(ファミリー劇場『ザ★ウルトラマン』放映「全話評」連動連載!)
『ザ☆ウルトラマン』#20「これがウルトラの星だ!! 第2部」 ~古代ギリシャ風のウルトラ人が住むU40! その10億年史! 7大ウルトラ戦士も活躍!
『ザ☆ウルトラマン』#21「これがウルトラの星だ!! 第3部」 ~宇宙戦艦数千隻! 機械惑星の重力波攻撃! 超巨大怪獣! ウルトラ人を進化させた超物質ウルトラマインド争奪
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『ザ・ウルトラマン』第19話「これがウルトラの星だ!! 第1部」 ~怒涛の新展開! 精神生命体が寄生の3大怪獣! 敗死した超人の同族が出現!
は虫怪獣ゲラド
は虫怪獣ジャニュール
は虫怪獣ベドラン 登場
(作・吉川惣司 演出・石田昌久 絵コンテ・小田経堂 怪獣原案・鯨井実)
(この回から「メカニックデザイン」職は、大河原邦男氏にかわり河森正治(スタジオぬえ)氏名義に変わる)
(視聴率:関東13.3% 中部11.5% 関西8.0%。
以上、ビデオリサーチ。以下、ニールセン 関東14.0%)
(文・内山和正)
(1997年執筆)
南アフリカに出現した爬虫怪獣ゲラドにより、地球防衛軍のアフリカ・ヨーロッパゾーンは壊滅状態に追い込まれる。救援に向かった極東ゾーンの科学警備隊の大型戦闘機・スーパーマードックの攻撃も効き目はなかった。
やめるように忠告するウルトラマンの声を無視してヒカリ隊員は変身し、傷つきながらも怪獣ゲラドを倒す。しかし、ゲラドの体を脱け出した光がヘビに乗り移って怪獣ジャニュールになった。ウルトラマンは戦うが、変身限界時間となって倒すこともできぬままに撤退する。ウルトラマンの戦闘放棄にショックを受ける隊員たち。
ヒカリが気を失い倒れているのを、ムツミ隊員とマルメ隊員に発見される。地球防衛軍の分析で、あの怪獣たちは「超物質」の「精神寄生体」が爬虫類に乗り移って誕生したものだと判明する。倒しても他の爬虫類に乗り移るだけだろうから、絶望的な戦いだといえた。
アメリカで新しいトカゲに乗り移ったとの連絡を得た科学警備隊は、意識不明の重体であるヒカリ隊員を残しアメリカへ。やがて目覚めた重傷のヒカリに、ウルトラマンはアメリカにある世界一の天文台へ行って、そこにある電波天文台を介して自分の故郷であるウルトラの星・U40(ユーフォーティ)へ救援を求めることを指示する。
そのことに怪獣の身ながら気づいた怪獣ベドランは電波天文台破壊に向かう。U40への連絡に成功したヒカリ隊員はウルトラマンが止めるのも聞かずに、また変身して戦うものの、ついにエネルギーが切れて死んでしまう。
そこにすでに事切れたヒカリの死体も発見される。大いに動揺し嘆く隊員たちの前に、U40の超巨大UFOが降りたってきた。そこから出てきた巨人のウルトラ戦士であるU40人のエレクは「ヒカリを生き返らせることができるか、やってみる」と告げて、死体をUFOに収容して運び去っていった。
(以上、ストーリー)
『ザ・ウルトラマン』(79年)を、『ザ・ウルトラマン』たらしめている代表作の1本。
冒頭、数週間も怪獣の出現がないとのことで、隊員たちが夏の夜の望遠鏡に興じるなか、ヒカリ隊員の心に呼びかけて自分の故郷の方角を示してくるウルトラマン。望遠鏡では見ることのできぬ、その星に思いを馳せるヒカリ隊員……といった始まり方から、(当たり前ではあるが)何かが起こる期待が高まる。
そして、怪獣ゲラドの圧倒的な強さと地球防衛軍の絶望的な戦いは、怪獣の正体が明かされる前から盛り上がっている。
早く変身したいヒカリ隊員がそのチャンスを得るために戦列を離れる言い訳を口にしても、いつものように簡単にはいかず、やっと果たせたら今度はウルトラマンに「今までの敵とは違う」と変身を止められてしまう。
この焦(じ)らし方が巧(うま)くて、視聴者もヒカリ隊員とともに危機感を抱き、「何故だ!」という気持ちを持たせられ、ヒカリ隊員の無謀ともいえる戦いをも甘受したり共感したり動揺したりするのだ。
でも敢えて言えば、今回のヒカリ隊員は「僕たちが勝てなかったことは、なかったじゃないですか?」とか「ウルトラマンでも死ぬなんてことが……」などと言っており、細かく見れば、幼いというか単純というか、ややいつもの彼らしくはないかもしれない。ヒーローとしての使命感とか責任感とか危機感とかいうだけでは済まないものがある。そこがまた一面的ではないキャラクター描写の厚みなのだと理論武装できなくもないのかもしれないが?
