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ストライクウィッチーズ Operation Victory Arrow 第3話「アルンヘムの橋」

『ストライクウィッチーズ 劇場版』
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ストライクウィッチーズ Operation Victory Arrow 第3話「アルンヘムの橋」

(文・T.SATO)


 魔法少女でもありネコ耳でもあり、メカ装甲をまとった空飛ぶMS少女でもありパンツ見せ見せで、スチームパンクな1940年代・第2次世界大戦の仮想戦記ものでもある、ワールドワイドな各国連合軍の11人にもおよぶ大所帯の少女戦隊もの。まさにごった煮、寄せ集めのB級ジャンクカルチャー作品。
 飛行中の少女のバックにカメラが寄るや、00年代を通じてエロ漫画やエロ同人誌で発達したとおぼしき描画技法で、少女の股間のミゾやふくらみを執拗に描写する!(笑)


 そんなしょーもないコンセプトの美少女アニメである本作は、第1期TVアニメシリーズ『ストライクウィッチーズ』(07年)、第2期TVアニメシリーズ『ストライクウィッチーズ2』(10年)につづく後日談の映画『ストライクウィッチーズ 劇場版』(12年)にて一応は完結していたハズ。
 なのに、第2期と完結編のあいだを埋める番外編ストーリーと銘打って、新作OVAも製作されてしまうのでありました。


 商売になるかぎり、小銭であろうが確実に稼げるかぎりは、シリーズ作品が製作されつづけるとは、高度資本主義経済もココに極まれり!
 いや、個人的にはあまり嘆いてはいないし(笑)、マニア間でも今さらこのテの事態を嘆いているヒトはほぼゼロだとは思うけど。
 若いオタは知らないでしょうが、はるけき昔には『宇宙戦艦ヤマト』(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101207/p1)や『機動戦士ガンダム』(79年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19990801/p1)の続編決定がマニアの大多数から「商業主義だ!」とケッペキにも批判されたものだけど、それはマニア――当時のまだ若きころのオタク第1〜2世代――の側の人心が素朴・未熟であったとゆーべきで。


 今回のOVAは低予算に押さえつつもマニアックな関心を引かせるためか、11人全員は登場させずに、正編の主人公少女以外の美少女キャラを2〜3名ずつペアにしてピックアップ、主役を変えていくことで、シリーズのスキ間を埋める番外編のOVAを3本も製作!


 基本的にはこのシリーズは、多数のスルドい赤い光線を多方向に放って金属チックな咆哮をあげる無機物チックな空飛ぶ黒褐色の数百メートルはあろうかとゆー巨大怪獣(?)に対して、現代版・空飛ぶホウキのプロペラユニット(笑)を片脚ずつ両脚にはいた美少女戦隊が大空を超高速で飛び交って、知恵と勇気と魔法と銃器や重火器に日本刀(笑)で粉砕する! とゆーモノ。
 しかも敵サンは無機物か天災チックな存在なので、敵側に同情すべき事情もナイ。よって、何の罪悪感もナシに気持ち良〜くカタルシス・爽快感全開で敵サンを粉砕する攻防劇が描ける次第。


 良く云えば、巨大な敵を攻略するカタルシスを導ける、シンプルでも骨太なストーリーの骨格を、各話単位の脚本レベルではなく、作品の基本設定の段階ですでに有していたともいえる。
 もちろん本作が真のイミでの「戦争」を描けているかといったらアレで、しょせんは「戦争」ごっこにすぎないけれども、インディアンを悪役にする西部劇やナチスを悪役にする戦争モノといった娯楽活劇を安易に作れない程度には政治的にも人権的にも成熟した21世紀の我々にとっての、娯楽活劇作品の敵役の造形のひとつの解答がココにある! ……かもしれない。
 我ながら心にもナイこと書いてるよーな気もするが(笑)。もちろんその逆に、コレは悪役の造形方法の退化だ! 退嬰だ! 洋画『ダークナイト』(08年)あたりを見習え! とゆー正反対の意見の立場も、論理的にはあってもイイとは思います。
 まぁドーとでも云えますし、要は戦争という大状況の方に焦点を当てるのか、少女の頑張りや健気さの方に焦点を当てるのかで、敵サンも悩める人間にしたり書き割り背景の記号にしたりという、作劇の幅のバリエーションですネ(笑)。


