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ウルトラマン80 24話「裏切ったアンドロイドの星」

ファミリー劇場ウルトラマンエイティ』放映記念(2010年10月から毎週土曜より放映!)「全話評」連動連載!)
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『ウルトラマン80』全話評 〜全記事見出し一覧


第24話『裏切ったアンドロイドの星』

戦闘円盤ロボフォー 友好宇宙人ファンタス星人(偽者)登場

(作・平野靖司 監督・外山徹 特撮監督・高野宏一 放映日・80年9月10日)
(視聴率:関東9.6% 中部14.9% 関西14.8%)


(文・内山和正)
(1999年執筆)


 宇宙は広いとはいえ、様々な組織が存在するものだ。


・“宇宙警備隊”(ウルトラマン一族が結成した組織)


・“銀河共和同盟”(10話「宇宙からの訪問者」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100704/p1)に登場した惑星調査員の女性アルマが所属する組織)


・“宇宙Gメン”(21話「永遠(とわ)に輝け!! 宇宙Gメン85」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100919/p1)に登場したL85星人ザッカルが所属するアンドロメダ系の宇宙人が中心になって組織された怪獣専門の捜査官)


 そして今回は“銀河大連邦”の構想が持ちだされる。


 これらの組織が自分たちのやり方を押し通していたら、争いになるのではないかと心配になる(笑)。


 ファンタス星人が超巨大な円盤で新宿の高層ビル街上空に飛来した。
 防衛組織・UGMは戦闘機エースフライヤー・スカイハイヤー・シルバーガルで警戒出撃する。円盤が降下をはじめたのを見て、UGMは攻撃を開始しようとするも、円盤から緑色の光線が放たれて戦闘機は空中に停止してしまう。


 円盤からは女性の声で、宇宙の各地をユートピアにしようとする「銀河大連邦」への加盟を地球に持ちかけてきた。円盤の底面中央から検討用に「銀河大連邦」の資料を収納したボックスが物質移送され、再訪の際には快(こころよ)い返答を待つと言い残し、円盤は上空に去っていった。


 UGMの隊員たちが「眉唾(まゆつば)もの」と思うなか、正体はウルトラマン80(エイティ)こと主人公・矢的猛(やまと・たけし)隊員は「信じる」と主張する。ファンタス星人のことも銀河大連邦のことも、M78星雲の宇宙人であるウルトラマン80が地球へ来る前に耳にしていた存在だからだ。


 「銀河大連邦」に加盟すれば地球人の科学力だけでは当分かなえられないだろうユートピアが実現する。「ユートピアとは他人に与えられるものではなく自分たちで掴み取るものだ」との正論、「その達成に長年月がかかるのならば授与されるのも悪くないのでは?」との反論も出て、議論は百出する。
 「銀河大連邦」から与えられた、怪獣も出現せず人々に心の余裕を与えて争いごとをなくすという合理的な都市計画などの資料を検討の末に、隊員たちが乗り気になってくるなか、逆に矢的には疑念が生まれてくる……


 我らがUGM・極東エリアの隊員たちによる夜を徹してのボックスの解析結果をもとに翌日、世界各国の首脳たちが旅客機で東京に続々集まり、「銀河大連邦」への加盟がついに議決された。


 再び飛来したファンタス星人との調印式の会場で、矢的はなんとかそれを阻止せんと妨害するが、乱心者と誤解されて拘置所に幽閉されてしまう。


 拘置所の矢的を銃器で暗殺せんと現れた宇宙人に、ファンタス星人をマークしていたUGM隊員たちも、ついにその真の正体を察知した。


 策謀はここまでとばかりに、ファンタス星人はついにその牙を地球攻撃に向けて自身らの円盤を変型させて、四方に突起や砲口を持つ戦闘円盤ロボフォーからの爆撃も開始した!


