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仮面ライダージオウ序盤評 ~時間・歴史・時計。モチーフの徹底!

(2019年5月27日(月)UP)
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『仮面ライダー』シリーズ評 ~全記事見出し一覧


仮面ライダージオウ序盤総括! ~時間・歴史・時計。モチーフの徹底!

(文・T.SATO)
(18年10月14日脱稿)


 ついに平成「仮面ライダー」シリーズも節目の20作目となるアニバーサリー作品の登場だ。その名も『仮面ライダージオウ』(18年)。


・歴代の平成仮面ライダーたちが総登場。
・「世界の破壊者」ならぬ「50年後の西暦2068年の未来で魔王となる存在」である新ライダー。
・#1の冒頭や、本作放映直前に封切された直前作の映画『劇場版 仮面ライダービルド Be The One』エンディングテロップ後における、歴代平成ライダーや多数の兵士たちを敵にまわして先行お披露目された新ライダー・ジオウが圧勝していく映像。


 「これ、ナンて『仮面ライダーディケイド』?」


 そう。まんま10作前の平成ライダー10作記念『仮面ライダーディケイド』(09年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20090308/p1)じゃねーか!? まぁソコに当然のことながら、マニア諸氏のツッコミも入るであろうし、筆者自身もツッコミを入れてはいるが(笑)。


 とはいえ、10周年なり10作記念作、15周年なり15作記念作なのに、例年と同様にスーパーヒーローvs敵怪人のド突き合いを描くだけのルーティンな作品では――と括るのは、あまりにバラエティ豊かに過ぎる平成ライダー作品の場合、不適切ではあるけれど――物足りなくなるであろう。何らかの祝祭性がほしくなる。
 その祝祭性を手っ取り早くもたらすモノは何か? それはやはり、現役ヒーローでは倒せない強敵が出現して、それに対抗するために先輩ヒーローが頼もしく颯爽と助っ人参戦して大活躍してくれることであろう。


 であれば、平成ライダー20作記念作が将来に製作されるのなら、10作記念作の『ディケイド』同様、またまた先輩平成ライダーが続々登場して共闘する『仮面ライダーディケイド2』なり『ダブル・ディケイド』(笑)を観てみたい! と10年前の『ディケイド』の時点で、口にせずともすでに連想・妄想していた御仁は多かったであろうと思われる。筆者もそのクチだ。
 その意味では、『ジオウ』が基本的には『ディケイド』もどきであることに不満はナイはずであったのだが……。


20作記念作! 時間・歴史・時計がモチーフ!


 しかし、20年は長い。『仮面ライダー』初作(71年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20140407/p1)~「仮面ライダー20」ならぬ本来は20周年記念作として構想された映画『仮面ライダーZO(ゼットオー)』(93年)ほどの歳月が流れたことになる。すでに「歴史」である。そして「20」は節目の記念すべき数字でもある。
 「ジオウ」は直接的には「時王」の意味であろう。プロデューサーや脚本陣の世代交代、作風・作品思想の違いから、白倉伸一郎プロデューサー&井上敏樹脚本に象徴される少々のシニカルさや正義への懐疑にミーイズムの気配もする平成ライダー第1弾~第10弾を「第1期平成ライダーシリーズ」、ワリとベタに少年漫画的な正義を信じて分け隔てなく全員を救わんとする第11弾以降を「第2期平成ライダーシリーズ」、マニア間では自然とそう称されるようになったが、同時にコレら第1期と第2期を総括して、「ネクスト・ディケイド」(=次の10年間)も切り拓くための「次王」の意味も込めた「掛け言葉」でもあるのだろう。
 ……とモッタイぶって解釈してたら、番組自体のキャッチ・コピーが「祝え! 次代の王の誕生を。」となっているので、筆者の解釈も追認にしかならないのであるが(笑)。


 それらから逆算したのだろう。本作はその題材を「歴史」「時間」としてみせることで、歴代平成仮面ライダー個々の「世界&時間」(=時代)(西暦2000年~2017年)へも、2話完結の前後編のスタイルでタイムトラベルすることで、歴代の平成ライダーたちとも共演!


