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美少女戦士セーラームーン(実写版)最終回 〜中後盤評 脚本家・小林靖子は文化系女子か?


同人誌セーラームーン1992資料集大成本!
『キューティーハニー』 〜女子の性格類型の細分化・下妻物語との共時性
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(文・T.SATO)
 初期〜1クール、2クール中盤までは、まぁ健闘してるかナ、といった気分をいだかしめた。
 ドチラに転がっていくかは、いまだ判然とはしないけど――もちろんリメイク作品だから大ワクの行き先は決定してるのだが、細部の色付けやテイスト、サブテーマの主張など――、お手並み拝見といった気分だった。
 実際、作品を視聴する度に、それなりの意外性や劇中内ハプニング、重苦しくなりかねない事象や事件も配置して、それでも解決が与えられていったり、次回のヒキになっていったりといったあたりは、それなりのドラマ的手応えや歯応えがある証左だったともいえる。
 個人的に特に見応えがあったのは、主人公・セーラームーンこと月野うさぎが敵の策略により妖魔・化物化されかかり、その姿を事情を知らない一般ピープルに見せまいとしてセーラーマーキュリーこと水野亜美が、うさぎの親友・大阪なるちゃんの病気お見舞い&面会要望を、葛藤をハラみつつも拒絶することで生じる、亜美となるの数話にわたる相克、友情のダークサイドでもある独占欲や嫉妬をチラチラと見せていく展開には、そしてその最後の亜美となるちゃんの最後のオトシどころにも(本誌ライター内山氏の評(同人誌版合評)とは異なるが)感銘されられもした。
 そのような美点がたしかにありつつも、2クール中盤以降、しかしなにかが違う……いや違うとまでいかずともビミョーな違和感も、自身の中で芽生えつつあった。
 それはいったい何なのか?



 たしかに、セーラームーン月野うさぎ中学2年生を演ずる沢井美憂(さわい・みゆう)ちゃんは、原作マンガのフツーの少女というより、TVアニメ版(92年)で声優・三石琴乃(みついし・ことの)がじょじょにクズして開拓していった、イヤミにならない程度でバカすれすれの無垢で可憐でタフなノーテンキ少女を見事に体現していて、その中心点・焦点には間違いがない。ここに違和感の原因はない。
 セーラームーン以外の、セーラー4戦士こと水野亜美火野レイ木野まこと愛野美奈子ら、中学2年生の少女たちの描写はドーか?
 セーラーマーズこと火野レイは、原作マンガでは凛としつつも神社の巫女さんをつとめる物静かな神秘的霊感少女であったが、TVアニメ版では月野うさぎを上回るハイテンションで、うさぎともよくケンカする勝ち気な少女に性格設定が改変されている。
 これは、セーラーマーキュリー水野亜美も秀才だがおっとり系の、物静かな少女である点がカブるための差別化の処置であったろう。筆者個人は子供向け娯楽作品として、このキャラ改変に不満はない。というか当時のほとんどの『セーラームーン』ファンはTVアニメ版を先に見て、幼児・小学校低学年向け(笑)の月刊少女マンガ誌『なかよし』(講談社)連載の原作マンガをあとになって読んでみたワケで、そもTVアニメを視聴したときに、改変という印象自体がなかった。
 実写版『セーラームーン』において、火野レイは原作マンガ版の性格設定に準じたものになっている。
 それはそれでかまわないが、今になって後知恵で思うのは、大衆向け娯楽作品としてフツーに必要な、明るさやギャグや明快さやテンションといった要素はその分、相対的には減じたかもしれない(断っておくが、原作マンガ版も実写版の火野レイもそれはそれで味わいはある)。
 セーラーヴィーナス愛野美奈子は、好事家ならご存じ、『セーラームーン』のプロトタイプとなるマンガ『コードネームはセーラーV』(91年)の主人公がスピンオフして出演したものだ。
 今回の実写版『セーラームーン』#1冒頭における、セーラーヴィーナスになる前のセーラーVが、タキシード仮面と戦っているシークエンスには、ファンサービスの何たるか、見たかったシチュエーションを見せてくれて喜んだオールドファンも多かろう(笑)。
 セーラーヴィーナス愛野美奈子は、批評的なことを云うなら、TVアニメ版では第1部第3クール終盤で登場した最強最後の頼れるオトナっぽいファイターとして登場した。もう番組はストーリー終盤にさしかかっていたため、キャラ確立への配慮が行き届かず、初登場から間が空きすぎた主役編(過去話)もイマイチの出来で第1部は終了。大ヒットにつき放映延長で開始されたTVアニメ版第2部『美少女戦士セーラームーンR』(93年)では、実は月野うさぎと同じバカであるという新設定(笑・原作マンガ版に準じたものだっけ?)が付与された……。
 まぁ迷走といえば迷走だけど、元がユルい世界観の作品なので、高度だとか成功してるとかはつゆ思わないが、メインターゲットの子供たちはそんなにマニアックに見ているワケもないからそこに不満の声があがることもなく(笑)、個人的にもそこに大きな不満はない。のだが、5人の中でひとりくらいは年長格(同年齢でも)がいてくれョ的な不満は筆者個人に当時多少はあったかもしれない。
 その点で実写版が、アニメ版に比して明朗さを減じた原因のふたつめに、愛野美奈子のシリアス描写もあったかもしれないが……、個人的な好みで無罪としておきたい(笑・♪セ〜ラ〜ビ♥)。