やられても次々と爬虫類にとりついて巨大怪獣にしてしまう「精神寄生体」の登場は放送当時、ウルトラシリーズ中でも最も手強い敵ではないかと思って感心させられ、戦い方への興味を起こさせられたものだった。それ以降も長らく、日本の全ヒーローものの中でも、脚本家・藤井邦男氏が『超獣戦隊ライブマン』(88年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20110919/p1)や『世界忍者戦ジライヤ』(88年)で描いていた、戦う気持ち・闘争心を吸い取る敵とも並ぶものでは? と思っていた時期もあったほどだ。もっとも、筆者は忘れやすいので、もっと凄い設定の強敵を忘れているかもしれないが……
ただ、話を短く30分にまとめるためだろうが、改めて観直してみると、サンプルが二体しかない時点で、アキヤマ隊長が「精神寄生体」は爬虫類を好んでいるようだと断定してしまうのは少し安易に感じられる。
日本に始まった物語はアフリカでの戦いとなりアメリカに移動して終わる。以前は海外をムリに舞台にしなくても……と思ったときもあった。しかし今回、本話を観直してみて、舞台の変転が物語のスケールを大きくするためには役立っていると思い直した。各国ごとの特性があまりないために、日本でも通用するストーリーであるのが残念だが、「アメリカの世界一の電波天文台の設備を経由して、ウルトラマンの超エネルギーでU40に超光速通信(超光波圧送)でほぼ瞬時に連絡する」というのはそれっぽくて、SF的なリアリティが感じられる気はする。知識不足のために、そのような電波天文台が実在するのかは知らないが。
アメリカに出現した怪獣ベドランと戦うも、ウルトラマンの忠告も聞かずにウルトラマンに変身してしまって、しかもエネルギー切れによる「死」までも忠告されていたのにも関わらずに、電波天文台を壊すかたちで倒れてしまったウルトラマンはその姿を半透明に変えたあとに消えてしまう!
ウルトラマンの敗北とその消滅に、衝撃を受ける科学警備隊の面々!
電波天文台を守るといっていたヒカリ隊員がそこにはいるはずだ! アキヤマ隊長が操縦する大型戦闘機・スーパーマードックや、隊員各個が操縦する小型戦闘機・バーディ3機は、その跡地へと駆けつける!
