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『スター☆トゥインクルプリキュア』 ~日本人・ハーフ・宇宙人の混成プリキュアvs妖怪型異星人軍団! 敵も味方も亡国遺民の相互理解のカギは宇宙編ではなく日常編!?
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『映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』 ~言葉が通じない相手との相互理解・華麗なバトル・歌と音楽とダンスの感動の一編!
(東映系 2019年10月19日(土)公開)
(文・J.SATAKE)
(2018年11月1日脱稿)
秋期公開のプリキュア映画はそのシリーズの魅力が凝縮された作品となっているが、本作も「相互理解を深める出会いと別れ」「歌と映像のシンクロの妙」「ヒロインバトルアクション」に特化した見どころ満載の作品となった。
キュアスター=星奈ひかるが宇宙で出会った「星のかけら」は彼女の言葉・行動に反応して姿を変える不思議な生物・ユーマであった。
自分を押しつけずユーマを受け入れようと接するひかるに応えるかのように瞬間移動能力をみせるユーマ。
一方キュアミルキー=羽衣ララは未知の生命に対して懐疑を向けてしまい、悪気ない好奇心や無邪気さゆえに迷子になるユーマを叱責してしまう……。
「怒り」に反応し小さな全身で攻撃性を表すユーマだが、ララもユーマの身を案じる心からこその言動。その想いを伝えるためユーマが興味を持っていたオルゴールのメロディを口ずさむララ……。
見知らぬ者との「対話」に先入観は禁物。ましてや相手を傷つけようとする言動が見えれば、そのまま自分に返ってくる。いろいろ考えてしまうと難しくなる「相互理解」だが、まっさらな気持ちで臨むことが大切だと優しく示してくれる。それを象徴するのが「音楽」だ。
すさんだ心では歌や音楽を奏でることはない。その人の想い出や心情を表す音楽=「流れ星のうた」を歌うひかるとララにあわせてメロディをつむぐユーマ。
言葉は交わさずとも互いを思いやる行動をとることで心を通わせる。大きなテーマの答えが日常の小さなふれあいに隠されている。それを示せるのがプリキュアシリーズの特徴であり、はるかかなたの宇宙からひとりの少女の家庭という舞台の振り幅の大きさが本作にダイナミズムを与えている。
ともだちになったひかるとララ、ユーマは地球の不思議スポットや大自然が生み出した絶景とそこに生きる動物たちとふれあう。これまでひかるたちは宇宙の星々をめぐってきたが、地球もさまざまな「奇跡」が重なってこの環境となり多様な生命が育ち生きている星なのだ、と教えてくれる旅であった!
理解が深まり親しくなれば離れがたいのが人情。ユーマはあらたな星を誕生させる核となる「スタードロップ」であり、星空警察が保護に回っていたのだ。
それでも別れを拒むララ。しかしひかるはそれを受け入れる。相手を思いやる、尊重する気持ちがあれば笑顔で送り出すことを選択しなければならないこともあるのだ。
実はララとユーマは同じ道をたどっていた。優秀な家族に引け目を感じ宇宙へ飛び出したララは、フワやひかるたちと「未知との出会い」を果たし、時にぶつかり時に共感し理解を深め、伝説のプリキュアとなったのだ。
そしてユーマにとっての未知の相手がララ。この巡り合わせに思い至った彼女はまたひとつ成長し、送り出そうとするのだが……悪しき存在がそれを阻む!
スタードロップを高値で売り抜こうと躍起になる犯罪者たち=宇宙ハンター。彼らの利己的で衝動のまま無軌道に悪事を働く闇の感情を取り込んでしまい、危険な星へと成長するユーマ!
このままでは地球を押しつぶしてしまう……
ユーマへ突入したひかるとララが目にしたのは、みんなで楽しく巡った地球のスポットの数々を再現した大地であった。悪しき感情で雷鳴轟く黒雲に覆われているが、その大地は楽しくきらめいた想い出から生み出されたものに相違ない!
ユーマと心を通わせた「流れ星のうた」をイントロにして、ひかるとララは心から溢れる想いを歌とダンスにのせる。それがテーマソング『Twinkle Stars』だ。
その歌声とメロディーに呼応して空は澄み、木々の緑が映え、花のつぼみが開きはじめる……。モーションキャプチャーでなめらかな動きのダンスを実現させ、360度自由なカメラワークでそれを開放的に捉える。
CGの技術向上はめざましいが、それでもキャラのいきいきとした表情を仕上げるには人の手によるアニメートが欠かせない。デジタルだけでは表現できない深みもプラスしたソング&ダンスシーンは進化を続けている。
もうひとつの注目ポイント・バトルアクションも劇場版ならではの見どころが満載!
ライバルである宇宙ハンターは個性的な面々。炎を操るニトロ星人、液状化で変幻自在のウォーター星人、影に潜み急襲するシャドー星人、多様な武器を装備するメカ星人、巨体でパワーファイターのジャイアント星人。特殊能力でプリキュアたちを追い詰める迫力のアクションが、手描きアニメート独特のタイミング取りが絶妙なダイナミックさで展開される。
対抗するプリキュアも映画オリジナルのパワーアップを果たす!
12星座のスタープリンセスの力を借りた必殺技はテレビシリーズでは基本の画がひとつだが、本作ではそれぞれの星座のスターカラーペンをチャージすると、専用のドレスにコスチュームチェンジ! ヘアーアレンジも含めトータルで星座の特徴を捉えたデザインがされているのだ。
ニトロ星人たち1対1の戦いではじっくりとアクションを描き、宇宙空間での群れを成すハンターとの戦いでは短いカットをつないでテンポよく各星座ドレスでのバトルアクションを見せてゆき、華麗な新変身を強く印象付ける。これはテレビシリーズ後半でも見せてほしいパワーアップであった。
本シリーズのテーマである相互理解を「言葉が通じない相手」とハードルを上げつつ、ララの成長とあわせて描いた巧みさ。宇宙と同じように地球も不思議な奇跡によって生まれた星であること。激しいバトルアクションをプリキュア独自のきらめきを忘れず見せる。そしてソング&ダンスで心豊かになるラストを迎える。
各要素がバランスよくまとめられた感動の一編であった。
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