 そして、仮面ライダー自身のデザイン・モチーフもズバリ、「時計」としてみせた。
 本作における1号ライダー・仮面ライダージオウは、銀&黒のカラーリングを主体に、両眼と各所にパープル色を配して、よく見ると顔面は「アナログ時計」の「目盛り」を付けた「時計盤」がモチーフ。歴代ライダー共通の額から左右斜め上方に伸びた今回は左右で長さが異なる細長い「触覚」も、「アナログ時計」の「長針」と「短針」の10時10分で、10+10で20!(笑)


 「アナログ時計」の「時針」が周回していく仕組みに着想を得たのか、歴代ライダーでもおなじみ変身ベルトのバックルにも、左右両方に伸びた小さなバックルもどきの取っ手をつける。これに手をかけるや、バックルを中心にそれらが半回転や1回転することで、子供やマニアもマネがしたくなる(笑)プレイバリュー性を上げている。


 コレと連動させるためか、あるいはそこに「歴史」を押し進めたり巻き戻したりといったシンボリックな意味も込めたいのか、オープニング主題歌の毎回のバンク映像でも、レギュラー人物の方はそのままに、バックの背景の方が逆に360度回転するビジュアルも連発!


 その変身ベルトにハメるのが、「妖怪ウォッチ」いな「アップルウォッチ」もとい「ライドウォッチ」。やはり腕時計の小型時計盤をモチーフとしたアイテムだ。
 本作における子供――およびマニア(汗)――たちの収集癖を刺激せんと企んでいるのがこのアイテムで、歴代平成ライダー個々の写真ならぬ絵(笑)が描かれた諸々の腕時計の時計盤。コレを変身ベルトにハメることで歴代ライダー個々のボディーをかたどったヨロイを装着するかたちでタイプチェンジ!
 基本は先輩ライダー客演回ごとに、該当する先輩ライダーの「ライドウォッチ」をゲットするのであろうけど、3作前の『仮面ライダーゴースト』(15年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20160222/p1)と4作前の『仮面ライダードライブ』(14年)の「ライドウォッチ」は、本作における2号ライダー・仮面ライダーゲイツがすでに所有している。それをジオウに貸与して、『ゴースト』でもおなじみカラフルなフードパーカーをまとった黒子の小型版を多数召喚、敵怪人にブツけたりもしている――コレらは原典同様、歴史上の英雄豪傑の魂(!)でもあるならば、何という罰当たり、畏れ多いことを……と筆者なぞは思ってしまうので、単なる劣化コピーの形態模写だと思うことにする(笑)――。


 50年後の西暦2068年の未来から、将来の魔王となるジオウを、先にこの時代で抹殺せんがために来訪した設定のワリにはあまり緊迫感もなく、主人公青年とともに時計屋さん(時計の修理屋さん?)宅に下宿することになる、真っ赤なスーツが印象的な2号ライダー・仮面ライダーゲイツに至っては、変身時に20世紀末に流行った「Gショック」みたいな頑丈そうな「デジタル腕時計」のビジュアル・イメージをオーバーラップさせることで、共通化&差別化も同時にできている。


 極めつけは、変身時やヨロイ装着時や必殺ワザの披露時に変身ベルトが発する音声ガイダンス。


 「ライダータイム! 仮面ライダージオウ!!」
 「アーマータイム! ○×△□!!」
 「フィニッシュタイム! タイムブレーク!!」


 すべてに「タイム」の語句も入れている(笑)。


 主人公の淡泊そうな青年クンも、平成ライダーシリーズが放映を開始した――「20」の字面とも重なる――西暦2000年と同年生まれの今年2018年で18歳となった男子高校生とすることで、彼の存在・人生自体をメタ的に平成ライダーシリーズの足取り、そして21世紀の歴史、年長視聴者には個々人の18歳までの人生や、21世紀の18年間などとも自然と条件反射的に重ねる心理的機制も結果的に利用することで、実感のあるタイムスケールを感じさせる趣向ともなっている。