 どのみち今回の実写版が、本家のアニメ版と差別化してアドバンテージを取るには、細部の設定・人物描写・人間ドラマに肉付けを増量していくしかなかったのも道理ではある。
 そして、それは#1冒頭のセーラームーンならぬ先行して覚醒・活躍しているセーラーVの描写。アニメ版でならもっとあとになって描かれたハズの(しかして、マニア層には絶大な支持を得た)、ムーン以外のセーラー4戦士の少女なりの孤独・煩悶描写の早々の登場と、綿密な描き分け、そして4戦士相互の性格劇。
 あるいはメインターゲットの幼児にとってはともかく、極少とはいえかつての視聴者や我々大きなお友だちには既に承知のことである、タキシード仮面に“月のプリンセス”の正体や、前世における月と地球の2王国の因縁〜禁断の恋〜滅びの物語の、エッもうこの時点で明かしてしまうの!? 的な早々の展開やプチフェイクな展開によるサプライズにも、実写版は成功をおさめてはいる。
 そこにうれしさがないワケではない。見応えや歯応えがないワケでもない。
 それらはあるイミでカンゲイすべきことであり、10年前のアニメ版の大ブームの時代には、コミケのあまたの同人誌で展開された(エロ同人誌も含む・笑)、本来あるべき(マニア的にはかくあってほしかった)、設定およびウラ設定を最大限に活かしきったハードでシリアスで本格的な(笑)『セーラームーン』の現実化のようでもある。
 しかしこの、個人的には何かノドに小魚の骨が刺さったような違和感が残ってしまうコレは何なのか?
 『セーラームーン』であって『セーラームーン』でない作品を観ているようなこの気持ち……。

 


 ハタと思った。円谷映像の深夜の美少女特撮『千年王国Ⅲ銃士ヴァニーナイツ』(99年)の方が、あるイミでは実写版『セーラームーン』よりも、よっぽど『セラムン』らしかった(笑)。
 そう、アニメ版の『セーラームーン』は、『ヴァニーナイツ』同様、もっとおバカでユルくて絶叫で、かつタフでミーハーなギャグアニメだったハズなのだ! そのことが違和感の原因のまずは一因ではあるだろう。とにかくギャグやコミカルなおバカ描写が絶対的に少ない(3〜4クール目では改善しつつあるが……。もう遅いョ)。
 それと本作『セーラームーン』が10年前の女児層に大ヒットした要因を冷静に分析してみるなら、
①:まずはもちろん、主人公たちが自分たちと同性(♀)であり、感情移入が容易であったこと。
②:そして主人公たちが変身ヒーローとなって、華麗に身体を駆使して宙を舞い、悪と戦う全能感。
③:従来の少女マンガ同様、自分たちの子供時代のちょい先(カナリ先?)にあるキャピキャピと輝いて見える中学生生活、同年代の友人との友情、街にくりだしての飲食やショッピングにオシャレなファッションへのあこがれ。そして、さらにもうちょい先にあるオトナの世界の職業へのあこがれも……(プチ変身によるコスプレで仮想体験!)。
④:もちろん最後には、ステキなカレ氏との出逢い。
 ……といったところに、あったのだと思うのだ。


