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魔法少女まどか☆マギカ最終回「わたしの、最高の友達」 〜&2011年冬季アニメ『IS』『フリージング』『放浪息子』『フラクタル』


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 CSアニマックスや、東京MXテレビにて再放送記念! ついでに2012年秋に総集編前後編映画、その後に新作映画が公開記念! とカコつけて……

魔法少女まどか☆マギカ最終回「わたしの、最高の友達」

(文・T.SATO)
(昨2011年4月執筆)
 二昔前の『美少女戦士セーラームーン』(1992・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20041105/p1)以来、子供・マニア向け双方で連綿とつづく、変身する魔法戦闘少女の戦隊もの
 そのリアル系鬱版、巨大ロボアニメでの『新世紀エヴァンゲリオン』(1995・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110827/p1)の立ち位置だの云われてそれも正しいが、魔法少女同士の抗争もあるのでむしろ平成ライダー、しかも『仮面ライダー龍騎(りゅうき)』(2002・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20021109/p1)だろ……。


 とツッコむつもりが、ニコニコ動画での#10の配信終了後、この動画は仮面ライダーオーディンも応援しています(大意)との字幕が出されて……。
 正規の放映媒体ではないとはいえ、コレはアリ?
 半笑いさせられつつ、スタッフ自らがこんな発言をしてしまうと、批評・感想オタによるネタ元暴き・ツッコミ解題芸もやりづらい世になったものだ(汗)。


 萌え4コマの絵柄で心理劇と人間の生死を描く試み。
 ツマラなくはなくまぁ面白いが、狙いが空回りして頭デッカチなトコも多々あると思う。
 絵柄とのギャップによる上げ底も感じるし、故に過大評価されすぎだとも思う。


 抗争を止めんとする善人主人公集団・訳ありサブ・自己中インモラリストのシフト自体はバトルロワイアルものの典型。


 ただ、全員欠損家庭でそこに一因を求めた『エヴァ』とは異なり、むしろ恵まれた、しかしキャリアウーマンの母とは真逆の、環境のせいではなく気質・体質自体が弱めなオボコい善人少女主人公――SF的な潜在能力は置く。
 それゆえに少女の純真や無垢が仲間を救い世界を癒すとかではなく(笑)、先に魔法少女となった友の傍らに寄り添ってあげることで、微妙に足手まといになったり相手も少しイラッとしたり、一昔前のSF版15少年漂流記もの『無限のリヴァイアス』(1999)の和泉こずえみたく、そのへんの日常の小さな齟齬や不幸、大抵はドラマのようにはいかずに無力なままで終わる弱者の残念な現実をもっと描いてくれていたならば。


 もちろんコレは当方の被虐嗜好に基づく文脈にすぎないので、ボクの考えた展開と異なるからヤだ〜と叫んでも仕方がないけれど。
 作り手の主眼は東浩紀(あづま・ひろき)センセが新書『ゲーム的リアリズムの誕生』(2007)であまた擁護してきたゼロ年代の時間ループものの決定版。その舞台に乗せた美少女たちの悲壮萌えを描く趣向にあったようだから。


 終盤で明かされる、真相を明かさずに、前世(?)で恩に着た主人公の女のコを秘かに救わんとしていた一匹狼の黒髪クールな魔法少女姉ちゃんの孤高と決意には当方もつられて落涙。


 ただ、時間ループの度にひとり記憶と技量を引継ぎ戦士として強化していくも、あとから思うに『ひぐらしのなく頃に』(2006)みたいには事態は改善していかず、最終決戦での戦力動員数は徐々に減ってね?
 3周目の最後、ふたりだけで死ねて本望(大意)発言なぞ、いわゆるキミとボクとの究極のセカイ系じゃね?(主人公少女によるその断固拒絶も描いてセカイ系批判たりえてもいる!?)


