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忍者戦隊カクレンジャー賛否合評 〜竹田道弘アクション監督連投 ニンジャマン&ニンジャホワイト鶴姫!

『五星戦隊ダイレンジャー』 ~竹田道弘アクション監督・最高傑作!
『超力戦隊オーレンジャー』 ~山岡淳二アクション監督・再登板!
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 『海賊戦隊ゴーカイジャー』(11年)#45「慌てん坊忍者」、来週の#46「ヒーロー合格」に、『忍者戦隊カクレンジャー』(94年)の6人目の戦士(?)もとい3号ロボ(?)・ニンジャマンと、忍者戦隊のリーダー・ニンジャホワイト・鶴姫こと広瀬仁美(ひろせ・さとみ)が登場記念! レジェンド大戦に実は参加していなかった……。そもそもお師匠さま(巨大ロボ・無敵将軍&ツバサマル&隠大将軍(かくれ・だいしょうぐん)の三神将)に罰を受けて壺に封印されていて知らなかった……。という追加設定が、実にニンジャマンらしい(笑)。とカコつけて、『忍者戦隊カクレンジャー』合評を発掘UP!


忍者戦隊カクレンジャー寸評

(文・T.SATO)
(1994年初夏執筆)


 「隠流(かくれりゅう)巨大獣将の術!」
 「忍者合体! 無敵将軍!」


 登場・合体シーンがカッチョええ〜!


 初の人型5体による合体ロボをなしとげた『カクレンジャー』。オイラはこのかわいい獣面人型の5体のロボがかぎりなく愛おしい!


 願わくば、もうストーリーなどドーでもええ。ドラマなんてクソくらえ。トリはいつもいつも無敵将軍が取るんじゃなくて、合体前の5体にそれぞれ必殺ワザをもたせて、光学合成バリバリのド派手な超カッコええ映像でトドメを刺してくれたなら……。


 しかも近年の某・子供向け合体ロボットアニメの良作『元気爆発ガンバルガー』(92年)のごとく、その回の主役格キャラが専用ロボで臨機応変に。


 「コイツはオレにまかせろ!」
 「ボクにまかせてくれ!」


 そのセリフの一瞬とトドメの高揚のためだけの展開(笑)。ここにおいて『戦隊』のロボ戦はお約束蛇足タイムでなく、キョーミ津々の見せ場となるのである。そんなカタルシス全開の『戦隊』が観たい!


 東映鈴木武幸プロデューサー様、ご一考を!


(了)
(初出・特撮雑誌『宇宙船』Vol.69・1994年夏号・読者投稿)


スーパー戦隊アクション監督興亡史 [山岡戦隊]×[竹田戦隊]!

(文・伏屋千晶)
(2002年執筆)

忍者戦隊カクレンジャー」(1994)


 前作『五星戦隊ダイレンジャー』(1993年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20111010/p1)では、得意の中国拳法で大いに気を吐いたアクション監督・竹田道弘氏でしたが、この『忍者戦隊カクレンジャー』では一転して、元のモクアミに……。


 この点に関しては、翌年度のOV『超力戦隊オーレンジャー オーレVSカクレンジャー』(1996年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110926/p1)で、山岡淳二氏が演出した“山岡版”カクレンジャーと比較して頂ければ明白なのですが、どうやら、竹田氏は甚(はなはだし)く“チャンバラ”が不得手(ふえて)だったようです。


 そもそも、折角(せっかく)の〔忍者もの〕なのに、敵を「妖怪」に設定して、忍者同士の「チャンバラ」&「忍術合戦」という忍者ものにとって最も魅力的である筈のシチュエーションを排してしまった、企画段階での詰めの甘さにも問題があったのですが……。


 シリーズの中盤(#20)で、“妖怪”というよりも“忍者”的なカラーの強い「花のくノ一組」が登場したのは、たぶん、その作劇上の欠点に気づいたからに相違ありません。(初期の“おふざけ戦隊”路線のシリーズ構成は、ひょっとして、本作から戦隊シリーズに参加した東映の高寺成紀P(たかてら・しげのりプロデューサー)の影響?)