瓦礫のなかから戻ってきたアキヤマ隊長は、その両腕のなかにヒカリ隊員を抱きかかえていた。
横たえられたヒカリ隊員は虫の息だ。うわごとのように「すまない……。ウルトラマン」と彼の消息を心配したあとで、自らの末期(まつご)を悟ったのか、「みんな、さようよなら……」との言葉で、事切れてしまう……
そこからの科学警備隊の面々によるリアクションは、絵コンテ・各話演出・作画マンによるディレクション・演技付け・芝居付けの面目躍如といったところだろう。
衝撃を受けている隊員たちの表情。取り乱している紅一点・ムツミ隊員。彼女をはねのけて、片耳をヒカリ隊員の胸に押し付けて、心拍の有無を確かめるアキヤマ隊長。その場から静かに去っていくアキヤマ隊長。その後ろ姿にダメ押しのタメ口でヒカリ隊員の生死の有無を絶叫して問いかけるマルメ隊員。真相を悟って、泣き叫ぶマルメ隊員。そっと後ろを向いて肩を震わせるトベ隊員。
ヒカリ隊員の死に狼狽してしまう、マルメ隊員をはじめとした科学警備隊の動揺の描写も、実にていねいで泣けてくるのだ。
ウルトラマンとヒカリ隊員の死のあと、その救出に現れたのが、山岳のごとき超巨大な円盤(宇宙船)に搭乗していた、ウルトラマンの同族の別の巨人のウルトラマンであった…… そういったあたりも、ヘトヘトになって自らの飛行能力で駆けつける特撮系ウルトラマンを見慣れてきた者にとっては衝撃的であった。
だが、『ウルトラマンレオ』(74年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20090405/p1)終盤(第4クール)のNG企画に「ウルトラファミリーがUFOに乗って敵のメカと戦う」というものがあったそうで、「ウルトラ」にしろ「仮面ライダー」にしろシリーズにとって斬新だと思っていたものが、実はすでにかなり以前に検討されていたということは多いようである。
定型に親しみすぎた長年のファンにとっては驚きであった仮面ライダーBLACK(87年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20001015/p2)から仮面ライダーBLACK RX(88・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20001016/p1)へのフルモデルチェンジにしろ、『仮面ライダー』初作(71年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20140407/p1)の段階で新1号から新・新1号ライダーへのパワーアップや、スカイライダー(79)から新生スカイライダーへの変化といったかたちで、すでに大むかしに似たようなことが検討されていたとも、後年のマニア向け書籍では判明しているのだ。
斬新とされているウルトラマンティガ(96・https://katoku99.hatenablog.com/entry/19961201/p1)が、それまでのウルトラマンたちのように宇宙人ではなく、人間ウルトラマンであったという設定も、『ウルトラマンG(グレート)』(90年)のNG案「人間自身が進化してウルトラマンになる」という設定の影響を受けて、あるいは再検討してのモノではなかろうか?
なお、U40のウルトラ戦士・エレクのシルエット(今回は逆光での影の姿のみ)が、よく見るとエレクのデザインに合致していないのは残念だ。
本話の本放送時でもある8月には、初代『ウルトラマン』(66年)を再編集し、新撮映像を加えた映画『ウルトラマン怪獣大決戦』(79年)が公開(7〜8月)されている。本作の主人公・ウルトラマンジョーニアスもウルトラファミリーの一員として登場している。各ウルトラ戦士の戦闘名場面を見せるために、実写映像が存在しないジョーニアスのシーンは撮り下ろしということになり、今回の爬虫怪獣ベドランが対戦相手に選ばれている。唯一、着ぐるみ化された怪獣であり、アニメの方ではジョーニアスを倒していることからしても、『ザ・ウルトラマン』を代表する怪獣だといえるだろう。アニメ版はぎこちない動きが魅力である。
実写ではジョーニアスの必殺技・プラニウム光線で倒されているが、アニメではその最期(さいご)は消息不明となっており、おそらくジャニュール同様に誰にも倒されぬままで(?)、精神寄生体が別の爬虫類に乗り変えていったものと推測される。
書籍によってはベドランは古代恐竜の生き残りに寄生体が乗り移ったものとあるが、本話を観たところ、ジャニュールが去ったあとにアメリカでトカゲに乗り移ったとの連絡が入っているので、ベドランは寄生体がトカゲに乗り移った存在だったと考えるのが妥当ではないのか?
それとも、科学警備隊がアメリカへ向かってから視聴者が彼らの戦いを目にするまでの時間的空白に、未映像化のトカゲ型怪獣を経由して古代恐竜の生き残りへと乗り換えたことでベドランが誕生したと考えるべきなのだろうか? たしかに形態からすれば恐竜的ではあるのだが、現代のアメリカでたとえ未開の土地でもそのへんを恐竜がのし歩いていたというのは現実的ではないし…… 今となっては永遠の謎か?(笑)
◎本話のヒカリ隊員のウルトラマンへの、リアルで肉体的なプロポーションかつ少々荒々しい劇画チックな画調の変身シーンが、本作のシリーズ後半におけるウルトラマンへの変身シーンのバンクフィルムとして流用されることになった(この時代のTVアニメには多い処置だが、本作でもフィルムの焼き増しとしてのバンクフィルムではなく、都度都度でのセル画の再撮影だったのだとも思われるので、正確にはバンクセル画&バンク背景美術といったところか?)。
※:製作No.19『これがウルトラの星だ・U40だ!!』第一部
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