 その点ではマニア層が、そして映画館で劇場版アニメにつきそってきたパパ・ママ層までもが感涙した、少女たちの孤立や苦悩が、主人公うさぎによって癒されたという描写は、冷静に考えてみれば、メインターゲットである女児層には、せいぜいがイベント編における大ピンチ心理描写の延長線上にしか見えず、三四がなくて五の次の要素だったのやもしれない……、と10数年を経た今になってようやっと思い至らなくもない(笑)。
 その観点から見るならば、①は自明で達成されているとはいえ、②については舞踏的なアクションが基本であってイイけど、もっとアニメ版のようにピョンピョンとジャンプして跳躍するような、あるいは空中でスローモーションで優美に回転し(様式美的なバンクフィルムでもイイョ)翻弄した末、中空から敵の怪人の肩にケリを見舞ってコケティッシュに小バカにするような、身体を主体的に自由自在思い通りに動かして、気持ちもよさげで、状況もリードしていく万能感をも満喫させる明朗なアクション演出は、女児向け作品であろうがあった方がよかったかもしれない――結果論だが、東映の本年04年の女児向けアニメ『ふたりはプリキュア』のアクション演出は奇しくもこの考えを傍証してくれるかのようだ――。
 ③については、実はコレが実写版『セーラームーン』に最も欠けてしまった要素ではあるまいか?
 なぜ、③の要素が最も欠けてしまったのだろう?
 コレは評論オタク自身も、最も陥りやすい幣だけど、どちらかといえば、③の要素は作品にとって当たり前にすぎる基本設定的な箇所であり、我々がついジャンル作品を認識するときに無意識のフレームワーク(ワク組み)にしてしまうテーマ主義的文脈から見ると、これらは背景美術・舞台装置とでもいうべきファクターだからだろう。
 それゆえに作り手も、この要素をつい盲点として軽視してしまったようにも思える。まぁ筆者自身も後知恵の分析である以上、作り手を糾弾する気はないのだが。
 あと、白倉伸一郎プロデューサーや小林靖子脚本自身も、③の要素にほとんど関心がないというかセンスもない御仁のようにも思われる。
 コレは筆者個人の仮説に過ぎないが、筆者は小林靖子ファンではあるものの、彼女が一部で評されているように女性的なライターであったり、やおい的なライターであるようには思えない。
 いやコレは小林女史を擁護しようと思って発言するのではない。むしろ、女史のそこが弱点だと思うのだが、過去における特撮ジャンルの女流ライター(鷺山京子など)や、あるいは少女アニメなども含めた現役女流ライター(金春智子でも池田眞美子でも)などとも比較した場合、彼女はドーもあまり乙女チックではないし、少女性の代わりに成熟した女性性があるかといえばそーでもなく(むろん男性性もないが)、むしろ中性的で淡泊にすら思えるのだ。
 たとえば本作『セーラームーン』の原作者である武内直子女史はじめ、少女マンガ家の世に伝わるイメージとも比較すればわかりやすいだろう。特にマンガ家になるような、かわいい絵を描きたがるタイプの女性ならさもありなんだが、ひとむかし前の風説では(今どきは知らないョ)彼女らはイイ歳して出版社のパーティーにヒラヒラフリフリしたお姫さま・お嬢さまスタイルで登場するという(つまりはそれが自己イメージ・笑)。
 対するに絵を描くマンガ家ではなく、文をもってするTVドラマの脚本家なりフリーライター・編集者になるようなタイプならば、それと隣接しつつももっとサメた、しかしイケてる系遊んでる系では決してない、むしろチャラチャラして男に媚びてるような女に対してクールな視線を向けて、人格形成・思想形成をしてきた御仁のような、学級の女の子の小グループに便宜的に身過ぎ世過ぎで所属しつつも心ここにあらず、お文化にアイデンティファイして、学級状況の人間関係を俯瞰してたようなタイプに、人格類型上の分類はできるように思うのだ。
 かと云って小林女史には、オシャレ系のクールもしくはお耽美なやおい要素も感じられない。もっと浪花節(なにわぶし)でドロくさいファクターを濃厚に持つ印象なのだ。
 ドコかのインタビューの記事を読んだ記憶で恐縮だが(時間がないので再確認はしてまへん(汗)。後日付記:特撮雑誌『宇宙船』Vol.81・1997年夏号「TOEI HERO UPDATE 電磁戦隊メガレンジャー 誌上ホームページ SPECIAL FEATURE! 脚本家 小林靖子インタビュー」)、小林靖子女史は、TV時代劇『遠山の金さん』(杉良太郎版・75〜77・79年)のファンだったそうな。
 筆者はこの事実を見逃せない。だって、時代劇俳優・高橋英樹の娘でさえ、TV時代劇を見ないというご時世なのに、TV時代劇作品のファンだなんて……。フツーの女のコじゃないってば(笑)。
 私見だが、オタク第1世代=新人類世代の40代中盤以下の世代の作家は、それ以前の作家と比して、自身と同性の劇中人物よりも、異性の人物を情熱や愛着をもって描く傾向があるように思える。超メジャー(?)な例であげれば、最近だと『白い巨塔』(03年)、映画版『赤い月』(04年)で大作づいている井上由美子の脚本によるNHK大河ドラマ北条時宗(ほうじょう・ときむね)』(01年)などは、時宗和泉元彌(いずみ・もとや))&異母兄・時輔(ときすけ・渡部篤郎(わたべ・あつろう))のやおいチックな愛憎葛藤のみに作家の興味があるようで、女性演出家デビュー(?)の最終回間際の番外編(?)を除いては時宗のカミさん(西田ひかる)を描くことには基本的に関心がないようにも見えた(笑〜そこが同じ女流作家でも橋田寿賀子や、近作大河でも内館牧子の『毛利元就(もうり・もとなり)』(97年)のカミさん(富田靖子)の扱いとは違う)。
 対するに小林は、メインライターを務めた『未来戦隊タイムレンジャー』(00年)で、男性陣を描くには描くが、それにイロケある関係性を醸すことができず、タイムピンク・ユウリという女性キャラの造形に比重が行っているあたり、やおい全盛の時代に即応していないと思う(笑)。
 実写版『セーラームーン』でも、敵ダークキングダムの四天王にイケメン男性を配しながら、その描き分けそれ自体は見事なのだが、もっぱらそれが性格や立場や価値観の相違から来る対立のみであるあたりなのが……。
 対立・相克のみではなく、ウラ返しに魅かれあう、もしくはイヤよイヤよもスキのうち的な庇護し庇護されるような関係、ぶっちゃけイロケある妖しいホモセクシュアルな関係も、変化球で四天王の一対に配して、大きなお友だちの女性(のさらにそのまた一部にすぎないか?・笑)を喜ばして、今回のイケメンブームに乗ずるような機転がはたらかなかったものなのか?(つーか、そのセンスがないんだろうけども。そこが小林女史の将来における弱点になりうる可能性も感じる)
 もちろんそのテの要素は作品にとってもメインターゲットの女児層にとっても、二次的・三次的なものではあるのだが、この点でTVアニメ版の四天王の描写――オカマ少年ゾイサイト×屈強青年クンツァイトのホモ描写――に一日の長があるようにも思う。イタリアとかでは、TVアニメ版『セーラームーン』を子供が見ると性倒錯になると批判されてもいたけども(笑)。
 ちなみに、現在のところ特撮ジャンルの男性作家で、好事家の好意的深読みではなく実作品それ自体で、男性同士の関係性にツヤっ気やイロケを醸すことができて、女性視聴者をも喜ばすことができる唯一の作家と筆者が目するのは井上敏樹氏だ(クドくて恐縮だが、コレは賞賛である)。初メインの『鳥人戦隊ジェットマン』(91年)のレッドホーク竜&ブラックコンドル凱(がい)、『超光戦士シャンゼリオン』(96年)の涼村暁(すずむら・あきら)&速水克彦、『仮面ライダー龍騎』(02年)の北岡弁護士&ゴロちゃんなど、そのニオイが濃厚だ(笑)。敏樹の場合、半分は資質、半分は自身の芸風を自覚しつつその手の客層も意識して、狙ってやっているのだろうけれど。



