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ザ・ウルトラマン19話「これがウルトラの星だ!! 第1部」

ファミリー劇場『ザ★ウルトラマン』放映「全話評」連動連載!)


ザ・ウルトラマン総論 〜総括・ザ☆ウルトラマンの時代
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#19『これがウルトラの星だ!! 第1部』

は虫怪獣ゲラド
ジャニュール
ベドラン  登場

(作・吉川惣司 演出・石田昌久 絵コンテ・小田経堂 怪獣原案・鯨井実)
(この回からメカニックデザイン大河原邦男氏にかわり河森正治氏名義に変わる)
(視聴率:関東13.3% 中部11.5% 関西8.0%。
 以上、ビデオリサーチ。以下、ニールセン 関東14.0%)


(文・内山和正)
(1997年執筆)


 南アフリカに出現した爬虫怪獣ゲラドにより地球防衛軍アフリカ・ヨーロッパゾーンは壊滅状態に追い込まれ、救援に向かった極東ゾーン・科学警備隊の大型戦闘機スーパーマードックの攻撃も効き目はなかった。


 ヒカリ隊員はやめるよう忠告するウルトラマンの声に反して変身、傷つきながらも怪獣ゲラドを倒すものの、ゲラドの体を脱け出した光がヘビに乗り移り怪獣ジャニュールになった。
 ウルトラマンは戦うが、変身限界時間が来て倒すこともできぬまま逃げ出す。
 ウルトラマンの戦闘放棄にショックを受ける隊員たち。


 ヒカリは気を失い倒れているのをムツミ隊員とマルメ隊員に発見される。
 防衛軍の分析であの怪獣たちは「超物質」の「精神寄生体」が爬虫類に乗り移って誕生したものと判る。倒しても他の爬虫類に乗り移るだけだろうから絶望的な戦いといえた。


 アメリカで新しいトカゲに乗り移ったとの連絡を得た警備隊は意識不明の重体であるヒカリを残しアメリカへ。
 やがてウルトラマンは目覚めた重傷のヒカリにそのアメリカにある世界一の天文台へ行き、そこにある電波望遠鏡で自分の故郷ウルトラの星U40(ユーフォーティ)へ救援を求めろと指示する。


 それに怪獣の身ながら気づいたベドランは電波望遠鏡破壊に向かう。
 U40への連絡に成功したヒカリはウルトラマンが止めるのも聞かず変身して戦うものの、ついにエネルギーが切れて死んでしまう。


 そこに既に事切れたヒカリの死体も発見される。
 大いに動揺し嘆く隊員たちの前に、U40の超巨大UFOが降りたった。
 そこから出て来た巨人のウルトラ戦士、U40人のエレクはヒカリを生き返らせることができるかやってみると告げ、死体をUFOに収容して運び去った。
(以上、ストーリー)



 『ザ・ウルトラマン』(79)を『ザ・ウルトラマン』たらしめる代表作。


 冒頭、数週間怪獣の出現がなく隊員たちが夏の夜の望遠鏡に興じるなか、ヒカリの心に呼びかけて自分の故郷の方角を示すウルトラマン
 望遠鏡では見ることのできぬその星に思いを馳せるヒカリ……という始まりから、(当たり前ではあるが)何かが起こる期待が高まる。


 そして怪獣ゲラドの圧倒的な強さと防衛軍の絶望的な戦いは、怪獣の正体が明かされる前から盛り上がる。
 早く変身したいヒカリがそのチャンスを得るため戦列を離れる言い訳を口にしても、いつものように簡単にはいかず、やっと果たせたら今度はウルトラマンに「今までの敵とは違う」と変身を止められる。


 この焦(じ)らし方が巧(うま)く、視聴者もヒカリとともに危機感を抱き、「何故だ!」という気持ちをもたせられ、ヒカリの無謀ともいえる戦いをも甘受したり共感したり動揺したりするのだ。


 でも敢えて言えば、今回のヒカリは「僕たちが勝てなかったことはなかったじゃないですか」とか「ウルトラマンでも死ぬなんてことが」とか言って、幼いというか単純というかいつもの彼らしくなく、ヒーローとしての使命感とか責任感とか危機感とかいうだけでは済まないものがある。
 そこがまたキャラクター描写の厚みといえるのかもしれないが?


