間はゼロではないのではあろう。しかし、これは決して悪い意味ではないのだが、やはりキャリアウーマンやギャルのようなタイプではなくって、成熟できずに夢見がちなオボコいタイプや、この現実社会ではうまく生きられなくって幼少期に楽しんでいた勧善懲悪ハッピーエンドの物語で、疲弊した精神を擬似的に癒やしてさえもいるような……つまりは、我々のように特撮変身ヒーローものから卒業ができなかったような性格類型の御仁たちであれば(爆)、長じてからでも『プリキュア』シリーズを観賞し続けてもいる……といった印象はあるのだ。


 そういえば、そういったイケてない意志薄弱な女子像を主人公に仕立て上げていた深夜アニメ『魔法少女にあこがれて』(24年)といった作品などもあった。全員とはいわずとも「女児向けアニメに拘泥するオタク女子の一部はさもありなん!」といった感じを、「愛」&「(自虐的な)笑い」を持ってナマ温かく描いてもおり、オタク男子間での世評も高かったものである……筆者も含めて、そこには現実社会ではうまく生きられないオタク男子たち自身の「自己憐憫」の情も微量には混入してもおり、その評価をカサ上げにしていた可能性は高かったものの(笑)……。


 もちろん、いかに少子化の時代だとはいえ、女児向けアニメなるジャンルには、いわゆるニッチ(隙間)なマニア向けの深夜アニメの数百倍もの顧客がいるものではある。そもそもの「分母」が大きい以上は、たとえ往年の女児向けアニメに拘泥する女性が比率的には実は小さかったのだとしても、トータルではそこいらの泡沫深夜アニメ以上の規模ともなることによって、往年の『プリキュア』女児の成れの果てにして、その後日談が登場すればちょっとは観賞してみたいかも? と思ってしまうような御仁は、総数としては大きくはなるのだ。



 ……と云って、終わりにしたいところなのだけれども、21世紀以降の『プリキュア』シリーズにしろ、00年前後の『おジャ魔女どれみ』シリーズ、90年代の『美少女戦士セーラームーン』シリーズ、80年代中盤のすたじおぴえろ制作の「魔女っ子」アニメシリーズ、80年代前半の『ミンキーモモ』にしろ、「大きなお友だち」のオタク男性たちのマニアが常に相応数は付いてはいたものであった。


 往年の1970年代の少女マンガ群に対して、「団塊の世代」~「オタク第1世代」の原オタク男性たち(の一部)が執着していたのとも同様で、それらの作品にて繰り広げられてもきた、やや繊細で時に叙情性ある文学臭もあったようなドラマに惹かれてもきたからなのであろう……もちろん、性欲とまでは行かずとも、そこには好ましい異性やアイドルなどに対するフェティッシュな心情もまた微量には燃料にもなっていたことにも触れておいて、それをも認めておかねば、それは偽善であって欺瞞ですらあるであろう……。その意味では、公的に大声で云うかはともかくとしても、二次的には我々「大きなお友だち」もまたサブターゲットではあったに相違はないのだ(笑)。



 そして、本題の通称『魔法つかいプリキュア!2』こと『MIRAI DAYS(ミライ・デイズ)』のことである。たとえば、シリーズ第3作『Yes! プリキュア5』(07年)とその続編でもあった『Yes! プリキュア5 GoGo!』(08年)の15年を経ての後日談作品であって、とはいえ15年後ではなく10数年後を舞台にしてはいて、加えてNHK土曜の夕方ワクでの本放映をも実現してみせていた『キボウノチカラ~オトナプリキュア’23~』(23年)においては、往年のプリキュア少女たちは20代後半の社会人ともなっていたのだ。


 しかし、本作『魔法つかいプリキュア!2』においては、原典の放映終了から早12年が経ちはしたものの、やはりリアルな時間経過を反映させれば、同様にもう20代も後半へと突入してしまっているハズのプリキュア女子たちを描くことはなかった。『キボウノチカラ』との差別化もあってか、いまだ女子大生の時代を描いてもいたのだ。その意味では、悪の軍団との戦いよりも、ある意味では困難でさえあるやもしれなかった、複雑な現実社会での社会人生活でモマれてもいた、往年の名作人気TVドラマ『ふぞろいの林檎たちⅡ』(85年)ならぬ「プリキュア5」たちの成れの果ての姿に対しては、人間ドラマ的な滋味や見応えが感じられたものだけれども、本作ではそういったビター(苦味)要素はほとんどないのだ。