 そして、50年後の西暦2068年の未来に「魔王」として君臨する、黒と燻し金の色彩に肩アーマーを付けた仮面ライダージオウ最強形態(?)の名前は「オーマジオウ」! 公式によると「オーマ」は「マオウ」のアナグラムだそうだが、ナレーターも兼ねた敵幹部(?)の青年が持つ書物が「逢魔降臨暦」でもある以上、「逢魔が時(おうまがとき)」とも掛けた「オーマ」であろう文学的ネーミングでトドメを刺す。


 ついでに、仮面ライダーが操縦する中型ロボット(パワードスーツ?)までもが登場するけど、その名はタイムマシンならぬタイムマジーン!(魔神・笑)


――そーいえば、西暦2000年という、コレまた節目の年に放映された、1000年先の30世紀の未来から来た『未来戦隊タイムレンジャー』も、ヒーローのマスク(というかゴーグル)や剣などの武器が、時計の「時針」をモチーフとしたモノであったが、その程度ではあり、本作ほどには徹底したデザイン、おふざけも含めた統一コンセプトに貫かれたものではなかった――


歴代ライダー続々登場だが、歴代自身もまたアナザーライダーか?(笑)


 本作における敵の怪人たちは、歴史改変で歴代平成ライダーの力を同時代の別の人間に移植したアナザーライダー! オリジナルの平成ライダーを醜くした姿だが、ボディーに初放映年の西暦と名前が英字で記されていることで、適度に愉快なイロモノ性もブレンド(笑)。
 劣化コピーではあるものの、オリジナルの平成ライダーの鏡像的な存在ともなることで、単なる暴れるだけの悪ではない、オルタナティブな(ありえたかもしれない、もうひとつの)ライダー、オリジナルとは対照的で批評的・二次創作的なシニカルな描き込みも期待してしまうのだが、#1~4に関しては、原典とは縁もゆかりもない、人格や性格に共通性もない御仁が敵幹部の魔手でアナザーライダー怪人に変貌させられているだけであり、文芸的には特に見るべきものはなかった。


 #1~2では早くも直前作『仮面ライダービルド』(17年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20180513/p1)の時代と、#3~4では前々作『仮面ライダーエグゼイド』(16年)の時代へタイムトラベル。天才物理学者のトッポい青年・仮面ライダービルドとその世界のヤンキーな2号ライダー・仮面ライダークローズ、天才ゲーマーで駆け出し小児科医の仮面ライダーエグゼイドとその世界の天才外科医な2号ライダー・仮面ライダーブレイブともども、変身前の役者さん本人を含めて登場した。
 2号ライダー・仮面ライダーゲイツがすでに保有していてアーマーも装着できる、3作前の『仮面ライダーゴースト』や4作前の『仮面ライダードライブ』含めて、ここ4年ほどの作品のキャラやアイテム群で、『ジオウ』序盤を埋めたことになる。


 我々のようなオッサン世代、特にカミさん子供も養っていないような、時間がほぼ止まった感覚で生きているキモオタにとっては、ここ直近の4作なんてほぼ「現代」じゃねーか! とは思ってしまう(汗)。
 しかし、その感慨を躊躇や自己懐疑ナシにストレートに出してしまったら、それは「老害」というヤツだ(笑)。オッサン世代が産湯をつかった70年代前中盤には、昭和の第1期ライダーシリーズ最終作『仮面ライダーストロンガー』(75年)が放映されていたが、すでにその直近の4年間の『仮面ライダー』初作(71年)~『仮面ライダーアマゾン』(74年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20141101/p1)といった4作品は、成長や時間経過の感覚が早い子供たちにとっては、随分と懐かしい「むかし」に感じられたものでもあったからだ。それ以前の1960年代に至っては馴染みもウスすぎる「大むかし」に過ぎてしまう。
 であれば、マニア諸氏にとっては物足りなくても、『ジオウ』序盤を直近4作品のアイテムで埋めたことは正解であろうし、作り手もメインターゲットはあくまでも幼児向けの作品として、それくらいの考慮はしているであろう。