 展開都合か、変貌・強化していく黒髪少女との対比か、最弱主人公が前ループでプチ快活な性格なのは不整合じゃね?
 ――黒髪クール少女の超魔法が、彼女の無意識下にある主人公少女へのゆがんだ独占欲で変容、主人公少女の性格さえ転生の度に徐々にスポイルしていた!? とかの何でもアリすぎな超ご都合主義のウラ設定がナイことを祈る(笑)――


 そんな小賢しいマニアたちによるウラ読みにも対応した作りにはなっており(?)、当方もその掌(てのひら)の上で勝手に踊る小人の典型ではあるが。


 『らき☆すた』(2007)・『けいおん!』(2009)などの葛藤を抹消したいわゆる「空気系」作品が大流行した直後に一転して、鬱な作品が流行るのは不可解だが、若いオタクも見捨てたもんじゃないとも思う。
 いや、ラウド(声のデカい)ユーザーが騒ぐとサイレントマジョリティも次はコレだ! と一斉になびいているだけか? 帰属意識が持てる大勢での祝祭の空間として。


 であれば膨大な深夜アニメがあるのに、一局集中が起きて、他は顧(かえり)みられていない理由もよくわかる(嘆息)。
 しかも萌え絵作品でなければ、若いオタ男(批評・感想オタ含む)はそも騒がないしロクに観もしない――良作『デュラララ!!』(2010)・『戦国BASARA(バサラ)』(2009)はオタ女しか観ていない――。
 本作は絵柄の系統が異なれば(美少女アニメ絵や萌え4コマ系でなければ)、若いオタ間でも話題にはならなかったのでは?


 つい当今の作品&ジャンル&マニアの三者の根底にある嗜好の偏りもひっかかり、素直に観られなくもある。
 特殊な前提ありきでの話題作ではないのかと。
 山本寛監督の同季新作『フラクタル』(2011)も萌え絵にしときゃよかった?(ウ〜ム)
 状況は多様なようで多様でなく、何とかならんのか?


 東日本大震災の影響による最終展開の放映延期で、マニア連中の期待値が過剰に高まり、それに応えられずに撃沈の結末を、愛憎ゆえに祈る。
 でも、時間跳躍魔法で過去の自分に憑依してやり直せるなら――オープニングのあの絵もそーいう意味か?――、いくらでもパラレルワールドな続編が作れるじゃん……とも予想していたが。


 主にコミュニケーション弱者の美少女の苦悶を生け贄(いけにえ)に、同情(実は自己憐憫・笑)することで発電しているオタ男――15年前のテメェこそその元祖だ! とのツッコミは認める――。
 劇中での暫定悪である、美少女の絶望の相転移エネルギーで延命を図る某QBは、我々のことだったのか?(汗)


 魔法少女の存在&戦い&その生き甲斐は否定せず――その人生に必然とされていた悲しい末路だけは否定して――、各話の敵である魔女だけを別種の法則にて誕生する魔獣に置換、全並行世界の全因果(全時間)&宇宙の法則(!)を微改変する最終回。
 たしかに極北の展開だが、段取りを見せられたような気もして、心を打つような打たないような……。
 そんなにスケールのデカいところに落としてもイイのかよ!? ミニマムな日常次元の話は解決してないだろ!(笑)


 個人的にはもっとミクロで実存的な主役少女の性格・気質問題の困難が掘り下げられず残念。
 ただ、中盤での主役チームの青い髪の女のコが魔法少女となる契約の代償に、自分では利己ではなく無償の利他のつもりで願望を一見達成するも、やはり心に毒をためて壊れていく様は秀逸だった。
 個人的には大いに共感した(笑)。


(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.53(11年5月1日発行))


後日付記:2011年冬季アニメ『IS〈イニフィニット・ストラトス〉』『フリージング』『放浪息子』『フラクタル』寸評

 2011年冬季(1〜3月)は『まどマギ』ひとり勝ち!
 と書いてしまいましたが、厳密には巨大ロボアニメ……もといハーレム美少女アニメ『IS〈イニフィニット・ストラトス〉』という作品が一応のナンバー2でした(……という情報も、あとから知ったことですが・笑)


 特殊な巨大ロボットを女性だけが操縦できる世界観で、その世界の巨大ロボ乗りを養成する学校になぜかオトコのコのくせに巨大ロボを操縦できちゃう主人公が入学して……。
 で、演出なり風情なりでウソなり大バカなりに最低限、ナットクできる世界観や語り口があればまだしも観れるものになるのかもしれないけれども、特にヒネりもなくコテコテのハーレム美少女アニメ・プラス・スピーディーに空を飛ぶ巨大ロボもので……。