 今回のOVA3本における敵サンについては、第1話においてはいつもの空飛ぶ巨大飛行体であったが、絵面の差別化のためか第2話においては地中海の島の巨大洞窟に潜んで近づく船舶や飛行機を攻撃する巨大芋虫タイプ、第3話においては巨大河川の大橋のたもとの塔を巣にした不定形タイプが登場。
 今回のレビュー対象の第3話では、この橋のたもとに不定形タイプの敵性生物が陣取っているために、生家がある対岸の地――対岸以降は敵性生物群の制圧地でもある――に帰れない、故郷を追われてストリート・チルドレンに落ちぶれている戦災孤児の幼い兄妹がゲストとなる。


 病にかかった妹とヤンチャな兄貴、というコテコテのパターンながら、彼らを成り行きで拾うことになった、上品だけども姐さん声でプンプン怒っている印象が強い――でも怖くナイ(笑)――沢城みゆき嬢が演じる、あまり美少女ではナイよーな(汗)メガネっ娘魔法少女の姉ちゃんが、自身は欧州某地方の実質、小領主でもあるため――まだ10代中盤なのに! しかも軍人と兼任!(笑)――、彼女がいかに領民たちに気を配り福利厚生にも努めているかのイイところが描かれる。
 そして兄妹のために学校を設立! 後日談でもある『劇場版』での学校設立の経緯がココで明らかに!――まぁ後付けではあるけれど(笑)――


 そんな兄貴が妹のために生家に残してきた人形(だったっけ?)を奪取せんと、作戦行動中の軍のトラックの荷台に隠れてムチャしたことから起きる騒動! 兄貴少年を助けんと活躍する魔法少女姉ちゃんの勇ましい大活躍と大ピンチ!
 第2次大戦中のヨーロッパの諸都市を描いたもろもろの戦争映画も想起させる、石造りの建物群がほうぼうで半壊して瓦礫ばかりの街でのやりとりや戦闘シーンには、たしかに映像的な風情が出ていたのであった。


 ところで、本誌主宰者氏はバックナンバーでの本作OVA第1話評において、勝手に意訳させていただくと「本作における萌え要素は意匠・表層の仮初めのモノであって、その本質はもっと骨太な攻防劇にあるのでは?」という趣旨の発言をされている――誤読でしたらゴメンなさい――。
 その見解にも一理はあるのだが、個人的にはその見解には異を唱えたい。
 たとえば本作に「萌え」要素がなかったならば、ココまでの人気が出たであろうか?
 成熟して自立した成人男性たちが主人公であったなら、マクロな「公」のために戦いつつも、時にミクロで幼いごくごく「私」的な葛藤にも苛まれている姿、誰それに好いたホレた憧れた嫉妬した的な描写に、スナオに同情できるであろうか?(笑) 公私混同のイヤ〜ンな感じが浮上してくるのでなかろうか?
 10代中盤のチョット頼りなさそうで、リアルではなくシンプルで線も少なく頭身も低めのアニメ絵の美少女だからこそ、その生活描写や戦闘シーンに健気さもやどって、視聴者の側でも強大な敵と戦う彼女らを応援する気持ちが無意識に後押しされるし、そのポワポワした絵柄ゆえに作品内のリアリティの審級も下がって、多少の無理や矛盾が許容される度合いも高まっているようにも思うのだ。
 ゆえに、本作における――実は本作だけにかぎらないのだが――「萌え」要素は、作品の中核・本質・根源の方にまで根深く密接にカラまってトゲトゲが喰い込んでいるものでもあり、単なる表層的な意匠のトッピングであるともいえないのではあるまいか?


(了)
(初出・オールジャンル同人誌『DEATH−VOLT』VOL.70(15年6月21日発行))



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