(ファミリー劇場『ザ★ウルトラマン』放映「全話評」連動連載!)
『ザ☆ウルトラマン』#23「超音速の対決」 〜高速飛行怪獣への攻撃をめぐって、主人公の旧知で航空班のライバル隊員が登場!
『ザ☆ウルトラマン』#46「よみがえれムツミ」 〜終章の序章・名作
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『ザ・ウルトラマン』第24話「ふたりのムツミ隊員」 ~アルファケンタウリ第1惑星の王女による「ザ☆ウル」版『ローマの休日』
宇宙竜ドラゴドス登場
(作・吉川惣司 演出・古川順康 絵コンテ・奥田誠治 怪獣原案・鯨井実)
(サブタイトル表記の他、アルファケンタウリ第1惑星人・アルファケンタウリ第5惑星人登場)
(視聴率:関東11.5% 中部9.7% 関西11.8%。
以上、ビデオリサーチ。以下、ニールセン 関東13.6%)
『ザ・ウルトラマン』第24話「ふたりのムツミ隊員」 〜合評1
(文・内山和正)
(1997年執筆)
他の隊員が出払っていたために、ひとりで調査に向かったムツミ隊員は、UFOから電流を浴びせられて気を失ってしまう。
ムツミの姿をコピーした何者かは、科学警備隊の戦闘機バーディーに乗って逃走する。しかし、ムツミを捜す主人公・ヒカリ隊員らに見つかったために、ムツミになりすます。様子のおかしいムツミ(偽)を元気づけるために、遊園地に連れていったヒカリだったが……
やがて、偽のムツミの正体がアルファケンタウリの各惑星をまわる親善旅行中のアルファケンタウリ第1惑星の王女で、堅苦しい日々に疲れて地球に逃げてきたとわかる。平和を望まぬアルファケンタウリ第5惑星の暗殺者も追ってきて……。
(以上、ストーリー)
あきらかにこれまでとは気色の違う作風である。実体を持たず、訪問地の生物の姿をコピーする生物という多少面白い味付けはあるものの、『ザ・ウルトラマン』版『ローマの休日』(1953年・アメリカ オードリー・ヘプバーン主演)という趣(おもむき)だ。
ムツミがあまりにも軽すぎる。宇宙は広いとはいえ、ウルトラの星・U40(ユーフォーティ)のような惑星が存在する世界観の物語だとは個人的には思えない。
ヒカリとムツミがお互い好意を持っているであろうことは、これまでの回で伺えるものの、まだハッキリ恋仲となっていたわけではなかった。まして、20〜21話「これがウルトラの星だ!! 第2〜3部」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20090914/p1・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20090920/p1)でのウルトラマンジョーニアスの妹・アミアとの淡いロマンスがあったあとでは。それなのに、この回では二人がすっかり意識しあった仲であり、そのことに少し抵抗を感じてしまった。
私事で恐縮だが、自宅の引っ越しの際に、本作の製作No.も記した放映リストを収録した書籍を仕舞い込んでしまって確かめられないが、制作順ではわりと初めのころの作品ではなかったか? 脚本の吉川惣司氏としてはプロトタイプ的な作品だったのかもしれない。(編註:製作順では、第2クール頭の15本目と、「これがウルトラの星だ!!」などよりも以前に、制作された話数であった)
19話「これがウルトラの星だ!! 第1部」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20090913/p1)以後では唯一、大河原邦男氏がメカニックデザインを担当されている(この時代の作品にアリガチな字幕の誤植かもしれないが、製作順が早い時期ならば、大河原邦男氏の担当であっても不識ではないだろう)。
王女のお付きの男が「宇宙広しといえど、アイツに勝てる奴は」と言うほどの強敵であったはずの宇宙竜ドラゴドスは、ウルトラマンのみならず科学警備隊の大型戦闘機・スーパーマードックの攻撃にも多少痛手を受けており、そのセリフに説得力が欠けてしまっている(お付きの男の現状認識がよほどできていなかったとか?)
それでも、2本前の22話「南海の怪しい空間」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20091016/p1)のヒドい作画を見せられたあとでは、怪獣ドラゴドスは充分シッカリ描かれているとは思えて、悪い気はしなかった。
ドラマの方は、王女のセリフの中に自身の境遇に対する寂しさを感じさせる部分はあったものの、個人的にはいまひとつ楽しめなかった。
※:製作No.15『アルファー・ケンタウリの王女(仮)』
編集者付記:
本話は好編だと思う。朴念仁(ぼくねんじん)の「いいひと」キャラなだけかと捉えられかねない我らが主人公・ヒカリ隊員だったが、本話のラストシーンにおける、ムツミ隊員の女心もわかった上での意外と捌(さば)けた気の利いた言動がポイント高し。以後のふたりの接近の伏線描写にもなりえている。
なお、CS放送ファミリー劇場『ウルトラ情報局』09年5月号(『ザ☆ウル』編の第1回・4月第3週〜5月第2週放映)の「スペシャルインタビュー」コーナーには、ムツミ隊員役の島本須美(しまもと・すみ)が登場!
氏はアニメ映画『ルパン三世 カリオストロの城』(79年)のヒロイン・クラリスを皮切りに、アニメ映画『風の谷のナウシカ』(84年)主人公や、TVアニメ『めぞん一刻』(86年)のヒロイン・音無響子(おとなし・きょうこ)さん役などで、あまりにも有名。
当然、ムツミ主役編である本話についてもフィーチャーされていた。
[関連記事] 〜ムツミ隊員・主役編
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ふたりのムツミ隊員
『ザ☆ウル』24話「ふたりのムツミ隊員」46周年評 ~アルファケンタウリ第1惑星の王女による「ザ☆ウル」版『ローマの休日』
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