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ウルトラマン80 17話「魔の怪獣島へ飛べ!!(前編)」

ファミリー劇場ウルトラマンエイティ』放映開始記念「全話評」連動連載!)
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『ウルトラマン80』全話評 〜全記事見出し一覧


第17話『魔の怪獣島へ飛べ!!(前編)』

人間怪獣ラブラス たこ怪獣ダロン登場

(作・阿井文瓶 監督・湯浅憲明 特撮監督・佐川和夫 放映日・80年7月23日)
(視聴率:関東8.8% 中部15.2% 関西13.8%)


(文・内山和正)
(1999年執筆)


 地球を周回する怪獣探査衛星からの衛星写真で、潮風島(しおかぜじま)に異常が探知された。


 UGM編の開幕である13話「必殺! フォーメーション・ヤマト」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100725/p1)に登場した地球防衛軍・極東エリアのナンゴウ長官や、22話「惑星が並ぶ日なにかが起こる」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100926/p1)で再登場を果たすイシジマ副官も登場することで、前後編である重大感を多少持たせる。
 UGMのオオヤマキャップ(隊長)が危惧するようにこれが異常事態なのか、イシジマ副官が哨戒機を飛ばしても異常がなかったことから主張するように、単に松喰い虫の被害を受けて松が赤くなっているだけなのかで議論が割れる。


 ナンゴウ長官は人間関係のカドが立たないように中を取り、以前の同種のデータからも松喰い虫の被害だろうが、潮風島にレジャー施設があることを理由に、


 「隊員の中で休暇を与える者があるとしたら、あそこはピッタリじゃないかな」


 と、両者の顔をなるべく立てるように粋(いき)な計らいをするヒューマンな描写も見せる。


 もちろん、怪獣番組である作品の性質上、のちに怪獣による被害であったことが判明するのだが、憎まれ役っぽいイシジマ副官はオオヤマに気まずそうに「済まなかった」と詫びることで、過剰にイヤな感じは残していない。


 なお、それまでのウルトラシリーズには多分登場したことがなかった衛星写真が登場するが、これは『ウルトラマン80(エイティ)』放映の2年前である1978年からいわゆる静止軌道といわれる360万km上空で気象衛星ひまわり(1号に相当)が運用開始され、テレビのニュースや天気予報で大々的に3時間ごとの衛星写真が公表されるようになった、そんな時代の空気の影響かとも思われる。


 リアルで巨大な地球を背景バックに気象衛星が周回する特撮もなかなか。広大な海原に浮かぶ細かい波間の海面をも再現した潮風島を斜め上から捉えた特撮美術セット(実景?)もリアルだ。



 自ら希望して潮風島(しおかぜじま)の調査に赴いたイトウ。しかし彼は3日後、通信中に怪獣の咆哮音とともに消息を絶った。


 主人公・矢的猛(やまと・たけし)とハラダ・タジマら若手男性隊員三名はUGM戦闘機で島へむかって、拠点として海岸にテントを張る……


・人気(ひとけ)のない島
・怪獣ラブラスの手のひらに乗る謎の女性
無人だったはずのリゾート施設へ突如もどってきたように思える人々の、問いかけに無視したり「何も知らない、異常はない」と発言する冷淡さ
・彼らの首筋に残る赤い小さな二つの傷口
・テントやそこにあった調査機器が専門家の手口のように破壊されていたこと
・何者かにあやつられる人々……


 と謎めいた展開で運んでいく。


 島に発生する霧には、麻薬のような成分があり、それを吸うと意志を奪われてしまう事実が、UGM基地本部での調査から判明する。


 防毒マスクをつけて隊員たちは夜間に調査を開始するが、何者かにあやつられた人々に襲われる!


 間一髪、謎の女性が現れる!


 彼女のアドバイスで、矢的隊員のUGMのヘルメットをその場に置くと、人々はヘルメットのみを棍棒で殴打しだして、その場を逃れることができた。


 そして、怪獣ラブラスがイトウであるという衝撃が視聴者を襲う。


 そこに海面から突如出現するたこ怪獣ダロン!


 「あれも元は人間か?」との問いに、「いいえ」と答えた彼女に安心して、隊員たちは銃器で攻撃を開始する。


 果てにダロンの触手に吹っ飛ばされて、失神する隊員たち。


 それを見て、矢的はウルトラマン80に変身する!


 怪獣ダロンと戦う80。


 謎の咆哮にあやつられ、80を襲ってしまうイトウこと怪獣ラブラス……


 ダロンに羽交い絞めにされて電撃も浴びた80の首を、ラブラスのハサミ状の左手が襲う!


 ……というところで次回に話をつなぐ。



 放送当時から気になっていたのが、千葉県の房総半島に存在するはずのフラミンゴの大量飼育などでわりと有名なレジャー施設“行川アイランド(なめがわアイランド)”の文字。


 タイアップだから仕方ないものの、潮風島という(おそらく)架空の島の景観をこわしてしまい、何とかならぬものかと、本放映当時にもう高校生であった筆者などには思わせた。


 今ではこの島に行川アイランドの分園ができているとの解釈で妥協することにしている。



◎エンディングには、前後編らしく「つづく」のテロップが出る。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2000年号』(99年12月26日発行)『ウルトラマン80』大特集・合評8「ウルトラマン80全話評」より分載抜粋)



(編:行川アイランドは70年代の特撮ヒーローものにはじまり、90年代の『戦隊』シリーズでもロケ地に使用されてきたが、2001年に惜しくも閉園となってしまった)


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