 中途半端にカジュアルなヒーロー像や、戦隊史上初の女性リーダーの設定にも無理があったみたいです。#25からは「第二部・青春激闘篇」と改称し、サスケ=ニンジャレッドをリーダーに据え直してメンバー全員をシリアス化し、軟弱化したコンセプトの立て直しを図らざるを得なかったのもマイナス・ポイントでした。


 せめて、[ケイン・コスギ]氏(ニンジャブラック・ジライヤ役)のアクション俳優としての潜在的なポテンシャルを最大限に引き出して、[ジライヤ×ガリ先生(ケイン・コスギの実父=ショー・コスギ)]戦(#28〜29)のような、気魄(きこん)のこもったバトルを毎回見せて貰(もら)いたかったものです。



 なんと言っても、正統派とミーハー系、両方のマニアを唸らせた快作『ダイレンジャー』の直後だけに、ワリを食った観を否めない『忍者戦隊カクレンジャー』(1994年)。ですが、唯一、ムンク「叫び」のポーズを模した仕種(しぐさ)がキャッチーな戦闘員〔ドロドロ〕が、後の“お笑い系戦闘員”(ワンパー(『激走戦隊カーレンジャー』1996年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110521/p1)、クネクネ(『電磁戦隊メガレンジャー』1997年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20111121/p1)、賊兵ヤートット(『星獣戦隊ギンガマン』1998年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110711/p1)、下忍マゲラッパ(『忍風戦隊ハリケンジャー』2002年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110605/p1)……etc.)の先駆となったのは拾いものでした。



 同年、ゴールデンウィークに高輪プリンスホテルで開催された「スーパー戦隊ワールド'94」に於いて、上映時間10分前後の3D短編作品『スーパー戦隊ワールド』が公開。(同年夏休み期間中の8月6日(土)〜28日(日)まで東映東京撮影所で開催された「大泉シネファンタジー'94」でも公開)


 この作品の擬闘は東映の『世界忍者戦ジライヤ』(1988年)でメリハリの効いた「忍者剣劇」を極めた山田一善(やまだ・かずよし)アクション監督が担当したので、TVシリーズよりもカクレンジャーの立ち回りがカッコよく描写されていると私見します。(監督は渡辺勝也氏)


 この3D作品は、5大戦隊25戦士集結(地球戦隊ファイブマン(1990年)〜忍者戦隊カクレンジャー)、戦闘員の混成大部隊(バツラー兵、グリナム兵、ゴーレム兵、コットポトロ)、5大ロボの共闘(ファイブロボ、ジェットイカロス大獣神大連王、無敵将軍)、敵味方総勢50人による史上最大規模の乱戦(石垣広文氏の当たり役・キリンレンジャー(『ダイレンジャー』のイエロー)の立ち回りは白眉(はくび))。見どころいっぱいの傑作なのに2002年現在、未だに商品化されていないのは残念です。


 率直に申せば、マニア出身の竹本昇監督の演出力不足を露呈した私見では凡作『百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』(2001・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110418/p1)の、余りにも形式的だった〔歴代レッド25戦士&25大メカの揃い踏み〕より、ず〜っとエキサイティングで面白かったゾ!



(後日編註:3D作品『スーパー戦隊ワールド』は2003年に、元祖『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年)〜『超力戦隊オーレンジャー』(1995年)までの戦隊作品・劇場版をまとめた『スーパー戦隊THE MOVIE』DVD−BOX(ASIN:B000095YKM)として初商品化(DVD4枚組の4巻目、『五星戦隊ダイレンジャー』〜『超力戦隊オーレンジャー』に収録)。2004年には、この4巻目を『スーパー戦隊THE MOVIE VOL.4』(ASIN:B000228U2G)として単品発売。2012年現在では、昨2011年に発売された『スーパー戦隊THE MOVIE Blue−ray』(ASIN:B004M176H8)にてブルーレイディスクでも鑑賞可能)


(了)
(特撮同人誌『仮面特攻隊2003年号』(02年12月29日発行)『全スーパー戦隊アクション監督興亡史』大特集より「忍者戦隊カクレンジャー」の項を抜粋)


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