 フツーに新たなる悪の軍団が出現してきて、それらとの戦いに巻き込まれていく姿が描かれていくだけであったりもするのだ。……本作がイイ意味での真性の女児向けアニメであったのであれば、充分に及第点の作品ではあったであろう。しかし、「看板」としては一応の「オトナ向け」作品をうたってもおり、しかも土曜の深夜ワクにて放映されているような作品としては、個人的にはやや物足りなさを感じてしまわないでもないような出来でもある。ぶっちゃけ、個人的にはタイクツですらあったのだ(汗)。



 いやもちろん、「自然科学」や「工業製品」などでは決してない、こういった「文学」「物語」「芸術」といったものの「批評」(文芸批評)については、一定程度の有効性はたしかにあっても、「絶対」的にして普遍的な正解などはないであろう。いかに客観的に観賞しようとはしてみても、そこにはどうしたって個人の好み・美意識・価値観といった「相対」的な要素がまた消極的にはハラまれてはしまうものでもあるからだ。その意味では、本作『魔法つかいプリキュア!2』を純粋に楽しんでもおり、作品としても高く評価をしているマニア諸氏に対して、ケチを付けるようなヤボなことをする気もまた毛頭ないことは強調しておきたい。
 そういった断りをクドいくらいに入れたうえで、あくまでも単なる個人の好みや評価を云わせてもらえるのであれば……、実は筆者個人は同作の原典こと『魔法つかいプリキュア!』それ自体のこともまた、あまり評価はしていなかったりもするのだ(汗)。いや、自分で云うのもナニではあるのだけれども、筆者個人は「好悪」の情が激しい方ではない。むしろ少ない方なのでは? とも自認している。「前作にハマったから、その次作には感情的にもハマれない……」といったことは、ミドルティーンのころにはともかくとしても基本的にはない……どころか、そういった好悪の情動は、意識して抑圧してすらいるくらいでもある……。


 その意味では、原典『魔法つかいプリキュア!』もまた女児向けアニメとしてのノルマも満たした水準作ではあったことは重々強調はしておきたいのだ。しかし、キャラデザは5~6頭身ならぬ8頭身でもあって、ややナマっぽくて艶(つや)っぽい「萌え」系寄りではあったものの……、やはり年長のマニア・オタクとしては、あるいは個人の好みとしては、良く云えばプレーン(淡泊)な作りに過ぎてはおり、やや物足りない作品でもあったのだ。
 ただし、これは『魔法プリ』のスタッフに「力」がなかったからだと云いたいワケでもない。おそらく意図的にマニアックでドラマチックな方向性には走らせずに、女児向けとしてプレーンに作ろうともしていたからなのだ。そして、その意味では成功もしていたのだ……よって、同作にガチでハマっていた往年の女児たちは、その想いに誇りを持っていただきたいのだ……。
 もちろん、同作はプレーンなだけの作りでもなかった。往年の東映特撮『仮面の忍者 赤影』(67年)・『仮面ライダーアマゾン』(74年)・『高速戦隊ターボレンジャー』(89年)・初代『ふたりはプリキュア』(04年)よろしく、シリーズの途中では悪の軍団が交代してしまうような、シリーズ途中における「大きな変化」も与えられてはいる。シリーズ中盤でも、「人間界」ではなく「魔法界」に留学するかたちで数話を費やしたりといった「変化」なども相応に付けてはいたのだ。しかし、それらを認めたうえでなお、個人的にはイマイチな印象を持ってはいたのであった……同作を評価する方々にはホントウに申し訳がないのだけれども……。



 とはいえ、ラスト8話にて同作は個人的には(あるいはマニア目線では・汗)「大化け」したとも感じてはいる。「魔法界」と「人間界」との2大世界の成り立ちの壮大なるスケールの来歴&ヒミツ。復活したシリーズ前半における悪の軍団たちもまた、シリーズ後半における悪の軍団とも抗争を開始することでのストーリーの錯綜化&キャラの立て方。そして、ラスボスの真の目的でもあった「魔法界」と「人間界」との(混沌とした)「融合」……。
 ある意味でのそれは、ジョン・レノンの楽曲『イマジン』(71年)のような「国境なき世界」の実現ですらあった。しかして、それはウラを返せば、人々が過度に理想的な「統一ルール」にて個性を失って溶けて合一化もしていく「人類補完計画」的な目論見でもあったのだ……。
 果たしてコレでイイのか!? ともなったところで、「世界統一ルール」によるTPP的なマックやスタバによる「駅前風景同一化」の「グローバリズム」な世界なぞではなくって、個人・地域・世界が粒立った別個性を保ったままにて個別に交流・交渉もしていく「インターナショナリズム」な世界の方が賞揚されてもいくのだ! そして、それによって、「融合」されてしまった世界はもともとのイイ意味での「分断」した世界へと回帰を果たすのでもあった!! なんと示唆的でもあったことよ! 個人的にはこのテーマの提示&結末には、満腔からの同意を示したいのだ……。