 閑話休題。小林女史は、③のようなキャピキャピした女のコの生活に、人生途上であこがれたことがゼロではないにせよ、その属性が少ないように、『セラムン』以前の今までの作品群からも感じられて仕方がない。
 そして、そのことが本作最大の欠点・弱点になっていたとも思うのだ。
 今にして思えば、特に初期編。もちろん別格存在たるセーラーヴィーナスを除く、主人公以外のセーラー3戦士が登場したあとでイイのだが、もっとおバカな話・もっと身近で等身大な話題・もっとミニマムな事件で、エピソードを構築してイイ意味でのユルい感じを作品の基底とすることはできなかったものだろうか?
 具体的に云うなら、女児層がなりたい職業……お花屋さんなりパン屋さんなりピザ屋さんなり看護婦さんなり女医さんなり婦警さんなりスーパーモデルなりになろうとして変身道具でコスプレして四苦八苦する話なり、もちろん事件捜索の過程における必然性から逆算してもイイけども、そーいう要素をもっと前面に押し出してもよかったのではなかろうか?
 ドマイナーな職業や芸術関係(写真家や画家とか)、カタカナ職業やあるいは3K職業でももちろんイイ。
 それらはレギュラーのコスプレとしてではなく、ゲストの職業としてでもイイ。オトナの女性のゲストを出して、そこで主人公たちとのカラみのドラマを作ったり、そんなゲストの仕事上の苦悩や迷いに、本作の悪魔たる妖魔が魅入ってやどり化物化して、その浄化を結末にするなら、アクション&ドラマの融合もしやすかったハズだ。てゆーか、TVアニメ版ではそんな話もけっこうあったよネ?
 あるいは学校という小宇宙・小世界・ムラ世間における集団生活や政治(笑)もとひ、ちょっとした友情のヒビ割れや幼い嫉妬に恋情のもつれを題材に、やはりそこで魔に魅入られてゲスト中学生が妖魔化し……、あるいは敵のスパイが潜入し、もしくは学校の怪談で……、校舎というラビリンズでのサスペンスや状況バトル! なんてな作劇もありえたろう。
 だいたいTVアニメ版『セラムン』においては、地球規模の危機がせまっているハズなのに、事件はすべて身近なご町内(マレに旅行先・笑)で起きると相場が決まっていた。ならば、級友なるちゃんも学校のセンセも、カラオケ店員の元基(もとき)お兄さんも、月野うさぎのママも弟の慎吾クンも、シリーズ中で最低1回は妖魔に憑依(ひょうい)されなきゃダメだよ――元基お兄さんの飼ってる亀も憑依されて巨大化・怪人化してくれないかナ(笑)。