 もちろんスレたマニア目線で見れば、近年――といっても、ここ10年くらい?――の平成ライダーや平成戦隊同様、あるいは2010年代のウルトラシリーズ同様、確信犯ではあろうけど、第1クールや序盤はドラマ的・テーマ的にはスカスカでウス味で、いわゆるオトナ……あるいはマニアの鑑賞に耐えうる仕上がりでは正直なかった(笑)。番組自体のフォーマットやメインキャラ、基本設定の紹介に徹していて、あるいはそれすらもが二の次で、あくまでもヒーローや武器やそれらのタイプチェンジなどの玩具的アイテムを、ハデハデな映像で魅せつけることに本作も徹している。


 特に#1~4などは、先輩の仮面ライダービルドや仮面ライダーエグゼイドのゲスト出演は取って付けたような感があり、先輩ライダーたちのことより、作品の基本設定や主人公・副主人公・ヒロインなどの紹介に比重が行っているのがアリアリだ。が、まぁ30分(実質20分強)の尺の中で、しかも序盤で描くべきは、本作のレギュラーキャラの紹介・構築や基本設定の紹介であることを思えば、個人的にはトータルではコレでイイとは思える。
 もちろん同時に、このことは個別具体の各話単位でも出来がよかったのだと保証していることにはならない。メインキャラ&玩具紹介の#1としてのノルマをこなしつつも、もう少しだけ脚本あるいは監督側でドラマ的・感情移入的なツカミもある作劇&演出は可能であったろうとは思うので、その点では物足りなさは少々感じてはいる。
 ただまぁ、それもいつものことだし、序盤がイマイチでも、第2クール以降に脚本陣がおそらくは子供番組向けにセーブしていた本領を発揮して、怒濤の展開、レギュラーキャラ連に複雑な肉付けが施されていくのも、近年の通例ではあるので許します(笑)。


「555」+「フォーゼ」編の#5~6で、『ジオウ』の今後を期待!


 各話単位でドラマらしいドラマが描かれたのは、本稿執筆直前に放映された#5~6だ。事前にマスコミ媒体で、『仮面ライダー555(ファイズ)』(03年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20031108/p1)こと乾巧(いぬい・たくみ)とその2号ライダーことイヤなイヤなイヤな奴(笑)の仮面ライダーカイザこと草加(くさか)が登場すると発表されていたので「555」編なのかと思いきや……。
 舞台が『仮面ライダーフォーゼ』(11年)の天ノ川高校となり、原典でもおなじみアンガールズ田中が演じる大杉センセイが出演、2018年の現在でもまだあった「仮面ライダー部」の現役部員たちも登場することで、実態は「フォーゼ」編であったのか? と思っていると、乾巧と草加の「555」組がそこに乱入! 乱闘の末にアナザーフォーゼ怪人はアナザーファイズ怪人でもあったとすることで、この2作を1本に集約化する!
 『金田一少年の事件簿』や『名探偵コナン』みたく、前後編のうちの後編は「ナゾ解き回」として(笑)、歳を取らないゲスト女子高生とアナザーフォーゼ怪人は、『仮面ライダー555』における乾巧・草加・メインヒロインらの出自でもある孤児を集めた養護施設・流星塾の同窓生であったとすることで、ゲスト&怪人に乾巧と草加が執着する動機も担保して、泣かせるドラマも構築してくれた。
 こーいういわゆるイイお話があると、個人的には一挙に作品世界自体に感情移入・没入もさせてくれて、視聴意欲も惹起させられる。今後の展開にも期待していきたい。


