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ザ・ウルトラマン7話「攻撃指令 目標はピグ!!」

ファミリー劇場『ザ★ウルトラマン』放映開始記念「全話評」連動連載開始!)


『ザ☆ウルトラマン』全話評 〜全記事見出し一覧

#7『攻撃指令 目標はピグ!!』

電子怪獣コンビューゴン登場

(作・若槻文三 演出・石田昌久 怪獣原案・鯨井実)
(視聴率:関東13.1% 中部12.6% 関西10.8%。
 以上、ビデオリサーチ。以下、ニールセン 関東11.2%)


(文・内山和正)
(1997年執筆)


 子供のころに初代『ウルトラマン』(66年)を観た方なら「8話『怪獣無法地帯』に登場した友好珍獣ピグモンが死なないであのまま(あるいはもう一度蘇って)科学特捜隊の一員として活躍してくれたら……」と夢想された方もおられるのではないか。
 筆者にとってそれは長い間の夢だった。


 筆者の子供のころ小学館学年誌に『ジャンボーX』(70年)というヒーロー漫画が連載された(玩具化されているのでアンティークトイの本で御存じの方もおられるだろう)。
 漫画のみのヒーローであり、名前とデザインは円谷プロの『ジャンボーグA』(73年)の原型となったが、ウルトラセブンの弟との設定で男の子(マモルという名前だったように思うが?)が変身する。
 この少年が島で出会ったピグモンを連れて行動する(つまりピグモンがレギュラーなのだ)、その設定がすごく嬉しかった。


 大人になっても、未だに『ウルトラマン』を観るとピグモンの死に涙を流す。
 そんなピグモンファンとしてピグの登場は非常に嬉しかったのだが、滝口淳平氏の声は筆者にとってピグモンのイメージではなかった(『ウルトラマンキッズ』(84年)のピグコの声の人も)。


 もちろん、ピグはピグモンとは違う。
 ピグモンの人気を利用していたり旧スタッフの思い入れがあったりするのだろうが、別の個性・魅力を持った新しいキャラクターとして見るべきだろう。しかし、そう完全に割り切れるほど放映当時は精神的に大人ではなかった。


 不満が消えたのはピグが主役を務めるこの回を観てだった。
 「ヒカリ隊員、ムツミ隊員。モンキ(ピグが飼っている子猿)を頼みます」
 と言って遺していくペットのことを思いながら死に向かうピグ、ピグを思って寂しがるモンキ、両者の愛情が胸をついたのだった。
 ピグは普段は脇役ながらメインとなる回はその後も、12話『怪獣とピグだけの不思議な会話』にしろ43話『怪獣になったモンキ!?』にしろ泣ける話が多かった。


 地底でおとなしくしていた怪獣コンビューゴンが、惑星ジオラ爆発の際に流れた電波を吸収し活動を再開した。
 ピグのコンピューターだけがそれを察知したが、調査しても何も出てこないため旧式ロボット故の異常かと判断される。
 腹の中をくすぐるような警告音に悩むピグは、自分を廃棄処分にしてくれとまで思いつめる。
 廃棄飛行機に乗って警告音の発信地へ向かうピグ、飛行機の安全性を危惧する長官から、市街地へ入る前に撃ち落とすようにとの命令が下る。


 視聴者には警告音の真相をあかしたうえで、ピグの苦しみを描いていく。
 地球防衛軍の初代ロボットであるピグに対して最新型の天才ロボット・101号を配して、老いた者にとっての年代差の苦しみも付与しているが、この101号がピグをかなり責め引退をせまっていながらも、本人が悪意を必ずしも意識していないあたりベテラン脚本家の若槻文三氏が“新人類”(死語だそうだから一応書いておくと年輩の方たちが若者の行動や考えが理解できなくてそのような若者を“新人類”と呼んだ)を意識してのことか?*1


 年をとったためか昔ほど素直には泣けないが(確かに類型的ではあろうし)、ピグの姿が痛々しく、泣きながら撃墜命令をヒカリに告げるアキヤマの優しさなど心に訴えるものがある。


 コンビューゴンは5年前宇宙ステーションを襲ってコンピューターを呑(の)み込み、宇宙攻撃隊に攻撃され地球へ逃れたとのことだが、第1話『新しいヒーローの誕生!!』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090505/p1)で地球防衛軍・科学警備隊が初めて設立されたイメージからすると地球人にそんな防衛組織が整っていたとは思われないが(イチイチつっこむことでもないか?)。


 ウルトラマンジョーニアスにコンピューターを破壊されしぼんでしまったコンビューゴンの姿がミョーにおもしろい。


※:製作No.10『涙の標的はピグ』
 シナリオでは、別名は「コンピューター怪獣」名義。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊98年号』(97年12月28日発行)『ザ☆ウルトラマン』特集・合評③より分載抜粋)



編集者付記:
 ベテラン声優・永井一郎演じるロボット101号が劇中で半分ギャグ演出を施されながら、隊員たちに饒舌にうんちくを語りまくるシーンで、
 「『不確実性の時代』における確実性が……」
 うんぬんかんぬんと発するセリフがある。


 これは、当時の世界的ベストセラー、経済学者ガルブレイスの『不確実性の時代』(78年・TBSブリタニカ・ASIN:B000J8R3WQ・のちに講談社文庫・83年・ISBN:4061830600・09年・ISBN:4062919451)という書籍名からの引用。
 78〜79年当時の早朝6時台のウルトラシリーズ再放送ワクやその直後に、散々版元であるTBSでCMをやっていたので、その引用パロディであることは当時小学校高学年の編集者にもわかった(笑)。 


[関連記事] 〜ピグ・涙の3部作!

ザ☆ウルトラマン#7「攻撃司令 目標はピグ!!」

  (当該記事)

ザ☆ウルトラマン#12「怪獣とピグだけの不思議な会話」 〜怪獣レクイエム・泣かせる超名編!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090613/p1

*1:編註:いつの時代にもあることだが、SF用語ではなく世間で85年ごろに大流行した方の“新人類”という用語は、83〜84年に今は亡き『朝日ジャーナル』誌の故・筑紫哲也編集長(当時)が連載「新人類の旗手たち」で仕掛けた流行語。1960年前後生まれの世代で、物心ついたころから自宅にTVがあり、創刊間もない週刊少年漫画誌を読んで育った世代。近年では、同世代でも人格類型でさらに細分化して、イケてる系を新人類世代・イケてない系をオタク第1世代とも呼称された彼らも2009年現在では50歳前後になる世代。