 いや、こーいうモノもあってイイとは思うけど(笑)、個人的には、


 「あぁもうカンベンしてほしいワ。耐えがたいよ〜!」


 てなモンでして……。


 #1で視聴を打ち切った次第です(スキなヒト、ゴメン・汗)。


 巨大ロボは出てこないけど女学校に男の子主人公がまぎれこむ同じような設定(?)の同季アニメの今では少数派の戦闘美少女アニメ『フリージング』とドーちがうんだ!?
 エッ、全然ちがう!?
 どのへんがちがうのか、オジサンにはよくわからないよ!?
 女の子たちがメカロボではなく生身で戦っちゃう、しかもボディーの厚みとデザイン・骨格シッカリ系の存在感あるキャラデザの巨乳キャラばかりの肉体派・武闘派路線というところで線引きされてヒイちゃうんでしょうか!?(笑)


 2011年冬季の深夜アニメだと、フツーにフジテレビ深夜のライト層やサブカル女性層もねらったノイタミナ枠の女装男子中学生もの(&男装女子中学生もの)『放浪息子』が一番面白かったすネ。
 と書くと、我ながらベタで平凡な嗜好のオタですが。でもないか。コレも特殊な嗜好の作品か?(汗)
 天下国家に関わりないミクロな世界の話でしかないのですが、でもそれをていねいな語り口でつづるところに味わいはあって成功しているナと。


 『ハルヒ』・『らきすた』、そして『かんなぎ』(2008)で名声を高めたヤマカン――山本寛(やまもと・ゆたか)カントクが地に墜ちてしまった作品として大ブーイングが飛んだ(汗)、同じくノイタミナ枠の後半30分の『フラクタル』。
 コレを大ケッサクだと強弁する気はないけれど、筆者はごくごく個人的にはマニア世間でボロカスに云われているほどには悪いとは思わない。
 演出的にもヘボいところや拙(つたな)いトコロはなかったと思う。まぁお話的にはヒネリがそんなには……というところはあるけれど。


 やはり、ライト層やオシャレ・サブカル層、プチ・インテリオタク層に色目を使ったような作品だと、コアな美少女アニメファン層は無意識的・条件反射的にテリトリーを侵犯されたと感じるのか種々のカーストを意識するのか、感情的にムカついて反発しちゃうようなところが――その気持ちもわかるといえばわかるけど――、『フラクタル』に対する反発にブースト(増幅)をかけているようにも思えてならない。
 とはいえ、そーいう層にも越境していかなきゃジャンル、もしくは作家(監督)の未来はナイ……とまではいわないけれども、狭いとは思うので、企画や狙い自体には個人的には賛成したいところではあるけれど。


 ただ別の角度から云っちゃうと、パンピーとオタの中間層(オタの周辺層)、お文化的なものにもキョーミがある、でもSF的なものまで行っちゃうと関心がない女性層をもターゲットにしたノイタミナ枠でやるにしては、遠未来の文明崩壊後の自然回帰したSFチックな世界観が題材の『フラクタル』は、ちょっとオタッキーというかマニアックな場違い感もなきにしもあらず……。


 1年後の2012年冬季のノイタミナ枠に至っては、もっとオタッキーな『ブラックロックシューター』なぞというものもやってましたけれども……、大丈夫なんでせうか?
 (この作品も、中学生(?)少女たちの小さな感情的齟齬を描く日常生活パートだけあれば、あとは本作のウリである睡眠中の異空間・心象世界(?)でのブラックロックシューターたちのバトルシーンが不要な気がする……と思っちゃうのは筆者がオジサンになって枯れてしまったからかもしれないが。
 10代前半のときに視聴したらスゴいハイブロウなことしてる! とカンドーしたかもしれないけれども。
 とはいえ睡眠中の別世界のバトルシーンは、おおよそ女性層にウケそうには思えない!・笑)


 ……などと論評しつつも、そもそもイイ歳こいて、あまたの深夜アニメをすべてとはいわず一応はチェックしていること自体が、ハズくて滑稽でオカシイといえばオカシイのですが(汗)。


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