 そして、マニアの皆さまもご存じのとおりで、2010年代以降の「仮面ライダー」シリーズとも同様に「プリキュア」シリーズもまた、大事件などで緊急特番が入って放映休止の延期になってしまった場合に、クリスマス商戦やら進学進級商戦における玩具の販売スケジュールとの不整合が発生してしまうことを避けるためにも、イザとなればカットをしてもイイような「話数調整」編として(汗)、最終決戦は「最終回」の1話前にて済ませておいて、その後のお題目的な「最終回」においては最終決戦後の後日談ドラマが描かれることもまた恒例にもなってきている……もちろん、往年の『鳥人戦隊ジェットマン』(91年)や子供向け合体ロボットアニメ『勇者司令ダグオン』(96年)など、最終決戦後の後日談ドラマや、どころか戦闘シーンすらなくって人間ドラマだけの最終回を長々と描いてみせた前例は、日本のジャンル作品の長い歴史においてはいくつか存在はしてきたので念のため……。


 同作もまた『プリキュア』シリーズにおけるその走りでもあって、その最終回……ならぬ、その1話前(!)からして……最終決戦から数年後を経過して、女子大生へと成長してしまった主人公女子の姿が描かれてもいたのだ。そして、その後の最終回もよかったのだが、この最終回1話前の仕上がりがまた、超絶に神懸かった出来にも仕上がってもいたのだ!



 ネタバレさせてもらうけれども、「魔法界」へと帰ってしまった親友プリキュア女子。精神を持って人語もしゃべっていた存在から、単なるクマの縫いぐるみへと戻ってしまった妖精キャラ。そして、『魔法少女まどか☆マギカ』(11年)や『仮面ライダー鎧武(ガイム)』(13年)の最終回よろしく、世界の救済とも引き換えに地上での生命・肉体・人生を捨ててしまって、概念・精神・神近き高次存在へと昇華してしまった追加プリキュア女子……。


 ……彼らにまた会いたい! 深夜の森でひろった小枝を変身ステッキ代わりに、幾度も幾度も幾度も懸命に変身詠唱「キュアップ! ラパパ!! みんなに会いたい!」と叫びつづける主人公女子の姿が執拗に描かれてもいくのであった。しかし、奇跡は起こらない……。次第に泣き崩れていく主人公女子。我々のような大きなお友だちの視聴者であれば、滂沱の涙も流し始めたところで、ようやくにして……。……といったところで、歴代『プリキュア』シリーズ最高の最終回でもあった! との主張をしたいのだ……いや、最終回ではなく、その1話前のエピソードではあったけれども(笑)……。


 もちろん、マニア目線での主張ではある。メインターゲットの女児層にすれば、まだまだ人生経験には乏しいので、「別離」や「再会」への渇望といった心理については、ストーリーへの「理解」としては分かっても「実感」としては深くは刺さらないであろうことを思えば、この最終回は万全なものでは決してないのだ。しかし、だからといって不可だといって却下するほどのものでもないであろう。そして、明朗さや希望、あるいは変身・バトル・必殺ワザといったお約束の要素については、最終回におけるいかにも小物な残党勢力(笑)との小競り合いにて満たされてもいたからだ。



 ところでこの最終回では、女子大生になった主人公たちが、再変身が可能になるや、女子中学生の姿へと戻ってもいた(笑)。しかし、この最終回から間もない時期だとも推察できる後日談たる本作『まほプリ2』においては、変身シーンにて女子中学生の姿には戻らずに、新規作画による女子大生姿のままにて変身をとげていた。……ドーいう原理なのであろうか!? そして、「仮面ライダー」でも半・恒例化していた、最終回での次作の主人公ヒロインとのバトンタッチ共闘もまた、女子大生と女子中学生とで年齢差が生じてしまったことによって、映画『プリキュア オールスターズ』シリーズにおける共演描写に矛盾が生じてしまうのだ……(いやもちろん、ネタでツッコんでいるのであって、このテの子供向け作品にガチで設定的な整合性を求めているワケではないのは、くれぐれも念のため……・笑)。


(了)
(初出・オールジャンル同人誌『DEATH-VOLT』VOL.96(25年5月11日発行))


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