 この#5~6には、『フォーゼ』のメイン監督でもあり、ウルトラ・ライダー・戦隊・他社のアクションものなどを手広く手掛ける、『パワーレンジャー』(93年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20080518/p1スーツアクター・アクション監督・監督・製作総指揮にまで登り詰め、09年に凱旋帰国を果たした坂本浩一カントクが登板した。近年の担当作品ではややアクションに対する執着がウスれてきている気配がして、個人的には危惧をいだいているけど、ドラマ主導の本話ではそれがイイ塩梅となりエモーショナルな演出も達成できていて、滑らかに観ることができた。


 2003年の世界に遡って、2号ライダー・ゲイツがアナザーファイズ怪人を倒す!
 現在2018年の時代では、1号ライダー・ジオウがアナザーフォーゼ怪人を倒す!
 同一人物でもある怪人を異なる時間でそれぞれで倒すワケで、2003年でアナザーファイズを倒してしまえば、2018年のアナザーフォーゼもいなくなるんじゃネ!? 的なツッコミも可能なのだが、この作品は同じくタイムリープが可能な『仮面ライダー電王』(07年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20080217/p1)などとは異なり、タイムパラドックスは頻繁には発生しないようだ。
 この作品世界ではそーいうことになっている……ということで、筆者もナットクすることにする(笑)。まぁ作品世界の空気的にもユルくてスカスカなトボケた感じで、リアリズムが優先されている感じでもナイので、個人的にもそんなに気になってはいないし、SF的にはともかく人間ドラマ・ヒーローアクション・娯楽活劇的にはこの二重構成がバランス・まとまり的にもイイとは思うけど――小ウルさいSF志向的なマニアがツッコミを入れてくるであろうことも想定内での、確信犯の作劇かと推測――。
 そもそも『555』本編では死亡した草加、そして我々人類の突然変異体であるオルフェノク怪人たちと同様、その生い先は長くはないであろうことが最終回ラストで示唆された乾巧が、2018年にも生きている時点で『555』本編とは分岐した――本編とは異なる草加の死に様が描かれた映画『平成ライダー昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.(フィーチャリング)スーパー戦隊』(16年)ともまた別な――パラレルワールドアナザーワールド・アナザーライダー(笑)であることも確定ではあるけれど――文句じゃナイですよ――。


 当然のことながら筆者も、仮面ライダーフォーゼこと如月弦太郎(きさらぎ・げんたろう)を演じた今をときめく福士蒼太(ふくし・そうた)がこのエピソードに出演できるとはギャラ的にもスケジュール的にも思ってはいなかった――いやまぁ昨年末の映画『仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイド withレジェンドライダー』(17年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20171229/p1)には出演したばかりではあるけれど――。
 しかし、『フォーゼ』放映年の2011年を舞台にした撮り下ろし映像の仮面ライダーフォーゼにご本人の声がカブるというサプライズ! 同じく撮り下ろしの顔を見せない別人が演じる黒い学ラン姿でリーゼント頭の弦太郎の後ろ姿にも、ご本人の声がカブる第2のサプライズ! ――バンク音声というかライブラリー音源から、場面に合ったセリフを抜粋流用したものではあろうけど――
 あげく、「仮面ライダー部」の部室の集合写真というかたちで、福士蒼太のみならず2号ライダー・仮面ライダーメテオこと今をときめく吉沢亮まで登場! ――写真に手書きされたメテオこと朔田流星(さくた・りゅうせい)の名前「流星」は、真相が「流星塾」にあることを、我々のような「仮面ライダー部」をいつまで経っても卒業できないキモオタ連中に悟らせないがためのミス・リード演出でもあったのだ(笑)――
 20世紀とは異なり権利関係にうるさくなり、写真や音声の再利用にさえ金銭の授受がイチイチ発生してJASRAC日本音楽著作権協会)などに多大な支払が発生する時代にこのテは大丈夫なのであろうか? もちろんそのへんの事務処理には抜かりはナイとは思うけど――TVやCSでの放映ではOKでも、ソフト化の際には声優による吹き替え、写真も差し替えになっていたりして(爆)――。
 このテが可なのであれば、今後のヒーロー大集合映画で、特にヒーローの名乗りや掛け声なんかは、バンク音声を使うようにしてくれよ! 「宇宙キターーーーッッッッ!!」(笑)――バンク音声だけならギャラも格段に安いんでないの?――