 エッ、オトナの女性のゲストを出したら、その分ギャラがかかるって?
 エッ、学校でロケをするのが大変な手間なのは、『ウルトラマン80(エイティ)』(80年)の前例でも、判明済だろって? 
 そーやって切り返されると、ネがビンボー症の筆者は、自説の代替案をアッサリ撤回するやもしれないが(笑)。
 ……面白い作品を作るのって、つくづくムズカしいものですネ。


追伸。本稿は、他のライターの所見(同人誌版)と差別化するために、本作に対する筆者の否定的見解を特にブローアップして執筆したが、ではキライかといえばそーでもなく、ミーハー的関心からはセーラー5戦士の女のコ連中はスキだし(♥)、1エピソード中でも必ず1〜2箇所は見逃せないドラマ的プチ・サプライズもあるワで、作風の重苦しさに若干の違和感はあるも、トータルではキライではない(ただしそれゆえに、子供番組としてはやはり高く評価できない)。
追伸その2。私事で恐縮だが、本稿での主張を同人ライター仲間に語ったところ、10年前のTVアニメ版『セーラームーン』に対しての批評の内容と、180度逆のことを語ってるゾと非難さる。10年前の94年といえばTVアニメ版第3部『美少女戦士セーラームーンS(スーパー)』のころ。いそいそと当時の『セラムン』同人誌の寄稿文をひもとくと……ドラマ的にユルくした方がイイという現在の主張とはたしかに真逆のことを記してる(汗)。
 いわく、『セラムン』大ヒット後に雨後の筍のごとく輩出した少女向けアニメ(『姫ちゃんのリボン』(92年)、『ミラクル☆ガールズ』(93年)など)に比して、ドラマ面や心情描写のシリアス性やリアリティで劣るので強化した方がイイうんぬんかんぬん(大意)。……人間って変わるものなのですナ(汗〜自分でも忘れてた)。