 迎え撃つ地球防衛軍の戦車隊は壊滅し、戦闘機は緑色の光線で空中に停止してしまう。
 戦闘機スカイハイヤーも撃墜されて、搭乗していた矢的は墜落の直前にウルトラマン80へと変身!
 80とロボフォーの戦闘の火蓋が切って落とされた!



 本放送当時は私事で恐縮だがSF的な知識が乏しかったせいだろう、人間(地球人ではないが)に造られた労働用アンドロイド(人型ロボット)が反乱を起こして人間を殺して入れかわり、よその星の人間を奴隷にしようとしていたという真相はショッキングなものに感じていた。


 今ではわりとありきたりな話に思うし、「ユートピアは自分たちの手で造るべきだ」という世間一般的には圧倒的に正論だとされている思想自体も、圧制国家や専制国家が自力でユートピアを築けずに、国内の弱者が犠牲になり生命の危険に何十年間もさらされつづける極限状況まで想定するならば、必ずしも常に是でもないのでは? とも思っているのだが、本エピソードの話の進め方自体は決してつまらないものではない。


 この時期の『80』各話に多用された“矢的だけが宇宙人(の超能力)ゆえに知っていた”というパターン。いつもなら“宇宙人の嘘や虚偽であることを知っていた”というところからはじまって、だまされる地球人とそれを防ごうとする矢的の危機という構図の作劇だけで終わるのだろうが、今回は矢的の立場が変転することで、視聴者にも「ファンタス星人の正体」や「ユートピアが他人から与えられることの是非」について考える余地を与えている。


 さらに何者かに監視されていることを感じる矢的にはじまり、夜道で暗殺者に襲われるなど「不審感」や「サスペンス感」も高めていく。


 矢的が自分を襲ったアンドロイドの残骸をわざわざUGMに調査しに持っていくところは、彼が80ならそんなことをしなくても個人的に処理すればいいのでは? と思わせたが、のちに調印式を妨害した彼の無実と主張の正しさを証明する役にも立っていて、巧(うま)いと思わせた。


 拘置所で再び暗殺されそうになる矢的を救うのは、シリーズ途中加入のイトウチーフ(副隊長)で、またまた彼を目立たせている。



◎『80』のこの時期の宇宙船や円盤のミニチュア群のデザインのセンスのよさ、ディテールの細かさや汚し塗装も含めたリアルさは、当時大流行したハリウッドのSF映画(『未知との遭遇』『スター・ウォーズ』(共に77年・日本公開78年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200105/p1))における宇宙メカやUFOの描写の影響によるものでもある。本話に登場したファンタス星人の円盤なども、そのリアリティと巨大感を見事に再現してみせた特撮がすばらしい。
 本話にはいわゆる巨大怪獣が登場せず、この巨大な円盤とウルトラマンが戦うパターン破りのクライマックスを描く回となる。


◎“銀河大連邦”ならぬ“銀河連邦”といえば、今では有名無実化されているが、72年ごろに『ウルトラマン』シリーズをはじめとする『ミラーマン』(71年)や『トリプルファイター』(72年)などの円谷プロ製作の一連の全作品は同一世界の出来事であるとした大設定の呼称のことでもあった。


◎本話の欠点は、明らかなネタバレとなってしまうサブタイトルかもしれない。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2000年号』(99年12月26日発行)『ウルトラマン80』大特集・合評8「ウルトラマン80全話評」より分載抜粋)



編:往年の“銀河連邦”の設定は、今年2010年末に公開される映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』(10年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20111204/p1)にもアレンジされて再登場!
 パラレルワールド=別の宇宙に乗り込んだウルトラマンゼロは、70年代の円谷巨大ヒーロー、『ミラーマン』(71年)のアレンジ・ミラーナイト、『ファイヤーマン』(73年)のアレンジ・グレンファイヤー、『ジャンボーグA(エース)』(73年)のアレンジ・ジャンボットと共演を果たすことになったのは、マニアのみなさんもご承知の通り。



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