 2018年時点の「仮面ライダー部」の面々は、デブと貧相の非モテ男子クンふたりが登場。洋画『スパイダーマン:ホームカミング』(17年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20170901/p1)で高校生スパイダーマンくんが所属するクイズ研究会みたく、非モテの文化部に集う面々の実態をよくぞわかっていらっしゃる――もちろん我々オタ自身の似姿でもある(笑)――。
 しかしこのふたり、見覚えがあるなぁ~と、ここはマニアの衆知・集合知の結晶、巨大掲示板の「実況板」の駄文や類似書き込みを削って要点だけを抽出した、検索で上位に来る「まとめサイト」を覗いてみると……。
 彼らは『フォーゼ』最終作でありTV版最終回の5年後を描いた映画『仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム』(12年)に登場した昨2017年度の「仮面ライダー部」の面々であり、超能力者集団でもある怪人同盟に進化していくメンツの6年後の再出演(!)でもあったことがさっそく特定されている!


白倉P&田崎監督コンビの再登板は吉凶いずれに出るか!?


 本作では『ディケイド』以来、00年代のいわゆる第1期平成ライダー作品を多数担当してきた東映白倉伸一郎プロデューサーがほぼ10年ぶりに再登板。そして氏の盟友のポジションである、今ではベテラン・田崎竜太パイロット監督を務めた。
 しかし、おなじく田崎が務めた『ディケイド』#1冒頭における、平成ライダー各作の2号ライダーや3号以降の全ライダー、各々のバイクやライドメカ、巨大召喚モンスターや空飛ぶ列車群、ボディーが西洋風のハコ型のお城になっている巨大ドラゴン(笑)なども繰り出した、ディケイドvs全ライダーの総力戦の図には明らかに劣っていただろう。
 あるいは、ドラマやテーマ抜き、基本設定の説明&レギュラーキャラの紹介もそこそこに、歴代シリーズ怪人やモンスターが続々登場して、ディケイド自身も歴代平成ライダーに次々再変身して戦闘の連発を繰り広げる『ディケイド』#1本編と比しても、お話のスケール・ビジュアル・インパクトすべてで劣るようでもあって……(汗)。


 個人的には直前作『ビルド』よりも、ドーしても『ディケイド』における主人公やその相棒、ヒロインや後見人のおやっさんたちのホームベースとなる、高い天井と10畳以上はあろうかという広々とした洋館の洋間のシックな「写真館」と比較してしまうけど、『ジオウ』における古びた木造民家の「時計屋」さんの狭苦しい台所兼食堂を、生活臭あるアットホームと取るか、映像的には少々ジミで閉塞感もあると取るかで悩みどころではある。
 まぁ個人的な慣れの問題でもあるのだろう。未来の魔王を抹殺に来た2号ライダーくんが1号ライダーくんを殺せなくなるお約束展開が待っていることはミエミエではあるけれど(笑)、その心情変化にこの台所での一連、寝食をともにした生活描写が必要であったのだと思える日が来ることを切に望みたい。
――文脈の都合でここに書くけど、2号ライダーと同じく50年後の未来から来た黒髪超ロングのメインヒロインは、クレオパトラ的なエラい美人の美少女だネ。両腕出しの白いワンピースの上から白いロングの羽衣(笑)というかレースをまとって神秘性も高めている。サバけた感じでもあるけど、その端正な美顔やふるまい、生活臭・所帯臭がまるで感じられないモデルっぽいたたずまいは、未来人の役には合っている。むろん長い平成ライダーの歴史に類例はあって、『仮面ライダー電王』でも未来から来たメインヒロインが同趣向の黒髪ロングの美少女ではあったけど、あっちは目鼻クッキリの派手な顔面と比しておそらく役者さん本人の天然なトロトロボケボケした可愛げや甘ったるさがあるところで相違があり――