(了)


(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2005年号』(04年12月30日発行)『美少女戦士セーラームーン』合評⑤より抜粋)



『假面特攻隊2005年号』「美少女戦士セーラームーン」関係記事の縮小コピー収録一覧


★幼児誌カラーグラビア記事(出典失念)
 マーキュリー「セーラーせんしは わたしがたおすわ!!」
 ムーン「あみちゃん、やめて…!!」
 あくの マーキュリーが おそってきたわ!!

 
 ……ウ〜ン、グッとくるキャプションじゃないですか。サブカルでも、モンドでも、俗ウケ狙いの“おバカ”でもない。
 [稚気満々の単純明快さ]こそがスーパーヒーロー物の原点だ!(大江健三郎なんかに分かってたまるか!)


★『美少女戦士セーラームーン』ミュージカル・99年度公演キャスト
 『仮面ライダー剣ブレイド)』(04年)の[橘朔也(たちばな・さくや)/仮面ライダーギャレン]役を演じている[天野浩成]氏は、ミュージカル・セーラームーン99年度公演(主演・原史奈)で[タキシード仮面(4代目)]を好演。
 同ミュージカルのキャスト陣からは、岳美[『百獣戦隊ガオレンジャー』(01年)の後見人テトム]、斉藤レイ[『ガオレンジャー』の女敵幹部ツエツエ]、鈴木かすみ[『爆竜戦隊アバレンジャー』(03年)の敵の姫リジェ]、河辺千恵子[実写版『セーラームーン』の大阪なる]につづく、東映キャラクターTV番組へのレギュラー入りとなりました。


★『美少女戦士セーラームーン』キャラクターショー
 原作漫画、アニメ、ミュージカル、実写版――更に、もう一つのアナザーワールド“キャラクターショー[きぐるみ]”。
 セーラームーン・サーガは実に奥が深い。(各キャラクターの声は、実写版のTVキャストが新録音。青年敵幹部ネフライトも登場するゾ!)

(以上、伏屋千晶)


・読売新聞 2004年3月26日(金) YOMIURIエンターテインメントボックス 「変身・なりきり」願望が、夢見る力、想像力を育てる 女の子のヒロインへのあこがれ 親子のコミュニケーション 〜一面全面広告記事・変身なりきり願望がヒットの源・4月からセーラールナ登場
中日新聞 2003年10月11日(土) TV欄読者投稿「見てます聴いてます」 土曜日の朝が楽しみ 〜10年ぶりに中3の娘と視聴・杉本彩がはまり役。40歳主婦
中日スポーツ 2004年6月9日(水) 迫力ボディで先輩に続け!! 日テレジェニック第7期生 〜日テレジェニック2004の4名のひとりに小松彩夏(17)(セーラーヴィーナス
朝日新聞 2004年1月1日(木) 悪の女王が住む洞穴は実在した 実写版「セーラームーン」 〜正月元旦増頁記事・ロケ場所は東京都心から1時間程度の場所・林の斜面に入り口・25mプールが入る空間・高さ5m以上・壁には地層・田崎竜太監督が発言



美少女戦士セーラームーン』平均視聴率:関東3.5%・中部6.3%・関西3.5%
 (平均視聴率EXCEL表計算:森川由浩)
・『ウルトラマンネクサス』(04)の前番組である実写版『セーラームーン』はCBC中部日本放送の受信圏では関東・関西の倍の視聴率を獲得。CBCウルトラシリーズ『ネクサス』『マックス』『メビウス』を上回る高視聴率だった。


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(#45〜49・最終巻)



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