 やられても次々と爬虫類にとりついて怪獣にしてしまう「精神寄生体」の登場は放送当時、ウルトラシリーズ中でも最もてごわい敵ではないかと思って感心させられ、戦い方への興味を起こさせられたものだった。
 (全ヒーローものの中でも脚本家・藤井邦男氏が『超獣戦隊ライブマン』(88)や『世界忍者戦ジライヤ』(88)で描いた、戦う気持ち・闘争心を吸い取る敵と並ぶものではと思っていた時期もあった。
 もっとも筆者は非常に忘れやすいので、もっと凄い設定の強敵を忘れているかもしれないが)


 ただ、話を短く30分にまとめるためだろうが、サンプルが二体しかない時点で、アキヤマ隊長が「精神寄生体」は爬虫類を好んでいるようだと断定してしまうのは少し安易に感じられる。


 日本に始まった物語はアフリカでの戦いとなりアメリカに移動して終わる。
 以前は海外をムリに舞台にしなくてもと思ったときもあったのだが、今回観直してみて舞台の変転がスケールを大きくするために役立ってはいると思い直した。
 あまり各国の特性がないため日本でも通用するストーリーなのが残念だが、「アメリカの世界一の天文台の設備を経由してウルトラマンの超エネルギーでU40に連絡する」というのはそれっぽくて、SF的・ドラマ的なリアリティが感じられる気はする。無知識のためそのような天文台が実在するのかは知らないが。


 ウルトラマンとヒカリの死のあと、その救出に現れるのが山岳のごとき超巨大な円盤(UFO・ユーフォー)に搭乗した同族の別のウルトラマンであった……
 というのがヘトヘトになって自らの飛行能力で駆けつける特撮系ウルトラマンを見慣れてきた者にとってはアニメ的衝撃であった。


 が、『ウルトラマンレオ』(74・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090405/p1)終盤(第4クール)のNG企画にウルトラファミリーがUFOに乗って敵のメカと戦うというものがあったそうで、「ウルトラ」にしろ「仮面ライダー」にしろシリーズにとって斬新だと思ったものが既にかなり前に検討されていたということは多いようである。
 定型に親しみすぎた長年のファンにとって驚きであった仮面ライダーBLACK(87・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20001015/p2)から仮面ライダーBLACK RX(88・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20001016/p1)へのフルモデルチェンジにしろ、『仮面ライダー』初作(71)の段階で新1号から新・新1号ライダーへのパワーアップや、スカイライダー(79)から新生スカイライダーという形で大昔に考慮されていたものであったし、斬新とされたウルトラマンティガ(96・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961201/p1)の宇宙人という設定ではなく人間ウルトラマンであるという設定も『ウルトラマンG(グレート)』(90)のNG案「人間自身が進化してウルトラマンになる」の影響を受けて(あるいは再検討して)のモノだろう(?)。


 なおU40のウルトラ戦士・エレクのシルエット(今回は逆光での影の姿のみ)がよく見るとエレクのデザインに合致しないのは残念だ。


 本話放送時(8月)には、初代『ウルトラマン』(66)を再編集し、新撮を加えた映画『ウルトラマン怪獣大決戦』(79)が公開(7〜8月)されているが、ウルトラマンジョーニアスもウルトラファミリーの一員として登場しており、各ウルトラ戦士の戦闘名場面を見せるために、実写映像が存在しないジョーニアスのシーンは撮り下ろしということになり、今回の爬虫怪獣ベドランが対戦相手に選ばれている。
 唯一着ぐるみ化された怪獣であり、アニメの方ではジョーニアスを倒していることからしても『ザ・ウルトラマン』を代表する怪獣といえるだろう。
 アニメ版はぎこちない動きが魅力である。


 実写ではジョーニアスの必殺技・プラニウム光線で倒されているが、アニメでは消息不明で、おそらくジャニュール同様誰にも倒されぬまま(?)、寄生体が別の爬虫類に乗り変えていったものと推測される。
 書籍によってはベドランは古代恐竜の生き残りに寄生体が乗り移ったものとあるが、ドラマを観たところジャニュールが去ったあと、アメリカでトカゲに乗り移ったとの連絡が入っているので寄生体がトカゲに乗り移った存在と考えるのが妥当ではないか。
 それとも科学警備隊がアメリカへ向かってから視聴者が彼らの戦いを目にするまでの時間的空白に、トカゲ型怪獣から恐竜に乗り換えたと考えるべきか。
 確かに形からすれば恐竜的ではあるが、その辺を恐竜がのし歩いていたというのは現実的ではないし……。
 今となっては永遠の謎か?(笑)


※:製作No.19『これがウルトラの星だ・U40だ!!』第一部


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊98年号』(97年12月28日発行)『ザ☆ウルトラマン』特集・合評3より分載抜粋)


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