 正直、筆者も白倉や田崎は少々老いたりで、90~00年代の輝きはすでにナイとも失礼ながら思ってはいて――熟練の安定感はあり――、先の『仮面ライダーディケイド』もイベント性や各話の出来はともかく、シリーズ構成面ではグダグダどころか、メインライターであるマニア上がりの會川昇(あいかわ・しょう)がおそらく白倉によるパワーハラスメント(?)で降板してからは、行き当たりバッタリどころか、シリーズ構成面では破綻さえしているのは否めなかったし――メタ的な意味ではそれも含めて面白かったけど(笑)――、今では春休みの『スーパーヒーロー大戦』系映画の専任で、主に脚本家・米村正二と組んで映画を放っているけど、出来・不出来はいろいろあれども、平均して見れば内容面でも客寄せアイデアの面でも白倉の劣化は否めないようにも思えていた。
 本作では白倉とは一世代以上も下とおぼしき、2010年代のスーパー戦隊シリーズ作品を多数手掛けて、あまたの深夜アニメでもメインライターを務める中堅・下山健人と組むことで、ヘンに張り合わずにカドが取れてマルくなり、後進の意見や我々マニアや會川がかつて望んだようなマニアックでメタ的に過ぎる作劇や展開も適度に採用してほしいものである。


 ヒーローや怪獣の1回性――初登場のサプライズ性、およびそれに伴なう本格シミュレーション――の重視の残滓がまだあった平成ライダー初頭の時代や、そのころの成功メソッドとは異なり、アメコミ洋画『アベンジャーズ』(12年)で『ジャスティス・リーグ』(17年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20171125/p1)な、あまたの作品世界をクロスオーバーさせて歴代ヒーローが多数登場することをありがたがる方向に、世界的にも世の風潮は180度真逆に変わっている今だからこそ、社会派テーマ主義的なイミでのマニアックさではなく、各作の舞台設定や人物設定に、過去作での共演の記憶も継承したセリフを応酬することにキモを置くような、イイ意味でのマニアックさを達成した作品作りも期待したい。


 平成ライダー19作品を前後編の2話完結で回顧するとなると、単純計算では38本。つまりは全4クール中の3クールが埋まることになる――『フォーゼ』と『555』はすでに一組でまとめて作ってしまったので、もっと少ない?――。すると最後の1クールは『ディケイド』同様、昭和ライダーや現役スーパー戦隊との共演で埋めるのであろうか?
 すでにして映画『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』(11年)や映画『スーパーヒーロー大戦GP(グランプリ) 仮面ライダー3号』(15年)などとも同様、昭和の初作~平成の最新作までもが1本の時間軸の同一世界になっているらしき本作なのだから、ドーせならば昭和ライダー平成ライダーの空隙の時代である80~90年代にもタイムトリップして、当時の東映メタルヒーローたちにも再評価のスポットを当てたり(!)、2代目・宇宙刑事ギャバンが往年のヒーローたちやその2代目たちと都度都度チームを組んで共闘する『スペース・スクワッド』シリーズなどともリンク・接続をしていってほしいモノだ!


追伸
 『仮面ライダーアギト』(01年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20011108/p1)のアナザーライダー怪人の名前はドーするのであろうか? 同作には4号ライダーとして「アナザーアギト」がすでにいる。すると、「アナザー・アザナーアギト」? そうなると、彼はアギトのアナザーか? アナザーアギトのアナザーなのか?(笑)


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2018年初秋号』(18年10月14日発行)~『仮面特攻隊2019年号』(18年12月29日発行)所収『仮面ライダージオウ』序盤合評3より抜粋。~合評3以外は紙媒体の同人誌が品薄になったあたりで、当該記事にひっそりと追加UPする予定・汗)



『假面特攻隊2019年号』「仮面ライダージオウ」序盤合評関係記事の縮小コピー収録一覧
・デイリースポーツ 2018年8月8日(水) 奥野壮 ママたち時めく天性オーラ 時計モチーフ・平成ラストライダーは演技経験ゼロイケメン(制作発表)
・スポーツ報知 2018年8月8日(水) 「仮面ライダージオウ」主演 奥野壮 17歳(制作発表)
徳島新聞 2018年9月7日(金) 仮面ライダー引き継ぎ 先輩・犬飼、奥野に助言
中日新聞 2018年10月7日(日) 大幡しえり 未来から来た少女役 “ライダー”全力で支えたい(UP)
・茨城新報 2018年10月20日(土) 平成最後の20作目 全世代ライダー大集合(ウォッチ 情報)
・読売新聞 2018年8月29日(水)夕刊 ALL ABOUT 平成仮面ライダー(popstyle)(見開き2面記事)
夕刊フジ 2018年1月11日(木) 裏方ヒーローに変身! デビュー10年 白石隼也 13日公開「ホペイロの憂鬱」主演で新境地(『仮面ライダーウィザード』主演)
・茨城新報 2018年10月15日(月) 県庁前で特撮ロケ 8時間ロケ待機 住民ら500人共演(「仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER」ロケ)
・スポーツ報知 2018年7月24日(火) 俳句王 芸能界の夏の夢 岩永徹也 IQ150の天才俳優(『仮面ライダーエグゼイド』仮面ライダーゲンム役)
日刊ゲンダイ 2018年11月1日(木) 愉快な“病人”たち 俳優 伴大介さん73歳 十二指腸潰瘍穿孔・腸閉塞 胃腸を市販の胃薬でごまかしていたら寝ている最中に腹の中で「プチッ」と音がした(『人造人間キカイダー』&『イマズマン』主演)


[関連記事]

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[関連記事] ~平成ライダーシリーズ最終回・総括

 (平成ライダー各作品の「終了評」の末尾に、関東・中部・関西の平均視聴率を加筆!)

仮面ライダークウガ』最終回・総括 ~終了賛否合評

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20001111/p1

仮面ライダーアギト』最終回・総括 ~終了評 ―俺の為に、アギトの為に、人間の為に―

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20011108/p1

仮面ライダー龍騎』最終回 ~終了賛否合評1

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20021108/p1

仮面ライダー龍騎』総論! ~終了賛否合評2 ―『龍騎』総括―

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20021109/p1

仮面ライダー555ファイズ)』最終回・総括 ~終了評 ―平成ライダーシリーズ私的総括―

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20031108/p1

仮面ライダー剣ブレイド)』最終回・総括 ~終了合評 會川ヒーローは痛みと深みを増して

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20041113/p1

仮面ライダー響鬼(ヒビキ)』最終回・総括 ~後半評 路線変更後の所感

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070106/p1

仮面ライダーカブト』最終回・総括 ~終了評 終戦の白倉ライダー

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070211/p1

仮面ライダー電王』 ~後半評 複数時間線・連結切替え!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080217/p1

仮面ライダーキバ』最終回・総括 ~その達成度は? 王を消して一緒になろうと言い寄る弱い女の狡猾さ

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090215/p1

仮面ライダービルド』最終回・総括 ~三国志・火星・宇宙・平行宇宙へ拡大する離合集散・二重人格劇!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20181030/p1



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